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「メディアが報じないパチンコ業界の闇」 ひろゆき×若宮健(全3記事)

ひろゆき「パチンコやる人ってバカなんですか?」 メディアが報じない、パチンコ業界のリアル

年間20兆円以上もの売上の裏側で、多くの依存症患者を生み出し、借金による自殺者まで出しているパチンコ業界。なぜパチンコは日本から無くならないのか。そして依存症の人はなぜ負けるとわかっていてもやめられないのか。ひろゆきこと西村博之氏が、パチンコ問題を追い続けてきたジャーナリスト・若宮氏、元パチンコ依存症で現在もパチンコ店に務める芸人・ウェルダン穂積氏とともに、そのタブーに迫ります。

「反パチンコ本」を書いたワケ

西村博之(以下、ひろゆき):「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」という本を書いた若宮さんに、日本のパチンコ状況について色々お聞きしたいと思います。というわけで、よろしくお願いします。

若宮健(以下、若宮):若宮健です。よろしくお願いします。

ひろゆき:最初に自己紹介的なものがあれば。

若宮:僕が最初にパチンコに関する本を出しましたのは、2006年です。それから今回の本で三冊目になります。

ひろゆき:じゃ割と、毎年のようにパチンコに関して(執筆を)?

若宮:そうです。たった一人で反対の狼煙をあげてきました。

ひろゆき:なんでそんなにパチンコ本を書く気になったんですか?

若宮:最初の本を出す6ヶ月前に、知り合いがパチンコ依存症で自殺したんですよ、自宅で。悲惨な話なんですけど、首吊り自殺したんですよね。建売を買い増してから5年くらい経たないうちだったんですよ。

ひろゆき:一軒家買って?

若宮:はい。当然のごとく借金を抱えまして、サラ金から追われるという形で。結局僕が書くしかないと思ったわけですよ。

ひろゆき:他にあんまり反パチンコ本ってないですからね。パチンコ雑誌は死ぬほどありますけど。

若宮:おっしゃる通りです。

ひろゆき:で、最初にいきなり取材を始めて?

若宮:そうですね。パート1とパート2がありまして、パート1を2006年に出したんですけど。その後たまたま韓国に取材に行きまして、韓国がパチンコを禁止したのを僕が日本で初めてスクープしたんですよ。

ひろゆき:日本では全然ニュースになってなかったんですか? 僕も韓国でパチンコが禁止になったの知らなかったんですけど。

若宮:そうでしょう。初めて僕がスクープして、マスコミに持ち込もうと思ったんですが、日本の場合はご存じの通り、パチンコ批判というのがタブーのようになってまして。それで自分のホームページでスクープしたんですよ。それで『若宮健リポート』というタイトルでホームページに書きまして、それがだいぶ話題を呼びまして、ネットで多くの方が紹介してくださったんですよね。

ジャーナリストになった経緯

ひろゆき:ちなみに若宮さんって、元々職業はジャーナリストで良いんですか?

若宮:どれでも結構です。

ひろゆき:どういう仕事をしてジャーナリストになったかとかあれば。

若宮:僕は本来は車が本職だったんですよ。トヨタのディーラーに足掛け20年勤務して、独立し、自分で中古車ディーラーを立ち上げまして。

ひろゆき:トヨタの社員から独立して自分で会社を作られたというわけですね。

若宮:全然ちっぽけな会社ですけどね。

ひろゆき:割とじゃあ大成功な感じで?

若宮:いやいや、それが3年でずっこけましてね。 そういう経験がございます。

ひろゆき:その後いいんですか、タクシーの運転手やってた話とかしなくて。

若宮:ああ~、全然それも。あります。

ひろゆき:車が好きだからタクシーの運転手始めたんですか?

若宮:元々車屋ですから、タクシーに乗る事は全然抵抗なかったんですよ。損保の代理店もやりましたけどね、損保の代理店なんていうのは大体直営ディーラーであれば、もともと負担していた仕事ですから、いとも簡単に入れる仕事なんですね。ただ僕にとっては面白くないんですよ、刺激がなくて。 それでタクシードライバーに挑戦しまして……結局本を書くネタが欲しかったんですよね。

ひろゆき:本を書くためにタクシードライバーになったんですか?

若宮:それもありますね、全部ではないですけど。

ひろゆき:じゃあ本を書かれて何年くらいなんですか?

若宮:10年になりますね。これで7冊目ですから、少ないんですよ。年に一冊ペースなんですから。

ひろゆき:本を書きたいと思ってタクシー運転手になられたんですよね? ネタを集める手段として。

若宮:最初のきっかけはそうです。

ひろゆき:タクシーの本を書いて、その後の職業がジャーナリストさん、って事なんですか?

若宮:結局ですね、損保の代理店も経験しましたし……。

ひろゆき:言いたくない事があれば言わなくて大丈夫ですよ。

若宮:秘書的な事もやりましたね。

ひろゆき:政治家の秘書ですか?

若宮:某アパレルメーカーの社長の。ベンツを運転出来る人がいないと。秘書も出来る、両方出来れば最高だという事で。

ひろゆき:ベンツの運転ってそんなに難しいんですか?

スタッフ:ちょっと30秒ほど番組ストップして。

ひろゆき:すいません。30秒ほど再起動します。

(機材トラブルのため番組中断後、再開)

ひろゆき:では「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」という事で、メディアで報じない業界の闇という事で、若宮さんに来ていただきました。どうも初めまして~! まず自己紹介から……、っていうのは冗談で(笑)、すいませんね、トラブル続きまして。というわけで、本題の方いきたいと思います!

2006年、15,000店のパチンコ屋が韓国から消えた

ひろゆき:僕は韓国にパチンコあるの知らなかったんですけど、2006年8月に撤廃していると。これ結構、僕の中では驚きだったんですけど、韓国がなんでパチンコを全廃したのかっていうのが本になってると。理由をちょっと触ってもらっていいですか。

若宮:韓国のパチンコの歴史はそう長くはないんです。2000年頃からですから。最初は許可制だったんですよ。

ひろゆき:パチンコ屋さんを作るには許可がないと作れないと?

若宮:それで2003年から認可制になりまして。あまりに増えたから認可制になったんですね。

ひろゆき:認可制って事は届け出を出せば誰でもパチンコ屋を開けると。

若宮:そうですね。都局が認可すれば。ただ日本と違いまして、そう大きな店は無かったんです。パチンコの台数にして大体40~100台くらい。こじんまりとした。

ひろゆき:学校の教室くらいですか、40台って。

若宮:そうですね。店舗数は多かったですよ。最盛期には15,000店です。

ひろゆき:15,000店。韓国の人口って?

若宮:4,500万人です。

ひろゆき:1,000人に1人分くらい? そうするとパチンコ屋に10人くらい働いてるじゃないですか。そうすると人口の1%くらいパチンコ業界っていう事になりません?

若宮:実際はファミリーでやってるとこが多かったんですよ。

ひろゆき:家族でパチンコを運営している?

若宮:ええ、そういうパターンが多かったんですね。

ひろゆき:じゃあそのお父さん、お母さん、子どもがパチンコ屋を経営してると。

若宮:ですから小さい店が多くて、そのかわり加熱して道路挟んでズラッとパチンコ屋が並んでいたという場所もソウルにあったんですよ。実際そこに僕行ってみましたけど、今はもういっぱい飲み屋さんに変わっていました。

ひろゆき:10,000店って言ったら町じゅうにある感じですもんね。

若宮:15,000店ですね、最盛期には。

韓国式のパチンコシステムとは?

ひろゆき:てことは、それくらい儲かってたって事ですよね。

若宮:儲かってたんですよ。日本のパチンコ台を中古で輸入しまして、釘を取っ払うわけです。で、玉は弾かない。

ひろゆき:そうすると、打ってもストンと落ちるだけじゃないですか。

若宮:メダルなんですよ。10,000ウォンを入れますとね、メダルが出てくるわけです。

ひろゆき:硬貨が出てくるんですね。

若宮:パチスロに使われるようなメダルですよね。皿に乗っけますよね。4秒に一回メダルが落ちて画面が動くわけですよ。リーチの画面が。

ひろゆき:回すといきなりリーチ面が回るんですか? キューンっていってどっかの当たりに入って、スロットが回るとかではない?

若宮:メダルが落ちるとリーチの画面が動いて、かからない時もありますよ、もちろん。日本の台と同じですから。大当たりすると商品券が出てくるんですよ、玉の代わりに。

ひろゆき:それって最初からパチスロにすればいいじゃないですか。メダル入れて回ってくるんだったら、台いらないじゃないですか。

若宮:そりゃそうですね。ただ「海物語」、日本でも人気ですよね。

ひろゆき:海物語、はいはい。

若宮:あれが韓国でもものすごい人気だったんですよ。パチンコの海物語の画面が韓国の人を虜にしたんですね。

ひろゆき:日本でも割と虜になってますもんね。これは別にパクったわけじゃなくて、日本の海物語の台を韓国に持って行ったっていう事ですもんね。

若宮:釘だけ取っ払ってですね。

ひろゆき:韓国でもマリンちゃん大人気と。

若宮:それで商品券が出てきますよね。店の外に出ますと一坪くらいの小屋があって、これは日本と同じですよ。その商品券を持って行きますと現金に。

ひろゆき:それなんか黄色い看板でTなんとかCとか書いてあるんですか?

若宮:ええまあ、日本と同じように店を出て近くにあるっていう。

ひろゆき:日本と同じでどの換金所でも良いんですか?

若宮:その店のすぐそばの換金所ですね。

ひろゆき:通りにパチンコ屋がいっぱいあったとしたら、どれに持ってけばいいかわかんなくなるじゃないですか。それも一応決まってるんですか?

若宮:決まってたらしいですね。

ひろゆき:じゃあ日本の算定方式と微妙に違うんですよね。

若宮:そうですね。その商品券を現金化する時に10%手数料取られてたんですよ。

ひろゆき:日本の場合も何か減ってる感じありますよね。

若宮:まあそれはあります。

撤廃のきっかけは大統領親族による「海物語事件」

ひろゆき:そこまでシステムとして街中に普及していたのに、何でなくなったんですか?

若宮:きっかけはですね、当時、盧武鉉大統領の時なんですよ。盧武鉉大統領の甥御さんがですね、商品券発行台から出てくる商品券。

ひろゆき:勝った時に出てくる商品券。

若宮:それに絡んでですね、疑惑を持たれまして。

ひろゆき:それは甥っ子さんの会社が商品券を扱ってたっていう事ですか?

若宮:違うんですね。甥御さんがその商品券の発行に絡んで口利きみたいな事をしたと、そっから始まったんです。それからマスコミが大騒ぎになりまして、マスコミがパチンコの被害を糾弾したんですよ、徹底的に。

ひろゆき:ちなみに韓国ではどんな被害があったんですか、パチンコで?

若宮:若者の首吊り自殺もありました。

ひろゆき:それ日本でも聞きましたけど、韓国サイドでもあったんですね?

若宮:放火もありました。

ひろゆき:パチンコ屋に放火?

若宮:すぐ消火したようで、死者とかそういう被害はなかったようですけどね。

ひろゆき:放火があったり自殺があったり、その事件の名前が?

若宮:パタイヤギ事件ですね。

ひろゆき:これどういう意味なんですか?

若宮:海物語事件っていう事で。

ひろゆき:韓国語で海物語は「パタイヤギ」と言うと。それでパタイヤギ事件と。じゃあ韓国では有名なんですね、海物語。

若宮:有名ですよ、本当有名なんですよ。

ひろゆき:じゃあその海物語事件のせいで、大統領の甥っ子がマスコミから文句言われるようになったと。

若宮:そうです。疑惑を持たれるようになりまして。

なぜ韓国ではメディアがパチンコを攻撃したのか

ひろゆき:日本の場合、マスメディアってパチンコ攻撃しないじゃないですか。なんで韓国のメディアはそんなにパチンコ攻撃したんですか?

若宮:そこが問題なんですよ。韓国はメディアも政治家もパチンコマネーに汚染されていなかったという事が言えると思いますよ。

ひろゆき:日本だとパチンコはスポンサーですからね。

若宮:おっしゃる通りです。

ひろゆき:スポンサーの悪口が言えないと。韓国のパチンコはメディアに対してまだお金をばらまくっていうほど賢くなかったんですね。

若宮:それだけ力がなかったとも言えますね。

ひろゆき:大統領の甥っていうくらいだから、力はあったんじゃないですか?

若宮:規模が小さかったものですから、日本のように協会がいっぱいあったり、マスコミにコマーシャル提供するような事なかったですから。

ひろゆき:日本だとなんとか協会とか色んな団体があって、警察が天下りいれたりとか、スポンサー料でお金払ったりとかいうので権力構造を作ってたけど、韓国はそこまでやってなかったと。

若宮:おっしゃる通りです。

ひろゆき:日本ってパチンコ出来たのいつくらいでしたっけ?

若宮:戦後間もなくですよね。

ひろゆき:1940年代後半みたいな?

若宮:昭和23年か4年じゃないですか。だから戦後間もなくですよ。

ひろゆき:そうすると5,60年と。パチンコが韓国で出来たのは10年くらい。歴史の差は結構?

若宮:歴史の差は結構大きいですけど。

年間売上21兆円 パチンコと日本社会の関係性

ひろゆき:というわけで次のテロップが渡されたんですけど。そもそもパチンコは悪なのかどうかって、僕ちょっと質問したいんですけど大丈夫ですか? 「Q:パチンコはギャンブルだと思いますか?」「A:はいorいいえ」で。一応法律で賭博は禁止されてるので、賭博ではないはずなんですけど。というわけでアンケートお願いします! ちなみに韓国では賭博自体、法律に違反していたんですか?

若宮:実際は換金は出来なかったんですよ。

ひろゆき:賭博自体は違法な国なんですね。だから商品券を作ってその商品券を換金するシステムを作ったと。

若宮:そうです。

ひろゆき:日本の場合はちっちゃい金をいれて換金するんですよね。

若宮:韓国も実際は違法だったんですよね。

ひろゆき:じゃあアンケートの結果の方見ていきましょうか! 

ひろゆき:「はい」92%、「いいえ」7.8%という事で。いいえの人の意見をメールでいただきたいくらいなんですけど、ギャンブルじゃないと思う方は理由を送っていただければ読み上げます。じゃあちょっと話戻しますけど、「パチンコは悪なのかどうか?」というわけで、賭博であれば悪になっちゃうんで、賭博でないという前提で話をするしかないと思うんですけど。パチンコが社会でどういった役割を果たしているのか!? お願いします。

若宮:2009年には、年間で21兆650億がパチンコに浪費されています。

ひろゆき:売上として21兆円規模なんですか? でかいですね。

若宮:21兆650億ですから。

ひろゆき:トヨタの売上が2兆とかそんなんでしたっけ?

若宮:いや、40兆ちょっとですね。

ひろゆき:トヨタそんなにあるんですか、トヨタの半分。

若宮:国の年間の税収が42~3兆ですから。

ひろゆき:国家予算が90兆で半分借金で。

若宮:日本の税収の約半分の金額がパチンコに流れているという事です。

ひろゆき:同じくらいの金額になってると。20兆円の売上っていうと、日本ってパチンコ何店舗くらいあるんですか?

若宮:今13,000店くらいですね。

ひろゆき:じゃあ一つあたり20億くらいの売上っていう事ですか? 

若宮:大きいとこは大きいですから。トップメーカーでマルハンという会社ありますね。そこは2兆円の売上ですよ、年間。

ひろゆき:年間2兆円。昔だってダイエーが売上1兆円とかで大騒ぎしてましたよね。それの倍ぐらいはあったんだ。

若宮:ユニクロが非常に今頑張ってますよね。ユニクロが連結で8000億円。

ひろゆき:ユニクロが8000億なんだ。でもその3倍ぐらいの売上をマルハンっていうパチンコ屋があげていると。

若宮:おっしゃる通りです。

ひろゆき:いやーすごいね。パチンコ業界入っておけば良かったよ。それくらい裕福にお金があるから、CMもガンガン打ったりするし、天下り団体が入ったりと。

若宮:当然のようにですね、蜜に群がる蟻のごとく色んな方が群がるわけですよ。マスコミを筆頭に、政治家も。

ひろゆき:政治家は例えば、どんな群がり方してるんですか?

若宮:アドバイザーという名前で。

ひろゆき:これ後にしましょうね。パチンコがなんで悪なのかの話をしましょうか。具体的にどんな被害があったのか、ゲストの方にお聞きしてみましょう。よろしくお願いします!

現役店員が語る、パチンコ店の内情

ウェルダン穂積(以下、穂積):こんにちは! お笑い芸人で秋葉原でコスプレしてます。

ひろゆき:すいません、お笑い芸人と秋葉原でコスプレが職業としてリンクしないですね。

穂積:ちょっと色々やらさしてもらってますね。そして、現役のパチンコ屋店員としても。

ひろゆき:あっ、まだパチンコ屋店員を?

穂積:そうですね。

ひろゆき:なんでパチンコ屋の店員をやってるのか聞いてもいいですか?

穂積:時給がいいからです。昼1,300円、夜1,400円、22時以降25%アップ、残業もありますんで、例えば主婦とかフリーターとかが時給目当てで(働いています)。

ひろゆき:コンビニだと1,000円いかなかったりしますからね。そんな高いんだ。じゃ単純に時給が高いからやってるっていう?

穂積:そうですね。例えば深夜の居酒屋なんて人件費で切られるけど、パチンコ屋は繁盛してるし人手が足りないくらいで、どんどん募集もかけてるので。でも、身体壊してやめてく人とか、職場の空気が悪くて辞めてく(人も多い)んで、まあ。

ひろゆき:職場の空気悪いんですか?

穂積:基本的に悪いと言われてます、どこも。パチンコの店員はお客様がマナー悪い人多いんで、綺麗な心を持ち続けるのが結構、メンタリティとして疲弊しちゃうので。

ひろゆき:ウェルダンさんも、もう綺麗な心は持ってないんですか?

穂積:持ってないんです。

ひろゆき:ちなみにパチンコ屋さんをやってて、こんなトラブルがあったよーとかそんなのは聞いて大丈夫なんですか?

穂積:盗難が多いです、トラブルっていうと。最近では大胆な犯行が多くて、打ってる時って集中してるから、それを横から若い人がポッてボタン押してピョッて取っちゃうくらいの大胆な犯行があったりして。

ひろゆき:カードを?

穂積:そうです。返却ボタンを右から押して、左から出てくるカードを取るんですよ。打ってる人が左見てる時に右のボタン押して、右見てる時にこう(左から取っちゃう)。

ひろゆき:気付かないもんですか?

穂積:気付かないんですよ。だから1万円入れてまだ9,000円くらい入ってるカードも、集中してるから取られちゃう。

ひろゆき:でも監視カメラってありますよね?

穂積:ありますけど、お客さんが気付いた時には、もう精算し終わってるんでダメですとか。

ひろゆき:でも別に精算し終わってれば犯罪者だから、画像使って。

穂積:でもそういう人は遠くから来たり、深く帽子かぶってたりするんで。巧妙に、大胆になってきてるので。

ひろゆき:カードがわからんという人がいるので、最近のパチンコのシステムを説明してもらってもいいですか? CRの。

穂積:パチンコ台には千円から一万円まで入るんですけど、例えば一万円入れると度数が100って出てきます。それで千円だけ使って、もういいやって返却ボタンを押すと、9,000円分のお金が入ったカードが出てきて、それを精算機に入れて現金に戻してから店を出るっていうシステムなんですよ。

ひろゆき:当たった場合は玉になって横に溜まりますよね? って事は当たった玉がカードの中に溜まっていくわけではない?

穂積:そういう店もあります、玉が出ない店も。秋葉原の店とかですと最近(そういう店も増えてきました)。

ひろゆき:それを盗む人が多いと。

穂積:でも本当、ごく一部ですけどね。

若宮:最近コインじゃないですか?

穂積:そうですね。コインかカードです。店によります。最近はコインの方が多いですね。

貧乏人のほうがパチンコにハマるワケ

穂積:僕自身もパチンコ依存症になっちゃって。パチンコ屋で働いててパチンコの話しますから。

ひろゆき:目の前に(ずっと)ありますもんね。

穂積:借金してパチンコして借金が膨らんじゃったから、パチンコで取り返そうとしてさらに借金が膨らむっていう。一番多い時で130万くらい借金があって、まあこの間まであったんですけど。パチンコ屋で働いて、今、徐々に徐々に返していってる感じですね。お金のない人の方がハマるんですよね。お金のない人が今日5万突っ込んじゃった場合、取り返しがつかないじゃないですか、5万は。本当に大切な5万だから。取り返しがつかないって事は、取り返すしかないんですよ。20%とかの確率に。

ひろゆき:今の還元率って20%でしたっけ?

穂積:換金率は店によりますけど。

ひろゆき:換金率っていうか、1万円使った場合にいくらぐらい?

穂積:あれは400分の1なんですけど、400分の1の抽選で一回当たると6,000円分くらいの玉が出てきて。厳密に確率論で言うと、相当確率低くて。例えば5万円持ってパチンコ行ったら、勝てる確率って良くて3回に1回くらいかと。

ひろゆき:つまり15万円使うと1回勝てるかなくらいの? 1回勝つといくらぐらいになるんですか?

穂積:多い時とかだと10万くらいまでいきます。

ひろゆき:15万使って、めちゃくちゃ多いと10万手に入ると。

穂積:そうなんですよ。だからどんどんどんどん、なくなってくんですよ。

ひろゆき:あれなんですか、やっぱみんなバカなんですか? パチンコ来てる人って。

穂積:そうなんです。僕もそう思ってた人間だったんですけど、自分が依存症になっちゃったから、僕自身びっくりしましたよ。頭ではわかってるんです。だってお店って経営してる人件費と運営費があって、その中でお客さんに渡してるお金もあるし、当然負けるように出来てるけど、もしかしたら……とか思っちゃうんですよね。

パチンコの"おもしろさ"とは?

ひろゆき:そうすると、バカなやつがパチンコやってるわーって店員として見てるわけじゃないですか。なんでそれでパチンコやりたいと思っちゃうんですか?

穂積:面白いからなんですよ。

ひろゆき:面白い? 世の中他にもっと面白い事あると思うんですけど。

穂積:そうなんです。だから僕、若い子がたくさん働いてて、二十歳前の子とかがどんどんパチンコにハマっていって、夢とかを色んな事を経験する前にパチンコだけ覚えて、休みの日にパチンコばっかりやってるのが悲しいんです。僕が初めてパチンコをやったのは30だったんで。僕は落ちるスピードが早かったらしくて、一年半くらいでどツボに落ちました。

ひろゆき:一年半は早い方なんですか?

穂積:早いです。借金してまでやるっていう人は、やっぱり途中で歯止めかかるみたいです。

ひろゆき:借金してまでなんでパチンコやろうと思ったんですか? 借金してまでやる必要ないじゃないですか。

穂積:さっきの話と一緒で、取り返しがつかないから。あと気軽に借りれるっていうのありますよね。カード入れたらスッと借りれちゃうっていうのが、アコムとか。貸金料の規制が入るようになりましたけど、あれがなかったら僕もっとハマってたと思います。だって、あのATMではお金って言ってもただの数字ですから、。だからそんなに実際にこう痛いわけじゃないですから、麻痺しちゃうんですよ金銭感覚。

始めのほうは3万負けたら、うち帰ってもう一日中寝込んでたんです、頭痛くなって。それが段々麻痺してくると、5万負けても明日勝てるからいいか、明日勝てばいいやって話になってくる。

ひろゆき:でも勝てない人のほうが多いってことを見てるわけですよね? 自分だけ特別だと思ってるんですか?

穂積:たぶんそうだと思いますよ。

ひろゆき:基本的にバカだからそこにいるし、バカだからハマってると思うんですけど、自分がバカであるという自覚はあまりないもんなんですか?

穂積:僕はあるんですけど、ありながらもやっちゃうし、それはそれで盛り上がる。負けちゃったね、みたいな話で。

ひろゆき:映画見に行ったら楽しかった、で盛り上がってもいいじゃないですか。

穂積:パチンコやってる人に聞くと「パチンコやってない人は絶対にやるな」って言うんですよ。なんでか理由がわかんなくて始めたんです。やってみてわかりましたね。なんとかやめらんないですかね?

若宮:最近主婦が多いですよね。

ひろゆき:そんなに面白いですか、パチンコ? 僕やっても全然面白くなかったんですけど。

穂積:数字がぐるぐる回るだけですもんね。大当たりを連続で経験したりとかしたら……。だからそう言えてるうちが華じゃないけど、幸せだと思います。面白さはわからない方がいいと思います。

ひろゆき:パチンコが面白いんじゃなくて、単に儲かったら楽しいって話?

穂積:でもエヴァンゲリオンとか出てきて、エヴァンゲリオンが戦って使徒を倒したらお金が出るってすごいじゃないですか、エヴァファンとしては。アニメって見てても、エヴァンゲリオン勝ちますよね。パチンコだと負けるんですよ、基本。それが勝ったらお金になるって面白いんですよ。

ひろゆき:でもその映像見たいんだったら、YouTubeとか探せば絶対あるじゃないですか。

穂積:最近それを覚えて抑えてます。YouTubeで見て我慢してます。ある意味、やめたい人の抜け道です。YouTubeでご覧になってください。

『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』(Amazonへ)

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