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2016年1月19日 内閣委員会(全1記事)
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山本太郎氏(以下、山本):生活の党と山本太郎となかまたち、共同代表、山本太郎です。2016年初めての質疑、新委員長の委員長委員長はじめ、皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。
一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案と、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
私たち、生活の党と山本太郎となかまたちは、内閣総理大臣や国務大臣、本日も来ていただいてますけれども、人事院総裁、内閣法制局長官など、いわゆる特別職の給与、月給と特別給、ボーナスですよね。これを引き上げる法案には反対です。
お手元の資料1から5をすべてフリップにしたんですけれども、まず最初の1枚目です。
現在、総理の年収は3,961万5,000円。本法案が通れば、総理のお給料は17万1,000円引き上がり、3,978万6,000円になります。
17万1,000円の引き上げ。我が国の労働者の4割を超える非正規労働者が1ヶ月フルタイムで働いたとしても、17万1,000円にはなかなか届かない。なかなか稼げる額ではございません。
現在、国務大臣の年収は2,831万1,000円。本法案が通れば、国務大臣のお給料は25万7,000円引き上がり、2,856万8,000円。25万7,000円といえば、安倍総理は「パートで働けば25万円などすぐにでも稼げる金額だ」と思われているようですけれども。
我が国の労働者の4割を超える非正規労働者が1カ月フルタイムで働き、賃金が1円も出ない残業をやり、長時間にわたる過重労働で体やメンタルが壊れるまで働いてもなかなか稼げる金額ではありません。
働いても働いても生活が楽にならないんだよと。続いてのパネルを示しましたけれども、働く貧困層と呼ばれておりますワーキングプア。安倍政権になってから49万2,000人増加したそうです。そのうち、女性のワーキングプアは41万8,000人増加したそうです。
こんな状況で引き上げるんだ? こんな状況をつくり出しておきながら引き上げる……。これはまずいですよ。「空気読んだほうがいいんじゃないですか」って話に自民党内ではならないのかなって思うんですよね。
生活が苦しいと感じる人々は62.4パーセント。国民生活基礎調査を見ても、安倍政権の政策により、この国に生きる人々の首は確実に絞まっていくばかりです。
そのうちアベノミクス、全国津々浦々に浸透しますよなど、すでに妄想の域であることを多くの市民は苦しい生活から実感してます。
広がる格差と貧困の問題。ここを直視しなければならないのに、2016年の年頭に内閣総理大臣はじめ、特別職の国家公務員の給与を引き上げるなど言語道断だと。
そして、一般職の国家公務員の給与法案については、生活の党と山本太郎となかまたちの党、会派としては賛成です。しかし、私山本太郎は反対いたします。
もちろんすべてに反対ではございません。一般職国家公務員のうち、一般の職員の月給とボーナスを引き上げることと、フレックスタイム制の拡充には賛成です。やるべきだと思います。
しかし、指定職、本省の部長、審議官級以上の幹部公務員の月給とボーナスを引き上げることには反対です。
続いてのパネルをお示しいたします。お手元の資料と同じものです。本省の局長の現在の年収は1,712万7,000円ですけれども、本法案が通れば、16万4,000円の引き上げ。事務次官の現在の年収は2,249万1,000円ですが、本法案が通れば、21万円の引き上げ。
指定職の皆さん、これ十分な給料もらってるんじゃないのかなと思うんですけれども、今回の引き上げ分、緊急性の高いほかの予算に回さなくちゃいけないということにご理解いただきたいんですよね、本当は。
我が国は子供の6人に1人が貧困。これ、例えでよく言われますけれども、40人学級で6.5人が貧困という状態。一人暮らしの女性の3人に1人が貧困。シングルマザーの54.6パーセントが貧困。高齢者の5人に1人が貧困。
これらの対策・手当こそが、持続可能な国づくりを行う上で一丁目一番地じゃないでしょうか。
けれども、子供の貧困対策、これ1つ取ってみても、国の責任である政策立案と効果的な税金の投入、大してないですよね。世間から寄付を募るために基金をつくる。民間の善意に頼ろうとする政府の方針、政治姿勢には本当にめまいすら覚えるという状態です。
政権が金もうけにつながらない支出に対しては積極でないことは存じ上げております。65歳以上の低所得者への3万円のばらまきと同時に、せめて軽く自分の身を切る覚悟くらいはポーズとして見せておくことは、選挙前の最低限のマナーではないでしょうかと言いたい。
今回の特別職給与アップ分、総額で約1.1億円。指定職の給与アップ分、総額で約1.45億円。現在はもう元に戻っていますけれども、平成24年12月にスタートした国会議員の給料とボーナスカット。これをもう1回やれば年間約30億円ぐらいなると。
政治にはお金かかりますよね。こういう話すると「おい、おまえ、俺たちの給料のこと言うなよ」っていう気持ちになるのわかるんですよ。政治にはお金がかかるから。収入が減るの僕も嫌です。痛い、正直。
けど、そんなこと言ってる状況じゃないんだって。これらをまず緊急の子供の貧困対策。例えば子供たちの食事や勉強の補助を手伝う。子供たちの居場所づくりをしている民間支援団体への補助。これ行えるんじゃないですか?
国の足らないところ、行政の足らないところ、民間が自分たちの身を切ってやってるんです。ここに投入するチャンスじゃないですか。
この額でも子供の貧困対策としては少ないぐらいだと思うんですけれども、政治の意思というのは伝わると思うんですよね。そこはわかってると。待っててくれと。今できることをやるという政治の意思が伝わると思うんですよね。
貧困問題への政治責任を果たさなければ、持続可能な未来ってやってくるんですかね? その先には破綻しかないんじゃないかなと思うんですけれども。
私は我が党の共同代表であると共に、党の政策審議会会長も務めております。私の反対理由を明確にするためにも、本日の参議院内閣委員会において修正案を提出することを政策審議会で決定しました。
生活の党と山本太郎となかまたちは党議拘束をかけないことを基本方針としておりますので、このような決定をいたしました。
いつまでしゃべるんだ。最後まで自分だけしゃべって終わるんじゃないかって心配なられた方いらっしゃると思うんですけれども、この後、河野大臣に質問させていただきます。
私は昨年の6月8日、行政監視委員会で国と地方、そして特殊法人、認可法人などのいわゆる官製ワーキングプア、非常勤職員、臨時職員の問題について質問いたしました。パネル、まためくらしていただきます。
河野大臣、1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策というものがありますよね。そのなかで、民間に期待される取り組みとして、若者・女性の非正規雇用労働者の正社員転換や非正規雇用労働者も含めた持続的な賃上げなどによる待遇改善というのが緊急に実施すべき対策となっております。
平成27年7月1日現在で14万121人とされる国の非常勤職員の常勤職員への転換や持続的な賃上げ等による、待遇改善についてはどのように取り組まれるのかということをお話ししていただいてよろしいでしょうか。
委員長:河野大臣。
河野太郎氏(以下、河野):今14万人の非常勤の国家公務員というお話がありましたが、その14万人の中には、委員、顧問、参与が約2万人、それからやはり無報酬でお願いをしている保護司が5万人含まれております。
さらにそれ以外の7万人の中には、統計調査員のような、期間を区切った方々もいらっしゃいますので、恐らく非常勤の国家公務員として常時働いてくださってるのは3万人ぐらいではないかと思っております。
非常勤職員の処遇については、かつては日々雇用制度と言っておりましたが、これを平成22年10月から期間業務職員制度を導入いたしました。
また、一定の要件を満たすものに育児休業をしてもいいということを、これは平成23年から。また平成27年の4月からは、夏季における年次休暇の取得要件の緩和など、処遇の改善を行ってまいりました。
また給与をはじめとする処遇につきましては、各府省において、人事院通知を踏まえ、常勤職員との健康を考慮して給与支給することとしております。
給与内容に応じて、適切に処遇されるように考えてまいりたいと思っておりますし、またその実態の把握に努めてまいりたいと思っております。
非常勤職員の常勤化というのは、そもそも非常勤の官職は業務の状況に応じて臨時に設けられるものであり、国の行政組織において、所掌事務を遂行するために恒常的に置かれている常勤職員の官職とは異なると思っております。
また、非常勤職員を常勤職員の官職に任用するためには、競争試験など国家公務員法に基づいた対応が必要だと思っておりますので、非常勤職員をただちに常勤化するのは難しいと思います。
山本:ありがとうございます。実態調査というものを行っていきたいというお話をされてるんですけれども、まだその実態調査という最新のものが出てないんですけれども、3万人ぐらいではないだろうかというお話をいただいたと思います。
先に進めたいと思います。平成20年8月26日付人事委員事務総長、このようなものを出された。一般職の職員の給与に関する法律、第22条第2項の非常勤職員に対する給与についての指針。
1、基本となる給与を当該非常勤職員の職務と類似する職務に従事する常勤職員の属する職務の級の初号俸の俸給月額を基礎とし、職務の内容、在勤する地域及び職務経験等の要素を考慮して決定し、支給すること。
2、通勤手当に相当する給与を支給すること。
3、相当長期にわたって勤務する非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与を、勤務期間等を考慮の上支給するよう努めること。
4、各庁の長は非常勤職員の給与に関し、前3項の規定の趣旨に沿った規定を整備することと書かれている。これいいじゃないですか、いいことを言われてますよね。
この指針に沿ってきっちりと実行されてるか。これ、実行されていれば、素晴らしいと思うんですけれどもね。この実行されてるかということを人事院は確認できていますかと。そして、今回の給与法改正の結果も反映されるんでしょうか。教えてください。
河野:どちら。古屋局長。
古屋浩明氏(以下、古屋):20年に通知を発出した後、適宜、フォローアップ調査を行ってきております。直近では昨年、調査をしたところでございます。
ただ、これは一部抽出調査ということになっておりますので、全体の状況ということには必ずしもならないんですが、調査の結果だけで申し上げますと、おおむね実現されているというところでございます。
それから、常勤職員のベアとの連携といいますか、連動といいますかの取り扱いという最後のご質問でございますが、ここに関しましては予算の範囲内でできる、できないというものもございますし、その職務の内容、任用期間ということもございまして、必ずしもただちにということにはならないのかもしれません。
昨年の3月の調査結果で言いますと、その当該年度中、もしくは翌年の4月1日からの改正というところがほとんどだったというところでございます。
委員長:山本太郎さん。
山本:全体的にはやれてないってことですね。スポットでやったと。スポットでやったら、おおむねできていたというだけの話ですよね、そういう見方をしたら。スポットで見たんだって話ですよね。
じゃあ、次の質問いきたいと思います。非常勤職員の常勤職員化。これ、先ほど大臣のほうから、それには能力のテストがあるんだ、競争があるんだということはお聞きしましたけれども、もう一度お聞きしたいと思います。
これから非常勤職員の常勤職員化や持続的な賃上げ等による待遇改善にどう取り組んでいきますか? 人事院総裁いかがでしょうか。
委員長:一宮人事院総裁。
一宮なほみ氏(以下、一宮):非常勤職員は臨時的、または短時間の業務に対処する必要がある場合に、その担当する特定の業務を処理するために必要とされる能力を、面接、経歴評定、その他の適宜の方法により判定した上で採用されるものです。
一方、公務において長期的な任用が前提とされる常勤職員は特定の業務にのみ従事するものではないため、非常勤職員を常勤職員として採用する場合には、採用試験などにより、常勤の国家公務員としての能力の実証をあらためて行う必要があると考えます。
山本:すいません、1億総活躍担当副大臣におうかがいしたいと思います。1億総活躍社会の実現の対象課題の中の非正規雇用労働者には、国と地方の非常勤職員や、特殊法人や、認可法人などの非正規職員など、すなわち官製ワーキングプアの問題、含まれないという説明を以前受けたんですけれども、そのとおりなんでしょうか。そのとおりである、そのとおりでない、できれば二択で事実関係を確認させていただけますか。
委員長:高鳥副大臣。
高鳥修一氏(以下、高鳥):山本議員にお答えいたします。1億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策における非正規雇用労働者の正社員転換待遇改善について、国と地方の公務員については排除しておりませんが、既に具体化を図った施策は民間向けであり、主に民間での取り組みを想定いたしております。
委員長:山本太郎さん。
山本:排除されていない。排除されていないんですか。排除されていないけど、書かれていない。頭の中にあるから心配しないでくれというお話なんですかね。もちろんそうですよね。1億総なんちゃらっていったら全員のことですもんね。
その中で公務員、非正規っていう部分、しかもその国に関わる、地方に関わる非正規という部分が含まれてないっていうのはおかしいと思うんですけど、恐らく省庁の方、
その担当の方々が、その皆さんの頭の中にある。要は排除してないよっていうことに関してまで、恐らくまだ浸透してないのかなということだとは思うんですけれども。
続きまして昨年の11月分、総務省の労働力調査。これもパネルにしてあります。役員を除く雇用者数5,310万人のうち、正規の職員は3,300万人、非正規は2,010万人。
3年前、政権発足当時、平成25年1月と比べて、安倍政権になってから正規が36万人減った。非正規が187万人増えたことが、ここから見て取れると思うんですね。
1億総活躍社会の実現では、GDP名目600兆円。希望出生率1.8、介護離職0と数値目標が示されています。民間の若者、女性の非正規雇用労働者の正社員への転換、非正規雇用労働者の持続的な賃上げ等による待遇改善に数値目標ってあるんですかね。緊急に実施すべき対策として何をどのように取り組むのか教えていただけますか。お願いします。
委員長:高鳥副大臣。
高鳥:お答えいたします。非正規雇用労働者の正社員転換や賃上げ等による待遇改善を図っていくことは、1億総活躍社会の実現に向けて重要であり、数値目標は掲げてございませんが、政府として緊急対策に基づき、施策に取り組んでるところでございます。
具体的には、賃上げについては、昨年の春闘では政労使合意の成果もございまして、17年ぶりの高い数字となってございますし、今年の春闘に向けては経済界から昨年11月の未来投資に向けた官民対話におきまして、
名目3パーセント成長への道筋も視野に、収益が拡大した企業に対し、平成27年を上回る賃上げを期待し、前向きな検討を呼び掛けるとの方針が示されたところでございます。
このような積極的な方針によりまして、過去最高の企業収益を踏まえ、3巡目の賃上げがしっかり実現するように期待をいたしておるところでございます。
また一方で最低賃金につきましては年率3パーセント程度、目途といたしまして、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げてまいります。
これによりまして全国加重平均が1,000円となることを目指してまいります。このような最低賃金の引き上げに向けて、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のために、支援や取引条件の緩和を図ってまいります。
非正規雇用労働者の正社員転換につきましては、事業主が契約労働者を正社員に転換した際の助成金を増額するなど、キャリアアップ助成金を拡充することといたしております。
以上を通じまして今後とも非正規雇用労働者の正社員転換や賃上げ等による待遇改善に取り組んでまいりたいと考えております。
委員長:山本太郎さん。
山本:恐らくあれですよね。児童扶養手当、これを増額したりとか、それとかキャリアアップ助成金などをっていうのも恐らく1億総活躍っていう部分を多分考えられてると思うんですけど、中身見てみたら、この児童扶養手当上げるっていったって、その前の3年、2013年、14年、15年で、51億減らされてるんですよね。
そこに16年、予算付けて28億円入れましたっていったって、いまいちピンとこないというか、前に減らされてるしなと思うし、キャリアアップに関したって、7,677人が26年度、27年に関しては1万5,853人、それぞれ0.03パーセント、0.07パーセントなんですよね。
打ち上げる花火は聞こえはいいんですけれども、その数というのはほとんど全体には影響しない誤差の範囲ぐらいじゃないのかなと思うんですよ。国が責任をもって、少なくともブラック企業化しているのが、現在は国だということが言えると思うんですね。
この部分に関してしっかりと取り組んでいただきたいと、河野大臣に本当にお願いをしたいところなんですけど、もう時間が来たようなので残念です。またお話を聞いてください。
委員長:河野大臣。時間が過ぎておりますので簡潔にお願いします。
河野:すみません。いろいろとお気持ちは承ってまいります。
それから先ほど、常勤職員との権衡を考慮すべき人数、3万人と申し上げましたが、どうもその数字もあやふやだったようでございますんで、きちんと調査をいたしまして、その結果はまた報告をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
委員長:他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の修正について、山本太郎さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎さん。
山本:ありがとうございます。私は一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりです。これよりその趣旨についてご説明いたします。
本法律案は、平成27年8月の人事院の給与勧告および勤務時間勧告に鑑み、一般職の国家公務員について俸給月額、勤勉手当等の額の改定を行うこと、フレックスタイム制の対象を拡大すること等を内容とするものです。
私どもの会派も、本法律案に対しては基本的に賛成の立場です。しかし、本法律案には、一般の職員の給与の引き上げに加え、国の幹部職員の中核たる指定職職員の給与の引き上げが盛り込まれております。
このまま本法律案が成立すると、本府省局長の年間給与は16万4,000円引き上げられ1,729万1,000円に、事務次官の年間給与に至っては21万円引き上げられ2,270万1,000円となります。
特別職の国務大臣の年間給与は25万7,000円引き上げられ2,856万8,000円、内閣総理大臣の年間給与は12万5,000円引き上げられ3,978万6,000円となります。
私は、一昨年4月の本委員会でも申し上げました。国会法、第35条の規定により、国会議員の歳費、給与は、一般職国家公務員の最高額、すなわち事務次官の給与より少なくない額を受けるということになるので、国会議員の給与も上がる懸念もあると思います。
私はそのときも主張しました。国会議員の歳費も、事務次官初め幹部公務員の給与も、恒久的に2割削減すべきであると思っておりますが、その件は別途議論させていただきたいと思います。
政府はアベノミクスによる経済の好循環により、近年の経済情勢には明るい兆しも見えつつあるとしていますが、本当にそうでしょうか。2016年の年頭になって、日本の、世界の経済情勢、政治情勢は一段と厳しくなっているんではないでしょうか。アベノミクスの恩恵が広く国民の間に行き渡っているとはまったく言えない状況です。
また、平成29年4月からは消費税の税率は10パーセントに引き上げられ、国民に対してさらに負担を求めようとしています。国の財政は赤字が続くと共に、借金の残高は累増しています。
民間企業であれば、業績が悪化した場合、役員である経営陣が報酬を削減することで経営責任を果たすと共に、経営の立て直しを図ることが当然ではないでしょうか。
政府は過去に厳しい財政事情等を踏まえ、国民世論の動向等も勘案し、指定職職員の給与の引き上げ勧告について、その実施の先延ばしや、実施そのものを見送ったこともあります。
民間企業の役員に相当する指定職職員の給与を引き上げることは、国の経済財政運営等に一定の責任を有する指定職職員、幹部公務員についてその責任の所在をあいまいにするばかりか、所得格差を一層拡大させることとなり、国民の理解を得ることは難しいと思います。
したがいまして、このような我が国と世界を取り巻く厳しい現状や過去の経緯等を勘案し、指定職職員の給与の引き上げの実施は見送るべきと考えます。
そこで修正案では、一般職の職員の給与に関する法律に定める指定職俸給表の俸給月額および同俸給表の適用を受ける職員に係る勤勉手当の支給割合の改定は行わないこととしております。
以上が修正案の趣旨でございます。何とぞ委員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げます。ありがとうございました。
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