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「イケてる女子と地方を売り込め!」ゲスト:葉山彩子さん(全4記事)

お金のない人でも楽しめる 骨董品オークションの魅力とは?

自民党が放送するトーク番組CafeSta(カフェスタ)。火曜日の17時は、「イケてる女子と地方を売り込め!」をテーマに、司会のネットメディア局次長・ふくだ峰之氏とナビゲーターの伊藤ようすけ氏が、ゲストと一緒に地方創生や社会問題について語り合います。今回のゲストには、株式会社縁代表取締役・葉山彩子氏が登場。葉山氏は、作者のストーリーをたどる日本画の楽しみ方や、作品の価値を買う側が決める骨董品オークションの魅力を紹介しました。

外国人が日本の骨董品や美術品に惹かれる理由

ふくだ峰之氏(以下、ふくだ):葉山さんの会社で、外国人と日本人(の購入者)はどれぐらいの比率なんですか?

葉山彩子氏(以下、葉山):今のオークションの比率で言いますと、海外が3、日本が7ぐらいの割合になってます。そのときによっていろいろ比率は変わります。

伊藤:海外は特にどの辺が多いですか?

葉山:全世界、いろんな国からお買い求め(いただいて)、私も驚くんですけど、ドバイとかエジプトとか、知らない国もあります。ただ、やっぱりアメリカが一番多いかなと、うちのバイヤーたちが言ってました。

伊藤ようすけ氏(以下、伊藤):アメリカが多い。

ふくだ:やっぱりアメリカというのは、ある意味ではすごい国だけど、歴史が浅いから、日本の歴史とか奥深さみたいなものに対して、憧れがある人が多いのかもしれないね。

だから僕が思うのは、例えば掛け軸みたいなものは、外国の人は何が書いてあるかよくわからない、ということはデザインで買ってるんじゃないかと。何となく字体がかっこいいとか。

何とかっていう人が書いたって言われたってもその人自体も知らないし、言葉の内容自体も知らない。だけど買うというのは、形がおしゃれとかそういう理由じゃないかなという気がするんだけど、違うんですか。

葉山:たぶんそうだと思います。

伊藤:それしかないですよね。日本人ですら何書いてあるのかわからなかったりしますもんね。

葉山:わからないですね。でも、作家がわかったりとか、書いた時代がわかったりとかっていうヒントがあったりすると、そこからその作家について調べるとおもしろいことがわかったり、好きだなと思った作品からいろいろと解読していくと、古美術の世界にハマっちゃうんですよ。おもしろいんです。

奥深い日本画の楽しみ方

伊藤:古美術の世界にハマるって、何が楽しくなってくるんですか?

葉山:私は日本画がすごく好きなんですけど、「その作家の絵が好きだな」というのは、外国の方も日本の方も絵だったらわかりやすいじゃないですか。

それでパッと見ていいなと思ってから、その作家がどんな師匠に習って書いたんだとか、その時代にはこんないろんな絵を書く人がいたんだとか、息子がこんなんでとか……そういう話がいろいろ文献を調べたりすると載ってますので。

伊藤:そしたらやっぱり、その人の人生が写し出されたような絵が出てたりするわけですか?

葉山:そうなんですよ。この人の人生の、こういう大変な時代に書きはったんやなとかって思って見ると、すごくまたおもしろかったりするんですよ。

モノの価値は買う側が決める

伊藤:これは、お金がいくらあっても足りない世界って言うけど、高価なものから我々でも手の届くような値段のものはあるんですか?

葉山:高いというイメージがありますけど、余計にこのオークションというシステムがすごくいいなと思うのは、お客さまが値段を決めて買えるわけですよね。高いと思ったらすぐやめられるし、欲しいと思ったらどんどん踏み込んでいって買っていただくのでも、値段はお客さま主導で決められる、売る側が決めないというシステムは、すごくいいなと思っているんです。

うちは買った値段がいくらであれ、一応Yahoo!で売るときは1,000円とか、安いスタートを決めて、お客さまのご判断に委ねるかたちで売っています。

伊藤:え、損する場合があるじゃないですか。

ふくだ:そらあるじゃない。

葉山:ありますけど、それがお客さまの思われた価値なんだからというかたちで。

ふくだ:逆もあるわけでしょ。本当は安い値段だったけど、そのお客さんが好きで何倍に買ってくれたみたいな。

葉山:安いというのも、たまたまうちが安く買えたという事情があっただけで、このモノの価値というのは、本当に決まっているようで決まっていない世界で。

なので、オークションというシステムで、いろんな人たちがもっと買いやすい時代になったんだろうなと思っています。

お店で高い値段が付いてるものを買うのは、やっぱり難しいじゃないですか。だけど安いものから高いものまで、できるだけいろんな作品を世に送り出せるというのが、私はオークションの良さだと思ってて。

本当によく言われるように、骨董は偽物もたくさんあります。印刷というのも値打ちが低いように言われてますけれども、印刷というのは本人の本当の作品のプリントなので、私は絵を知らない方とか絵を学び始めた方たちには、その作家の本物が本当はどんな絵なんだということを知るためには、印刷はものすごく勉強になると思いますし。

研究者の方にとっては、きわどい偽物も本物も入り混じった中で、この時代にこんなことしてた人たちがいたという資料的な価値がたくさんあるものがあると思うんですね。なので、資料的なものはできるだけたくさん学者の方に買っていただきたいし。本当にすばらしい名品は、目の肥えたコレクターの方が買っていただくでしょうし。

名前のない作家でもすごくいいなと思ったものは、若い方でも安い値段で買っていただけると思うので、良い悪いという判断をこっちがしないというのを、私はいいなと思っています。

どんなものでも、できるだけたくさん世に送り出すことで、日本なのか海外なのか、どこでもいいんですけど、本当にいいなと思ってもらった人に渡っていくことが、美術品が絶えないでずっと回り巡るという、そういうことを夢見て頑張っています。

骨董の世界で戦う女性は珍しい?

ふくだ:古美術の世界って僕のイメージは、老眼鏡かけたおじいちゃんとか、そういう感じの人ばっかりじゃないかと。女性がいる世界じゃないんじゃないかと勝手に思ってたんだけども。いるんですか? そういう、(葉山さんみたいな)女性で、経営者みたいな人?

葉山:骨董屋さんで、会社をしてはる方がすごく少ない業界だと思います。みんな一匹オオカミで戦ってらっしゃるので、バイヤーの世界なんで。ただ、私は売るほうに専念しようと思って、そうするとやっぱりチームを組まないとできないので会社にしたので、今はこのかたちでやってる会社って少ないんだと思うんですけれど。

ふくだ:個人ではいるわけ?

葉山:はい、骨董界は個人の方がほとんどで、少ないですけど女性もいらっしゃいます。圧倒的に男性が多いと思いますけれど、みんなだいたい個人でやってらっしゃいます。うちの主人もそうでした。

ふくだ:業界の中に、女性で個人でやってる人の比率って何割ぐらいいるんですか?

葉山:たぶん1〜2割ぐらいなんじゃないかなと思います。

ふくだ:安倍政権はどの世界にも(女性が)3割って言ってんだから。もうちょっと増やさなきゃ駄目よ。ちなみに、その骨董の世界って女子には居心地悪いんですか?

葉山:どうでしょうね、わかんないです。

伊藤:葉山さん見てる限りでは居心地悪そうじゃないですよね。

葉山:私は会社の中にいますので(笑)。

ふくだ:なんかこう、すごい理屈っぽいおじさんとかにガツンとやられちゃうようなイメージがあるんですけど、業界的にはそんな感じじゃないんですか?

葉山:そんな感じはない。

伊藤:わりと旧態依然とした、そういうことはないんですか?

葉山:そんなことないですよ。

ふくだ:僕らの思い違いみたいなもの。

葉山:そうでしょうね。みなさんいろんなイメージをお持ちでね。

伊藤:でもやっぱり、骨董品というとそれを買い求めようとする方は女性より男性って感じはしますよね。

ふくだ:買う人どうですか? 男女比。

葉山:私は男性が多いかなという気はしますけど、でもどうでしょう。

伊藤:そうなんだ、女性でも。

葉山:女性も買われます。インターネットだと、本当にいち個人の方が買われますので、女性の方も多いですね。

ふくだ:掛け軸とかみんなどこに飾ってんの? だって今、床の間とか和室がない家も多いじゃないですか。

葉山:壁が一つあれば細長くかけられるものなので、トイレであれ、玄関であれ、リビングであれ、どこでも。ちっちゃいのから大きいのまで、掛け軸はいろんなサイズがありますので、どこででも掛けて使っていただけたらいいなと思ってます。直すとき簡単で、すぐ掛け替えられますのでいろいろ楽しめます。

伊藤:葉山さんのおすすめの(掛け軸)なんか見たいな。どういうのが。

ふくだ:持って行き方がうまいね。ちょっとこれ大丈夫ですか?

葉山:ちょうど今の季節にいいなと思うものがあったので……すみませんが、持っていただけたらと思って。

伊藤:僕持ちます。

ふくだ:丁寧にね。

葉山:こんなのを掛けて楽しんでいただきたい。

ふくだ:これ、桜ですか?

葉山:そうですね。

伊藤:僕、全然見えないんやけど。まあ、いいですよ。

葉山:こんなのを、洋間でもどんなところでも私はいいと思うんです。掛けれるところがあれば、そこがもうギャラリーになるので。

伊藤:こうなってるんや。

ふくだ:これは、何年ぐらい前のものなんですか? 20年ぐらいですか?

葉山:これはもともとは渡辺崋山っていう有名な作家がいて、その作家の息子さんの、次男の渡辺小華っていう方が描かれたっていうふうに名は入ってるんですけれど。まだお侍さんでありながら画家でいらしたっていう一家の。

伊藤:これは何年ぐらい前の作品なんですか。

葉山:幕末ですよね。だから、今からだと何年ぐらい前でしょう。

ふくだ:1860年代ぐらいだね。

伊藤:なるほど。ちなみに、これっておいくらくらいなんですか。

葉山:これもオークションに出しますので、値段はないです。まだ付いてない状態です。それで、お客さまが決めたお値段で買っていただけたらいいなという話。

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