2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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平将明氏(以下:平):皆さん、こんにちは。カフェスタトーク・シーズン9、司会の平将明です。
今日はなんと、公務御多忙の中、木原誠二副大臣においでいただきました。よろしくお願いいたします。
木原誠二氏(以下:木原):よろしくお願いします。もうシーズン9まで来てるんですね。よく続いてますね。皆さん我慢強く来ていただいてありがとうございます。
平:116回目。徹子の部屋か、月曜のカフェスタかというぐらいですからね。ほとんど私の話術でやってますけどもね。
木原:今日も見せていただきましょう。
平:今日は準レギュラーの魚屋さんの生田さんが、マルタ島で資源管理の国際会議に招待されてまして、代役で木原誠二さんに……(笑)。
木原:まぁつまらないと思いますけど(笑)。楽しくお願いします。
平:すいません、ありがとうございました。
平:それと、今日から新しいアシスタントが内定をいたしましてご紹介したいと思います。慶應義塾大学法学部政治学科1年生の大澤咲希さんです。よろしくお願いします。
大澤咲希氏(以下、大澤):よろしくお願いいたします。
平:ニコ生とか出たことありますか?
大澤:ないです。
平:ないですか。コメントが好き勝手に入りますけど気にしないでくださいね。
大澤:はい。
(会場笑)
平:ということで、よろしくお願いします。
大澤:よろしくお願いしいたます。
木原:ずっとこれからレギュラーで出られるんですか?
平:彼女が今日は一応試しに出たみたものの意外とおもしろくないなとか、私のキャリアに役に立たないなと思ったら、もう来週から来ないかもしれませんけど。
木原:頑張りましょう!
平:でも大学1年生ですからね。うちの娘が大学1年生ですから、同級生ですよ。だから平成7年?
大澤:8年生まれ。
木原:8年生まれ。ちょうど20歳になるということ?
大澤:そうですね、来年20歳になります。
平:だから、一番自民党の弱い若者の目線をどんどん取り入れていきたいと思います。木原さんの説明がわかりにくかったら、「わかりにくいよ!」とか「国民不在だ!」とかどんどん突っ込んでいただいて。
木原:「だからダメなんだ!」とかね。お願いします。
平:では、今日はよろしくお願いします。リラックスしていきましょう。木原さん、もう早いもので副大臣の就任が10月ということで。
木原:もう3ヵ月ですね。
平:アフリカに行かれてたって? アフリカのどこに行かれてたんですか?
木原:一昨日までエチオピアに行ってまして。エチオピアでAU総会という、アフリカ連合の総会がありまして。
平:アフリカ連合ってあるんだ!
木原:アフリカは54ヵ国あるんですね。その総会を年に2回やってまして。1月とたぶん6月か7月にやるんですけど、今回は1月の総会に行ってきたと。実は今年、TICADという……。
平:(コメントに)TICADって書いてますね。
木原:書いてありますか? アフリカ開発会議というのを日本はこれまで5年ごとに5回やってきたんですけれども。6回目を初めてアフリカでやろうということで。
平:もう5年も経つのかね?
木原:5年経ってないよ。前回は3年前に横浜でやって。これからは3年ごとに毎回。
平:3年ごとなんだ。
木原:日本で1回やったら次はアフリカでと。それで今年初めてアフリカでやりましょうということで。それも全部AU連合で決めてもらわないといけないので。
平:あーそうなの?
木原:昨日決めてもらって。今回の開催地はケニアなので。ケニアの大統領が記者会見をして発表したと。こういうことであります。
平:その交渉をしに行かれてたんですね。
木原:それが1つと、ちょっと話が飛んでもいいですか?
平:どうぞどうぞ。
木原:今年は国連が創設して70周年になります。皆さんにご案内の通り、国連というのは米、英、仏、ロシア、中国、5つの5常任理事国です。言葉は悪いですが、拒否権を持っている5つの常任理事国に牛耳られていると。
平:日本の外務副大臣が今、牛耳られているという言葉を使われました(笑)。
木原:言葉は悪いですけどって、一応言いましたが(笑)。
(会場笑)
これを70年の機会なので、安保理を改革しようということを提案しております。
平:大事ですね。
木原:実は安保理で議論される70パーセントはアフリカ問題です。なのにアフリカは、もちろん1ヵ国の常任理事国内ということなので、アフリカとタッグを組んでこの国連安保理改革を推し進めようと今やっています。
私たちのほうは、ドイツ、日本、ブラジル、あとインド、G4と言いますけれども。この4ヵ国で常任理事国入りを目指しながら、安保理改革をしようと言っています。
そのG4にはかなりの数の支持があるんですけど、国連安保理改革をするには、国連に190ヵ国の国が入っているので、それの3分の2、従って129ヵ国の支援を必要とするんです。
アフリカは先ほど申し上げたように54ヵ国いますから、アフリカと共同戦線が張れれば道が開けてくるということで、今回はそれをメインに行ってきました。
平:アフリカは比較的日本に対しては、好意的な国が多いと思うのですがどうですかね?
木原:後で議論があるかもしれませんけど、アフリカは中国の影響が非常に大きい。
平:そうですね。
木原:これはまた別の議論かもしれません。日本は戦後貧しいところから技術で発展してきた国ですから、日本に対する親近感は非常にある。
それから歴史的にヨーロッパと違って、アフリカとの間では植民地支配みたいなことがありませんから、そういう意味で言うと、日本に対する期待は非常に高いかなと感じます。とはいえ、中国の影響が極めて強い。
平:私も数少ない外交の仕事をした中で、昨年ユネスコの世界遺産に明治時代の産業革命遺産を登録をするという問題があって、ゴールデンウィーク明けに安倍総理の名代でセルビア、クロアチアに行ったんですけど。
韓国が反対していたんですね。強制労働があったとか、なかったとか。それは時代が違うので、そもそも言いがかりみたいな話なんだけど。
その時に感じたのは、私も日本にしてはかなり早いアクションで副大臣が国会開会中に向こうの首相に会って、日本の立場を説明したんだけど、韓国がその前の日に大統領特使が来て説明をしていた。
相変わらず韓国は早いなと思ったんだけど。さらには中国からレターが来てますという話があって。それでセルビアもそうだし、クロアチアもそうだけど、特にクロアチアなんかけっこう資金援助、ODAをもらっていて、日韓の問題なのに中国がわざわざレターを出して牽制するというのを見て、やっぱり中国はいろいろなところで、しかもお金も出しているということで、なかなかやりにくいなと思いましたが。
アフリカなんかもアレですよね、どちらかというと日本は、持続的に使えるもの、エネルギーのところを支援したりとかやってますけど、向こう(中国)はかなりインフラとか、議事堂とか目立つところを支援したりして、存在感はありますよね。
木原:やっぱり今回のエチオピアも首都に行くと、真ん中に鉄道が1本走っていて、中国が2年間でバッと作っちゃったという鉄道で。走るスピードは時速20キロぐらいのゆっくりとした電車なんだけれども、1回10円ぐらいでみんなが乗れるので、ものすごくみんながありがたがっているのが事実ですね。
日本は、農業支援とか、下水道とか、基礎的なインフラ支援を一生懸命やって来ているので。日本の価値は、皆さんはよくわかっているんだけれども、量に押し切られている感はややあるかなと思いますね。
なのでこのTICADは6回目になりますけれども、アフリカで開催するのでいい支援を形にしていきたいなと思います。
平:一方で、アフリカは今までどちらかというと、手を差し伸べて援助という感じでしたけれ、逆にいうとこれから成長が見込めると。特に東側とかですね。
あと資源の問題もあるので、一方的に援助をするというよりはパートナーとして一緒に伸びていこうという要素が強くなるんじゃないかなと思います。
木原:アフリカは人口が増えている唯一の地域ですし、資源が極めて豊富ですから。ただ、みんな資源に、油だ、銅だ、金だ、ダイヤモンドだというモノカルチャー、単一な経済しかやっていませんから、いよいよ経済を多角化して、本格的な製造業も含めてやらなければいけない。
平均年齢も若いというのは、人口も創造力もたくさんあるということですから。やっぱり日本の技術を持った企業が進出をして、その企業が進出できるようにODAが触媒の役割、地道なインフラ整備とか、生活支援をセットでやる必要がありますね。
そういう意味で言うと、中国にはない強みが日本にはありますから。技術力、それから民間の力で。これを前面に出してやっていく時が来ているのかな。特に今、資源価格が下がっていますから。
平:そうですよね。
木原:中国は、どちらかというと資源を求めて進出をしていったわけですけど、それが逆に資源価格の低下につながっているので、今がチャンスだと思いますね。アフリカの国も資源だけじゃない経済を作ろうと躍起になっていますから。
平:中国の問題は後でやりたいと思います。僕は経産省の外事政務官の時に、環インド洋経済大臣会議に行ったんですよ。
それで、我々はやっぱり環太平洋の話ばっかりするんだけど、環インド洋というのが非常におもしろくて、アフリカから中東、そしてインドまでのインド洋を囲んだ国々の経済大臣会議で。
これはほとんどインドが仕切ってるんですが、オブザーバーがアメリカと中国とイギリスとフランスと日本なんです。
木原:オーストラリアは入ってないの?
平:オーストラリアは入ってない。オーストラリアはそもそも環インド洋にメンバーとして入ってるから。
それで私は行ったんですけど、日本で作ったものが、タイのあたりで組み立て工場とか部品工場があったりして、日本からタイに行って、インドに行ってアフリカの東海岸というこの大きなベルトがある中で、環インド洋経済大臣会議というのはものすごく重要なんだけど、意外と日本がそれに気づいてなくて。
それで政務が行かないんですね。政務というのは、大臣、副大臣、政務官。官僚がその代理をすることが多いんだけど。あそこは本当はもっと積極的に日本が出張していって……中国は政治家が来ていなかったですよ。
木原:中国はどちらかというと、平さんはもちろんご存知だろうけど。
平:一帯一路。ワンベルト、ワンロード。
木原:一帯一路、シルクロード構想のほうが主要になっているから。そういう意味で言うと海の側、環インド洋のほうは、どちらかといえばやや強圧的な勢力になっているので。日本がそこをカバーしていくのは非常に重要なことでしょうね。
平:今度は中国ですけど、昨日、一昨日かな? ロバート・フェルドマンさんとか、竹中平蔵さんとか、外山さんとかとパネルディスカッションに出たんですけど。
世界経済を議論したんだけど、中国経済の先行きについて、何かみんな認識が甘いんじゃないかなという気がものすごくしていて。
木原:甘いというのは、大丈夫だってこと?
平:まだ大丈夫だということ。私は大丈夫じゃないと思っていて。しばらく前まで、中国は財政余力があるから、いざとなれば財政出動すれば支えられると思ったんだけど。
やっぱりこれだけGDPは嘘じゃないかと言われていて、いやいや本当だ本当だと言いつつ、たぶん6.8とか6.9パーセントの成長を前提に、いろんな供給の設備とか、資源の購入とかしてるから、あちこちでだぶついたのが顕在化していて、それで要は1兆米ドルクラスで投資する連中はみんな、3、4パーセントがいいところだろうと言っていると。
そうするとこの間も6.8パーセントと発表しましたけれど、そのギャップ、信頼感を埋めない限り、中国はものすごく時間がかかるし、いろんなギャップがどんどん顕在化していって、さらに負のスパイラルに入っていくんじゃないかなと思っています。
世界銀行の統計を見ると、それほど悪くないと。減速はするけど、という見方をしているんですが。これは政府高官としてはコメントしにくいと思いますが、中国はどうですかね? かなりやばいと思ってるんですが。
木原:これが難しいのは、中国はいずれにしても成長しますよね。平さんが言ったように、それが3パーセントなのか、はたまた7パーセントなのかといういろんな見方があるけど。
いずれにしても3パーセント成長するだけで、あの規模の経済ですからどんどんどんどん成長して、影響力が増していくのは間違いがない。
つまり中国のことを極端にみんなが2面で見ちゃって、ぜんぜんダメだと言う人は、ぜんぜんダメだと言うし。素晴らしいと言う人は、素晴らしいと言う。
これは非常に微妙で、3パーセントであっても、ある種から見ればぜんぜん減速なんだけど、でも常識で見るとこれはかなりの成長であって、その辺をバランスよく見ないといけないかなと思います。
平さんが言ったように、本当に7パーセントを維持できるのかというと、これはやや微妙ですね。
平:そうですね。
木原:財政余力はあるようで、これから少子高齢化も進むし、それから地方の分配もしていかなくちゃいけないし、財政力はあるようでないのが事実だと思うので。そういう意味で言うと平さんの見方は正しいと思います。
平:僕は3、4パーセントの成長にはなると思っていて。逆に言うと、ボリュームが大きいだけに、そのギャップが大きすぎる。
しかもあそこは、GDPがかなり投資が占めているので。投資は信頼感だから、そこはあまり甘く見ちゃいけないと思っていて、だから僕は中国はけっこう厳しいんじゃないかなと。しばらくはね。
木原:それは外務副大臣としてなかなか言えないということではなくて、マーケットを見れば、明らかに3パーセントかどうかは別にしても、ギャップが供給過剰になっていて、過剰になっているがゆえにオイル価格も下がっているし、マーケットがみんな下降トレンドになっているのはマーケットが証明していると思います。
アフリカも中国の投資に基づいた供給過剰に陥って、今まさに資源価格が落ちていますから、そういう意味でアフリカも今は大変だというのが現実でしょうね。
平:資源国はみんな、中国は資源国じゃないけど、ロシアもブラジルも厳しい見通しになっていると。通貨スワップのコメントがありましたけど、これ懐かしいなと思ったのは、あれいつでしたっけ?
木原:3年ぐらい前。
平:3年ぐらい前でね。日韓通貨スワップを木原さんと僕で、延長するなと言って大騒ぎして、延長を止めたというのを意外とみんな知らないんだよな。
木原:知らないですよね(笑)。
平:あの時、菅さんとも連携してね。財務省は、これは必要なんですってさんざん言ってて、だって韓国の大統領府の役人がいらないって言ったじゃないかと。
だから韓国政府、もしくは大統領に明示的に要請をさせろと。受ける以上はバーターで何かを取れと言ったら、韓国の大統領府が「あれは日本から頼んできたんだ」と言った次の日に、財務省が「あれを打ち消す会見をしています」と言うんですね。
今はすっきりしましたけれどもね。これから通貨が不安定になりつつあるので、韓国は通貨スワップをやって欲しい、拡大して欲しいという思いが強くなると思うんですが。
ぜひ外務副大臣として、しっかりと向こうにお願いをさせると。それで受ける以上は、その代わりお土産は何なんだということを、あの時の木原さんと私で日韓通貨スワップの一部を止めた時のような勢いで、ぜひ守りに入らずやっていただきたいと思います。
木原:はっきり言えることは、日本側から見て、今の日本の通貨の現状を見て、我々がそれを必要としているかというと、必ずしも必要としていない。
平:我々の側が。
木原:我々の側が、というのは間違いがないので。そういう認識に基づいてしっかりやります。
まさに平さんがおっしゃったように、あちらがどう思うかが大切なことだと思います。よろしいでしょうか。
平:はい、ありがとうございました。ぜひ外務省にはしっかりと対応していただきたいと。厳しくというか、こっちがあまり気を遣う必要なくて、対等な関係での対応でもいいと思います。
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