2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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高橋ひな子氏(以下、高橋):女性委員会の時に韓国でのお話を伺うと、日本と同じような事情にあって女性議員の数が少ないですよね。
野田聖子氏(以下、野田):日本の女性の働き方による貧困がいわれる中で、韓国も同じかそれ以上に貧困であるという残念な共通点を見つけて、お互いに解決できればなっていう。
高橋:だいたい3年くらい前から、野田先生を中心に日韓の女性議員の交流があって私もいい勉強をさせていただいています。
野田:女性議員っていうのは(国政に関わる)ぎりぎりの場面には立たせてもらえないけれども、女性委員会といえども相手は厳しい糾弾をしてくるなか、私たちもきちんと理論武装をしてお互いに国の代表として言うべきことを言うっていう機会なので、いい経験をさせてもらっているかなと思います。
高橋:先輩女性議員の方々がいらっしゃるおかげで私たちもいろんな質問ができるし。
野田:国会議員として言うべきことは言う、女性という共通項のなかでお互いの悩みを共有して答えを出していこう、という両輪だよね。
高橋:そうですね。それだけ活躍されながら、先ほどご主人とお子さんのお話がありましたけど、お子さんかわいいですよね。この間お会いして。
野田:いやいや、私にとっては世界一手ごわい相手でございまして。国会議員のみなさんといろいろと論争して経験してきましたけど、5歳の息子の理不尽不条理に勝るものはないと、大人なら話せばわかるけど子供には話してもわからない世界があるということで、そういう意味では忍耐強くなったし、自分の考えを押し付けることがいけないんだなってことを子供から教えてもらっているから、ひと呼吸おいて仕事ができるようになったかもしれない。
高橋:じゃあ子育てっていうのは実はいろんなことの勉強になっているという?
野田:つらいことって後でプラスになるじゃないですか。私も落選したこととか一時期(自民党を)離党せざるを得ない時期とか、それはそれで大変だったんだけれど、今いろいろ考えたり得た人脈が逆に活きてきたり、天秤にかけると悪いことといいことがイコールになるのかなという。
息子を授かったことはすごく幸せなことだけど、お気楽なことではなくて、1人の命を守っていかなきゃならないっていうのはすごく責任感はあるけど、言うことは聞いてくれなくて。ということでホンマに苦労してます。
でもその結果、短気だった自分がちょっと緩やかになって同僚議員から「優しくなったね」って言われたりとか(笑)。
高橋:私はずっと優しいと思ってましたけど。
野田:いやあ男性議員にはね、きつかったらしいんですよ。
(会場笑)
(画面外にいるスタッフに向かって)そう? ぜんぜん普通にしゃべっているんだけど最近優しくなったねって言われて。
高橋:野田先生に女性に向けて講演をお願いしたときも、話のキレのよさとか、自民党の改善点とかをズバッといくじゃないですか。これらに女性のみなさんもすごく共感を持ってくださる。自民党に対していいと思う人やここがなぁっていう人などいろいろいるじゃないですか。
野田:私は勘違いされているんだけど、自民党LOVEだと思うのね。子育てもそうだけど好きだから健やかに育ってほしいと思うじゃないですか。
私の知っている自民党はすごくダイナミックな政党で、若い人たちには上の人たちを突き上げるような純粋なところがあったんだけれど、今は与党だということもあってか、若い人たちは我慢しているのかなあと時々感じられるんです。
実際、若い議員と飲んだ時に「実は野田さんしゃべりたいことがあるんですよ」っていうのを聞くと、私が少しでも地ならしをしといてあげて、若いからこそ突飛でもいいからいろんなアイデアを出してもらえる自由闊達な自民党であってほしいと思うので、賛否両論あるけど自由にしゃべれるところだということを論より証拠でお見せしないと、後の人たちが大変だなあと思って。
高橋:もう姐御ってイメージですね。
野田:まだ「アネ」って言ってくれるだけうれしいよね。「横綱」っていう人がいますからね。
(会場笑)
「アニキ」とかねぇ、まあ性別がどうのこうのっていう時代ではないにしてもね。まあ最初オヤジ議員だったんで(笑)。
(会場笑)
高橋:いや、ぜんぜんそんな感じしないですけどねえ、みなさん。
野田:やっぱり母親になっちゃうとね、女性ですよね。それでもうちの夫からは「髪の毛は切らないで、切ったら本当のオジサンになっちゃうから」と言われてるんですよ(笑)。
(会場笑)
高橋:ご主人の要望でほかにもこういうこととかあるんですか?
野田:いやこれだけですよ。家も空けっ放しだし、出張も多いし、うちの夫は病気持ちの息子のために、仕事もやめて全面的に家事もやってくれている。その夫がいるから自分もいろんな法律案もつくれるし、国会にも休まずいけるし、出張でいろんなお話もできる。
こうやって女性が活動できるのも、エンジン部分でいうところのパートナーが長時間労働でバッテリーが上がってしまうような国では、総理が目指している本当に女性の活躍できる国っていうのは成立しないんだってことを、私は身をもって実感しています。
高橋:私も父親の介護をしているんですけど、家に人を置く、施設に預ける、いろんな経験があって、一緒に住んでいると受けられないサービスがあるんですね。住所は仙台あるもんだから。で、いつもいないのに、すごく不具合を感じていますね。
野田:そうね、だから最近「在宅」っていうキーワードでいろんな政策をすすめようとするんだけど、男の人たちの在宅の前提って自分たちじゃないのよね。
高齢者にせよ障がい児にせよ、そこは無人の家ではないはずで、誰かがいなきゃいけないっていうことが前提になっているけど、男の人たちは「それは自分が」という意識を持っているのかな? そういう部分が今の自民党の男性陣には欠落している気がする。
高橋:そこは女性議員がタッグを組んでアタックしなきゃいけないところですね。
野田:そう。やっぱり社会が必要としている女性の「ウィメンパワー」がそういう家庭の事情で失われると、社会の元気もなくなる。男とか女とかではなく、その人のスキルを社会が活かせるかっていうところが、以前は男性の仕事だったけど、女性のほうがより向いているスキルもあるわけで、そこは感情的にならずに冷静にやっていければなと思います。
高橋:女性と男性がいて家庭の営みも、とかもね。
野田:そうね、夫を見ていて羨ましいのは、長い時間いっしょにいるから確実に息子が愛しているのはパパ(夫)なんですよ。だからパパにはチューをしてくれるけどママ(私)にはためらうところがあるんです。それは世の中の男性が父親として味わっていることなんじゃないかなと思うと、生んだからではなく長くいっしょにいるほうに信頼を置くんじゃないかと、我が家の実験結果で明らかになってきたわけで。
家族を幸せにするために働いているんだけど、家族との距離が遠いと働いていても虚しいよね。自分は今フルタイムで働いていて子供との距離がある分、世の中のお父さんの一抹の寂しさっていうのを分かち合っている気がします。
高橋:すごいですね、女性の心と男性の心がわかっている。
野田:そうなんです。だからオジサンをやり、お母さんをやり、オバサンをやり、またオジサンをやっているみたいな。
高橋:だから姐御、横綱になるんですね。
野田:ドスコイドスコイみたいな(笑)
高橋:すごいなあ。
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