2024.10.01
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テーマ「アメリカ大統選の行方」について(全1記事)
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堀潤氏(以下、堀):さぁ、それでは早速まいりましょう! アメリカから帰ってきた山口さん、テーマの発表をお願いします。
山口:はい。これです。
(テーマ「アメリカ大統選の行方」について)
堀:やはり。「アメリカ大統選の行方」
脊山麻理子氏(以下、脊山):オバマ大統領の任期満了に伴い、次期大統領を決定するアメリカ合衆国大統領選挙が11月に予定されています。ますます激化する選挙活動に際して、有力候補者の動向に注目があつまっています。
堀:2016年と言えば、アメリカ大統領選挙。一体どうなっていくのか。7月に民主党・共和党それぞれの代表が決定して、11月にどの候補が大統領に選ばれるのか。
現在、民主党ではヒラリー・クリントンさんが。そして、共和党では、まさかまさかのドナルド・トランプさんが最も注目をあつめている候補ということでした。
クリントンさんはきているんですよ。トランプさんは、過激な発言で注目をあつめて、特に前半戦は、にぎやかし要員のように言われていましたが。
あのパリの連続テロ以降、ナショナリズムを煽るような発言が逆に彼の支持率を高めているようで。実際、アメリカではどうなんですか?
山口:トランプ氏の存在そのものについて、初めは本当に、みんな冗談だと思ったんですよね。なんせ、彼の発言は「メキシコ人は、レイピストだ、殺人者だ」というところから始まったわけですから。
堀:すごい物言いですよね......。
山口:信じがたいですよね! 「メキシコ人はレイピストだ」って。
最初は「こんな人が候補に残ったなんて恥ずかしいね」「誰も反応する必要ないね」「放っておこう」と言っていた知識人も、今になって「本当にまずいんじゃないか」というふうにして反論を始めているんですけれども。
トランプが候補者として残っている現状自体が、アメリカの根本的な問題の表れだと思うんですよね。アメリカの根本的な問題というのは、人種と階級と格差だと思うんですね。
そして、この人種と階級という問題は、基本的には一致していた。つまり、黒人と白人。白人はミドルクラス、黒人は低所得者層。そしてその間の格差があるという問題だったわけです。
今、ここにねじれが生じていると思うんですよね。白人が必ずしも今ミドルクラスになれないと。そして、白人のブルーカラーが増えてきていて。
堀:格差が台頭してね。
山口:そうなんですよ。逆に、黒人たちの中にミドルクラスへ上がっていく人たちがいる。ミドルクラスの黒人に対して、低所得者層に落ち込んだ白人が不満を持っている。「こんなはずじゃない、僕たちは支配者層のはずだ!」という人たちが、トランプさんを熱烈に支持しているわけですよ。
堀:これはでも、根深いですよね。
山口:かなり根深いです。
堀:構造的な問題でしょ?
山口:構造的な問題と、人種問題というのは絶対に解決しないと思うんですね。アメリカにおいては。
人種問題をみんな「解決しましょう」と言うのは、表面的には合意されているんです。しかし、実際に解決するつもりがないと思うのは、異なる人種同士はほぼ永久に交わらないからです。黒人と白人の結婚は滅多に起きないんですよね。
堀:オバマ大統領は、その辺りは自分の使命感を持って。経済政策に重点的に行うことによって、そういった構造的な格差の問題も変えていきたいと。
ただなかなか......。今も黒人の方を警察官が。つい最近もありましたね、暴行して問題になったり。これ、大統領選でどういう顛末を迎えそうでしょうか。
山口:この大統領選では、トランプさんが共和党からノミネート、指名されるかもしれませんが、やっぱりヒラリーさんがなるだろうというのが基本的な見方ではありますよね。
ただ、アメリカの矛盾は、白人という支配者層に対して、黒人とかブラウン系と今言われている人たちとか、有色人種と言われる(人たちの)不満がふつふつと湧いていて。
(そのような)ねじれの構造が非常にアメリカを不安定にしていると思うんですね。
この人種問題が本当に沸騰して湧き上がった場合には、アメリカの根本を揺るがす問題になるだろうと。
そして、トランプさんが非常に支持を集めているのは、アメリカの問題が表面化し始めているという表れじゃないかと思います。
堀:私も、欧米社会でいったら、ヨーロッパでそういった萌芽が花を開かせていて、それがアメリカに来て。将来的には日本も、私たちもいろんなことを考えさせられますね。
山口:私たち日本人は人種とか階級とかに対して非常に鈍感というか。「日本人って、日本人でしょ」という感覚があるんですよね。
ただ、それが自分とは違うものに対して排他的になってはいけないと思うので。私たちは、この問題は注視しておく必要があると思いますね。
堀:ありがとうございました。
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