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【スピーチ講座2】目の前の聴衆にグッサリ刺さるメッセージをつくる「特有化視点」(全1記事)

「刺さる」プレゼンのために理解すべき2つのニーズ

プレゼンやスピーチとは、1対1で話すものではなく1対大勢に向けて話すことがほとんどですね。例えば、1対1で話している時に相手に合わせて話すことをカスタマイズすることは普段自然とやっていることです。しかし、相手が大勢になればなるほど私たちは一般的な大勢に向けた話をしてしまいがちです。そういった話をすると、なんとなく誰にでも刺さるふわっとした話をすることになってしまいます。野村尚義氏によると、プレゼンテーションには「一般ニーズ」「特有ニーズ」の2つのニーズがあり、一般ニーズは、誰にでも刺さるふわっとした話、特有ニーズは目の前にいる人だけに当てはまるカスタマイズされた話を言います。どんな人に話すかのターゲット設定をしっかりすることによって、相手にグッと刺さるスピーチをすることができます。プロが解説するプレゼンのコツを参考にしてみましょう。

スピーチは誰に向けて話しているものか

野村尚義氏:こんにちは、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。さてスピーチ講座、今回のテーマはですね、あなたのそのスピーチ誰に向けて伝えられるものでしょうか。このテーマでお話したいと思います。スピーチって1対1で話すことってほとんどなくないですか? 人前に立って大勢の聴衆を目の前にしてその中で話していく。スピーチっていうのは、1対多であるというのが前提になっている言葉です。

その時に我々が気をつけないといけないのは、そのスピーチをその他大勢に話してしまう、そのリスクがとっても高まってしまうということですね。例えば想像してみてください。ビジネスで営業のシーン、商談をしていくと。目の前には、1人のお客様しかいない。そんな時に、お客様あなたにとってどういう意味があるのか……目の前の人にだけ語っていく、その構造が自然ととれます。

例えばあなたがラブレターを意中の人に書くとしたら、その人に伝えるが為に書いていきますよね。2人の思い出について書いたりなどなど。あなたのどういうところが好きなのか。こんな話をするのではないでしょうか。聴衆、聞き手が絞られる1人になった時、我々はその人に対してカスタマイズした話をするっていうのを我々は当然のように行います。もし万が一、それをやっていないとしたらかなり赤信号です。

我々はスピーチで大勢に向けて話してしまいがち

でも、聴衆が複数人数になっていくにつれて我々は一般的なその他大勢に向けた話をしてしまいがちなんですね。例えばスピーチのタイトルにこんなテーマがくるとどうでしょうか。「やりきれ。完全にやりきった時に必ず道は開ける」そのタイトルなんか涙モノの話を聞きそうですけど、誰が聞いても受け入れられそうな話な気がしませんか? それは、表現を変えると誰にでも刺さる話っていうのは、誰にでも刺さる程度のふわっとした話にしかならないということです。一人ひとりが自分の中の思い出を共感、共振させて響かせる、ここになかなか限界が出てきてしまうということです。

プレゼンテーションには2つのニーズ

私は、こういう話をしています。プレゼンテーションには2つのニーズがあると。一般ニーズと特有ニーズ、今言ったとおり一般ニーズっていうのは誰にでも当てはまりそうな話です。一方、特有ニーズというのは目の前にいる人にだけ当てはまるような個別カスタマイズされた話です。

そして、多くのスピーチにおいて、どうしても我々は最大公約数的なこちらの話(一般ニーズ)をしてしまいがちです。一方こちら(特有ニーズ)にいけばいくほどドスンと刺さる可能性は高まっていく。だから考えて欲しいんですね、あなたのスピーチは誰に向けて話している話なのか。そして、その人に対してだけ刺さる、その人だからこそ刺さるようなどんな話を盛り込むがために、そのターゲティングがなされているのか。もし、ターゲット設定をやったけど結局誰にでも同じ話して、他の人が聞いても一緒ですよって言ったら、それターゲットされてないのと一緒じゃないですか。

考えてみてください。特有ニーズ、ここに対してどれくらいぐさりと刺すことができるのか。以上、ワンポイントスピーチ講座。野村尚義がお送りしました。

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