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片付けパパ対談 #09 実は説明上手な人がやっている「数学的な話し方」~ 「伝える」から「伝わる」コミュニケーション術 ~(全6記事)

説明で相手に「確かにそうかもね」と思わせる人の共通点 正解のないビジネスで必要な「正しそうに伝える」スキル

『片付けパパの最強メソッド』の著者・大村信夫氏が旬なトピックでゲストと対談するシリーズ。第9回目は『「数学的」話し方トレーニング』の著者で、ビジネス数学教育家の深沢真太郎氏が登壇。「『伝える』から『伝わる』コミュニケーション術」をテーマに、「話し方が数学的」な4人の著名人や、ビジネスコミュニケーションと100メートル走の共通点などが語られました。

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「話し方が数学的」な4人の著名人

深沢真太郎氏(以下、深沢)今の(成田悠輔氏の)話もそうですし、他の著名人のお話についても私はYouTubeで分析してご紹介しています。もちろん今回の新刊本の中でも紹介しているので、興味のある方は、よかったらチェックをしてみてはいかがでしょうか。

大村信夫氏(以下、大村):なるほど。

森岡(毅)さんって、USJを再建した伝説のマーケター。

深沢:はい、そうですね。

大村:林(修)さんとか、ひろゆき。確かにこの方々は話がわかりやすいというか、説明がうまいですね。

深沢:私もそう思うんですよね。私は今回、本を執筆させていただくにあたって、いわゆる著名人とか、結果を出している人とか、あとはスポーツ解説者ですね。あれもまさに説明じゃないですか。

大村:確かに。

深沢:だから徹底的に研究しました。それで、今回の本を作っています。

大村:なるほど。スポーツ解説も状況を説明しながら解説するのは本当に難しいですよね。

深沢:そうですよね。スポーツの解説者にもいろんなタイプがいますよね。例えばサッカーであれば、松木(安太郎)さんみたいなタイプもいるし、もっとクレバーな、いろんな解説をわかりやすくしてくれる方もいると思うんですけど、どちらかと言うと私は今回、後者のタイプの方に焦点を絞って、いろいろ分析をしました。

今画面で紹介させていただいている4人の方(森岡毅、林修、ひろゆき、勝間和代)は、特に話し方が数学だなと私は思っています。なので、もし興味を持たれた方がいたら、YouTubeとかメディアで、この方々の話し方を聞いてほしいなと思います。

森岡さんは、先ほどおっしゃったように、USJをV字回復させたマーケティングのプロフェッショナルの方ですよね。すごく数学に精通されています。

大村:そうなんだ。

深沢:数学の確率論を使って、マーケティングをした第一人者です。だから数学をよく知っている方ですけど、森岡さんは、やはり話し方の随所にそれが表れています。

大村:じゃあこの方々のYouTubeを見つつも、さらに解説されている深沢さんのYouTubeも見てね、ということですね。

深沢:そうですね。もし興味があれば。

4人の著名人の共有点

深沢:林修さんという予備校の先生がいます。国語、文学の先生という認識があると思うんですけど、林先生はもともと数学を教えたかった方ですからね。

大村:あ、そうなんですか。へえ。

深沢:最初は数学の先生というイメージでこの世界に入ったそうですよ。話を聞いていると、私から見ると完全に数学です。

ひろゆきさんは、一昔前は論破、論破、論破というね。

大村:そうですね。

深沢:それがいいかどうかはわかりませんけど、「論破」は論理の「論」なわけで、話の仕方は極めて論理的な方であることは間違いないですね。

大村:なるほど。

深沢:これはその人が好きか嫌いかの話ではなくて、その人の話し方が上質か否かの話です。ひろゆきさんもやはりとても数学的な話し方をする方だなと思います。

大村:なるほど。

深沢:最後の勝間(和代)さんも経済評論家なので、数学をちゃんと勉強した方ですけど、やはり話を聞いていると、とても数学だなと思います。

大村:うちの会社でも講演していただいたことがあります。

深沢:そうですか。

大村:はい、すごくわかりやすかった。

深沢:そうですよね。だからやはり共通点がある。

大村:勝間さんこそ、いろいろ定義をしていたような気がしますね。話が入りやすかったんですよね。

深沢:本当ですか。聞いているほうは、さらっと「はあ、はあ」と聞いてしまうんですけど。

大村:僕、難しいカタカナを言いまくる人は、ダメです。

深沢:ああ、でもその通りだと思います。私も苦手ですよ。

大村:僕、「アジェンダ」を知らなかったですからね。「アジェンダ、アジェンダって、何だよ」と。でも、さも当然のように言われると、ちょっと戸惑ってしまうじゃないですか。

深沢:そうですね。

大村:だから難しい横文字が出たら、なるべく日本語で言い換えて言おうという努力を一応しています。

深沢:すばらしいと思います。それも「わかりやすく説明する」「伝わるように説明する」という、1つの優しさですからね。すごくいいことだと思いますね。

正解のないビジネスで求められるスキル

深沢:今日は一端しかご紹介できませんでしたけれども、著名人のこんなところを少し参考にされてはどうでしょうかということで紹介させていただきました。

お伝えしたかったのは、数学の特徴は2つあるよということなんですね。「正しいことを証明する技術」は、数学の証明問題とかがそうですね。明らかに、「これが正しいことを説明しなさい」と言っていますよね。だから数学は正しいことを証明するツール、技術なんですね。

もう1つ。「わかる」がゴールの学問です。好き嫌いは置いておいて、「ああ、そういうことか」とか、「なるほどね。こうやれば解けるのね」と、わかる瞬間があるのが数学の大きな特徴だったと思います。

なので、今日ご紹介した「数学的な話し方」の特徴は何かと言うと、「物事を正しそうに説明できるよ」ということなんです。なぜかと言うと、数学というのは正しいことを説明する技術だから。

大村:なるほど。

深沢:私たちが生きているこの世界、ビジネスシーンとかって、正しいものってないと思うんです。

大村:正しいものはない?

深沢:「これが絶対の正解」「こうやれば絶対うまくいきます」とか。

大村:はいはい。万物の法則とか以外で、我々が扱うようなビジネスとかだと、100パーの正しいものはないはずですよね。

深沢:絶対の正解ってないですよね。

大村:そうですね。

深沢:だから「正しいこと」ってないんじゃないかと。だとすると、私たちビジネスパーソンに求められるものは、「いかに正しそうに伝えられるか」だと思うんですよね。

大村:なるほど。

深沢:「じゃあ正しそうに伝えるために、応用できるもの、借りれるものって何かな?」というものの答えが数学。

大村:なるほど。

深沢:もう1つは、「わかる」を相手に提供できるということですよね。数学は「わかる」がゴールの学問だから、そのエッセンスを使うと、相手に「ああ、なるほどね。確かにそうかもね」と思っていただけると。これは私たちビジネスパーソンにとってもメリットがありますよね。

大村:なるほど。

深沢:なので、今日は「数学的な話し方」というものを、みなさまにご紹介させていただきました。あっという間の1時間でしたけども。

大村:みなさん、深沢さんに拍手をお願いします。

深沢:拍手〜。パチパチパチパチ。

大村:パチパチパチパチ。

深沢:ありがとうございました。

ビジネスコミュニケーションは「100メートル走」

大村:今日はけっこう「定義」のところをやっていただいたというところですよね?

深沢:そうですね。今日は最初の「定義」のところをお話しさせていただきました。

大村:これを変えるだけでもかなり違ってくると思いますよ。僕は昔すごく、「いきなり話し出して何を言っているのかわかんない」とかけっこう言われたので、定義をするようになったんですよ。

深沢:すごい。お手本ですよ、みなさん。でもおっしゃるように、今日はなぜ私が、この5つの中から「定義」を選んだかというと、これで決まっちゃうからなんですよね。

大村:ですよね。

深沢:私はビジネスコミュニケーションは「100メートル走」という考え方をしています。短距離走なんですよね。みなさん、100メートル走をイメージしていただけるとわかると思うんですけど、けっこうスタートで決まるんです。

大村:そうですね。

深沢:100メートル走って、「よーい、スタート」のあの瞬間でミスすると、もう取り返せないで試合が終わる。

大村:確かに。

深沢:ビジネスコミュニケーションも、けっこうそうだと私は思っているんですね。スタートを間違えたらもう取り返せないので、まず最初にすべきことをしてから、主張なり結論を言いましょうということは、現場でも徹底して指導しています。

大村:なるほどね。「場の定義」と、あと「言葉の定義」とかもね。

深沢:そうでしたね。「場の定義」「言葉の定義」

「言葉の定義」をすることの大切さ

大村:けっこうおじさんになってくると、おじさん言葉で言っちゃう人がいるんですよ。

深沢:何ですか?

大村:「これは一丁目一番地だからな」とか、言うじゃない。

深沢:(笑)。

大村:伝わらないですからね。「なる早」とか、「いの一番」とか、「行って来い」とか。おじさん同士ならそっちのほうが伝わるんですけど、もう若い世代のほうが多いですから。

深沢:「一丁目一番地」というのは、「ここが一番大事だよ」という意味だと。

大村:いの一番みたいなのが一丁目一番地。

深沢:なるほど。わかります、わかります。

大村:わかるでしょ? でも、それをちゃんと解説しなきゃいけないじゃないですか。

深沢:確かに。

大村:それを解説しないまま「一丁目一番地」って言われて、「え? どこの住所のことを言っているんだろうな」とか、こういうふうに思っちゃうわけ。そうすると、その時点でもう思考が飛ぶんですよね。

深沢:そうなんですよね。

大村:だから、そういう特殊な言葉は使わない。だって絶対NHKとかで「一丁目一番地」なんて言わないじゃないですか。NHKって小学校5年生の子が理解できるレベルで作っていると聞いたんですよね。だからそういうレベルで話さないといけないなって思ったのと。

あと、専門家同士でも、微妙に言葉の定義がずれているとかあるので、そこを合わせることって重要かなと思ったんですけどね。

深沢:やっぱり。そうですよね。ありがとうございます。なんかチャットをさっき見たら、「鉛筆なめなめ」って書いてありました。

大村:「鉛筆なめなめして」って(笑)。その通りなんですよ。

深沢:なんか聞いたことありますね。「鉛筆なめなめ」って何ですか?

大村:ええ? 鉛筆をなめなめしていろいろ考える。ディスカウントするとか、そっち系をイメージするんですけど。鉛筆をなめて、「もう5パーセントぐらい安くしてもいいかな」とか。

深沢:「計算をする」ということですかね。違うの?

大村:「じゃあ、ちょっといいようにやりますよ」という。

深沢:なるほどね。確かにこうやって伝わらない言葉ってありますよね。

大村:(チャットで)「『じっくり考える』といった意味もあるが、ごまかして数字の帳尻を合わせる場合が『鉛筆なめなめ』」。

深沢:ありがとうございます。へえ。

大村:すみません、ありがとうございます。

深沢:「じっくり考える」といった意味もあるが、ごまかして数字の帳尻合わせをする場合。

大村:「鉛筆なめなめしておくね」とか、僕は言っちゃっていたから、良くないですね。ごめんなさい。

深沢:いやいや、そんな謝られても(笑)。でも、言葉の定義をするというのはそういうことですね。

大村:なるほど。

深沢:ちゃんと言葉の意味が共有できていないと、その後いい会話にならないよということですね。

大村:そうですね。

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