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#3 どうやって受注を取るか(全1記事)

これからの営業が磨くべきは「トーク」ではなく「コンテンツ」 オンラインでの商談を受注につなげる「4つの仕掛け」

オンライン商談の機会が増えた今、これまでの対面商談との違いに悩む営業パーソンも増えています。そこで今回は、『Sales is ~科学的に「成果をコントロールする」営業術~』著者であり、オンラインセールスエバンジェリストの株式会社セレブリックス代表・今井晶也氏が、「オンラインセールス」の課題を解説。本記事では、オンライン商談でも受注につなげるための4つの仕掛けについて語りました。 ■動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

オンライン商談を難しくさせている「逃げ場がある状態」

今井晶也氏:前回の動画では、ニューノーマルの時代にどうやってアポイントを獲得するか。これをみなさんと学んでいきました。ただ、残念ながら、アポイントを獲得しただけでは、受注が生まれるわけではないですよね。ですのでこの動画では、「獲得した商談をどのように受注に結びつけていくか」をみなさんと学んでいきたいと思います。

特にリモート時代、それからオンライン商談ならではのコミュニケーションの取り方について、しっかりと勉強していきましょう。まずオンライン商談を難しくしている最大の理由は何か。これをみなさんと紐解いていきたいと思います。

ここに書いてあるとおり、「聞き手にとって逃げ場があるかどうか」。これが実は、営業活動を難しくしている一番の要因なんじゃないかなと考えています。

対面営業の時代は、お客様が仮に興味がなかったとしても、目の前にいる営業マンを立てる意味で、話を聞いてあげる必要がありましたし、反応してあげる、ないしは反応しているふりをする必要があったというのが前提です。

ただオンラインになってしまうと、興味がなくなってしまうと別の仕事をやってしまったり、ないしは別のWEBページを見ていたり。このように、商談を物理的に聞かないとか別のことをしてしまうというような「逃げ場がある状態」が、実はこのオフラインとオンラインの最大の違いだと考えます。

そして難しいのが、仮にお客様が営業パーソンの商談に関心を持って話を聞いていたとしても、もし上司から「緊急」というタイトルのついたチャットを送られていたとしたら、おそらく集中力が割かれたり、その情報が気になって見に行きたくなってしまいますよね。

このようにいろいろな情報が点在してしまうというか、お客様の関心事がブレてしまう。こういうポイントがあるのがオンラインの難しいところなんですね。なので実は「オンラインだから営業がやりにくくなっている」というよりは、「オンラインになると、オフラインのようなごまかしが効かなくなっている」というような状態が正しいと考えています。

逆に言えば、成果を上げるための営業の行い方としては、場を作れるかどうか。まさに商談をコントロールする力があるかどうかというところが、オンラインでは非常に重要になります。

オンライン商談で場を作るための4つの仕掛け

では、このオンライン商談で場を作るためには、4つの仕掛けがあると考えていますので、こちらをみなさんにご紹介します。その4つの仕掛けが、こちらです。「REIWAリレーションシップ」それから「プロジェクトマインドセット」「情熱プラス」「コンテンツファースト」です。名前だけ聞くと何だこれとに思ってしまうかもしれませんが、1つずつ簡単に解説させていただきます。

まずは「REIWAリレーションシップ」。今の時代ならではの関係構築のあり方を考えましょうということです。

まず関係構築の考え方なんですが、この関係構築はこれからの時代は「数」と「小回り」でカバーするのが良いと言われています。1回の商談をコンパクトにしていき飽きさせない。そして関係性を数で高めていく。こんな工夫をされてみるのはいかがでしょうか。そして、役立つコンテンツを商談の場面で小出しにして提供していくことによって、お客様の変化を細かく観察できるようにするのがポイントです。

そして2つ目の「リモートならではの記憶と記録の残り方」。ここに工夫を凝らしてみましょう。名刺交換がしにくくなっているので、オンライン名刺や、名刺に変わる情報の提示の仕方に工夫が必要です。そして議事録を活用して、温度感であったりお客様の検討の内容を細かく記録に残していくことが重要です。

今の時代ならではのひと工夫・気配り・思いやり

ぜひみなさん想像してみてください。リモートワークやオンラインでコミュニケーションを取ることが増えたことによって、1日の会議の時間って増えていたりしませんか? そして商談の時間って増えていたりしませんか? これ、お客様も一緒なんですよ。

お客様は1時間ごとに別のミーティングや商談が入っていたりします。そうすると、例えばみなさんとの商談が盛り上がって、「次回こういうことをしましょうね」という形で話が終わって、次に別のミーティングに参加すると、みなさんと商談した内容を忘れていたりします。

「社内確認をする」と言っておきながら、ミーティングがどんどん重なってしまってそこの時間が取れずに、結局やるの忘れちゃう。そのうちにお客様の温度感が下がってしまう。これ、実はけっこうあるあるなんです。

だからこそ、お客様が次に何をしたらいいのか。ないしは「この資料を横展開するだけでいいですよ」といったような、ひと工夫・気配り・思いやり。こういったものを営業パーソンが議事録として残せるかどうかで、次のコミュニケーションに進めるかどうかが変わってきます。

そして3つ目、「商談後にSNSでつながる」。この方法も、今の時代ならではのコミュニケーションや関係構築のあり方だと思います。雑談や本音ベースといった会話はSNSで行ったりとか、余計な追客をしないようにすることが大事になります。

会社に出勤していない方に何度も電話をかける必要がないように、SNSで環境や状況の変化をウォッチできるようにしておくというのは、今の時代ならではかもしれません。ただもちろん全ての企業でSNSの使用が認められてるわけではないと思いますので、みなさんの会社のポリシーに従って行うようにしてください。

「売り込み」から「課題解決プロジェクト」への意識改革

2つ目(の仕掛けは)、「プロジェクトマインドセット」という考え方です。これは「お客様に商談」という考え方から、「お客様の問題解決を行うプロジェクトのミーティングなんだ」というマインドや意識改革。こういったものを行っていくことが重要だという話です。

書いてあるとおりですが、「売り込み」という認識から、早い段階で「課題解決プロジェクト」への意識改革を促していきましょう。具体的にどのようにやるかというと、この商談やプロジェクトに名前を一緒に付けちゃうのがいいです。

「御社の社員の離職率を5パーセント減らすプロジェクト」とか、お客様にとって意味のあるプロジェクト名にすることによって、お客様が「営業される」という考え方から、当事者意識を持って問題解決に挑んでいく。こんなスタンスを一緒に持っておけると良いと思います。

そしてプロジェクトマインドをさらにセットさせるために、今まで営業1人でやっていたものを、お客様と一緒に作っていくという、「競争・共謀」。共謀と言うとちょっと言葉が悪くなるかもしれませんけど、「一緒に企んでいく」という考え方が重要です。

例えば商談前に事前準備・商談準備をすると思いますが、そこで例えばテックツールやアンケートツールを使って、お客様に事前準備を一緒に手伝ってもらうというのも1つの手です。商談が終わった後、お客様にフィードバックや評価を貰って、企画書をお客様と一緒に作って、お客様と一緒に社内営業をしていく。そんな状態を作っていけると、非常にオンラインでも営業しやすくなると考えられます。

例えば担当窓口になっていただいているキーパーソンの方に、「この内容だと、現段階で導入の可能性は何パーセントぐらいですか?」「70パーセントぐらいですね」「ではこの足りていない30パーセントを高めるために、私と〇〇さんで社内営業や社内の提案を進める上で、どんなことができますか?」。このようなコミュニケーションを取っていくと、一緒のプロジェクトとして進めやすくなっていくと思います。

オンラインだからこそ、短いプレゼンでエモーショナルな訴求を

3つ目(の仕掛け)は「情熱プラス」。「オンラインだからこそ伝わりにくい」、こんなお悩みを持たれてる方がいると思います。それは使う言葉が悪いのかもしれません。例えば、見逃せないワードチョイス。思わず顧客がドキッとするような、耳に残る言葉の選び方やネーミングを使いましょう。

例えば、比喩表現やネーミング。この動画で使っている「3ロス」とか「REIWAリレーションシップ」とか。なんとなく耳に馴染むような「おっ」と気になるようなキーワードを作れるかどうかが非常に重要です。

そして、わかりやすい言葉。それから、相手の脳内で想像しやすい表現。オンラインだからこそ、言葉を選ぶ時には神経質になった方が良いでしょう。そして会社やサービスの紹介。ここで条理的な、エモーショナルな訴求ができるかどうかも重要です。

「お客様にヒアリングしにくい」というのは、お客様が心を開いてくれていないから。話したいと思っていないから、ヒアリングしにくいんですね。ということは、その前の会社をご紹介するピッチの部分。短いプレゼンテーションの部分で、「この人には相談してみたい」「この営業パーソンは良い営業パーソンだ」と、思っていただくことが重要なんです。

なので会社のピッチや会社の紹介をする時に、「何をやっているか」という商品の機能や説明はできる限り省いて、「なぜやっているのか」「何のためにやっているか」という、WHYの部分に焦点を当てて説明をすると良いかと思います。

このWHYの説明になってくると、お客様は共感しやすくなったり興味を持ちやすくなったりしますので、よりお客様が自己開示しやすい、話しやすいお客様に変わっていく可能性があります。

これからの営業はトークではなくコンテンツを磨く

4つ目の仕掛けが、セールスコンテンツの活用です。先ほどワードの重要性を伝えしましたが、一部アンチテーゼを唱える形にはなります。これからの営業は、会話やトークを磨くのではなくて「コンテンツ」。これを磨いて、コミュニケーションを図りやすくしましょうという考え方です。

まずセールスコンテンツを使うと、お客様を巻き込んだり、誘うスイッチに活用できます。例えば1つの資料を見ながら画面に集中していただいて、他の画面を見ていた人を誘導する。こんなきっかけにもつながると思います。

不特定多数の方々と同じ議論を集中して行うために、1つの資料を見ながら会話をする。これは大変有効です。それから、問いや議論を生み出すためにコンテンツを活用するというのも有効です。

例えばコンテンツをお見せすることによって、「御社の場合はいかがですか?」「御社は今この状況と違うところはありますか?」というような形で、資料を見ながら会話をすると、質問がしやすいというところがございます。あとは、最初から穴が開いたコンテンツ。これをお見せして対応しながら埋めていくことによって、一緒にコンテンツを作るということも実現可能です。

3つ目にあるのが、第三者の見解。これをきっかけにすると、より会話や反論対策がしやすいですよという活用の方法です。否定されてうれしい人はあまりいませんので、そうした時に、第三者のストーリーやケースを交えてご紹介や新しい情報に気づいていただくことによって、議論が進むきっかけになったり、お客様に新しい示唆を与える。こんな効果も期待できます。

大切なのは「画面に集中してもらうコミュニケーション」

そして、実際に商談でどのようにセールスコンテンツを活用するのか。みなさまにちょっとご紹介したいと思います。いいですかみなさん。この後、重要な資料をお見せしますので、ぜひ画面に注目してください。(スライドを指しながら)こちらです。

ありがとうございます。おそらく多くの方が、画面を真剣に見ていただけたんじゃないかなと思います。申し訳ございません。今お見せしている資料に意味はございません。実は、「セールスコンテンツを活用することによって、画面に集中させることができるでしょ」という、こんな実験や効果をみなさんにお伝えしたかったんです。

先ほど冒頭に、オンライン商談で難しいのは、お客さまがいろんなことに情報が行ったり来たりしたり、集中力が阻害の要因があるというお話をさせていただきましたが、このように「お見せしたい資料があるんです」というコミニケーションをとることによって、画面に集中していただく。戻って来ていただく。こんなコミュニケーションが取れるんです。

そして先ほど、穴埋めコンテンツという話がありましたが、例えばお客様にヒアリングをする時にこんな図を用意しておいて、穴を用意しておくんですね。そうすると「例えば御社では、今お客様との接点の持ち方はどのような取り方をしてるんですか?」とか。

そういったことを聞いて商談をしながら入力をしていくことによって、お客様と一緒にディスカッション資料が作られていく。そうするとお客様も非常に会話をしやすくなります。このように、リモートセールスをうまくいかせるためのポイントとして、4つのお話をさせていただきました。

ぜひ、明日から使える情報もあると思いますので、みなさまの営業に取り入れていていただければと思います。そして次の動画では、これまでご紹介した「アポイントの獲得の仕方」。それから「オンライン商談の仕方」というところで、よくある質問に対して、私の見解をお答えしていきたいと思います。

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