2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
テーマ「国会議員の育休」について(全1記事)
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堀潤氏(以下、堀):さぁ、経沢さんテーマの発表をお願いします。
経沢香保子氏(以下、経沢):はい。
堀:これですね。
(テーマ「国会議員の育休について」について)
脊山麻理子氏(以下、脊山):国会の会期中に育児休暇を取る意向を表明し賛否両論を呼んでいる自民党の宮崎謙介議員に対し、自民党の幹部が「国会議員全体の評判を落としている」と注意勧告したことがわかりました。
堀:宮崎議員の育児休暇表明の経緯です。
来月、妻の恵美議員の出産に伴って夫の宮崎議員が育休を表明。国会の規則には出産休暇の規定はあるんですが、いわゆる育児休暇の規定はありません。
宮崎議員は1ヵ月ほど本会議に欠席届を出すことで対応する考えだと。これは賛否がありまして。「国会議員が率先して育休取る、そういうカルチャーを根付かせることが大事だ」とする一方で、「国会議員は代議士なんだから、議会に出ないというのはいかがなものか」と。「だったら1回辞めて、もう1回育休期間を終えて選挙に出直したらどうだ」とか。
そういういろいろな「国会議員として」という話と、「育休として」という話と。
経沢:そうなんです!
堀:いろいろ論点があるんですよね。
経沢:今、国全体が「育休は男性も取りましょう」っていう流れだとか。
堀:イクメン!
経沢:「女性が活躍する社会にするために、育児参加をみんながしましょう」っていう流れの中で。
堀:ワーク・ライフ・バランス!
経沢:そうなんです。
ただ今回、すごく特殊な背景なのは、2人とも国会議員だということ。「ダブルで取得するってどうなんだ」と国民から疑問が多いようです。「そもそもお給料高いのに」とか、「一般の勤め人すら取れないのに」とか。いろんな議論が巻き起こっていますよね。
私は、実は宮崎さんと以前仕事したことがあります。宮崎さんは以前ITベンチャーの人事部だったんですよね。だから、余計そういうご経験からの視点はあるのかなというのは、個人的に感じたことなのですが。
ただ、ネットとか見てみると、すごく批判が多いですね。
堀:「国会議員なのに」ということですね。
経沢:私の意見は、男性が育休をとるのはいいことであると考えています。ただ、国会議員というのは、仕組みを作り、提供する側だと考えるので、そっち側が先に取るっていうのは、どうしてもリーダーとしては違和感を感じてしまうところは否めないという微妙な感覚はありました。
例えば、社長というのは雇用者であって従業員ではないので、制度を先に作るほうが第一の仕事かなっていうふうに。でも、逆の考えもありますよね。例えば、社長も育休を自分が率先して取れば、社員もみんな取っていくよねっていう流れも考えられる。
ただ、それよりももっと違和感を感じたのは、自民党の議員の中の人たちが、「子育ては男の人がしなくてもいいじゃないか」みたいな発言がすごく昭和的だなと悲しさすら感じました。
堀:古い慣習に基づいたね。
経沢:はい。女性活躍推進とかダイバーシティとかいいながらも、具体的なことになると内部もまとまっていないっていうのと。
最終的には、今の男性の33パーセントの人が育休を取ってみたいと思っているらしいんですね。でも、実際に取っている人っていうのは1.8パーセントしかいないっていう中で。
堀:「出世に響くんじゃないか」とか「収入が大きく減るんじゃないか」とか。
経沢:そうですね。ですので、この件で育児問題の縮図が露呈しちゃった感じするんです。中谷さんはどうお考えですか。
中谷彰宏氏(以下、中谷):硬いところを変えていくのが一番世の中を変えていく時に大事なことで。インパクトはそれだけ強いわけですよね。
堀:一番突破力が必要なところ。
中谷:柔らかいところでそれをやっても、それほどインパクトはあれだけど。世の中を変えていくのに、一番抵抗しているところでポッとこういうことがあると、これでみんなの議論が起こるわけだから。
堀:これはいい状況だということですね。
経沢:そうですね。
堀:みなさんの意識調査の結果を見てみましょう。
経沢:それは気になる!
堀:みなさんの意識調査「男性議員の育休取得 賛成ですか? 反対ですか?」せーの、どん!
わりと! 反対708票で最大派閥です。賛成は465票です。どちらとも言えないが264票ということで。
この結果、どう思われますか? その他の周辺の制度を整えた上でっていうことなんでしょうかね。いかがですか。
経沢:私がいつも「女性が輝く社会を実現したい」とか言うと、男性の方から反感もあります。
堀:言われます?
経沢:ベビーシッタ―文化を大切にしたいというのもですが、賛否両論ある中では、時代の過渡期には、上手に意見を通していくっていうのが大切だとも感じています。例えば、宮崎さんは若い世代の代表です。
今まで先輩、先陣切ってやってきた人たちがいて日本があるので、無理に対立構造を作らないほうがスムーズに事柄が進むこともあるのではないかとも考えます。
堀:そうですね。
経沢:何か案を通す時に、感情論で「男性も育休取るべきだから真っ先に取る」っていう、そういうイメージになっちゃうと、一気に反発が噴出して、議論としてはいいと思うのですが、実際例えば何か変えようと思った時に、反感を買った結果、変えられなくなったりする。
だから、上手に根回しって言うと言葉が古いのかもしれないけど、そういう上手なやり方もあったのではないかなと思う部分もあります。
中谷:男はやるからね、根回しをね。
経沢:本来、そういうのを上手にやったほうが、政治などの古い世界では、うまくいったのではないかと。設計をもう少し考えてから提案したほうが良かったように思う部分もありました。
中谷:「何が足りないのか」ということが、やってみてわかるから意味がある。やってみないとどういう仕組みが足りないのかがわからないっていうところは変えていくといいですね。
堀:この議員の方も、これを経て次の議会にチャレンジする時に案を出してみたりするといいかもしれませんね。
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