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シリーズTPP第一弾(全7記事)

TPPが日本の技術や地域の名産品を守る? 西村康稔議員が解説

自民党のトーク番組CafeStaで新たに始まった「シリーズTPP第一弾」。総裁特別補佐であり、衆議院のTPP特別委員会の理事も務めた西村康稔氏がTPPのメリットについて詳しく解説しました。

投資の保護について

西村:それから投資の保護なんですが、これはものすごく大事な点で、2点申し上げたいと思います。

1つは、これが非常に大事で、特定措置の履行を要求されると。先ほど出ましたけれども、1つは特定の技術とか製造工程、これをその国に移転をしろと要求されるわけですね。

「うちに工場作ってもいいけど、その代わりプリウスの技術を教えろ」とか。

宮崎:みんな中抜けされちゃう。

西村:それから、一定水準のサービスとか物品の調達は輸出をしなきゃいけないとか、一定のものは物品調達もその国のなかで行えとか、こういう要求をしちゃいけないということを決めましたので、これはものすごく大きなことなんですね。今後いろんな国が入ってくるからにはこれを守ってもらわなければいけませんので、すごく大事な点だと思います。

で、もう1点がISDSというのがあるんですけれども、これは後ほど出てくるかな。

宮崎:そうですね。だからやっぱりこういうかたちで活動の領域を広げていったとしても、肝の部分をとられちゃうということはさせないよと。

このルールでなければ入れませんよというのをしっかり伝えていかないといけないですね。

西村:そうですそうです。投資の保護というのは日本企業にとっては、各国に展開、日本は人口が減っていきますので、アジアは人口が増えて世界でもっとも成長する、そこに工場を展開したりとかサービスを展開するうえで、先ほどの知的財産の保護もそうですし。

そのときに「技術をよこせ」とか「一定程度は地元から調達しろよ」「一定程度輸出しろよ」とかいろんな要求されることがなくなりますから、これはものすごく大きな点だと思いますね。

宮崎:やっぱり少子高齢化が進んでいく我が国が、大きなバリューチェーンのものでマーケットを自らのルールも入れて作っていくということの価値なんですけど、私たちの国の将来を作っていくという意味ですね。

地理的表示とはなにか?

西村:それから金融についてですけれども、マレーシア・ベトナムで支店やATMの数に制限があるんですけれども、これが大幅に緩和されますし、出資の規制も緩和されると。

それからもう1つ、これも大事なんですが、実は連邦国家というのは州政府が独自にいろんな規制をやってるんですけれども、とくにアメリカ・カナダオーストラリア、こういった国に対しては、地方政府、州政府の規制について協議をしてそれを改善していくというメカニズムが入りましたので。

これまで日本はまったく言ってなかったんですけれども、私も交渉のとき相当強くやりましたけれども、地方政府が勝手に「バイ・アメリカン」と、アメリカの商品を買えというのをやっているんですけれども、そこはオープンに自由にやってもらうためのメカニズムを入れましたので、そういう方向で今後議論が進んでいきます。

宮崎:協議ということは?

西村:ええ、協議でこちらから申し入れをして向こうが応じるということになってますので、とくにオーストラリアは、大臣もぜひこれはやろうということで言ってくれてますし、アメリカはなかなか厳しいですけれども、しかしこれから日本としてやっていきたいと思います。

それからこれが大事でして、「地理的表示」ってあんまり聞いたことないと思いますが、なにかといいますと。

私の地元、兵庫県で言いますと、神戸ビーフとか但馬牛とかいうんですけれども、北海道だと夕張メロン。福岡の八女茶。沖縄は残念ながらまだないですけれども……。

宮崎:ないです(笑)。

西村:千葉県もないですか?

元榮:ないですね。

西村:まだないですか? 熊本のい草とか、鳥取のらっきょう、加賀の丸いも、下関のふく、能登半島の柿とかですね。いろんな地域の地名がついた産品を地理的表示というんですけれども、これをお互いに保護しようということが今回盛り込まれましたので、農水省は今後これを増やしていきますから、今11品目ですけれども、地域の産品を地理的表示の保護の品目として認定をされると、国際的にその真似をできない。

神戸ビーフも、神戸の牛肉しか、どこかでほかの国の牛肉を使って神戸ビーフと表示ができなくなります。そういう意味で保護し合うということが決まりましたので、農水省もこれから品目を増やしていくことになりますし、ぜひ日本全国いろいろな産品をこういうかたちで海外にブランド化して輸出を増やしていただければと思います。

地域の産品をブランド化して海外に輸出

宮崎:これは本日現在ですよね。追加でどんどん増やして、今21まできましたけど。

西村:地域で働きかけをしてもらって、どんどん増やしていってもらえればと思います。

元榮:落花生とか。

西村:いいじゃないですか。特徴がなければいけないんですよね。あるんでしょ、なにか。

元榮:あります。独自の品種が。

西村:そういうものは認定されますから。それはほかで真似もできなくなりますので。国内的にもいいですし、国際的にもブランドとしてどんどんやっていけるということですね。

宮崎:これ要件がしっかり決められるんですよね。この要件にしたがって生産をされているというものを地理的表示の保護の対象にと。だからこの要件の設定とかも含めて、協議していかなければいけないですよね。生産者のみなさんがしっかりと使えるようにしていかなければいけない。

西村:地方の特徴がなければいけないんですね。らっきょうでもどこでも作っているものでなくて、鳥取ならではのらっきょうとか、そういうことですよね。

それから、その関連で言うと、日本酒というのはアメリカで地理的表示で保護することになりますので、日本で作った日本酒以外を日本酒と呼べないとアメリカに言います。

あまり知られていないんですけれども、もちろん日本酒の関税はすべての国で関税撤廃されますが、これまでアメリカでは4合瓶とか一升瓶では流通ができなかったんです。アメリカのバーボンとかの瓶に移して流通させなければいけなかったんですけれども、まさにこれはアメリカの非関税障壁だと思うんですけども、今回我々は相当強く交渉しまして、今後アメリカで法改正する予定になっていますので、いわゆる日本で4合瓶とか一升瓶とかこれで流通……。

宮崎:これ、瓶も文化ですよね。

西村:そうですね。日本酒が世界的にブームになってますけれども、アメリカでもそのままのかたちで輸出ができます。なんか日本はとられてばかりじゃないか、アメリカの属国になるんじゃないかという意見もありますけども、先ほどの地方政府の規制もそうですし、4合瓶とか一升瓶の流通もそうですし、いろいろなことを我々も要求して、アメリカはほとんど関税も撤廃になりますし、牛肉なんかもアメリカは輸出幅を相当強く広げてくれていますし。

宮崎:焼酎なんかもそうなんですか?

西村:焼酎もそうですね。ですのでかなり変わってきます。

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