2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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平将明氏(以下、平):はい、みなさんこんにちは。司会の平将明です。今日のゲストは、スウェーデンからわざわざやってきていただきました、トミー・ニホルムさんです。
(会場拍手)
平:あと私の東京青年会議所時代の先輩、青木安輝さんです。
青木安輝氏(以下、青木):ありがとうございます。
(会場拍手)
平:そして今日は通訳として、梁川幸さん。立教大学観光学科4年生。かわいい子ですね。そういう余計なこと言わないほうがいいかな。よろしくお願いします。
梁川幸氏(以下、梁川):よろしくお願いします。
青木:一応、今日通訳必要ないってことになってるんだよね。トミー日本語できるからね。
(会場拍手)
平:ということで始まりましたけど、今日は何で私はこんな結婚式みたいな格好しているんだというと、急遽、先週の金曜日に安倍総理の代理で、日本芸術院の授賞式に出てくれと言われて、聞いたら「天皇皇后両陛下ご隣席なので、モーニングで来てください」と言われて、一応娘の結婚式用に買ってあったモーニングを着て行ってきました。
やっぱり天皇皇后両陛下目の前で緊張しますね。私総理の代理なんで、一番最初に挨拶するんですよ。総理大臣代理代行ということでやって参りました。ちなみにいろんなコメントが入っていますが、私と平愛梨さんは親戚関係ではありません。
ちなみに今日は魚屋さんはお休みですので、よろしくお願いします。宮崎さんもお休みです。ということで、それでは早速青木先輩から。
その節は大変お世話になりました、ありがとうございました。東京青年会議所時代に青木さんが行政改革推進委員会の委員院長で。
私は青木さんの勲等を受け、当時の青島都知事に、行革の提言などをさせていただきましたけども、あれが私の政治活動の始まりでしたね。大変お世話になりました。
ということで、なぜトミーくんがここに来たのかも含めて、経緯をお話しください。
青木:昨年の9月に、スウェーデンのストックホルム郊外のドローナセットというところで、僕の仕事関係の世界大会があったんですね。
SOLというのはですね、Solutions in Organizations Linkupということで、コミュニケーションの中で何が悪いかという問題じゃなくて、何ができればいいのかというソリューションのほうにどんどん焦点を当てていこうという。
そういう手法を、大事にしようというようなことを研究する大会で、日本人のグループもそこに何十人か行ってたんですが。
リゾート地なので、バーベキューをやったりするんですよ。その時に彼が肉の取り分けをしててくれて、話かけてくれて、「こんばんは」なんて言ってくれて。
「観光地だから挨拶ぐらいできるのかな」なんて思って、「こんばんは」なんて、日本語はできないだろうと思っていたら、日本語がずっと続くんですよ。「よくできるな」と。
敬語もちゃんと使うし、時々タメ口みたいなのがぽろっと出て、「おもしろいなこいつ」って思ったんで、なんでそんなに日本語できるのか知りたくなるじゃないですか。
「じゃあ日本にいたんだ?」「いいえ」「じゃあ日本語のクラスを学校で取ったんだ?」「いいえ」「何でできるようになったの?」って聞いたら。「漫画とアニメです」って言うんで。クールジャパンすげーと思って。その瞬間、平さんの顔も思い浮かびました。
平:担当副大臣ですね。
青木:そんなにクールジャパンの威力があったんだというふうに感銘を受けて、ユーモアのセンスのあるし、どつき漫才なんかも好きみたいなんで、
これは日本に来ていないのにこんなに日本語ができるんだったら、日本に来たらすごいおもしろいんじゃないかと思って、クラウドファンディングですね。
平:これですね。TIJA。トミーインジャパン。
青木:トミーが日本に来たらきっとおもしろいよねということで、TIJA。トミーインジャパンという名前にしました。
彼は本当にアニメだけじゃなくて、料理人なんで、包丁はずっと日本製を使ってますし、日本の料理、文化にも関心があるので、来日したらすぐ銀座の日本料理の店に行ってもらって、いろんなことを見てもらって。
今回2週間の滞在なんですけど、いろいろ勉強してもらって、帰って、平さんの政策の中でもアンバサダーってありましたよね? 日本文化ファンの。彼は本当に日本文化のファンなので、しっかりアンバサダーになってもらって。
平: じゃあ早速トミーさん。アニメとかドラマとか、何を観て日本語をやろうと思ったの?
トミー:日本への興味のきっかけは、中学2年生から6年。その時漫画の英語版の『ワンピース』をすごくおもしろいなと、日本語版を探し始めた。その後は、すばらしい文化の国ですね。いろいろ調べ始めた。
平:じゃあ最初はワンピースだ。海賊だ。ここの自民党にも、海賊の末裔がいるんですよ。もし、いたら声かけてもらって。村上水軍の末裔が。今も暴れてるよ。
(会場笑)
平:それで、まずワンピースで?
トミー:うん。漫画はね。その後は、読むだけじゃなくて、日本語を聞きたいと思って、アニメを観始めた。一番最初のアニメは、『サムライチャンプルー』だと思います。かなり前の。その後は、『ワンピース』で、『トトロ』とか。
青木:今日もジブリ美術館行ってたよね。
平:予約とるの大変なのに、よく入れたね。
トミー:おもしろかったですね。
平:宮崎アニメだね。
青木:すごいなと思うのは、おもしろくなり始めたら。辞書を丸ごと4回読んだって言うんだもん。
平:すごいね。辞書って日本語と英語の辞書? 日本語とスウェーデン語の辞書?
トミー:日本語と英語の。このぐらいの4回読んだ。今はスーツケースにあるんですけど、東京駅のコインロッカー入れて来ちゃった。
平:日本人って英語勉強しても、単語がわかっても聞き取れないじゃん。日本語聞くのはや大丈夫? アニメから入ってるから大丈夫なのかね。
トミー:でも、アニメの会話は本当の日本語とはちょっと違う。普段、日本人がしゃべってる時には、もっと早口だからよく聞き取れませんね。慣れてないから。
青木:日本人って学校で何年も習ったのにできないとか、英語できると言ってながらもなかなかできるようにならないんだけども、日本語の学校に行ったわけでもないし、周りに資料もないのに、漫画とアニメだけでできるようになっちゃうんだから、日本人は習ってもいいかなって思ったんですよ。日本人が英語できるようになるために、もっと教材を漫画とかアニメにしちゃってもいいんじゃないのって思う。
平:いつ日本に来たの? 何日前? 何曜日?
トミー:火曜日。
平:じゃあほぼ1週間? 初めて? どうですか日本は? アニメで観た日本と?
トミー:想像以上に素晴らしいと思います。
平:元々は料理の見習いを?
トミー:実は自慢したくないんですけど、この料理は私のアイデアでした。シェフと相談して試してみたら、シェフからすごくおいしいと言われて。
平:これは何と何が写ってるの?
トミー:サーモンとタルタル。
平:タルタルソースね? タルタルはマヨネーズとエッグと?
トミー:ううん。本当はマヨネーズじゃない。
平:安いタルタル食ってるから。すいません。
(会場笑)
青木:クールジャパンという意味で言うと、彼の同僚もみんな日本製の包丁を使ってるんですよ。日本の包丁ってこんなところまで浸透してすごいなと思ったんだけど。そこのシェフの内、何人くらい日本の包丁使ってるの?
トミー:ほとんど全員ですよ。
平:日本の包丁はもともと日本刀の伝統があるので、世界的に非常に有名で、日本食がやっぱり世界に広まってきてるのもあってね。でも包丁は飛行機に持ち込むと逮捕されちゃうよ。ちゃんと別で運ばないと。日本食は食べた?
トミー:うん。
平:どうだった? トミーさんから見てもっとこうしたほうがいいっていうこととかあった?
トミー:そのままでも充分おいしかったですね。何も変えたりしたいとは思わなかったです。
平:なるほどね。出汁ってわかる? 出汁、うまみ。あれが日本料理のキーになるんだよね。スウェーデンはEUに加盟してるの?
トミー:はい。
平:そうすると、ここで何回も言っているんだけど、鰹節。鰹節がEUの基準に適合しないので、日本から輸出できないんですよ。だから、せっかく日本来たら、鰹節出汁のおいしいものを食べたらいいわ。EUでは食べられないから。
青木:この間、築地行って、包丁買ったり砥石を買ったり、結構日本料理店の人に築地案内してもらっていろいろ見たんですが。築地何がおもしろかった?
トミー:広いかと思ってた。本当にびっくりしました。狭くて、でも広い?
平:ごちゃごちゃしてるけど広い。
トミー:単純に魚の種類に驚きました。簡単に1万位の種類はあったのではないか。魚を求めて買いに行く人たちには天国みたいな場所。
平:楽しいでしょう? エキサイティングでしょ?
トミー:うん。そして、道を渡って、同じ広い野菜の商店街があった。
平:ああ、あったあった。場外市場。僕は違う。僕は大田マーケット。なるほど。カラオケもやる?
トミー:そうですね、初めてやったのは3日前。
(会場笑)
平:シダックス? カラオケボックス?
トミー:歌はあんまり得意じゃないんだけども、『上を向いて歩こう』を知っていて、一緒に歌ってくださいって言われて。
平:日本語で?
トミー:実は私はあがり症だから、人前で大声で歌うのは恥ずかしい。
平:でも気持ちいいでしょう、大きな声で歌うのは。カラオケボックス行ったの? スナック行ったの?
トミー:1回目はあんまり歌えなかった。昨日2回目行ったら、もう結構歌えた。
青木:カラオケもクールジャパンだと思うんだけどね。
平:クールジャパンですよ。だからクールジャパンとしての問題はいくつかあって、例えば「和食を世界に広める」と言っても、じゃあその肝となる鰹節がEUに輸出できませんねとかね。
カラオケで言うと、画面見ながら、安室奈美恵の歌とかアジアの人たち歌ってるんだけど、著作権の関係があって、安室奈美恵は出てなかったりするわけ。韓国は、カラオケでKARAの曲を入れるとKARAがいるわけ。「これKARAだな」って思うわけ。
でも安室奈美恵は、安室奈美恵に限らず複雑な著作権の関係で、せっかく世界中で流れてるのに本人が出てこないから、誰も顔が知らなく歌っている。だから、そういうことは僕ら政治の仕事なんだよね。
でも本当にそうやって、日本語の勉強しようとか、興味を持ってくれるというのはうれしいよね。他に漫画、アニメ、料理以外に日本に対する興味は何かある?
トミー:まあ……全部。
平:全部。じゃあ日本人になっちゃうしかないな、それは。
トミー:前世は日本人だと思う。
(会場笑)
平:すごいね! 前世日本人だった!
トミー:来日した時、成田エクスプレスから降りた時、帰ってきたって気分。
平:ああ、そう! じゃあ前世日本人だわ。間違いなく。すごいなあ。
トミー:日本に来るのは私の10年間の夢なので、ありがとうございます。
平:よかったねえ。
青木:クラウドファンディングをやるって言ってて……俺もその時、海外に行っててふわっとなってたからかもしんないけど、こんな若者が日本に来たらいいよねって。大会の最後の時に、「クラウドファンディングで彼を日本に呼びます」って言っちゃって、みんなに拍手されちゃって。
トミー君はぽかーんとしていながら、でも「日本に行けるのかな?」って思っていたんですけど。みんなが喜んでくれてよかったなって思ったんだけど、よく考えたら、素性も全然わからないし、大丈夫なのかなって後から心配になっちゃったんだけど。
でも、そこはやっぱりパっと会った瞬間のひらめきで、おもしろくていい人だなって思ったんで、実際にそうでよかったです。
平:その場でやる青木さんもすごいよね。相変わらず昔から行動力あるよね。頭から入ってくる感じするよね。
青木:だからこんなんなってしまった(笑)。トミー君もすごいんだけど、僕がクールジャパンでびっくりしたのは、向こうで結構いろんな若者が、やっぱりアニメや漫画のいろんな日本の文化に興味を持っていて、ストックホルムにも可愛い店があったりとか、日本のそういうのを専門に売ってるとことか。
オランダのバーで隣になったやつと話してたら、やっぱり漫画が好きだっていうんで、かなりいろんな漫画を読んだって言うから、「それを読んだ上で日本人の特徴を一言で表したら何?」って聞いたら、「ちょっと待ってください」ってしばらく考えたんですよ。
顔を上げて、私は日本人の特徴はこれだと思いますって言ったのか。『true sense of honor』って言ったんですよ。
平:true sense of honor?
青木:honorって名誉でしょうね。本当に名誉を重んじる心が。
平:武士道だな!
青木:そういうところに繋がってくると思うんだけど。そんなことが漫画で伝わるんだから、すごいなと。
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