2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第694 仕事に役立つABC『早く返すメリットとコツ』(全1記事)
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熊谷翔大氏:おはようございます。グロービス経営大学院の熊谷です。水曜日は「仕事に役立つABC」と題して、仕事の成果を高めるために、当たり前だけど馬鹿にせず、ちゃんと取り組みたいことをテーマにお話しします。
今日は「早く返すメリットとコツ」がテーマです。みなさんいろんな仕事をされていると思いますけれども、その大部分をコミュニケーションが占めているのではないでしょうか。
その中でも「相手に何かを返す」という行為があります。例えばメールを返信する、依頼されていた仕事を返すようなイメージですね。日々何気なくやっているかと思うんですけれども、きっとどこかで「レスポンスが早いほうがうれしいよね」という話を聞いたことがあるはずです。
私も「早く返すほうが仕事をする上ではいい場面が多いな」と感じているんですけれども、今回はあらためて「早く返すこと」のメリットと心がけているコツをご紹介します。
まず、「早く返すメリット」を考えてみましょう。恐らくみなさんも過去に、上司・先輩から「早く返しなさい」と言われたことがあるはずです。でも「頭でわかっていてもなかなかできない」と考えたことはありませんか。
「早く返すと何がうれしいのか」、メリットをしっかり言葉にして頭で理解できていないと実際の行動にするのは難しいです。まずはしっかりとメリットについて考えておきましょう。私がこれまで聞いたことや、周りの仕事のできる人を観察して思った「早く返すメリット」を3つお伝えいたします。
まず「相手から信頼を得ることができる」ことが、メリットの1つかと思います。単純に想像してみてください。反応が早い人と遅い人、どちらと一緒に仕事をしたいでしょうか? やっぱり早い人のほうが気持ち良く仕事ができそうですよね。
この「相手からの信頼」が何につながるかなんですけれども、1つは有事の時とか、スピード感を求められる仕事を任せてもらいやすくなるところにあるかと思います。
例えばコロナが起こった時のような緊急対応や、短期間で成果を出さないといけないプロジェクトですね。いわゆる大変だけれども、よりおもしろい仕事かと思います。このような仕事は、やはりふだんから反応が早い人のほうが信頼されており、信頼されるからこそ任されると思っています。
続いて2つ目のメリットは「相手の期待値が上がりすぎない」ことにあると考えています。例えばメールを送って反応を待っている間って、基本待っている側は仕事が進まないですよね。その状況の中で、例えば1週間音沙汰がなくて何が起こるかと言うと、「どんなすごい返事が来るんだろうか」と、ある意味期待して楽しみにしてしまうんですよね。
その上で返しても、よっぽどじゃないと期待を下回ってしまう。そんなケースを体験した方も多いのではないでしょうか。それが重なると、どんどん仕事をしづらくなったり、その人に期待しなくなる。それは避けたほうがいいですよね。相手の期待値をしっかり調整するためにも早めに返してしまうことはメリットだと思います。
そして3つ目のメリットは、「未処理のものをたくさん抱えるストレスを減らせる」ことです。この3つ目が、働く一個人にとっては一番大切かと思います。
きっと活躍されているみなさんは、いろんな人に返さないといけない案件をたくさん抱えているかと思います。その状態が重なっていくと何が起こるかと言いますと、「あの件も返さないと」「これも返さないと」「あれがまだできてないな」みたいに、無意識のうちにご自身にものすごくプレッシャーとストレスがかかっている状態になります。
それを解消するには、早く返して自分がボールを持っている状態を避けるか、もしくは仕事そのものを減らすか、どっちかしか方法はないと思います。ですが、後者の「仕事を減らす」というのは、自分だけではなかなかできないこともありますよね。だからこそ、なんとか工夫してできる限り早く返して、自分で自分を助けてあげるのがベストかと思います。
ここまで「早く返すメリット」について3つのメリットをお伝えしてきました。1つ目が「相手から信頼を得ることができる」。2つ目が「相手の期待値が上がりすぎない」。そして3つ目が「未処理のものをたくさん抱えるストレスを減らせる」です。
これは単純に言葉にすると、新入社員とか若手向けのアドバイスに聞こえるかと思うんですけれども、私はそうではないと思っています。というのも、特に仕事を見る範囲が広いリーダーやマネージャーの方は、本当にたくさんの連絡を受け取っていると思うので、新入社員とか若手よりも「返すもの」が多いはずなんです。
そんな方にとって「早く返すことのメリット」をしっかりと意識しておくのはとても大切なことだと思います。
その上で、「実際どうやって実践していくんだ?」というお話なんですけれども。私が一番大事だなと思っているのは、「とにかくメールとかチャット、Slackの未読をゼロにする。これを目指しましょう」という話なんです。特に仕事を切り上げるタイミングで0件にすることをおすすめしています。
これをやると何がいいかと言うと、自然と返すスピードが上がっていくのと、未処理の案件が何なのかがぱっとひと目でわかる状態を作れるんですよね。私もこれまで前職とか現職の上司や同僚、そして友人で「わあ、この人仕事できるな、早いな」という人を見てきたんですけれども、ほぼほぼ100パーセントの方がこれをやっているなと感じています。
今、あなたの未読件数は何件でしょうか? 急に完璧にはできないんですけど、もし「参考になりそうだな」と思った方は、ぜひ今日からやってみることをおすすめいたします。それでは今回はここまでです。本日もすてきな一日をお過ごしください。
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