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誰もが、リーダーシップを高められる方法5選(全1記事)

KPI地獄で現場が疲弊…組織にとって「ダメなリーダー」の特徴 リーダーに向く人・向かない人の違い5選

株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は「誰もが、リーダーシップを高められる方法5選」と題し、リーダーに向く人・向かない人の違いについて解説します。 ■動画コンテンツはこちら

リーダーに向く人は「配慮」をし、向かない人は「遠慮」する

伊庭正康氏:こんにちは。研修トレーナーの伊庭正康です。今日は「リーダーに向く人・向かない人の違いトップ5」を紹介します。「いつかは尊敬されるリーダーになりたい」「リーダーになりたいけど、自分に務まるかな?」。もしくは、もうリーダーをやっているんだけれども、部下とうまくいっていない。そんな人にぜひ見てほしいです。

「リーダーは持って生まれた資質で決まる」と思っていませんか? 違います。では、何で決まるのか。リーダーは、あくまでも「役割」でしかない。例えば、私は家庭に入るとお父さんになり、仕事に行くと研修トレーナーになります。これは「顔」が違うわけですよね。同じ顔ではできません。

それと一緒で、リーダーももう1つの顔なので、この顔に合わせていくんです。じゃあ、どういった顔を持てばいいんでしょうか。その役割を、今日は5位から1位のランキング形式でお伝えします。これは研修トレーナーの伊庭だからこそお伝えできることです。

僕自身、最初はこれを教わらずにリーダーをやりました。だから、本当に「学べばよかったな」と思っているんですよ。今日は昔の自分に言いたいことも含めて、ちゃんとお伝えしていきたいと思っています。最後までお付き合いください。(YouTubeの)チャンネル登録もぜひよろしくお願いします。

では、第5位から第1位のランキングスタイルでやっていきましょう。第5位が「リーダーに向かない人は、遠慮をしがち」。一方で、リーダーに向く人は遠慮をせずに配慮をして、コミュニケーションを取る。「どういうこと?」と思われたと思います。

誰もが遠慮しがちで、僕も遠慮しがちです。ただ、リーダーという顔の仮面を被った時は、そうではないんですよ。役割がそれではダメなんです。「つい遠慮をして自分でやってしまう」「つい遠慮をして、これ以上メンバーに要望することができない」となると、メンバーの成長を潰しちゃいます。

職場の問題はコミュニケーション不足から起きる

最も大きな問題はこちらです。「すべての職場の問題は、コミュニケーション不足が原因だ」ということに鈍感なことなんです。上司と部下、部下と部下、すべてコミュニケーションが希薄なために起こっている問題ばかりじゃないでしょうか。

「きっとあの人は、こう思っていると思うんですよね」「なかなか納得してくれないんですよね」「意見が合わないんですよね」「わかってくれないんですよね」というのはノーです。なぜかと言うと、きちんと会話していないからなんですよ。

やってはいけないことを、リーダーがやってはダメじゃないですか。「部下同士で会話しなさいよ」と思いますよね。あれと一緒なんですよ。だから上司は、役割として絶対に遠慮しちゃダメなんですね。やるべきことは「配慮」です。

配慮というのはどういうことでしょう。これは覚えておくといいですよ。忙しい相手に対してでも、配慮をすれば切り込むことができます。「伊庭くん、ちょっと今話しかけてもいい?」「もちろんです」「○○をお願いしたいんだけれども、いい?」「わかりました」と、まずは相手の状況を聞く。

そして、「任せるにあたって何か不安な点はない?」と、相手の思いも聞くといいでしょうね。こういったことが、まさに聞くことです。そして、ちゃんと伝えること。これが「配慮」なんですよ。自分の言いたいことを言うだけじゃなく、相手の状況も鑑みた上でちゃんと伝える。もう一度言います。「遠慮」ではなく「配慮」でよろしくお願いします。

相手を立てつつも、意見はしっかりと伝える

第4位は「ダメなリーダーはエネルギーを奪い、イケているリーダーはエネルギーを与える」。これもまさに向き・不向きの話ですよね。あなたでもいいですし、あなたの上司でもけっこうですが、みなさんの職場のリーダーはどんな挨拶をしていますか?

「おはよう」と席に座り、パソコンをカタカタ。厳しいようですが、これは「帰れ」です。そういう上司がいるから、職場が鎮痛な面持ちになります。本当に「帰れ」ですよ。

よほど実績を出していたら帰っちゃダメですが、実績も出してないのに「おはよう」(と暗いトーンで言い、背もたれにもたれかかって座る動作)。ちょっと背もたれが長い椅子なんでしょうかね? これはダメなんです。エネルギーを奪いまくっております。

ちょっと厳しく言ったのは、そういった状態を本人はあまり自覚できていないことが多いからなんです。僕は研修トレーナーだから、それをフィードバックするのが仕事なんですよね。

もう一度戻ります。まず、組織のトップによって職場の空気はできますから、現場のトップが空気を作っていきましょう。イメージは「番組のMC」のようなものです。例えば「課長。これって赤か青、どっちがいいですかね?」「うん? 赤も青もダメ。紫」。こんな上司、絶対に嫌じゃないですか。

いくら紫だと思っても、「どちらがいいですか?」「考えてくれたんだ、ありがとうね。理由を聞いていい? そういう理由なんだ。ちょっと1個提案していい? 『紫』というのは考えてみた? 実はこういう観点もあるかと思ってね」という対話ができるほうがいいですよね。ですから、番組MCと一緒だと思ってください。

相手を立てる。でも、意見はしっかりとバシッと言う。そしてもちろん誘導もするんですが、否定はしないようにしたいですね。

名経営者ほど姿勢を正して部下の話を聞く

あと、何より簡単なことです。先ほど挨拶の話をしましたが、「挨拶は部下よりも元気に」ですよ。上司より部下のほうが元気に挨拶することって、やっぱりそんなにないです。鏡を見ているようなものですから、上司から「おはよう!」「今日もよろしくお願いします」と言えばいいだけですよね。すると、部下もそうなります。

あとは感謝もいいですね。先ほど「考えてくれたんだ。ありがとうね」と言いましたが、「ありがとうね」と普通に言えるのって大事ですね。そして、声の表情という話をしました。声がボソボソッとしている人は、やはりリーダーの顔としては弱いんです。エネルギーを奪っちゃいます。

別にプライベートではボソボソでもいいんですよ。ただ、リーダーとしては、声がボソボソではちょっとエネルギーがないんですよ。なので、滑舌良く、ちょっと大きめの声で「おはよう!」「おはようございます!」「今日もよろしくお願いします」というふうに言えばいいんです。だから、声の表情にも気をつけてください。

そして、聞く姿勢。眉間にシワを寄せて「うーん、どうかな。俺は紫がいいかな?」という顔はダメです。「ありがとう」という気持ちを持って、ちょっと楽しそうに聞いてくださいね。「考えてくれたんだ。ありがとうね」という、この表情が大事です。聞く時は、ちゃんと姿勢を正してください。

聞いたところでは、名経営者ほど姿勢を正して部下の話を聞くそうです。確かに、有名な経営者が(肩肘をついて)「どうした~ん?」というのは、なかなかないですよね。こんな人はあまりいません。ですから、聞く姿勢はピシッとしておいてください。それもリーダーの「顔」でございます。

リーダーに必要な仕事観

第3位です。(リーダーに)向かない人は仕事を「ワーク」と考え、向く人は仕事を「プレイ」と捉える。これ、大事です。「ワーク」というのは仕事で、別に普通のことを言っています。「プレイ」とは、訳すと「遊び」ですものね。「不謹慎な。不真面目な」と思わないでください。今から解説します。

ソニーの創業者の井深大さんは、こういうことをおっしゃっていますね。「仕事の報酬は仕事。それが一番うれしい」。仕事を与えられるのが一番うれしいという感覚を持っているか・持っていないかって、すごく大きいんですよ。仕事がおもしろいものであるかどうかというのは、別に教わるものじゃなくて、思うものなんですよね。

そこで「仕事観」というのが出てきます。「観」というのは観光業の「観」で、(仕事を)どのように見ているかですよね。仕事に対する見方、あなたはこの三択のうちどれですか?

1個目は「レイバー」。仕事はがまんしてやるものだという、労役ですよね。2個目は「ワーク」。「仕事は仕事ですよね。ちゃんと全うします」というものです。3番目は「プレイ」。「仕事はおもしろいものです。できることであればもっとやりたいです。ただ、時間制限もあるので、それ以上はやりませんけどね」ぐらいな感じですね。

リーダーは、「プレイ」ではないと務まらないんですよ。マネジメントは違っていて、業務が滞りなくきちんと終了できるように管理をすることをマネジメントと言います。

営業であれば、営業成績をちゃんとマネジメントすることがマネジメント(の役割)じゃないですか。でも、これはリーダーと違うんですよ。リーダーとはメンバーにエネルギーを与え、モチベートしていく役割なんです。

仕事を「ワーク」ではなく「プレイ」と捉えるためには

1人の管理職は2つの役割を持っています。「マネジメントをする」という役割と、「リーダーシップを発揮する」。今はリーダーシップの話をしています。ですから、「プレイ」の発想を持っていない人の部下は、めちゃくちゃかわいそうです。

研修でプログラムがあるんですが、最初はほとんどの方が「(仕事は)ワーク」だとおっしゃいます。でも、研修が終わってから「プレイ」になるんです。「なるほどね」と思われます。やはり管理職の方は仕事が好きなんですが、その観点までは行っていないことが多いです。

ちょっと整理してみてください。どうすれば仕事をおもしろく感じるのか。そして、仕事をおもしろく感じるためには、今やっている仕事の意義を考えて、それを部下に伝えてください。「なんで我々は、ここまでしてがんばらないといけないのか?」というのも1つの意義で、大事ですよね。それを自分の言葉で考えてください。その時点で「プレイ」になります。

もう1個の切り口です。「他の会社もいっぱいあって、もっといい会社があるかもしれません。でも、なんであなたは今の会社でがんばっているんですか?」。もし仮にそんなふうに部下に言われたら、どう答えますか? そんな人はいませんけどね。

……あ、僕の部下に1人いました。「なんで伊庭さんは転職せんと、今の会社にいるんですか?」って。その時は「余計なお世話や」と言いましたが、図星ですよね。

その時に、私もちゃんとトレーニングを受けていれば「僕はこのためにこの会社にいるんだよ」というふうに言えたと思うんですが、(実際に)言ったのは「余計なお世話」。これはトレーニングを積んでいない表れです。なので、ぜひ今のうちに考えておいてください。

そのために、まず自分自身も「この仕事はこういう意義があるので、自分はこうしたいんだ」というふうに考える時間を持つのも大事です。加えて、「自分がこの部門にいられるのは、あとどれぐらいかな?」「今いるうちに、これをしておきたいな」と考える。「しておきたい」が出ましたね。この時点で、ほぼ「プレイ」になっています。

現場を知らないリーダーはきれいな理想論を言いがち

第2位。向いていない人は、上から眺める。「うーん、がんばっているかな? あの人はしんどそうね」と、上から見ております。向いている人は上からではなく、降りていって「おいおい、どうなっているの?」というふうに一緒に考える人です。

本田技研工業の本田宗一郎さんが、「上の人が、下に降りてきて、みんなと一緒に昇る努力をしないといけない」と言っていますが、まったくこのとおりです。だからこそやっていただきたいのが、現場の事実を見ることです。下まで降りていかないといけないんですよ。現地・現物でございます。

これをやらないと何が起こるかというと、きれいな理想論を言いがちになります。「そんなもの現場でできないよ。いっぺんやってみぃよ」というふうに現場で言われたりします。現場が見えてないと、やはり人の心もつかめませんし、判断もズレます。

そして、こう思われたと思います。「伊庭さん。でも、僕(私)は忙しいんですよ」と言う人、多いですよね。ぜひやっていただきたいのは、会話の機会を持つための1on1ミーティングです。1on1ミーティングをぜひやってください。2022年時点では、企業の7割がすでに公の制度としてやっています。やっていないのであれば、会話不足が起こっているんじゃないですか?

会話不足を補うために1on1面談をやっていますが、「これは何?」という話が当然あるかと思います。僕はUdemyで1on1ミーティングの講座を持っているんですが、「(1on1ミーティング)何ぞや?」というところを無料で閲覧できるようにしています。

「普通の面談と違って、世の中の7割の会社はこんなことをやっているのか」と(理解できると思うので)また見てみてください。これをやるだけでも、否が応でも下に降りていけますので、ぜひやってみてください。

いくつもの目標を追う「KPI地獄」に陥らないために

第1位は「向いていないリーダーは、不安のためにあれもこれもやってしまう」。でも、向いているリーダーはやることをビシッと絞る。これをやらないと、まあ不幸なことが起こります。時間と人力は限られていますから、あれもこれもやってしまうと現場が疲弊します。

ひどい場合は、KPIという現場をマネジメントする指標が、7つも8つも走っている組織があります。それは「KPI地獄」で、メンバーはかわいそうでしかない。KPIを7個も8個もやってどうするんだ? という話ですよね。その場合は、最低でも3つまでに抑えてください。「最低でも」です。ベストは1個ですから、3つでも多いですよ。

(時間と人力は)限られているから、まずはやることを絞ることが大事。そして、「キーストーン」という考え方を持っておくといいですね。これはオセロの角のことです。オセロゲームをする時に、角を押さえれば勝率は上がるじゃないですか。じゃあ、我々が今トライしていることの「オセロの角」は何だ? という話です。そこを押さえておくといいですね。

例えば僕が営業をしていた時で言うと、「オセロの角」というのは、Aランク、Bランク、Cランクのお客さまがいた時に、このランクのお客さまのリピート率を20ポイント以上上げることです。「これだけで売上の全体がこれだけ伸びます」と言えたわけですよ。こういうふうに、「ここをやればいい」というのがオセロの角なので、それを出しておいてください。

そのためには、数字に強くなる。現場に強くなる。他の部門の成功事例に強くなる。これをぜひ押さえておいてください。そして7割いけると思えば、もう絞って次へ進んでください。「でも、伊庭さん。突き進んでいった先に何もなかったらどうしますか?」というと、その場合はすぐに軌道修正をする。そのほうが早く達成ができますので、ぜひそうしてください。

今日の内容はお役に立ちましたでしょうか。リーダーというのは、誰も自信があるわけではありません。名経営者でも、こう言っています。ユニクロの柳井(正)さんは「今も、自分が自信があるかどうかわからない」という表現をされています。

リーダーというのはゴールがないんです。ですから、まず「こうあるべきだ」ということは押さえておいたほうがいいです。今日はその一部をお話しさせていただきました。ぜひ確認をしていただけたらうれしいと思います。お役立てください。

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