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時間術と習慣術、アート思考で変わる「これからの子育て」 "100%" より、親も子供も自分らしくあるための子育て論(全4記事)

フルタイム勤務×ワンオペ育児で身についた『やめる時間術』 「見える化・引き算・足し算」で生む、本当に価値ある自由時間

自分軸で生き方を実現しながら二人のお子さんを育てる、『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』の著者・ワーママはる氏(尾石晴氏)。起業家・アート思考の専門家として二人のお子さんを持つ、『ぐんぐん正解がわからなくなる! アート思考ドリル』の著者・若宮和男氏。両氏のクロストークから「これからの子育て」について考えるイベント「時間術と習慣術、アート思考で変わる『これからの子育て』」の模様を公開します。

「時間術と習慣術、アート思考で変わる『これからの子育て』」

白戸翔氏(以下、白戸):本日の登壇者の若宮和男さんとワーママはるさんの本を担当・編集しました、実業之日本社の白戸と申します。本日はよろしくお願いします。

「時間術と習慣術、アート思考で変わる『これからの子育て』」について、お二人のありがたい話をいろいろ聞いていきたいと思います。私も今、10ヶ月になる息子がいて、大変興味のあるテーマでございますので、お二人の話を楽しみにしております。

さっそく、お二人をお呼びしたいと思います。ワーママはる(尾石晴)さんと若宮和男さんです。では簡単に自己紹介を、はるさんからお願いします。

尾石晴氏(以下、尾石):ワーママはると申します。今回ご紹介いただきました『やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ』という本を書いております。音声メディアの「Voicy」という配信アプリでパーソナリティをしておりまして、そちらでみなさんにお目にかかる機会が多いかなと思います。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

白戸:よろしくお願いします。では、若宮さんお願いします。

若宮和男氏:uni’queの若宮といいます。私は起業家がメインですが、白戸さんの編集で「アート思考」に関する本(『ぐんぐん正解がわからなくなる! アート思考ドリル』『ハウ・トゥ アート・シンキング 閉塞感を打ち破る自分起点の思考法』)を出させていただきました。今日はアート思考の観点からも子育てを考えつつ、はるさんとトークできるのをすごく楽しみにしてます。よろしくお願いします。

白戸:よろしくお願いします。最初は、はるさんと若宮さんそれぞれのパートで簡単に本の内容と絡めながら(お話いただきます)。お二人ともお子さんを育てられていて、はるさんのお子さんが長男、次男ですかね。若宮さんが長女と次女。そのへんのお話もいろいろ楽しみだなと思っております。

仕事・家事・育児で「圧倒的に時間が足りない!」

白戸:ではまず、はるさんからよろしくお願いします。

尾石:私からは、今日のテーマに使われる「やめる時間術」とか「習慣術」ってどういうことなのか? を、本のご紹介を交えながらご案内をさせていただきます。この『やめる時間術』という本は、2021年の1月に出ています。

この本は「24時間を自由に使えないすべての人へ」向けて書いたものです。私はもともと、長時間労働型の会社員でした。しかし2013年に長男を出産したことで、24時間を自分のために自由に使えなくなりました。仕事も家事・育児もやって、いろんなことを両立していこうと思うと「圧倒的に時間が足りない!」と気づいたんですよね。

子どもを産んだ喜びはすごくあるんですが、時間の使い方を含めていろいろなことに葛藤がどんどん湧いてきて。自分自身の人生、家族に対する時間の使い方、子どもへの向き合い方を見直すようになりました。それらを含めて書いたのが『やめる時間術』です。こちらを、今からご紹介していきたいと思います。

そもそも「お前は誰やねん!」って思ってらっしゃる方も多いかもしれないので、自己紹介させていただきます。私はワーママはる、尾石晴と申します。昨年の4月まで16年間会社員をしておりました。

2020年に退職し、今は「サバティカルタイム」(使途の決まっていない休暇)と称して、こういった発信活動や、10年以上やっていたヨガを、本格的なサービスにして人に提供しています。複業、兼業、いろんなことをやっていまして、第2の職業人生を探しているところです。

みなさんに認知いただいたのは、先ほど申しましたVoicyという音声メディアの影響が大きいです。ここでいろいろな物事を分解してお話ししていたところ、この「分解思考」を評価いただいて、本の出版に繋がったり。他にも、Webとか雑誌媒体、noteで文章を書かせてもらっています

お金も時間も「何がどのくらいの量あるのか?」を把握すべき

尾石:「分解」できるようになった理由は、私が経験したワンオペ育児にあります。「ワンオペ育児って何?」と思われるかもしれませんが、すき家で夜の忙しい時間帯にワンオペレーションで店員がお店を回していますよね。あれと一緒です。仕事をしながら、夫も多忙で帰宅が遅いため、1人で家事育児を回していました。

長男が生まれてから、育休が明けて復帰したぐらいまで、もうずっと(ワンオペ育児を)やっていたので。いろいろなものを捨てるとか選ぶといった技術が磨かれて、分解につながってきています。現在は息子が2人、4歳と小学校3年生8歳の息子を不妊治療で授かっています。

『やめる時間術』では、時間を見直すと自分のやりたいことがよく見えてくる、というお話をさせてもらいました。「じゃあエッセンスだけ教えて」「本を読むのはちょっと大変」って方もいらっしゃると思いますので、エッセンスだけご紹介します。

まず何事もそうなんですが、今、自分の手に持っているものが、いったい「何があって」「どのぐらいの量があって」と把握しないと、すべての物事はうまくいきません。これは時間だけでなく、お金もそうだと思います。

そのため、本の中では「時間を見える化」するための技術について、いろいろと触れています。私自身が実際にやったことを含めて、白戸さんからいろいろとご指摘とアドバイスをいただきながらまとめたんですよね。

私たちには「生活している時間」と、仕事、家事、子どもの習いごと送迎などの「毎日のルーティン」があります。あと「自分の自由に行動を選択できる時間」。これらの3つで構成されているんですが、これをどうやって見える化するか? について本に書いています。

簡単に言うと、「タイムログ」をつけるんですが。(その日やったことの)結果をつけていくと、自分が思っていたのと大きな乖離があるんですよね。そこから自分の時間の使い方を見直していくことで、人生の積み上げ方が見えてきます。

価値観を自分で選びとり、確認する「時間の引き算」

尾石:次に「じゃあ(タイムログをつけて)何するの?」なんですが。「私はこんなことに時間を使ってるんだ」とわかると、「こんなことにお金を使ってるんだ」と一緒で、どうしても人間は「いらないものは減らそうかな」という気持ちになっていきます。

そこで私は「引き算」をしました。自分の使ってる不要な時間を引いていくんです。引いていくことによって、自分で自分の時間をコントロールしてるとか、自分の使ってる時間は投資なのか、消費なのか、浪費なのか? といった、価値観がどんどん浮き彫りになってきます。

世間一般で言われてる「いい時間の使い方」ではなく、自分が大事にしたいものに時間を使って、大事にしなくていいと思ってるものが引けるようになってきました。まさに価値観を自分で選びとっている、確認している作業になります。

自分の価値観があぶり出されること、要は生きていく上で大事にしたいことが見えてきます。私はこれを「マイものさしを持つ」という表現をしています。

子育てもそうなんですけど、誰かのものさしで測っていたり、誰かから良しとされている価値観で測っていると、迷ったり不安になったりしやすいんですよね。自分にフィットしない。なので「マイものさしを持つこと」を大事にしています。

余白が見えると「本当に使いたい時間は何か?」と考えるようになる

尾石:時間が少し減らせたなと思うと、余白が見えてきます。余白が見えると「本当に入れたいもの、使いたい時間が何か?」と考えるようになるんですよね。せっかくがんばって減らした時間だから、きれいに片付いた場所だから、いいものを入れたい。そのための時間の使い方を考えるようになりました。

「何を入れるのか?」ですが、書籍の中では、何にもしがらみがない状態で、自分がもし「1日好きなように時間を使っていい」と言われたら、どういうことに使うのか? 子どものお迎えとか仕事とかお金とか、いったん横において考えてみると、自分の「大事にしたいもの」が見えるということに触れさせてもらっています。また、それらを入れるテクニックも書いています。

私は会社が好きだったんですが、この時間の見直しを数年行うことで、自分にとって「大事にしたいこと」が見えてきました。結果的に会社を辞めて、今は別の第2の職業人生を模索しています。親である私がそういう生き方を選んでることは、子どもにとっては新たな価値観の選び直しを間近で見てることになる、それも良いんじゃないかなと感じています。

「足し算」(引き算をして余った時間にやりたいことを考えること)をしていくと自分がどういうふうに人生を終えたいのか? という理想に気づけますし、そのための行動につながってるなと思っています。

『やめる時間術』の中では「自分が使っていた時間を見える化」して、「自分にとって価値が低い時間を引き算」して、「自分の未来につながる時間を足し算する」という3つで構成していますが、この3つは別に大人だけに当てはまる話じゃないんですよね。子どもも一緒だと思います。

子どもの時間の使い方は、ついつい「親から見て価値があるかどうか?」で、口を挟みたくなります。私は、自分が時間の使い方を見直したことによって、一見ただ遊んでるような時間も子どもにとっては価値がある時間なんだろう、と気づきました。彼らはボーッとしてる時間にいろいろ頭の中を整理してる考えるようになりました。

『やめる時間術』を書いて、時間を通じて多様な視点や価値観をあらためて意識できてよかったなと思っています。私からはここまでになりますので、いったん白戸さんにお返ししたいと思います。

白戸:はるさんありがとうございます。さっそく「はるさんは、なんでこんなになめらかにトークできるのでしょうか?」と(コメントが)。

尾石:もう2年半、900回もVoicyをやってますから(笑)。さすがにうまくなってもらわないとね、って感じです(笑)。量のフェーズを超えたんですね。ありがとうございます。

白戸:ありがとうございます。『やめる時間術』ではるさんと初めてお仕事させていただいて「なんで子育てをしながら、ここまでやりたいことをできているのか?」と。傍から見てるとみなさん不思議だと思うんですけど、そういったはるさんの時間術をふんだんに盛り込んでいただいた1冊です。

子育てに活きる部分とか、人生の選択に活きる部分などがいろいろあって、本当にすばらしい本だなと思っております。

尾石:ありがとうございます。白戸さんのおかげで「Audible」(Amazonが提供するオーディオブックサービス)や、中国語版の出版も決まり、順調に評価していただけてよかったなと思っています。

白戸:私は何もしてないですけど(笑)。ありがとうございます。

もし質問とかあれば、YouTubeのチャット欄に適宜書き込んでいただければ拾っていきますので、よろしくお願いします。

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