2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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喜多桜子氏(以下、喜多):それではお時間となりましたので「思い込みを手放してウェルビーイングな人生を実現する 超ミニマルライフ術」のイベントを始めたいと思います。今日はお仕事終わりの方もいらっしゃるかなと思うんですけれども、みなさん、リアルタイムでのご参加ありがとうございます。
本日、モデレーターをさせていただきます喜多桜子と申します。今日が初めましての方がたくさんいらっしゃると思うんですけれども。私は現在、まさに今日のテーマにもなっている、幸せに生きるとはどういうことなのかを主なビジョンとしてWell-Being school「FOLKE」を運営しています。
今回、なんで四角さんをゲストにお招きしてこのイベントをするかというと、四角さんも60数ヶ国を旅されてたと思うんですけども、私もこれまで70ヶ国ぐらい旅をしています。もともと看護師をしていたんですけど、「人生の最期に後悔する方がすごく多いんだなぁ」と衝撃を受けたことが旅をする1つのきっかけでした。
どうすれば人は幸せになれるんだろうというテーマで、これまでに世界を2周しています。1回目は24歳の時に、初1人旅で世界一周に行きました。その後、新婚旅行で旦那さんと世界2周目に行きました。その2回とも、どうすれば人は幸せになれるのかというテーマでした。
その中でも、世界幸福度ランキング1位と言われているデンマークで訪れた、人生のための学校といわれているフォルケホイスコーレは、社会に惑わされて生きるのではなく、自分自身がどう生きていきたいかを学ぶ学校で、デンマークだと7割ぐらいの生徒が行くところです。そのスピリットにすごく共感して、今「FOLKE」を運営しています。
四角さんは、日本の幸福度をアップデートしていくことの先駆者だと思っているので、今日はそんなところも含めて、一緒にイベントをさせていただいております。
実は1年前に、昨年のベストセラー『超ミニマル主義』のイベントでもご一緒しています。今日は新刊 『超ミニマル・ライフ』のイベントということで、「四角大輔とはどんな人なのか」の紹介から入りたいと思います。
まさに「幸せに生きる」を研ぎ澄ましてきた人というのが、私の中での四角さんのイメージなんですね。具体的に「どうすれば人が幸せに生きられるのか」という幸せに生きるためのスキルを、ここまで研ぎ澄ましてる人はなかなかいないんじゃないかなと思っていて。そんなところも含めて、今日は四角さんのお話をうかがっていけたらと思います。
喜多:それでは、今日のスペシャルゲスト、四角大輔さんをお呼びしたいと思います。四角さん、よろしくお願いします。
四角大輔氏(以下、四角):よろしくお願いします。
喜多:四角さん、昨日出版した『超ミニマル・ライフ』が絶好調ということで、いかがですか。
四角:ありがとう。
喜多:今日は出版後初イベントですもんね。
四角:これが1発目です。
喜多:記念すべき。
四角:桜子ちゃんが、去年の『超ミニマル主義』の1発目のイベントも仕切ってくれて。
喜多:はい。本当にありがたいです。
四角:桜子ちゃんチームが運営してくれて、すごくたくさんの人が参加してくれて、大反響だったんです。その時からずっと見てくれていたからわかると思うけど、僕には「ちゃんと届けたい」って強い思いがある。
届けるには、まず書かなきゃいけない。届けたいことを文字にしなきゃいけない。2021年の段階で2冊分の約1,000ページを書き上げていて。さすがに出版社の編集者さんが「1,000ページを1冊にすると、1冊6,000円超えで誰も買わないので、半分に分けましょう」と言って、前編・後編に分けて。
とはいえ、前編・後編でもそれぞれ500ページでものすごいボリュームになるので、「さすがにこれは……」と削って、ブラッシュアップして、リライトにすごく時間をかけて出たのが2022年の『超ミニマル主義』。
喜多:ちょうど(今日が出版から)1年ぐらいですもんね。
四角:2022年の9月だから、本当にちょうど1年くらい。でも、出たあとに「四角さん、おわかりだと思うんですけど、1冊目の販売数が出ないと2冊目は難しいんで」と言われて。「あ、ですよね(汗)」という感じで(笑)。
もう1冊目を売るしかない、届けるしかないという思いで、2022年は日本中を駆けずり回った。一通り届ける作業を終えてニュージーランドに戻り、その後もずっと売れ続けて、ベストセラーになって。年末ぐらいに「四角さん、無事続編出せるんで!」と言われました(笑)。
喜多:いやぁ、しびれましたよね。
四角:「残りの500ページのブラッシュアップをお願いします」ということで、ニュージーランドに戻ってから半年間ぐらいずーっと原稿を削っては、より伝わるようにリライトを終わらせて、また日本に帰ってきた。先月に桜子ちゃんに名古屋で再会して、やっぱり1発目の届ける場(イベント)は桜子ちゃんにお願いしたいと無茶ぶりしました。
喜多:うれしいです。四角さん、今日もどうぞよろしくお願いします。今日参加してくださってる方は、四角さんのことをご存じかとは思うんですけど。あらためて私からもご紹介させていただくと、四角さんはレコード会社のプロデューサー時代に10回のミリオンヒットを記録したのちに、ニュージーランドに移住されて。今、何年目でしたっけ?
四角:14年目です。
喜多:14年目ということで。私が理想の暮らしとして、四角さんの写真をトイレに貼るぐらい、ニュージーランドの素敵な湖畔で自給自足ライフを営んでいる。本当に研ぎ澄まされた環境で、真に豊かな生き方はどんなものかを追求しながら、4年間執筆だけに集中されたということで。
大ベストセラーになった前作は物・データ・情報の断捨離と仕事の軽量化がメインだったと思うんですけど、続編となる『超ミニマル・ライフ』はライフスキルが軸になっているということで、このあたりも聞いていけたらなと思っています。
四角:一番伝えたかったのはこのライフスキルなんです。4年前に仕事の大半を手放して、4年間ずっと本を書くことだけに集中した結果1,000ページ書き上げたんです。
元々は前編と後編に分けるつもりはなく、1冊として書いたので。小説や映画といったものは基本的に後半にいくにつれて盛り上がっていくじゃないですか。最後にこそ一番伝えたいことがあって、それはなかなか一言じゃ伝えられない。簡単に伝えられない。
例えば、2時間の映画であれば、最後の10分で伝えたいことがどーんと提示される。それまでの1時間50分を観てくれたからこそ伝えられる。『超ミニマル主義』はおかげさまで、すごくたくさんの方が手に取ってくださったんですけど、著者の僕にとってはイントロダクションぐらいな感じなんです。
喜多:へぇ~! でも、ずーっと言ってましたもんね。今回の 『超ミニマル・ライフ』が実は一番伝えたいことだって。
四角さん自身もお子さんをもうけられていますが、今回、参加者さんに女性の方もすごく多いので、お子さまを育てるママに向けても伝えていけることがあるんじゃないかなと、私も楽しみにしているところです。
四角:『超ミニマル主義』もそうなんですが、そういう人たちにこそ届けたくて、後書きにも一言書いています。
喜多:書いていましたね。まさに育児のための超時短ワークスタイルを実践したノウハウが、この『超ミニマル・ライフ』に詰まってるという一言。めっちゃ覚えています。
四角:そうなんです。とはいえどうなんだろうとドキドキしながら(日本に)帰ってきて、いよいよ昨日の発売日を迎えたら、僕の過去作の中で初日としては一番の売上なんです。
喜多:本当におめでとうございます。
四角:やっぱり届けたいという思いを持って4年間書き続けて、2022年にまず第1弾の『超ミニマル主義』を届けるために日本中を駆け回った。そして半年間『超ミニマル・ライフ』のブラッシュアップに時間を費やし、それを届けるために日本に帰ってきて、「あーやっと届き始めている」というのが嬉しくて。
数字はただの指標でしかないけど、数字でしかわからない部分もある。自分が手掛けたアーティストがオリコン1位とかミリオンヒットとかはあくまで結果の指標の1つでしかなくて、人の心を動かしたとか、どれだけたくさんの人を幸せにしたとか、そっちのほうが僕は大事だと思っているけど、それって手応えとしてわからずらい。
まずは昨日の数字がすばらしくて、今日もすばらしくて。
喜多:本当に今日が『超ミニマル・ライフ』出版後の四角さんの第1弾イベントです。私と四角さんは数年前に旅の大きいイベントでご一緒させていただいたことがきっかけで。旅のことや本のこと、まさにウェルビーイングに生きるという私自身の伝えたい思いをすごく明確に伝えてくれている方だなと尊敬しているので、今日はそんなお話を聞けたらすごくうれしいなと思っています。
四角:はい。よろしくお願いします。
喜多:さっそく、今回の『超ミニマル・ライフ』の3原則がまずはキーポイントかなと思うんですけど。400ページほどある中でも特にここが四角さんが伝えたいことだったりするんですか?
四角:そうね。424ページにわたる7つのSTEP、62のMethodすべてに共通している要素を抜き出すと、この3つに集約されるなと。
喜多:あ~、なるほど。いや、これは読んでいただいたらその理由がわかるんじゃないかなと思うんですが。
四角:さっきの3原則はプロローグに入れているんですけど、本を読んでいただくとこれは原則1、こちらは原則2、これは原則3にあたりますというように出てきます。すべてがこれに集約されるということで、3原則として掲げています。これができたら、もう人生大丈夫じゃない?
喜多:本当にそう思います。超ミニマル・ライフとは、幸せに生きる方法、スキルだと。
喜多:本の帯のコメントは私もすごく尊敬するお二人からで、私自身もすごくテンションが上がりました。
四角:やばくない? このお二人からこんなコメント貰えるって。
喜多:はい。正直、このお二人が推薦するなら間違いないというか。
四角:たぶん、『超ミニマル・ライフ』がたくさんの人に届いている大きな理由の1つは、「絶賛」という言葉とともにこの2人の推薦コメントが帯に入っていることかなと。僕はお二人の本を読んできて、今一番尊敬する著者さんは山口周さんと斎藤幸平さんってずっと公言していて。
『超ミニマル主義』もそうだけど、『超ミニマル・ライフ』がよりこの2人の著書からの影響が大きくて。まさか、そんな2人からこういう推薦コメントをいただけるとは。しかもほら、両者のコメントに「幸せ/幸福」という言葉が入ってるでしょ?
喜多:そうなんですよ。
四角:別に2人が示し合わせたわけでもなく、編集者さんや僕から「こういう言葉を入れてください」とお願いしたわけでもなくて、単純にゲラの初稿PDFを送らせてもらって、「読んで、もし推薦いただけるようであればお願いします。その際はコメントください」という依頼だったから。
「いや、ゲラは読ませていただいたけど、ちょっと共感できないんでコメントは出せません」ということもあり得たんです。こういう「推薦コメントください」という話が殺到するような2人だから覚悟してたけど、2人とも二つ返事でOKで、こういうコメントをくださり。しかも、それぞれに「幸せ/幸福」、つまりウェルビーイングという言葉が入っている。
喜多:まさに今日のテーマにもなっているんですけど、『超ミニマル・ライフ』って結局、周さんのコメントにもあると思うんですけど、技術で幸せになるための本だなと。
私も冒頭で紹介させていただいたとおり、四角さんって「研ぎ澄まし力」が桁外れというのが、長年いろんな本を読ませていただいたり、お話しさせてもらう中での印象で。
今日は思い込みを手放していくところがテーマにはなっているんですけど、研ぎ澄ましていった故の具体的な方法とかを、生で四角さんから聞けるすごく貴重な機会なのかなと思っています。幸せになりたくない人はいないと思うので(笑)。
四角:そう。人は誰もが幸せになりたいはず。
喜多:今日のトークは本のSTEP2の「思い込みの軽量化」を重点的なテーマとさせていただき、思い込みを手放してウェルビーイングな人生を実現するためのスキルについて、私から四角さんにいろいろ質問していきたいと思います。
なんで私が今回このSTEP2をテーマにさせてくださいとお願いしたかというと、この本には幸せになるためのスキルや方法がめちゃくちゃ書かれているんですけど、私自身、思い込みを手放せたことがウェルビーイングに生きる上ですごく大きいことだったなと思っていて。
私は世界を旅することで、自分が今まで思っていた当たり前って当たり前じゃないんだって、思い込みを手放すことができたなと思っているんです。四角さんも、やっぱり旅が思い込みを手放すことの大きなきっかけだったりするんですか?
四角:そうよね。思い込みって、気づかないうちに脳の奥底にインストールされている。外部から余計なアドバイスや不要な常識とか、機能していないルールをどんどん押し付けられて、気づいたら「そうだよね」って思い込んでいる。
きっかけは外部から押し付けられたものなんだけど、それを奥深くまでインストールしてしまうことは、本人にも責任があると思っていて。でも、気づかないわけ。無意識に刷り込まれるから。
喜多:そうですよね。
四角:みなさんご存じのように、人間には意識と無意識があります。別の言い方で、顕在意識と潜在意識があって。人間がコントロールできるのは意識、つまり顕在意識で、無意識や潜在意識というものはコントロールできないとされている。これは脳科学的にも証明されていて。
桜子ちゃん、象使いの話って知ってるよね。大きな象の上に乗って象を操る人間がいて、その操る人間が顕在意識で、象は潜在意識だと。もちろん「はい、右行くよ」「止まって」といったことはある程度できるんだけど、突然象が止まって、象使いが「動け、動け」と言っても、象が動かなければ象使いは何もできないというわかりやすい例え。
だから、無意識の思い込みを手放すって難しい。自分では気づいていないから。
喜多:そうですよね。
喜多:そんな中で、四角さんがどうやって思い込みを手放したのかも聞きたいと思います。
四角:メインテーマだもんね。旅に出て非日常の世界、もしくはまったく違う価値観の人たちやカルチャーに触れると「あれ、自分、間違った思い込みがあったかも」と気づくきっかけになる。
桜子ちゃんは70ヶ国でしょ。僕は65ヶ国を旅していて。日本では当たり前じゃない、非常識ぐらいの文化にたくさん触れると、どんどん思い込みが解けていくよね。
喜多:本当にそれは大きいですね。私も覚えているのが、私自身が日本で夜9時や10時まで働くのが当たり前だった時に、海外でそのことを話すと「超絶クレイジーだね」「いつ家族と遊ぶの? そんなに働いて」と言われました。確かに海外の人からするとこれはクレイジーで、何のために働いているかかがわからないんだと思いますよ。
四角:めっちゃ言われるよね。それはけっこう大きかった。
『超ミニマル主義』と『超ミニマル・ライフ』を書き上げたいと思った動機は、ニュージーランドに14年近く住んで、世界中を旅して、いかに日本人の働き方が間違っているかとか。自分を幸せにするスキルが足りていないというのは、悲しいぐらいに思うことが多くて。それはけっこう原動力になった。
喜多:まさにそのスキルのところが、私が四角さんの本ですごく好きなポイントで。ウェルビーイングとか幸せって、すごく抽象度が高いじゃないですか。みんな幸せになりたいと思っているけど、具体的にどうすればというところって、なかなか難しいと思うんですけど。
この本はそれをめちゃくちゃ具体的にスキルとして書いているところがミソだなと思って。今回はそのめちゃくちゃ重要なポイントを聞いていけたらなと思っています。
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