2024.10.10
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マーク・ザッカーバーグ氏(以下、マーク):やあ、ようこそ。ここ、Facebookにおける私たちの初めてのタウンホールQ&Aにお越しいただきありがとうございます。
恐らくここ7から8年のものだと思うのですが、Facebookでは毎週従業員が僕のところに来て何でも聞きたいことを質問をするQ&Aを行っています。そこで彼らは「最近どうですか」だとか「会社はどこに向かっているんですか」だとか、彼らがプレスで読んだり、プロダクトを使っている友人から聞かれたりした質問だとかを僕にするんです。
私たちはオープン性やコミュニケーションを大切にしていて、Facebookはそのために存在しているとも言える訳ですから、この伝統は私たち双方にとって重要なものなのです。
しかし、フィードバックを得ることや、人々の心の中にあることや従業員やチームの一員が考えていることを知ることは、私にとって、また会社を経営する上でも、大切なことです。
そしてしばしば、私たちが作っているものについてや、私がここで世界に何をするかについての考え方を変える質問や、異なる問題にどのように取り組めばよいかを考えたり再評価したりさせるような質問を人々がしてくれることがあります。
私たちのコミュニティにいる人たちと、このようなタウン・ホールQ&Aを始めることには価値があると考えています。だから私はしばしば……私が外に出てどこかに行ったときは、座ってQ&Aをして、行った先の人たちと交流することがありますが、私たちの仕事の仕方から言って、そのように出かける機会は実際そんなに頻繁にはありません。
私はここでほとんどの時間を使っていています。私たちは構築しているプロダクトに取り組んでおり、それが私たちのコミュニティの、私たちの使っているプロダクトを毎日使っている人々に対して最も貢献できる方法だと思っていますので、私は毎朝起きて、私たちができる最良のものを構築しようとしているのです。
そこでQ&Aをやるのは面白いことだと思ったのです。ですから、こんなにもたくさんの人が今日ここに、私たちと話をしに、フィードバックをくれに、そして質問をしに来てくれて嬉しく思っています。私は会社内に持っているのと同等にオープン性と透明性を持って、私たちがやっていることや私たちが向かっている方向について、不思議に思っていることについてもみなさんがもっている質問に答えたいと思います。
伝統にのっとりまして、このQ&Aに答えるのは私だけではありません。何より私が全ての質問に答えを持っているとは限らないからなのですが、このQ&Aをもっと楽しくて興味深いものにしている要素の1つは、毎週の従業員とのQ&Aに来てくれているマネージメントチームの人たちです。このタウンホールQ&Aでもそれは同じです。では、紹介するので立ち上がってもらいましょう。
(客席の従業員達を紹介する)
ここにはたくさんの従業員たちが来ています。私が答えを知らない問いもあるでしょうし、彼らを頼りたいと思います。また毎週のQ&Aのときと同じように私が間違ったことを言ったら「おい間違ってるぞ。これが答えだ」と遠慮なく口を挟んでもらいたいと思います。
では、いよいよ始めましょう。まずはQ&Aスレッドから始めたいと思います。私たちはFacebookにQ&Aについて書いたポストを行い、質問を受け付けました。それから、それらの質問に「いいね!」をつけることによって他の人たちにも投票してもらえるようにしました。まずはスレッドでトップの質問に答えることから始めたいと思います。チャールズがこれについて説明し、スタートを切ってくれます。
チャールズ:ありがとう、マーク。今日の流れについてお話しします。マークが言及したように、まずはそのスレッドからいくつかの質問を拾ってスタートします。スレッドにはアメリカ中から質問が集まっています。そして会場を回り、聴衆のみなさんが聞きたいことを探りたいと思います。よろしいですか?
(会場を見回す)
では、最初の質問に行きましょう。マーク、これはスレッドで人気の質問です。アディスアベバのヘイリーから、メッセンジャーについての質問です。「なぜ、Facebookのメッセンジャーをインストールすることを強制するのですか?」
(会場笑)
マーク:いい質問ですね。私たちの内部のQ&Aでも厳しい質問は出るんだけど、それはいつもとてもありがたいことなんです。そういう質問は私たちを律してくれますから。私たちはいつだって、「私たちが何をしているのか」「どうしてこれが良いと思うのか」を説明するということの必要性は、自分たちのする行動に対しての重要な規範です。
これは確かによく疑問に思われることです。スレッドでも、スレッド以外のところでもたくさん聞かれました。ホールQ&Aの最初の質問にふさわしい質問です。
まず最初に、私たちのコミュニティにいる人全員に、新しいメッセージアプリをインストールしてほしいということは多大な要求だということをお知らせしておきたいと思います。
私たちがこれをやりたいと思った理由は、このほうがより良い体験を持ってもらえると本当に信じているからです。メッセージの重要性は増してきています。携帯電話でそれぞれのアプリでは、1つのことをうまく扱うことにしかフォーカスできないと思います。
今日のFacebookアプリの主要な目的はニュースフィードです。それを開いて、友だちのポストを見たり、public figuresを見たり、何かをシェアしたりできます。メッセージを送るという行動はだんだん増えています。
Facebookではメッセージは1日に100億以上送られているのですが、メッセージを受け取るためには何秒かかけてアプリを開けて、別のタブを開かなければいけません。私たちは人々が使えて、最も頼れるメッセージアプリやある種それだけのために作られたアプリを作る必要がありました。
あなたの電話にあるのがSMSアプリでもiMessageでもその他のいろんな国で作られている何とかアプリでも、とても速くて、メッセージのためだけに作られています。毎日15〜20回もメッセージをやりとりするのですから、アプリに行って、アプリのロードを待たなければならず、そしていろいろなステップを通って、メッセージを送るというのは、たくさんのフリクションが必要ですし、それでは最善の経験を届けることはできません。
マーク:メッセージの送信は人々がソーシャルネットワーキングより実際に行っているいくつかのことのうちのひとつだと思います。多くの国では、オンライン環境のある人のうち85パーセントがFacebookを使っていますが、たぶん95パーセントの人が、ある場所では99パーセントの人々がSMSのメッセージを使いテキストメッセージを送っています。これは、みなさん自身のこれらのプロダクトの使い方にも合致するかもしれませんね。
ですから私たちは、別個のアプリのインストールを強要することは短期的な苦痛を強いるかもしれないとしても、かつてのようにFacebookのアプリの中の別のタブでのメッセージのやりとりでは質の良い経験を提供することはできないと考えたのです。これにうまく対処するためには、そのために作られて、そこに集中した経験を作る必要があると思ったのです。
また、苦労して取り組んでいることの1つで、Facebookでプロダクトを作る大きなチャレンジとしては、Facebookはコミュニティ全体のために作っているということなのです。様々なメッセージの経験を作るんだったら、一人ひとりを待って、そのアプリをいつインストールしたいかを聞いても良いのではないか、という質問もあるのではないかと思います。
Facebookの中のメッセージ機能を使い続けたいという人には、そうさせてあげても良いのではないか、と。私たちがやろうとしていることは、体験やコミュニティの全員にとって良いサービスを構築することであり、それがメッセンジャーアプリの使用を促す理由です。
メッセンジャーはより速く、集中していて、メッセンジャーならばメッセージに対してより速く返事をすることができるということを発見しました。
今までよく聞くような話が解決するかもしれません。例えばほんの数週間前ですが、私は友人何人かに映画を見に行かないかと聞きたくてメッセージを送っていました。そして彼らがようやく返事をしたのは、私がもう彼らと行くのは諦めて、1人で映画を見にいかなければならなくなるという直前でした。
もし返事がもうすこし遅かったら、会うこともできずに映画も見られなかったかもしれません。ですから、あなたの友だちやコミュニティ全体が1つのサービスのなかに同時にいるという状況を作り出すことは、実際にやるべき価値のあることなのです。それらは私たちがFacebookでのプロダクト開発において行ったもっとも厳しいトレードオフのひとつです。
私たちの作っているFacebookというサービスは、1人の人のためだけのサービスではないのだということを自覚していて、コミュニティ全体のために、コミュニティの中のコミュニケーションがしやすくなり、コミュニティがつながったままでいられるようにするために私たちはFacebookを作っているのですから。
信頼という面、この独立したメッセンジャーの経験というのが本当によいのだと証明することについては、もっと獲得しなければならないものがあると自覚しています。それを実現するために私たちはたくさんの取り組みをしていますし、それをするとても才能のある人たちのチームを持っています。
メッセンジャーを速くし続けるということと、それはメッセージアプリで最重要なことだと思っているのですが、それと同様に、写真やビデオ、そして他のあらゆる種類のメディアや楽しいもの、そしてメッセンジャーを発展させ続けることを楽しみにしています。
チャールズ:次の質問もまたスレッドからです。イングランドのリーズより、カラムからの質問です。彼はなんと私たちにビデオを送ってくれました。それでは見てみましょう。
カラム:Facebookはいつもわくわくするような新しい機能を発明しリリースしてきましたが、私はいつもFacebookが作ったけれどもなんらかの理由でリリースしていない機能に興味をそそられてきました。Facebookが開発したけれどもリリースしなかった、あなたのお気に入りの機能はなんですか?
(会場笑)
マーク:良い質問ですね。私たちがプロダクトを開発する際の方法で良いことは、それを世に送り出すか否かを決める必要がないということなのです。私たちができることというのは、何かを公開することができる場で、ベータテストをすることです。
約1万人の人々にそれを試してもらったり、10万人の人々にそれを試してもらったり、何かに参加することを選んだ人に試してもらったりして、それから私たちはその人たちがそれをどう思ったかを見て、すでに彼らが触れたことのある既存の技術よりもそれを好むかどうかを調べ、それがうまくいったら次にそれをもっと広く世に出します。
だから自分の考えているものがちゃんとしているというふうに思えなければ、人々にそれを体験してもらおうとしたりはしないわけなのですが、自分が本当に良いと思っていたたくさんのものが、人々に体験してみてもらうと、様々な理由で想定していたよりも気に入ってもらえなかったという場合があります。
だから、私は聞いてみたいなと思います。ええと、クリス、私は君の例が思いついたんだけど、クリスのチームと一緒に取り組んでいたのは去年だったかな? 2013年に私たちはちょっと時代遅れに感じられていたデスクトップWebサイト上のニュースフィードについてたくさんのフィードバックをもらいました。
そして、私たちは最良のコンテンツを示し、人々が望むあらゆる異なった形式のものを友だちと共有するためのツールを提供することに集中しようとしていて、美しいかどうかは二の次にしているのです。だから、私たちがホームページのフィードのデザインを何年も変えていないことについてフィードバックをもらい始めていました。人々は「まるで1990年のWebサイトだ」みたいなことを言っていて、大変傷つきましたね。
(会場笑)
マーク:私たちは最も才能のあるデザイナーでチームを組んで、もっと現代的に感じられるものを作って、ニュースフィードを使って人々が友人のコンテンツを消費するときにより幸せになるようにしようと努めました。これを世に出し始めたとき、私たちはとても満足していました。
私たちはこの新しいデザインやいくつかの機能についていかにわくわくしているかということを語るプレスイベントまで開催しましたが、これを使った人々は結局気に入らなかったということが分かったのです。彼らはニュースフィードを使う回数が減り、友人が何をしているかを知る回数が減り、見るコンテンツが減ったのです。
これがなぜなのかを検討したのですが、どうやらFacebookで私たちがプロダクトをデザインしているとき大きいモニターを使っているのが問題なのではないかということに気がつきました。何かを作っているときに、エンジニアとデザイナーが同時に違うウインドウで作業できるのですが、そのせいで世界にいるほとんどの人たちが使っているコンピュータが盲点になってしまいました。ほとんどの人たちはFacebookを使うときに25インチスクリーンを使うわけではないのですから。
だから私たちはニュースフィードのこのバージョンを作りました。白いスペースがたくさんあって、あまりぎっしり詰め込まれていないので、見た目的には喜ばれました。しかし、実際に多くの人がそれを使ったときには、ロードする際のパフォーマンスが悪くなってしまったので、ユーザーはこれも気に入りませんでした。
私たちはこのデザインを結局公開しませんでした。私たちは自分たちのやったその仕事にとても誇りを持っていました。しかし小規模な一部の人々にだけ限定的に公開して、それでプライドを満たし、それ以上公開するのはやめにしたのです。
マーク:良いお知らせとしては、私たちが開発したり考えたりした多くのものは、イノベーションなのです。私たちがよりタイトなデザインの方法を編み出して、それはいくつかのモバイルデザインからインスパイアされたもので、小さめのスクリーンでもより効果的なものになりました。
しかし、それは私たちにとって、自分たちが構築し1年間やってきたことが最もコミュニティの必要を満たす方法ではなかったのだと気づくことになり、とてもプライドを傷つけられる瞬間でした。だから、私たちはそれ以上公開しなかったのです。何か付け加えることはありますか?
クリス・コックス:いいや、それは私たちに、Facebookを使っている10億人の人々の中1億人が好きになるような何かを作ることはしばしばできるけれど、それを実際考えるにはとても難しい数字なんだということを教えてくれたプロダクトの例ですね。
でも、それはとても良いプロセスで、学びのある瞬間ですね。それは私たちに、まだまだたくさんあるデスクトップコンピュータを使っている幅広い人々に対するより多くの共感を与えてくれますから。そして、本当に素晴らしいパートをたくさん取ることになりました。
しかし、それはここでやっているたくさんのことは挑戦で、製品の構築に向かうそれぞれの段階で、どんどん多くの人にそれを紹介することです。だから、まずは10人の人から始めて、それから100人の人を獲得して、それから1000人の人を得ようと挑戦して、たくさんの人をこのメンロパークに来させて話して、それを使っている様子を見るんです。
私たちは世界中の言語で話す人々について調査をしました。それはあらゆる言語であらゆる電話、あらゆるコンピュータやあらゆるタブレットのために何かを作ろうとしたソフトウェア会社について考えたことのない人に説明するのが難しいことです。それは何かを構築するときに数学を使うようなプロセスを踏むのに似ています。
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