2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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小林:はい。大枠を説明していただいたうえで、コメントでもいろいろいただいています。「どれくらい制度的に育ってるのか?」「細かいところ、どうなってるんだ?」という話もあります。
ここは今、神のように筆を走らせた、自民党若手の村井事務局長から、追加の解説をいただきたいと思いますけど。
小泉:実務のプロだ。
小林:最初にですね、まず各論で、世のなか的にもちょっと賛否あったのは、ゴールド免許のところですね。ちょうど長谷川豊さんのブログの件もあって「やはり同じような話なのか?」がありました。そこについて、まず解説を。
村井:この3つ目の健康ゴールド免許については、我々のメンバーのなかでも、「誤解されないように発信していかなくちゃいけないよね」という話は出ていました。
まず、大きな前提として、今は基本的に医療の自己負担は3割ですが、この3割負担をそれ以上に上げる話ではありません。
健康管理にしっかり取り組んでいただいた方、こちらのほうに例示が出ていますけれど、定期的に健康診断に取り組んだり、保健指導をしっかり受けていただいたりしている方などについては、「自己負担割合3割を下げましょう」と。
そうすることによって、健康寿命の延伸や医療費の抑制を実現していく。自助をしっかりと応援することで、そういったようなことを実現していく目的があり、健康ゴールド免許のような仕組みを入れさせていただきました。
小林:もう1つは、やはり勤労者皆社会保険制度。勤労者とは、要するに「働いてる人みんな」という表現だと思いますけど、「働いてる人ってどういう対象なの?」がありました。
村井:働いている人が具体的にどの範囲かは、これから具体的な制度設計をしていくときに詰めなきゃいけません。我々が議論のなかで目安にしていたのは、週20時間以上働くような方、企業で働くような方については、正規や非正規に関係なく、社会保険に加入をしていただくべきじゃないか、と。
こちらのほうに図があります。これまでは、正規雇用で社会保険に加入している方はそのまま入り続けて、非正規の方は入れないままずっと、高齢者になっていく状況が、模式的にはあったわけです。
これをサークル状にしている、この右側の絵ですね。正規であっても、非正規であっても、企業で働いている方はみんな社会保険に入っていただく。
そうすることで、国民年金部分だけじゃなく、報酬比例の2階建て部分の年金も将来もらえるようにする。
低年金・無年金の問題、ここで放っておくと、かなり大きな問題に、残念ながらなってきてしまうと思います。そこの部分にしっかりと対応した、ということです。
さらに、図のなかには書かれていませんけれど、低所得の方は、保険料の支払いを減免する。今、足元で払っている保険料が減ることで、手取りが増える。そのため、足元の手取り額は低所得の勤労者にとって増えるし、さらに将来の年金額も増えるといったかたちですね。
今後、2020年以降、さらにIoT化やグローバル化で、所得が残念ながら200〜300万くらいのところに1つの大きな山ができてしまう予測があります。そのなかで、こういった社会保障の新しい仕組みを、提案をさせていただいたということであります。
小林:はい。コメントのなかでもちょっとあったんで、改めて補足をしていただきたいと思うんですが。
まずですね、20時間以上の人みんな、社会保険制度に入るようになると「企業の負担が増えるんじゃないの?」という話がありましたが。
村井:そうです。まさにおっしゃる通りで、この仕組みは事業主の方に、ある意味では負担をお願いをするかたちになってきます。
大企業であれば、その負担にしっかりと耐えられるところが多いですが、そうじゃない中小企業は「なかなかそういったような負担は難しいよ」といったお話もあります。そこは激変緩和の措置を、しっかりと対応していかなきゃいけないと思います。
また、もう一歩引いて考えると、委員長代行からもありましたけれど、我々は解雇規制の在り方も考えていきます。
これまでの雇用主と雇用される側の関係、在り方を変えていく。より働く場所、また、働く人を選べるような仕組みにしていくなか、企業主の方にもご負担をお願いをしていくことになるかと思います。
小林:はい。一方で、「働いている人の負担はどうなるの?」もありました。
村井:はい。働いている人の負担は必ず減る、もしくは、変わらないかたちになってきます。
例えば、「130万の壁」という話がよくありますけれど、この仕組みで基本的には解消されていきます。
「130万の壁」とはなにか。例えば奥さんが100万、120万と稼いでいる間は、3号被保険者なので保険料を払わなくても社会保障の対象でした。しかし、130万を超えると対象外となり、保険料を納めなければならなくなる。これにより、手取りが減ってしまう問題がありました。
この仕組みでは保険料を減免していますから、130万を超えて保険料を納めなくちゃいけなくなっても、その分は免除されているから、給与収入や手取りがどんどん上がっていく。そのカーブが、スムーズに接続をされる仕組みになっていきます。この仕組みによって130万の壁も解消されますし、低所得の方は、手取りが必ず増える仕組みになっております。
小林:正規、非正規を一掃するという具体策にもなりますし、将来の低年金者を減らすことも入っています。企業に厳しい部分もあれば、逆にインセンティブが働く部分もあるということで、実はバランスを考えた政策になっていると、ご理解いただけるんじゃないと思います。
年金のところは、なにか補足ありますか?
村井:委員長代行からもありましたけれども、この年金のところは、まず働き方改革ですね。
例えば、高齢者が元気になってきて、より長く働けるようになってくるだとか。あとは、IoTの導入で、より働きやすい環境が整ってくる。それが前提なんですね。
ライフスタイルの変化がまずあって、高齢者の方でもより長く働けるようになってくる。というよりも、働きたい人がどんどん働くような時代になってくるのに合わせて、我々は支給開始年齢も引き上げていかなきゃいけないと考えております。一部報道で、「とにかく年金財政大変だから、支給開始年齢、後ろ倒しにするんだろ」ではないのですね。
我々はライフスタイルの変化を見据えています。支給開始年齢は、議論をし始めてから実現するまで時間がかかるものです。そういうものをしっかり念頭に置きながら、制度改革を今から議論をして、想像しているということであります。
小林:今、大変重要なのは、やはり財政論ではないというところです。みんなの生き方がこれから変わっていくものに、政治がしっかり制度を合わせていこうという背景があると、ぜひご理解いただけたらと思います。
ラストのゴールド免許のところもしっかり補足をいただいたんで、これでだいたいフルカバーできたかと思いますが。なにか代行から補足はありますか?
小泉:ここで永久欠番の橘委員長から、なにかコメントを含めていただけたらな、と。
橘:はい(笑)。自分はこの議論は、今日初めてくわしく聞いたんですけども。
お話があったように、生き方が変わる……人生100年っていう、1つの新しい生き方、ライフスタイルのなかで「どういうセーフティーネット張るかのか」「働き方、暮らし方、そういうものが変わっていくんだ」というところですよね。
そこで、今まではカチッカチッと決めていたさまざまな制度も、もっと違った光の当て方あると、今日は思いました。70歳、71歳、72歳、どこで年金もらってもいい、ちょっと車の損害保険と合わせちゃいけないのかもしんないけど、健康に注意した方は、そこでインセンティブがあるなどですね。
要は、いろんなことが弾力化していく、多様な生き方に対応できる柔らかい社会を作っていく感じを、実は今聞きながら思ったんですね。「逃げ切り世代」ということで、逃げ切らずにしっかり現役でがんばりたいと思います。
(一同笑)
小林:全体のなかで、ご自身だけが年代が高いということで、「逃げ切り世代」と言いながら、我々をまとめてくれた永久欠番の委員長にお言葉をいただいたというところで。
最後はそれぞれから。この小委員会も継続で、「今度は子供・子育てもやります」に進んでいきます。そのあたりも含めて、じゃあ、山下さんから。
山下:今回の議論のなかで私が1つ感じたのは、「今の制度のままでもいい」「今の生き方がいい」と言われる方が、この委員会のメンバーにもいらっしゃいました。そうした方も含めて、いろんな生き方を包含できる制度を、我々としては考えていかなくちゃいけないと議論してできたのが、今回の3本柱を含めての提言なんでですね。
あとは、さらに「子供・子育て」も、そういった尺度や基準で、議論していきたいと考えていますね。
小林:はい、ありがとうございます。大沼さん、いかがですか?
大沼:今回の議論では、「20年勉強して、40年働いて、20年年金をもらう」という戦後のスタイルから、きめ細やかにそれぞれの生き方に合った働き方を社会保険制度でサポートして、さらには、年金、また医療でも、がんばる人を応援して、インセンティブをつける。そういった、いろんな働き方や生き方に対応する提言ができたと思います。
今コメントでも、配偶者控除や「専業主婦の声も大事にして」など、いろんな声をいただきました。これから子育てをしながら働く女性も、子育てがんばってる女性も、そういったそれぞれの家庭で、男女がともにがんばって子育てをするなかで、社会保障の4番目の柱「子供・子育て」の支援策についてしっかり議論していくことが、これからの私たちの新たなテーマでもあると思っています。がんばりたいと思います。
小林:村井事務局長はいかがでしょうか。
村井:今回の提言を先週出させていただいて、さまざまなところで賛否両論のご意見をいただいています。それがまさに我々の狙いだったんです。
我々として、2020年以降見定めて、あるべき姿、また哲学的なものを打ち出したつもりでありますけれど。もちろん賛同していただけるところ、そうでないところもあると思います。
ですが、少なくとも我々若い世代含めて、日本国民全体があるべきこの国の姿、また社会保障の在り方を徹底的に議論して、より良いものをみんなで作り上げていくことが日本全体にとって大切だと思います。みなさん、ぜひいろんなご意見を、これからもいただければと思います。ありがとうございます。
小林:最後に、代行の決意を。
小泉:先ほど、橘先生が言ってくれたなかで「これからの時代に備えて、もっと柔軟にするんだね」というひと言に、実はすごく大切なところがあって。これは「選択肢を増やす」でもあると思うんです。
例えば、年金では「何歳からもらい始めるか」は、みなさんの選択肢になります。そして、健康ゴールド免許も、今までのように生活の在り方を変えなくても、3割負担は変わらない。だけど、より健康であるためのさまざまな自助努力や、インセンティブがつく方向にがんばった結果として、より報われる制度設計も用意をする。
そういったかたちの選択肢を増やしていくことは、政治の役割としてすごく大切なことだと思うので。今回を機に、最近あまり盛り上がってない「社会保障の将来像はどうあるべきか」議論を巻き起こすきっかけになれば、と。さっき村井さんが言ったみたいに、噛みついてください。いっぱいご意見ください。
このままかたちになるとは、必ずしも思ってませんし。より良いブラッシュアップしたかたちに、この方向性のなかで、国民の議論の結果なっていくとしたら、それこそがまさにみんなで作る社会保障になると思うんで。いずれにしても、議論しましょう。そういったきっかけになることを願ってます。
小林:はい、ありがとうございました。ぜひ、中間報告の「レールからの解放」も見ていただけると、この概念もよく伝わっていくんじゃないかと思います。
今までの一本道のレールではなくて、「いろんな選択肢が選べる」。こういう環境を作るのがこれからの政治、そして、社会保障の在り方、こういうことじゃないかなというのが、我々の根本にあるので。
「どっちにあるべきだ」というコメントもいろいろ流れて、ちょうど議論が巻き起こってます。これからは、「それぞれがそれぞれの選択をできる」という制度に、私たちは前に進めていきたいと思います。
また、たくさんの意見をいただきつつ、みなさんにも「人生100年どうやって生きるか」を議論をしていただけたら、この意義もあるんじゃないかなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
今日はあまりボケもコメントも拾わず、申しわけございません。
(一同笑)
ちょっと真面目な放送だったんで。また楽しい放送もやらせていただきますので、そのときも応援よろしくお願いします。それでは、本日はみなさんもありがとうございました。
(一同拍手)
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