2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平将明氏(以下、平):すみません、本題に戻していいでしょうか。
そもそも「この人誰?」と思ってる人がいるけど、まだ紹介してない。今さらですけど。映画じゃないほう、プレゼン大会のTEDで世界の若者12人に選ばれたと。それはどういうプレゼンをしたんですか?
牧浦土雅氏(以下、牧浦):僕はもともと東アフリカのルワンダを拠点に、商社の原型みたいな、農作物が余ってるところから足りてないところに移送する販路をつくる事業を国連と一緒にやっていて。そのプレゼンをしました。
本当に難しい井戸を掘るとか、数億円突っ込んでダムをつくるとか、そういうのよりももっとシンプルな考え方。たまってるところから足りてないところに移送するという考えが意外と生きるんじゃないのかという国際協力のプレゼンです。
平:それはルワンダで実装されたわけ?
牧浦:されました。(人口)10万人ぐらいの農村に行って市場価格で買いつけて。もともと余ってたので。売れなかったものが売れるので、その人たちはハッピー。それを足りてない国連のキャンプとか地方、国外に移送する。
生田:なんでそんな当たり前なことをやってなかったんだろう?
牧浦:インターネットもなかったし、ずっと都市部だけに住んでる国連の人たちはとにかく食物が足りなかったらほかの国外から入れると。けれど、実は国内の地方にたくさん余ってた。
生田:考えてみりゃ、日本もそういうとこあんだろ。
平:廃棄処分がすごい多いからね。
生田:そうだよね。まだ若いよね? 今いくつだっけ?
牧浦:今22歳です。
平:22歳だよ。
牧浦:始めたのが17歳のときだったんで。
平:17歳だよ、始めたの。
生田:17でそんなこと考えたんだ。俺悪いけど、17のときは映ってないからやるけどこれ(女)だよ。
平:どうやったら日活ロマンポルノの映画館に入り込めるかとか、そういうことしか考えなかった。
生田:そうそう。制服の詰め襟を中に折るとなんかジャケットっぽいよなとか言ってそれで行ったよ。
平:どうしようもないおっさんですね。でもそれ、そもそもルワンダでとか、そういう問題意識がないとこうやってみようって出てこないじゃない。それはどういうきっかけで? たぶん日本生まれでしょう?
牧浦:日本生まれです。
平:それで世界に出て、よりによってルワンダで、しかも国連と組んでて。さらっと言ったけど、そんなティーンエージャーのある意味、「このお兄ちゃん誰?」みたいな人となんで国連が組めるのっていう。それはすごいよね。
生田: どうやって行ったの? 国連に。
牧浦:いや、それこそ本当にさっきの学ランからジャケットの話じゃないですけど、スーツを着込んで、もちろん自分の年齢を明かさず、「自分はすごい人なんですよ」感を醸し出して……。
生田:ハッタリじゃねえか。
牧浦:ということを真実にしちゃえばいいだけの話なんで。
生田:なるほど。君、政治家になりな。政治家はハッタリだ。
牧浦:国連の人たちって基本的にはマスター以上取ってて、エリートなんです。都市部の本部でたくさん仕事はしてるんですけど、意外と地方には行きたがらない人たちが多い。「我々若いやつらが泥臭いことをやるんで、トラック貸してくれ」と。
大澤:なるほど。
牧浦:それで、UNってボンネットに書いたトラックを運転しながら。
平:彼は行動力がものすごいあるね。
生田:すごいね。
平:スーツ着て国連に行ったのはいくつのとき?
牧浦:それが17歳のとき。
生田:じゃあお前、車の免許も持ってねえじゃねえか。
牧浦:17歳では持たないです。
生田:それで「トラック貸してくれ」って言いに行ったの?
牧浦:運転してないですよ。
生田:いや、そうだけどハッタリも極めてるね。
平:一歩間違えたら何とか刑になっちゃう。
生田:そうだよね。そういうスキャンダル系の話やめようよ。
平:17歳でそういうのなかなかいないじゃない。しかも海外、治安だって悪いでしょう?
牧浦:でもルワンダはアフリカでけっこういいほう。虐殺があったじゃないですか。あそこからもう国民の一体性も増して、犯罪率は東京より低いと言われてます。
平:へぇ。それで17歳のときに商社みたいな機能をルワンダにビルトインして、余ってるところから足りないところに持ってったと。そのあとはどうしたんですか?
牧浦:それを2年ぐらい、一昨年の5月ぐらいまで。そのあと大学中退を経て、去年の1月からまたタイで別のスマホ系の事業を東大と一緒にやって。
生田:何? スマホ系の事業って。
牧浦:健康情報をいろんな人たちのタブレットや携帯から入れてもらって、それを僕たちがデータ解析して、この人は糖尿病の傾向がありますとか。
平:ヘルスケアですね。ビッグデータでおもしろいね。
牧浦:そのクーポンを提供して、薬局に人を入れるという事業をやってます。
平:先週末にG1サミットがあったんだけど、オムロンの山田(義仁)さんという社長がいて、僕すごい好きな社長なんだけど。オムロンはオーナー系の会社なんだけど、山田さんはオーナーでも何でもなくて。すごい若いのよ。
それで「山田さん、なんで社長になれたんですか?」と。普通、オーナー系だとオーナーの人が就くじゃない。そしたら、彼はロシア(に進出した)。ロシアは寒いでしょう? バンバンウォッカ飲むでしょう? だから死因がだいたい偏ってる。しかも血圧を測るという習慣がなかったの。
そこに彼が入っていき、血圧を測るという習慣を根付かして、オムロンの血圧計を売ったの。それで売れた。
生田:それで死亡率は下がったのかね。
平:下がったんだって。だって、今まで測ってない人が注意するわけじゃない。だから今、まさにヘルスケアで前段階でどう注意するかによって……。トータルのコストどう下げるかなので。だからそれがおもしろい。日本でも使えそうな感じするけど。
日本は規制が多かったり、いろんな団体が四の五のうるせえからな。いろいろな意見があるので、外国でやって持ってくるほうが早いかもしれないよね。そういうのをけっこうやっていて。今日はどっから来たの?
牧浦:これからフィリピンに行きます。
平:フィリピンにこれから。
生田:自転車持ってきたんだよ。
平:自転車なんだ。すごいよね。
牧浦:ロードバイクですけど。
生田:自転車持ってきて、今考えたら向こうで買ったほうが安いんじゃねえか。
牧浦:いや、日本のほうがいいですね。
平:いろいろやってるんだけど、今話題になってる被選挙権の引き下げ。選挙権は18歳になったけど、被選挙権も下げるべきじゃないかと言って。NewsPicksなんかで僕もいろいろコメントしてるんだけど。
大きな流れになってきたんだけど、実はこのスタートが……彼がほぼヘッドで運営してる「G1カレッジ」というのがあって。あれは12月だっけ?
牧浦:11月23日。勤労感謝の日です。
平:11月の日に、土雅ちゃんが「政治グループ、めちゃくちゃイケてるやつ集めたんで、平さん来てくださいよ」と言われて、俺も行ったんだよ。朝から晩まで。
それで議論してたら、やっぱりすごいおもしろいわけ。そこで「いやでも俺たち、誰も選挙出れねえんだよな」という話になって。そもそも、(G1カレッジの参加資格が)アンダー25だから。
生田:そこから始まったんだ。
平:それが一番説得力あった。よく学生が提案したって世の中変わんないけど、彼らのすごいのは、「じゃあ、これやろうぜ」って決めてロビー活動始めたわけよ。
しかも自民党に持ってくるだけじゃなくて、すべての政党にロビー活動して。だから今すべて、うちの政党以外はこれはいいことだから、参議院の公約に入れましょうと。自民党もこの間、谷垣幹事長が「前向きに検討したい」と言ってるので。
そうすると何が起きるかというと、11月にイケてる学生たちが議論してたことが、本当に実現するんですよ、政治家にならなくても。これを仕切ってたのが土雅ちゃんで。
生田:ところであんた、何になりたいの?
牧浦:……まだ。手段の1つとして、政治家も考えてました。ただ、目的ではないなと思ってるので。
平:今、22歳でしょ?
生田:22歳の頃って、もっと単純な目標じゃなかった?「何になりたい?」とか言われると「ケーキ屋さん」とかさ。
平:仮面ライダー(笑)。
生田:仮面ライダーとか。俺なんてその程度だったよ、本当に。
平:アンパンマンとか。さすがに大学生でアンパンマンはない。
生田:だけど何になりたいの?
牧浦:これから10年後とか見てみると、確実にエンタメの領域って伸びると思うんですね。人工知能の話もありましたけど、どんどん機械にリプレイスされていくと。暇な人が多くなってくる。
だけども生産性はロボットによって上がってくるので、そこをベーシックインカムでまかなうとか。その分、その時間を持て余した人たちのためにエンターテインメントの領域ということで。
例えばタクシー1つ乗るのも、運転手だけじゃなくて運転されてる間にどういうことをやるのかとか。そこの領域というのは必ずもっと出てくると思うので。
平:クリエイティビティは機械に置き換えられないんだよ。茂木(健一郎)さんがG1で言ってたけど、地頭がいいとか悪いとかは、その文脈に沿ってフォーカス当ててちゃんと話せるのは地頭なんだけど、天才というのは文脈を無視してポンと出てくる話なので。
これって人間がさまざまな経験をしていく中で出していく話なので、だからそれはもう俺もそう思う。
ただベーシックインカムという話になってくると、もう本当に社会が大転換するんだよっていう意識を共有しないと政策転換できないので。
牧浦:それも特区やったらいいんじゃないですか。
平:ベーシックインカム特区。
牧浦:おもしろいんじゃないですか。
平:この間も議論で、市長をAIにする特区をつくって、人間がやる市とAIが統治する市はどっちが満足度が高いかをやってみようという。
牧浦:(仙北市の)門脇市長。
生田:お前、それ悪いぞ。
平:門脇市長vs AI。でも、門脇さんはクリエイティビティがありますから、いい勝負すると思うよ。でもこれ、G1カレッジで被選挙権の引き下げが実現したら、また1つの成功事例だよね。
生田:したらどっか出てくるの?
牧浦:いや、おかしいなと思ったのは、18歳選挙権で投票する権利はあっても、例えば大谷翔平とか若い年代というのは出てないけれども、そういう人たちがやるとプロ野球も応援したくなるじゃないですか。国際的に見てももっと低いので。
生田:海外は低いんだ。
平:たいてい21歳とか18歳とか。21歳だと何がいいかというと、大学3年生のときに就職するか選挙出るか選べる。
首長じゃなくて議員であれば、いっぱいいる中の何人かなので、これはまさに多様性なので。それで未熟だなと思えば、中で議論してやればいいし。
生田:そうだね。そこで成長するから。
平:逆に年取ってるほうが未熟だったりするからね。
生田:いやいや、本当に。
平:「巫女さんのくせに」なんてとんでもないことを言うやつが……。
生田:まただな。
平:そういうこと言っちゃダメだよね。
生田:また言っちゃったな。本当、巫女さんのくせになんか誰が言ったんだよ。
平:「何とかのくせに」なんていう言葉使っちゃダメだよ。何考えてんだよ。ということで、そろそろ時間ですが。せっかく牧浦さんに来てもらったのにすごい消化不良な感じで悪いし。
生田:そうか?
平:これはなかなかのやつだよ。やつだよって言い方悪いけど。
生田:また来りゃいいじゃん。忙しいのかな?
牧浦:月曜日は合わないときが多くて。
平:ああそうか。こっちが曜日変える。でも、ロンドンから来てくれるからって火曜日の夜やったことあったよね。これから牧浦土雅は注目ですよ。
生田:そうだね。
平:いい意味で何かやらかすと思います。いや本当に。
生田:金もうけはあんまり興味ないの?
牧浦:とくにないです。やってたらそのうち付いてきたらいいかなと思うし。
生田:「こういうのやると楽しそうだな」っていうところでいっちゃうわけだ。楽しみだね、こういう人は。
牧浦:お金の調達方法はたくさんあるじゃないですか。
平:大澤さんの、生田さんを見る目と土雅ちゃんを見る目がぜんぜん違うからね。
生田:なんか汚いものを見るような目で見られるんだよね。
大澤:しないですよ。
平:何か質問ある?彼女いるんですかとか。
大澤:何でそういう学校外のことやろうと思ったんですか?
牧浦:学校もタンザニアから遠隔でイギリスの大学の授業とか見てたりしたので、そんなに大学生とか……。
生田:何それ?
牧浦:イギリスの大学はできるんですよ。単位とかじゃないので、試験さえパスしてれば大丈夫なので。あんまり学生という意識がなかった。
生田:あんた大学はイギリスなの?
牧浦:イギリス行ってました。
生田:へえ。イギリスは食いもんまずいな。
平:余計なこと言うんじゃないよ。牧浦さんこれからフィリピンに帰られるということで。飛行場直行ということで、今日のカフェスタトーク、お開きとさせていただきます。ありがとうございました。
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