2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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山口拓朗氏(以下、山口):みなさんこんばんは。今日は、「伝わる論理的な文章の書き方」について、みなさんと一緒に一緒に学びを深めていきたいと思います。文章術に興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。今はデジタルの時代です。そしてインターネットの社会です。SNSなどもあります。
そうした中で、テキストで何か物事を伝える。あるいは誰かとコミュニケーションを図る機会が、非常に増えています。例えばこれから創業される方も、ご自身の商品・サービスの魅力を十分に伝える。そしてご自身を表現していくことも、求められるわけです。
もしかしたら今日ご参加の方の中には、読む人の興味を引きたい方もいるかもしれません。例えばフォロワーを増やしたいとか、あるいはサービスを購入いただきたいというゴールを設定して、そういった文章術を学びたい方がいるかもしれません。今日は、その一歩手前だと思っていただきたいんですね。
「伝わる論理的な文章の書き方」ですので、まずはご自身の情報、思い、気持ちなどを的確に伝える技術、スキルをしっかりと身につけていただきたい。土台があると、その上に読む人の興味を引くとか、読む人の気持ちを動かすとか、少しキャッチコピー的な、あるいはセールスライティング的なエッセンスを含む話などが乗ってきます。
ですので、「伝わる論理的な文章の書き方」はベースです。いかなる時でも、あなたの伝えたい情報や思いを、確実に相手に伝えるような書き方を、今日は学んでいただきたいと思います。ここをしっかりと押さえないと、人を動かす文章とか、人に興味を持ってもらえる文章は書けないんですね。なので、ものすごく大事なパートだと思っていただけるとうれしいです。
私はもともと、出版社に勤務していました。いわゆる雑誌の編集者と記者の仕事をしていたんですね。そんなことを言うと、「山口さんはもともと文章を書ける人ですね」と思う方が多いと思うんですけど、実は、私が書く文章はまったくダメでした。入社1年目から3年目ぐらいまでは、とにかく私の書く原稿には、赤字と言って、赤ペンでたくさん修正が入るわけです。
時には血の海のような、真っ赤っ赤になった原稿が戻されてきて、それを1日かけて直していくみたいな。そんなトレーニングというか指導も受けてきました。そして、赤ペン先生のおかげで私は文章力が伸びてきました。
赤ペン先生に従って直していくと、まあ伝わりやすい文章になっていくんですね。そして読む人に理解してもらいやすい文章、わかりやすい文章が書けるようになってきました。なので、文章の書き方は才能ではなくてスキルです、と冒頭でお伝えしたいんです。
基本とコツをしっかりと学んでいだたければ、誰でも伸ばすことができます。私がいい例です。当時赤ペンをたくさんいただいた私が、今ではこのようにたくさんの、文章の書き方の本を書いているぐらいですから。みなさんの伸びしろも相当大きいと、ご自身に期待をかけていただきたいと思います。
現在は執筆活動に加えて、研修活動、あるいはライティングサロンのようなコミュニティも主催しています。今日は90分という短い時間ではありますが、みなさんにとって、文章力アップの第一歩となることをお祈りしつつ、そして確実に文章スキルを上げていただこうという内容でお届けをします。
2時間分ぐらいある内容を90分でお話ししていくので、少し駆け足になるかもしれません。みなさんの前でお話しする機会はなかなかないと思いますので、少し集中力を高めて、聞いていただきたいなと思います。
まずプロローグで大事な話をします。文章を作成する時、みなさんは何に注意して、文章を書いていますか? どんなことを心がけていますか? 「最重要マインド」は、いったい何でしょうか? これについて話をしていきます。
まず大前提として、伝わらない文章を書いてはいけないと。ここはなんとなく、どなたでもわかるというか、「そりゃそうだよな」と思っていると思うんですね。伝わらない文章を書くとどうなってしまうか。すごく非効率ですよね。伝わらないわけですから、もう1回書かないといけなかったり、補足説明したり、あらためてメールを送らなくてはいけなくなるわけです。
もちろん仕事という意味では非生産的です。何の結果も得られないこともあります。そしてミスとかトラブルにつながりやすい。伝わらない文章とは、誤解されてしまうような文章ですので、お客さまを誤解させてしまったら大きな問題に発展してしまうこともあります。
そして何より、みなさん自身の信頼が低下していく。あるいは会社に所属されている方であれば、みなさんの責任で書いた文章ですが、そこを超えて、あなたの会社の信用・信頼が低下してしまうこともよくあります。
ですので今の時代は、文章を書くことは、ご自身の専門性やスキルを伸ばすのと同じぐらい、大事だと思っていただきたいんですね。せっかく専門性が高くても、思いが強くても、いい商品・サービスを持っていても、文章で伝える力がないとどうしても成果を出せません。コミュニケーションがうまくいきません。人間関係も構築できません。このあたりを、まず大前提として押さえていただきたいんです。
そして、このプロローグで最も伝えたいこと。それは文章で100パーセント伝わると思わないでいただきたいんですね。文章術セミナーでこう言うのは問題発言かもしれませんが、私自身、文章を書いて、100パーセント自分が思っていることが伝わるとは思っていないです。
だからこそ、しっかり書こうという意識を持っているんですね。どうして100パーセント伝わると思えないか。それは文章での伝達が、対面や、Zoomを使ったオンラインでの話し言葉でのコミュニケーションよりも、一段あるいは二段、レベルが高いからです。難しいんですね。
例えば、今日は残念ながら私からみなさんのお顔が見えないんですけど、受講者のみなさんの顔がもし見えたとしましょうか。見えた時に、私が今、何か言いました。そうして、みなさんがキョトンとした顔をしたり、眉間にしわが寄ったり、「ん? 何それ」みたいな顔をしたら、伝わっていない、とわかるわけです。
「あ、今の話は伝わらなかった。まずい」というわけで、「それはそういう意味ではなくて、こうですよ」と補足説明をしたり、あるいは例え話を出したりできる。あの時この手で、リアルタイムの対面でのやり取り、オンラインでのやり取りは修正が効くわけです。
でも、文章でのコミュニケーション、伝達は、一発勝負です。自分が書く時と、相手が読む時はタイムラグがあります。読んでいる人が、あなたが書いた文章を読んでいる時は、あなたは目の前にいません。だから聞くこともできないし、確認を取ることもできない。
そうすると、自ずと誤解が生じやすくなります。そして人は文章を読む時に、自分の思い込みで勝手に読んでいきます。書く人がどんな気持ちで書いたんだろうかなんて、想像してくれないです。好き勝手に文章を読んでいきます。だからこそ「好き勝手に読ませない」つもりで、伝わる文章を書く意思を強く持っていただきたいと思うんです。
そのために大事なのは、「書き手視点」から「読み手視点」に書き方をシフトすることです。「書き手視点」とは、自分の書きたいことを書きたいように書く文章のことです。あなたはどうでしょうか。自分が書きたいことを、書きたいように書いていませんか?
自分が書きたいことを書きたいように書く文章は、学生時代までならOKです。ただ、社会人になってからはそれではいけない。何が必要か。読む人のことを考えて文章を書いていくわけです。読む人にとって必要な情報を伝える。読む人にとってわかりやすい順番で伝える。読む人にとってわかりやすい言葉を使う。このように、常に主人公は読む人です。
あなたの文章が論理的に伝わったかどうか、この答えを持っているのは読む人です。あなたがうまく書けたと思っていても、誤解されたり、勝手に相手が自己解釈してしまえば、それは伝わらない文章を書いたことになるわけです。
というわけで「読み手視点」。ここをまず、プロローグで間違いなく押さえていただきたいです。常にパソコンの目の前、あるいはスマートフォンの目の前に相手がいると思ってください。
この言葉で相手に伝わっているかなとか、そもそもこの内容は相手が欲しがっているかなとか、この順番で伝わるのかなとか。相手視点で、相手本位で書く。この意識をまず持っていただきたい。これが論理的に伝わる文章の書き方の大前提です。
「論理的」とは2つポイントがあります。1つは「筋道を立てる」ことですね。流れがしっかりしていることが、論理的な文章には欠かせません。これが1つ目。
2つ目が、「理由や根拠が明確である」。何か伝えたいメッセージがあった時に、例えばあなたの商品があったとします。「この商品良いですよ」と言う時に、なぜその商品が良いのかという理由がぼんやりしていたら、それは論理的ではなくなってしまうんですよ。「ん? いまいちピンとこないな」と思われて終わり。これは論理的とは言いません。
「なぜおすすめかというと、こういう理由です」。それがパキッと相手に入ってきた時に、論理的な文章になるんですね。なので、筋道がしっかり立っている。脱線しない。筋道の流れがしっかりして、そして理由、根拠が明確である。これが論理的な文章に欠かせない2つの要素です。ここもプロローグで押さえておいてください。
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