2024.10.10
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田中和子氏(以下、田中和):そんな中で、もうだいぶ先生にもいろいろ話を聞いちゃっているんですけれども。「パパとの分かち合いが生まれるか?」という言葉。
ママと話していると、パパととても仲のいいママさんとか、パパの協力をすごく得ているママさんも当然いるんですけど、どうもやっぱり……。
まあママ会だからというのもありますけど、パパへの不満とか、「結局、自分がどんなに稼いで頑張っても、なかなかパパと対等になれないんだよね」という話になっちゃうかなと。と同時に、「マジギレ旦那行動」なんてものも……(笑)。
例えば、つい先日、まだ1歳のかわいいお子さんがいる若い同僚ママさんがいるんですけど、ママさん自身がノロウイルスにやられちゃって、夜中もう本当に大変だったと。そんな中でも子供は当然夜泣きする。
それで、旦那さんに「ちょっとどうにかして」って言ったら、「う~ん、○○ちゃんのお世話はママの役目でしょ」って言われてしまったということで、本当にマジギレしていて(笑)。
田中俊之氏(以下、田中俊):これは、十分キレる理由がありますよ。どういうことかというと、僕は、コミュニケーションのタイプとして、2通りのパターンがあると思うんですね。
1つは演繹型の人で、自分がそう思っていることを当てはめて現実を理解する人。もう1つは帰納的なタイプの人で、目の前に起こっている現象を見て、自分のリアクションを考えるパターンの人。
人間は、例えば水道をひねれば水が出るとか、自分が持っているパターンを当てはめて行動する側面が多くなきゃ生きていけないので、それが多くなっちゃうのはしょうがないんですけど、今の例なんかは、典型的にこの演繹型ですよね。
「赤ちゃんの世話は女の人がやるべきだ」「奥さまの仕事だ」ということを、そのような緊急事態においても当てはめるから、それはもうイラッとするのが当たり前であるということなんですよ。
つまり、緊急事態であるということを見て行動しようとするならば、我が家ではふだんはそういう性別役割分離をやっているけど、今は自分がやんなきゃということを当然理解できると思うんですよ。
僕は、夫婦のすれ違いとかキレるということについて、この演繹型の人が多いことが理由の1つじゃないかなと思います。
今目の前で何が起こっているのかを見て行動するならば、キレられることもキレることも減ると思うんですよね。
田中和:小中学校で「21世紀型学習」というのが始まろうとしているじゃないですか。コミュニケーション能力をもっと高めるとか、協調型学習やグループ学習、あと課題発見型学習などに取り組み始めていますよね。そういう学習が進むと、すれ違いは少なくなるのかしら(笑)。
田中俊:どうですかねぇ。この間、市民講座で福島に行った時に、「男の人と話していて何か困ることがあるか」というグループワークをしてもらいました。
そこで聞いたのは、ある若い女性が上司に「辞めたい」と相談に行ったら、「そもそも、なんで君は辞めようと思ったの?」と彼女が辞めると思ったことを頭ごなしに否定されたらしいんですね。
それが、まさに今の演繹型というか。彼女は今、上司に「辞めたい」と訴えているわけですよ。それに対して「辞めるなんてことを考えるのがおかしい」という考えを上司がぶつけてきたと。だから、彼女は上司に相談しても無駄だと認識したらしいんですね。
これは、家庭でも起こりがちだと思うんですよ。先ほどの例でも、自分の具合が悪い。それで、赤ちゃんが泣いている。それを「やってくれる?」と言ったら、「それは君の仕事だよ」って言われたら、もうその人とコミュニケーションをするということ自体を閉じちゃうと思うんですね。
田中和:レスポンスアビリティの話でいうと、レスポンスの余地を与えてないということですよね?
田中俊:そうです。これは人がぶつかる時の典型的なパターンというか。結論ありきの人と話していても、議論にならないじゃないですか。
例えば、ネット右翼とネット左翼みたいなもので。こっちに結論があって、それを当てはめて……という人とは議論にならないんですよ。
田中和:なるほど。そうすると、さっきのユンケル型の「パパはいないものと思え」ということを言いたくなりますね(笑)。
田中俊:コミュニケーションってすごく難しくて、相手に聞く能力がないと成立しないんだと思うんですよね。だから、パパは自分の聞く能力をもう少し疑ってもいいのかなと思いますね。
田中俊:僕は観察をしていて、男性にそのタイプの人が多いような気がするんです。自分の考えていることを当てはめて、処理しようとするタイプの人が。
田中和:博報堂には、生活総合研究所という、生活者の研究をしている研究所があるんですけど、そこがずいぶん昔に、「男性型の消費と女性型の消費・男性脳と女性脳」というレポートを出したことがあるんです。
女性は買い物すること自体が楽しくて、別に何を買おうかというのは決めずに行くんですね。「何か買い物をしたい」、もしくは漠然と「今日はお洋服~」くらいで、とりあえず行って店員さんとのコミュニケーションを楽しんで、自分にどれが似合うかしらってウィンドウショッピングをいっぱいして、最後に気に入ったのがあれば、もしくは流れで買う。
男性はショッピングに行く前に調べ物を全部済ませて、買うものは全部決まっていて、行ったらなるべく店員さんと話さずに「これください」って言って、店頭では自分が調べたものが正しいかどうかを確認するだけだと。
そこで店員さんに話し掛けられたら、買わなくなっちゃうみたいな(笑)。今の話とちょっとつながるかどうかわからないですけど……。
田中俊:いやいや、非常につながると思いますよ。そのパターンの類型からいくと、男性は買い物の時に、(店員さんとの)会話やウィンドウショッピングを無駄だと思っているわけですね。
男女関わりなくそういうタイプの人っていると思うんですけど、そうすると世界は絶対広がらないんですよね。だって、もうこっちは結論が出ているわけですから。
思いがけず似合う服があったとか、思いがけずいいブランドを発見したとかいうことはありえないわけなので、非常に自分の世界を狭めて、パターンに当てはまることだけで世界を認識したいというタイプだと。
その本人にとって世界は広がらないし、その人と会話をするほうからすると、話にならないということなんじゃないかなと思いますよね。
それって、たぶん消費だけではなく、旅行とか、ごはんを食べに行く時でも、「食べログで調べて1位の店に行こう」とか。観光スポットも、ガイドブックに載っているところを見て「あぁ、あった」みたいなことと一緒で、すごく新しい可能性を狭めちゃうタイプの行動のパターンかなと思いますよね。
田中和:おもしろいですよね。そういう意味でいうと、女性が企業の中に増えると、混沌とするかもしれないけれども、寄り道もいっぱいするかもしれないけれども、もしかしたら、おもしろい発見を……。
田中俊:そうです。今までにないパターンが出てくる可能性というのが後者のタイプ。性別で分けられるかどうかわからないですけど、そうやって目の前のことを見て、そこから学習して何か出していけるタイプの人がいたほうが、新陳代謝は進んでいくかなと思いますね。
田中和:女性脳と男性脳の話も、たまたま2つのタイプに分かれたという話で、たまたま女性脳のほうは女性に多くて、男性脳のほうは男性に多くて、どっちにも男性・女性がいるんですよ。
田中俊:傾向としてありそうだというのは、僕もそう思います。夫婦のことに戻せば、僕はまだ育児をやったことがないのでわからないですが、目の前で起きていることに対処し続けていかなきゃいけないわけじゃないですか。大人と違うので、ますます「このパターンであればこうだ」というものはない。
だから目の前のことを見て、自分の行動を考えるということが夫婦関係においても必要だし、子供という要素が入ってくれば、なおさらそうなんじゃないかなと思いますね。
田中和:じゃあ、もしかしたら私の同僚のパパさんも、お子さんが育つと同時に、パパさんのコミュニケーション能力も少しずつ育っていくんですかね?
田中俊:それは、コミットしていればですよね。たぶん、コミットしない人が一定数いるでしょうから。コミットすればそうなるんじゃないかなと思いますよね。
田中和:パパさんたちがコミットできるよう、応援しておきます(笑)。そんな中で、先生のご著書『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)の話をしていただいてもいいですか?
田中俊:はい。僕は大学で男性学の授業をやっているので、それを主にまとめた本で、やっぱり仕事、結婚、それから価値観の違いなどについて書いているんですけれども、どうしても「仕事というところでしか男性の評価がない」というさっきの話ですね。
ジェーン・スーさんに帯を書いてもらったんですけども、「男がつらくなくなれば、女も少しは楽になる! だって男のプライドの皺寄せは、女子供にくるんだもの」と書いていただいて。
男女の問題を考える時に、「まだ女性の問題が山積みの中で、どうして男性のことまでやらなきゃいけないんだ」と思う方とか、「パパも育てなきゃいけない」というさっきのことばとかもあると思うんですけど。
ここをケアしないと、女性の問題も解決しないという、両輪であるところの片方なんですよね。
男の育児休業(取得率)が2.3パーセントだと、このしわ寄せが誰にいっているかというと、当然女性にいっているに決まっているじゃないですか。
男の人が育児休業を取らないから、女の人が育児休業を取って、家事・育児に専念しなきゃいけないという状況が生まれているわけなので。
だから、この『男がつらいよ』という本は、「男の人のこういう面が大変ですよ」という話をいろいろ書いているんですけれども、そのことに目を向けていただいたほうが両性にとって幸せになるんじゃないのかなというメッセージとか、あとはこの本で訴えたかったことは、僕らが持っているイメージと現実にはかなりギャップがあるという話なんです。
さっきも言ったように、「現在どうあるか」ということを客観的に見て、それでどうしていくかを考えてほしい。
今日は、もう結婚している人が対象のイベントですけれども、現実とイメージがすごくずれているものの1つとして、男女の数の違いというのがあるんですね。男と女の数って一緒じゃないんですよ。
よく「最近の人は贅沢だ」「相手さえ選ばなければ結婚できるのに」とか言うんですけど。残念ながら、相手を選ばなくても結婚できない人はいっぱいいるんですね。
具体的に言うと、20代後半、25歳~29歳の男性の数から女性の数を引いたらどのぐらいになるかというと、13万人なんですよ。だから、相手を選ぼうが選ぶまいが、13万人の人は必然的にあまるんですよ。
田中和:男性が、ですよね?
田中俊:そうです。男性はあまるんですよ。20代全体だと26万人ぐらいあまるんですよ。でも国は、「ぜひ結婚をしてくれ」と言って、いろいろ予算を立てたり、地方によっては婚活のイベントをやったりしますけど、その事実を隠しているじゃないですか。どうあがいても……どうあがいてもというか(笑)、どうにもならないんですよ。
田中和:(数が)合わないですね。
田中俊:数が合わないですから。それも、多くの人はそんなことを思ってなくて、「男の数と女の数はだいたい一緒のはずだから、相手を選ばなければ結婚できるのになぁ」ぐらいのニュアンスで生きているわけなんですよね。
もちろん、自分の意思で結婚されない方もいますから、それに加えて結婚しない人が増えていくわけなんですけど。
これは社会の状況によって違って、戦争直後は当然女性のほうが多いんです。(男性は)戦死しているので。1975年になるまで、男性の数は女性の数より少なかったんですね。
だから、そういう事実に基づかない認識で「どうあるべきか」という議論をしていることが、男女の問題とか家族の問題においては非常に多いので、イメージと現実のギャップを埋めて現実を見なきゃいけないということですよね。
田中和:『<40男>はなぜ嫌われるか』(イースト新書)というご著書がありますけれども、私、実は秋ぐらいに出張へ行った時に、これを飛行機の中で読んでいたんですよ。
田中俊:ありがとうございます。
田中和:一緒に出張に行っていた44歳の先輩がいるんですけど、飛行機の中で「それ、ちょっと貸してくれない?」って言われて貸して、それ以来返してくれないんですけど(笑)。
田中俊:そうですか。これは、とてもいい本なんですよ(笑)。
(会場笑)
田中和:いい本でした。
田中俊:何がいい本かというと、まずジェンダーに興味がない人に読んでもらおうと思ったんですね。だから、学術的じゃないし、エッセイなんですよ。
ジェンダーとか男女共同参画とか、「男性学」ってついていると、だいたい学術的な内容になるんですけど、こうしたテーマに関心がない男性にリーチできないという問題があるんですよ。
僕はいろんなところで市民講座をやったりしていますけれども、来る人は来るんですね。こういうイベントにも若い男性で来てくれる人がいて、今すごくうれしいなと思うんですけど、やっぱり主には来ないんですよ。
これはウィメンズプラザに限らず、全国のどこの男女共同参画センターでも、自分の問題と思っていない人が多いので。
こういうところに来る人は、もういいわけですよ。意識も高くて、行動も伴っている人なわけで。じゃあ、「そうじゃない人にどうリーチするか?」と考えた時に、「中年の男性は、何も考えずに普通に生きているだけだと嫌われちゃうよ」というのをフックにして、内容もジェンダーとかそういうことばを使わずに、「中年の男性がどういう問題を抱えているのか?」ということを述べたんですね。
田中俊:例えば、第一章では洋服のことを論じたんですけれども、これは大変重要なことでして、スーツ以外は持ってない人ってけっこういるんですよ。つまり、大学の時以来服を買ってない人がいるんですよね。
どうしてそういうことになっちゃうかというと、地域とか、会社以外の友達がいなくて、「出かけないから私服はいらない」というからくりなんですよ。これは大変憂慮すべきことですよね。
あとは、「いつまでも自分が若いと思っちゃっていませんか?」とか、そういうことを淡々と教えてあげる本なんですね。
やっていただきたいことは、自己反省なんですよ。みなさんは男性学をどういう学問だと思われているかわかりませんけども、やっぱり自己反省なんですね。
例えば、今日こういったことを散々述べておいて、僕の家が共働きにもかかわらず、妻しか家事をやってなかったら、「あいつおかしいな」ってなるじゃないですか。
つまり、自分が「男性はこうです」「こういう傾向があります」「こういうところが足りません」と言っていることは、全部自分に返ってくるわけなんですよね。
さっき、自由と責任という話が出ましたけれども、固定された「男はこうしていればいい」という部分を掘り返して、考え直して、「それでいいのか?」ということをやるということなんですよ。
そういうことを、日々、授業やこういう場でやっている僕にとっては、当たり前のことが多いんですね。「男性はこうしたほうがいいよ」というアドバイスって、「そうやらないと家庭が回らないだろうな」とか、「そういう考えによって女性にいろんな責任を押し付けているな」って。昔は、自分も当たり前とは思わなかったです。
そうやって男女が分け隔てられて育ったし、僕は吹奏楽部だったんですが、吹奏楽部って男子が少ないじゃないですか。上の先輩から、「女は感情的で部長になれないから、男が部長やらなきゃダメだぞ」って言われたんですよ。
田中和:逆差別ですね。
田中俊:そうなんですよ。今から23年ぐらい前にね。当時は「そうなのかな」って思いましたよ。だって、先輩がそう言うし、「確かに女の子はすぐケンカしちゃうかもしれないから、男が部長やらなきゃな」って思ったわけですけど。
そういうことのおかしさというのは、ジェンダーを勉強したり、講義したり、自己反省していく中で、気づいていけるわけですよ。
だから、自分を変えるきっかけとか、「自分がもしかしたら偏った考え方をしているかもしれない」というのに気づくきっかけとして、いろんなエッセイが載っているので、ご活用していただけたらなと思って書いた本です。40歳前後だったら「ギリ間に合うのかな」というか……。
田中和:ははは(笑)。
田中俊:いろんな人がいるので、何とも言えないんですけど。もう頭の固いおじさんたちを説得するのは無理なんじゃないかとも思っていて。
田中和:キビシイ(笑)。
田中俊:正直、諦めて切り離して、40歳ぐらいの人から世の中を変えていこうというほうが早いというか。それ以上だと、感覚的にやっぱり遠いなと思うんですよね。
田中和:ママたちも、企業の上のほうの人たちに共感とか理解とかを求めてもしょうがないと言って、「粘土層」と呼んでいるんですよ。
田中俊:あっ、それ知っていますよ。
田中和:どんな粘土でも、しばらく待てば乾いてそのうち剥がれていってくれると。それを待っていようかなと。ただ、ママとしては、子供の成長だけは待てないんですよね。今日の変化が必要。
田中俊:そうなんです。
田中和:さっきの長期的な視野と、今日の問題という意味では……。
田中俊:それでいくと、例えばサイボウズとか若い経営者の方の会社は、やっぱり変わっていっているじゃないですか。
だから、この世代の人だったら話が通じるし、「価値観を転換するべき時なんじゃないか」というメッセージが通じやすい。あと、団塊ジュニアだから実は数が多いんですよね。
影響を及ぼすということであれば、団塊世代の子供なわけですから、ものすごい数がいるので、この人たちが意識を変えたり考え方を変えたりしたら。
典型的なのが育児休業ですよね。男の人が育児休業を取るということを、例えば10パーセントぐらいの人、10人に1人が選択するようになれば……。
現状2パーセントということは、かなりまれな事例だと思うんですね。「あの人、育児休業取ったけど、ちょっと変わっているからね」で済んじゃうと思うんですけど。
僕らの世代で10パーセントの人が取れば「最近よく見るよね」という流れを作れるんだと思うんですよ。そして、次の世代に20パーセントぐらいになったら、5人に1人だから「最近って、男性も育児休業取るものなのかね」ということになる。
田中俊:あともう1つ、男性の問題に力を入れたほうがいいというのは、伸びしろ。長時間労働をしすぎだし、育児休業も取らなすぎだし、ここを伸ばしていく政策の可能性というのはあるので。
さっきも言ったように、それをやることによって女性が楽になるという側面もかなりある。だから、ここを推したいですね。
田中和:確かに。そう考えると、40男というのは、ギリ、味方になってくれそうな気がしますね(笑)。
田中俊:そう。こっち側の議論に(巻き込むことができる)。だって、疑問も持っていると思うんですよ。それより上の人だと、働き方の見直しということの意味が通じない人が一定数いるんですよね。
「働き方を見直す必要があります」と言った時に、さっきの話の「なんで辞めるの?」じゃないですけど、「なんでそんなことを思うのか」という人が。
田中和:あと、「長く(仕事を)やるからこそ成果が出ているんじゃないか」ということを信じて止まない人が。
田中俊:「そういう滅私奉公があったから、うちの会社は大きくなったんだ」とか。
田中和:過去のやり方が成長の鍵で、やり方は変えたらいけないと信じている経営者はまだまだいますね。
田中俊:だから、やっぱり戦略が必要というか、世の中を変えていくという時に、動かないものを動かそうとしててもムダだというところが残念だけどあるんじゃないかなぁと。
味方になってくれる人もいれば、なおよいわけですけども。それよりも、変わる可能性があるところに労力を割いていったほうがいいかなというのは正直ありますよね。
田中和:じゃあ、40男に期待を持ちつつ(笑)。
田中俊:それは当然そうですよ。だってかわいそうですよ。今の中年が、このまま何の出番もなければ。ただ、就職氷河期を味わって、「ロスジェネ」とか勝手に名前つけられて……(笑)。
田中和:いつまでたっても、バブル世代のほうに「俺たち偉い」みたいな顔されるんですよね(笑)。
田中俊:そうです。なんか「永遠の若手枠」みたいな感じで。それはもう困ったもんですよ。
田中和:この本も、取られちゃって帰ってこないぐらい愛されている本だと思うので、ぜひみなさんにも読んでいただきたいと思います。
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