2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
文系営業必見 必ず勝てるプレゼンテーション【コンペ300戦無敗のトップエンジニア が教える 理系の仕事術 - 井下田 久幸】(全1記事)
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井下田久幸氏(以下、井下田):(今回私が上梓したのは)『コンペ300戦無敗のトップエンジニアが教える理系の仕事術』という内容の本になっております。『理系の仕事術』というタイトルが目立っておりますけれども、理系(向け)というよりは、理系の私が体得したものをみなさんにお伝えしたいということです。
読んでいただいた方のAmazonレビューを読んでみてもそうなんですが、みなさん文系向けだというかたちでおっしゃっていただいておりますし、入社前の課題本としても、もしかしたら最適かもしれないです。
仕事で伸び悩んでる方とか何か行き詰まってヒントが欲しい方、そんな方に読んでもらえたらなと思います。61個ぐらいのヒントやノウハウが載っていますし、私の人生論も載っていますので、お役に立てたらと思っております。
私はバリバリの理系で、大学も理系ですし、会社入ってからもIBMをはじめ、ずっとIT畑を歩んできました。IBMから始まってベンチャーも経験しましたし、数百人規模の中堅企業も経験してきました。大から小まですべておもしろおかしく人生を歩んできた中での成功体験を今日もお話しできたらと思います。
プログラムを書く理数系人間であるにも関わらず、仕事柄、お客さまの前で説明する機会も増えてしまって。デジタルでありながらアナログの経験もしていて、その中でベンチャーの時に、会社が倒産するかもしれないという危機の中を、コンペで戦い、300戦無敗を経験しました。そのノウハウを中心に、私の持ってるノウハウをみなさんにお伝えできたらなと思っております。
自己紹介は1分でまとめる
自己紹介ってよくするようで、意外に慣れてない方が多いと思うんですね。私なんかは人見知りだったからそうなんですけれども、人前でしゃべる時って「時間が余ったらどうしよう」という恐怖感に襲われるんですね。
だから私はいつもそうですが、多めに用意をして削ろうとするんです。でも、その逆の体験をするのが意外に効果的なんですね。1分って長いようですごい短くて、どんなに短い自己紹介を作ってもだいたい2~3分いってしまうことがある。そこから1分に削るというのは実はすごく難しい作業です。
これ(自己紹介を1分でまとめる)のいいことは、自分が何者かということを短い言葉で表現しようとすればするほど、だんだん(自分のことが)見えてきて「あ、私はこんな人間だったんだ」とフォーカスを当てることができるんですね。
あともう1つ、1分プレゼンを用意することのいいことは、(制約がないと)「あのー」とか「えー」とかいうドッグワードを無意識にしゃべってしまうんですが、1分だとそんな言葉もしゃべる暇がないので、それを取るという練習にもとてもいいんですね。
この本の中でもいろんなコンペの話が出てきますけれども、与えられた時間で全部はしゃべりきれないんです。いきなり時間短縮された中でしゃべらなきゃいけないという中で、短時間でまとめてしゃべるというのがすごく大事です。
だいたいどこ行っても、まず1分プレゼンさえすればなんとか最低限は言えると、そんな気持ちになれるので、余裕が出てくる。これを持ちネタにしておくといいんじゃないかなと思って、本でも最初に書かせていただきました。
まず準備の段階では、もう本当嫌ですけど、ストップウォッチで計りながら書いた原稿を読み上げるんです。ストップウォッチを押しながら計るとだいたい1分は越しています。それを何度か繰り返しながら、文を直して削って削ってと。最後は10回ぐらい暗唱すると、暗記ができてしまうので、そんな感じで練習します。
あともし可能なら、仲間と練習(するといいです)。これは本にも書いたんですけど、何分間と決めて順番にやっていく練習とか、その時恥ずかしがって目を伏せてしまうと思うので、聞いてくれる仲間の目を見ながら話す練習とか。
あとこれも本に書きましたが、「あの」とか「えー」とか言ってしまうので、それを言った瞬間に「はいおしまい」と言って、できるだけ無駄のない喋り方を練習していました。これはIBMの時に特訓されたんですけれども、それが今でも生きてます。
デキるプレゼンは「最初の5分」と「最後の1分」で落とす
特にIT系の場合だと30分から1時間、もしくは1時間半ぐらいのプレゼンをする機会が多くなるんですけれども、聞くほうも忙しくて眠くなってきちゃうんですね。IBMではけっこうプレゼンテーションの訓練はされるんですけれども、多くのプレゼンターは聞いてくださるお客さまを見ないで、スクリーンを見ながらしゃべってしまうんです。
そうするともう聞き手はおもしろくなくなって、最初の5分ぐらいでだいたい「この人の話は聞かなくてもいいや」という判断をされてしまう。そういう意味でも最初の5分は丸暗記して、スクリーンを見ずにお客さまに語りかけるような感じでしゃべりきると「あ、こんな人の話おもしろいかもしれない」ということで、30分~1時間を聞いてくれる気になるんですね。
そこでつかみを取って1時間聞いていただいた後に、最後の締めの1分が大事です。何が言いたかったかと。「最初の5分」と「最後の1分」がほぼ9割以上を占めるんじゃないかなと思っています。
損して得する方程式 勝ち負けは4:6!?
ビジネスの場合と他の争いごとでは、(戦術が)違うと思うんですね。
それこそ身近な例で、離婚問題で訴訟があった時は、その1回の交渉で勝たなきゃいけないと思うんです。でも逆に言えば、その時こそ自分が下手に交渉するより、その交渉のプロ、弁護士だったりに頼んだほうがいいと思うんです。
私たちが日頃直面しているビジネスの場は、何度も何度も戦わなきゃいけないですし、お客さまとずっと長い間付き合っていかなきゃいけない交渉になります。なので1回の交渉で勝つ交渉をやってしまうと、続かなくなってしまうんですね。
その時はうまく言葉で丸め込んで勝ったとしても、2回目は「あの人には丸め込まれるからもうやだな」と、逆に嫌がられてしまうんです。だから私の戦術は、交渉はどちらかと言うと1回を勝つことよりかは、4:6ぐらいで負けてもいいから、相手に気持ちよくなってもらって、その交渉を成立させるんです。
そうすると(1回の)交渉時間は短くなって、多くの交渉回数を踏むことができます。(仮に100時間交渉できるとして)4:6ぐらいで負けても、(10時間あたり)10人ぐらいと交渉すれば40件ぐらい取れるじゃないですか。
これもし逆に6:4ぐらいで自分が有利な交渉にまとめたとすると、(同じ時間で)10人と交渉できないかもしれないんですね。その時は(10時間)5人だったら6:4だと30件になってしまう。結果的にはさっきの40件に対して、30件なんですね。
そういう意味では「トータルで勝つ」ということがビジネスでは大事なので、1個1個の交渉は4:6ぐらいの感覚でお客さまに満足してもらうほうが、早く多くの人とできて、しかも何度もその人と付き合えるという意味では、得する勝ち方だよということを書きました。
ビジネスなんで採算性とらなきゃいけないので負けてはいけないので。そこそここちらも利益があるけれども、大きくは勝たないと。相手のほうに満足してもらうという意識が大事ですね。
まさに新常識!〇〇をしてトップになれた
いろんなパターンの勝ち方をしたんですけれども、特にITとかそういう技術系って難しい商材をお客さまにわかりやすく伝えなきゃいけないので、けっこうセールスのプロセスに時間がかかってしまいがちなんですね。
だからこそなんですが、営業はそれでもお客さんと直接接しているので、細かく対応しますけれども、その裏方にいる技術支援だったり、エンジニアの方というのは、そんなとても時間がないので、できるだけ効率化したいとつい思ってしまうんです。
ということは何が起きるかというと、お客さまに見せるデモは、1つ便利なデモを用意するとそれを汎用的に見せるんです。聞いてるお客さまは、その商品がわかるわかりやすいデモは見るんですが、実感が湧いてないんですね。
私がやっていた、特にこの300戦無敗を達成した大きなポイントは、お客さまの営業につられていった時には、必ずお客さまが持っている生のデータをお借りする、取りつけるんです。生のデータを使ったデモを作りこんで見せるようにしてたんです。
でもこれって、ただでさえその汎用的なデモを作るのが嫌なのに、お客さまの生データを使うとなるとさらに大変で、工数がかかってしまうんですね。だからほとんどの競合となるコンペのメーカーのエンジニアは、そんなデモを作る人はいなかったんです。
だからこそ私しかやらない自信があって、お客さまは自分の自社のデータを使ったデモを動くのを見ると、説得力がぜんぜん違うので、必ず買ってくださるというテクニックだったんです。
ただそれをやると、お気づきのように私はお客さまごとにデモをいつも作りこまなきゃいけない工数がかかっていました。そこで裏技としてやってたのは、すごく常識外のことを申し上げますけれども、最初に営業として訪問して生データをもらった時に、うちと競合となるコンペの商品を「ちょっと聞いてみてください」みたいな感じで、あえて競合を紹介するんですよね。
私は時間がなかったし必ず勝ちたかったので、わざと競合を紹介して、競合に商品の説明を先にさせてるんです。その時間では私はお客さまの生データを使ったデモを作り上げて、コンペの説明が終わった後に私が出向いていって説得するんですね。
そうすると時間をうまく稼ぎながら生データを使ったデモなので、お客さんも「あぁ、それがいい」ということで買ってくださると。常識外ですけれどもこれ必ず勝てました。
文系営業パーソンへ 営業の心構え
本を読んでもYouTubeを見てもそうなんですけど、何を見てもその場で「いいな」と思って終わってしまうことが多いんです。やっぱり行動に移さなきゃいけないですね。でもなぜみなさん行動に移せないかというと、失敗する怖さがあるからだと思うんです。
私は『300戦無敗』と、無敗と言いながらこれから真逆のことを言うんですけれども、世の中のすべてのことは1勝9敗だと思っているんですね。1つの成功をするために9敗をしなきゃいけない。必ず何かやりとげる時には、その裏側には見えない9敗があると思っていまして、その覚悟があると行動に移せるんですね。
その負けを込みですぐ行動することが、すごく大事です。そのためにもやっぱりモチベーションがとても大事になると思うので、まず5年後の自分を思い起こしてほしいんですね。
いろんなことで人生に悩むと思うんですけれども、悩んだ時にはいろんな人に相談します。1番いい相談相手って、5年後の自分だと思うので。
その5年後の自分が喜んでくれる、満足することを、まず5年後の未来と相談して、その人が喜ばせることがもし決まったとしたら、その人のためだったら1勝9敗でがんばれると思うんです。この動画を見ていただいた後は、躊躇するよりも先に行動してほしいですね。
視聴者へメッセージ
今日はお聴きいただいてどうもありがとうございます。この本は『理系の仕事術』となっていますけれども、どちらかと言うと理系というよりは、再現性があってみなさんのお役に立てたい本になっているんですね。この本にも書いてありますし、特に後書きにも書いたんですけれども、最後はやはり「人を大事にすること」がとても大事だなと思っております。
人生100年時代と言われてる中で、人と出会う数はすごく限られてるということを、もっと意識してもいいかなと思っています。毎日いろんな人と出会いたいなと思って会っていっても、一生で多くても10万人しか会えないんですよね。
10万人というと、地球の人口が約70億以上いますので、7万人に1人しか会えないという計算になるんです。だから今日誰かと会いにいくということは、その1人と会うために7万人と一生会わない決断をしているという、この事実を知ったほうがいいかもしれない気がしてます。
そんな意味で、人と出会うことを大切にしてほしいんですね。特に1回会うだけじゃなくて、2回目3回目って会いたいじゃないですか。そういう確率は非常に少なくて。私も多くのお客さんの前で講演することがあるんですけれども、いつも思うのは今日「初めまして」と思いながら、今日人生最後の出会いというのが半分以上いらっしゃるという、この事実があるんです。
確率論的にはそうなので、「初めまして」と言いながら別れの場を迎えてるんです。そんなことからも、人との出会いを大切にしながら、こういうノウハウはあくまでノウハウですので、うまく活かしながら限られた時間を有効に使っていただけたらと思います。
こうやってビデオ越しでお会いしてるかもしれませんが、私もみなさまと2度目3度目お会いしたいと思っていますの、ぜひまた会うことを楽しみにしてお声掛けいただけたらと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
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