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#8 「伸び悩みの時期」をどう乗り越えるか(全1記事)

「4年に1回」のサイクルで仕事の成果が生まれやすい 『無敗営業』著者が教える、「伸び悩みの時期」を乗り越えるヒント

『無敗営業』をはじめ数々のビジネス書を出版し、東京都千代田区で「かぴばら書店」という本屋も運営する高橋浩一氏が、営業力を人生や仕事に活かすコツを配信するVoicyチャンネル『毎日が楽しくなる営業力のヒント』。今回は、「伸び悩みの時期」を乗り越えるヒントをお伝えします。

■音声コンテンツはこちら

成果が上がらない「伸び悩みの時期」をどう乗り越える?

高橋浩一氏:こんにちは。高橋浩一です。お聞きいただきありがとうございます。この番組は、『無敗営業』など何冊かのビジネス書を出版し、4万人以上の営業支援に関わってきた高橋浩一が、仕事や人生のちょっとしたヒントなるお話や、毎日頭の中で考えていることを話していく番組です。

今日は「伸び悩みの時期とどう付き合うか」について、お話ししたいと思います。僕は日頃、いろんな営業の方々とご一緒しながら、その成果を上げていったり、成長していくところに伴走していくんですけれども。やはりなかなか成果が出ないということに関するご相談が多いんですよね。

僕も昔はすごくモチベーションの上下動が激しくて、仕事がうまくいかないと、例えば土曜日になると一日立ち上がれないみたいなことがありました。ただ、いろんな体験をしてくると、「こういうことがヒントかな」というのが見えてきたので、それをみなさんと共有できたらなと思います。

参考になるかなと思ってご紹介したい本がありまして、『達人のサイエンス 真の自己成長のために』という、ジョージ・レナードさんという方が、何かを上達していく道のりについて書かれたものです。例えば仕事ができるようになりたいとか、営業の成果が上がるようになりたいと思った時に、やはり順調に行かないのは悩ましいですね。

成績も成長も、やはり右肩上がりにはならず、壁にぶつかることがあります。この『達人のサイエンス』の中に、理想的な成長の曲線が載っていて、言葉でなんとか表現をがんばってみようと思うんですけども。まず、理想的な成長は、ほとんどが停滞期間であると。

成長できない3つのタイプ

大まかに言うと、その階段みたいな感じで上がっていくと。みなさんもそうだろうなと思われるかもしれませんが、その階段のかたちがポイントです。

まず伸び悩み、平坦、停滞してる時期がありますと。その停滞している時間も、何かの練習や訓練をしていくと、ある時ヒュッと上達する。ただ、その上達の後にすぐフッと下降するわけですね。

以前いた位置よりはちょっと高みには上がっているんですけれども、また平坦の停滞期間が訪れる。この停滞期間のあとにまたいきなりヒュッと上がる。今度はまたちょっと下がる。そして停滞、ちょっと上がる、少しだけ下がるという繰り返し。

ポイントは、これが理想的な成長曲線であるということなんですね。ほとんどの期間は停滞であると。では理想的ではない成長曲線は何なのかということで、詳しく知りたい方は、本を読んでいただければと思いますけれども。成長に到達できないタイプとして「ダブラー、オブセッシブ、ハッカー」が挙げられています。

例えば飽きてしまったり、成長を焦りすぎて無理してしまったり、あるいは停滞に完全に慣れてしまったりというのが、陥りやすいパターンであると。

この本の中で特に響いたポイントとして、要はほとんどの期間は停滞なので、停滞とどうつき合うかだと思うんですよね。本の中にあるのは、プラトーというなかなか成果が見えない長い努力の時期を、価値あることとして認め、楽しく生活し、しかもそれが好きになれるような教育が、家庭や学校や職場など、どこで行われているだろうかと。要するに停滞期間を好きになろうということですね。

達人と言われる人は、自己の技量を伸ばすことだけが目的で、何かの技能に専念するのではない。彼らはまず何よりも練習が好きなのであって、その結果、上達はあとからついてくる。そして上達すればするほど、基本の動きを繰り返すのが楽しくなるという、サイクルが出来上がるんですね。

停滞の期間とうまく付き合う方法

これは深いなと思うんですけども、要するに停滞の期間とどううまくつき合うか。そこに向けて、ある種練習して訓練する期間を好きになれるかどうか。ここにポイントがあるんだということですね。

さて、先ほどお話しした「停滞の期間とどううまくつき合うか」ということについてです。僕は冒頭にもお話ししたように、もともとモチベーションの上下動がすごく激しい人間で、うまくいかないとぜんぜん立ち上がれない。20代の時、特に社会人のはじめの2年間、会社に勤めていた時にはすごく悩まされていました。

ちょっと楽になる時期が訪れるのは、けっこうあとなんですけれども。「ある一定期間経つと芽が出るものだ」ということを1回でも体験し、あとから振り返って気づくわけなんですけれども。この『達人のサイエンス』を読んだ時、「なるほど、そうか」と頷くところもありました。

我慢の期間のあとに一定期間経ったらうれしいことが起こるんだと。この時間軸を持っておくことが、非常に大事だと思います。僕の場合は、目の前の停滞の期間の感覚と、少し長い目で見た時間の感覚という2種類があります。

目の前の停滞に関する時間感覚は1ヶ月サイクルくらいですね。何かがうまくいかないなっていう時に、ジャーナリングという、毎朝自分の思ってることや考えていることを、ノートに書くことをしています。

停滞している時は、その時に悩んでることや、行き詰まってることが、自分との対話で毎日登場するわけですよ。ただ、人間って不思議なもので、課題が明確になっている時は、そこに向けてなんとかしようという心理が働きますし、どこかのタイミングで「あ、そういうことだったのか」と気づいてくるわけですね。

今ですと1ヶ月間経つ前に、だいたい「あ、そういうことだったのか」と気づいて、ちょっとしたブレイクスルーが起こるんですけれども。そのポイントは、自分の頭の中にアクセスし続けて、今自分が行き詰まってることはなんなのかを書き出し、それと向き合う。

何か自分なりにいろいろトライをしてみるということです。今まで数々繰り返してきて、だいたい1ヶ月以内に、ちょっとしたミニブレイクスルーが起こるんだと知っているので、ある程度心穏やかにできています。

約4年でブレイクスルーが起きる

もうちょっと長い目線でのブレイクスルーは、4年間ぐらいが1つのサイクルかなと。例えば25歳の時に起業しました。当然ながら、最初はうまくいかない時期が続きます。

初受注とか、ある時大手の企業さんでいきなり導入が決まるみたいなうれしいことは時々起こったりしますけれども。無我夢中の3年間ぐらいを乗り越えて4年目になった時に、「ああ、一段上がったな」みたいな。

ざっくり言うと、4年間で1サイクル、オリンピック1回分ですね。また今度は、自分の人生のステージを考えた時に、取り組んでから4年間(で結果が出る)みたいなことがあったりします。

例えば、営業のご支援を始めたのがだいたい2014年ぐらい。そこから4年ちょっと経って、『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』という本が出ました。その2010年からの4年間は表に出ない活動をずっと続けたわけなんですけども、4年経った時に、おかげさまで出版の機会をいただいて、ある程度の手応えや感触が生まれた瞬間があったわけなんです。

これもだいたい4年間1サイクルだなっていうのが、頭の中にありましたので、あとは平坦な期間をいかに楽しむかだと発想を切り替えて、自分なりにその期間を楽しむ術を見つけていこうと。こういうふうに発想を切り替えたことで、だいぶ楽になったので、少しでも役にたったらいいなと思います。

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