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東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法~「そこまでやるか!?」結果を出すために考え抜かれた驚きの【情報整理・記憶定着・理解定着・進捗管理・勉強法】(全6記事)

メモをとるコツは「軸」と「粒度」 現役東大生が指南する、時短の情報整理術

紀伊國屋書店にて、『東大生のノートから学ぶ 天才の思考回路をコピーする方法』の刊行記念イベントが開催されました。本セッションでは、​​現役東大生の著者・片山湧斗氏と、同じく現役東大生で、ドラマ『ドラゴン桜2』の脚本監修を務める西岡壱誠氏の対談の模様をお届けします。東大生のノートには、「天才」と呼ばれる彼らの思考の本質が詰め込まれていると語る片山氏。最終回の本記事では、メモやノートをとる時間を短縮させるコツや、他の人のノートを見せてもらう時の考え方など、視聴者から寄せられたノートに関する質問に両氏が答えました。

メモする時間を短縮させる「軸ノート」

司会者:ありがとうございます。続いては情報整理についての質問です。「日常生活でメモした内容をまとめて要約することで、要約力と情報整理力が付くと思いますが、メモをする際に心がけている方法があれば教えてください」とのことです。

西岡壱誠氏(以下、西岡):なるほどね。けっこうメモをとりますよね。紙でとることもあるし、Wordとかでバーっと打ったりするってこともあるんですけれど。片山さん、どうですか。

片山湧斗氏(以下、片山):まず、この質問者の方がすばらしいという一言に尽きると思うんですけど。ただメモをするだけではなくて、ふだんから「まとめて要約すること」を意識してメモをとっているので、要約力と情報整理力が付く。まさにおっしゃるとおりなんですね。

やっぱりただ日常でメモをとるだけではなくて、目的意識を持ってメモをとっているのが非常にいいなって思うんですけど。

今のままで十分いいと思うんですけど、プラスアルファで、メモをする時間を短縮する自分なりの方法があります。例えばこの本の3章に、「軸ノート」があるんですけど。

西岡:「軸ノート」?

片山:はい。この「軸ノート」の説明を簡潔にさせていただきますと、例えば重要・重要じゃないとか、新しい・古いとかって、なにか自分の「軸」を設定して、それに基づいてメモをとっていくノートなんですね。

日常生活の中でも大事な情報と、あまり大事じゃない情報ってあると思うんです。先生の話の中でも「ここポイントだよ」って情報もあるし、雑談程度の情報もあって、情報の大切さが違ってくると思うんです。メモをする前に、あらかじめこの「軸」をピッって書いておくことで、「この情報は大事だな」「この情報はあんまり大事じゃないな」と判断できるんですね。

西岡:ああ、すごいな。それはマジで、頭のいい人の方法だわ。

片山:さらに「軸ノート」を使えば重要なところが差別化できているので、要約するとなったらその重要なところを重点的にまとめたらいいんですね。

西岡:なるほどね。すごいな。真似したら本当に頭がよくなりそうなやり方ですね。ありがとうございます。

メモを取るコツは「粒度を合わせること」

西岡:僕は、「重要度」の大切さがあるような気がしていて。僕だとWordとかでメモをとることがけっこうあるんですけど、粒度を合わせることを気にしているんですよ。

例えばメモして、「どういう話を聞いたの?」と聞かれた時に、「重要なポイントが3つありました」とか、「4つのことを意識すれば大丈夫です」みたいにメモをとれたら最高なんですよね。逆にそれがなくて、つらつらつらつらとなっちゃうと、やっぱりゴールが見えない。簡潔ではないので、あとから要約もできなくなってしまうので。

ポイントの数は3つでも2つでもいいんですけど、そうできるようにしておくことは、けっこうあったんですよね。その時に重要なのが、粒度を合わせることなんですよね。

「1つ目に、基礎が大事だという話を聞きました。2つ目は、基礎をどう活用したらいいかということを聞きました」と言って、3つ目が「というわけで英語のこの単語についてのこういう話を聞きました」とかだったら、「え、1個目と2個目と3個目でぜんぜん違うじゃん」と。

抽象的なこと、抽象的なこと、具体的なことときて、大丈夫? みたいになっちゃうわけですよね。

きちんと3つのポイントがどうだとかってまとめられるように、粒度を合わせていく訓練は必要なのかなと思いますね。というのが、僕の中の解答です。

片山:そうですね。例えば日常会話だと、そういう粒度をあわせることって無意識にできると思うんですよね。例えば「僕の好きなものはイチゴとバナナとライオンです」って言ったら、あれ? ってなるじゃないですか。

西岡:(笑)。なるほどね。

片山:なんですけど、メモとなった瞬間、同じカテゴライズができにくくなっちゃったりすると思うので。さっき西岡さんがおっしゃった抽象度と具体度を意識して、ノートやメモをとるのは非常に重要だと思いますね。

西岡:なるほどね。ありがとうございます。この回答は大丈夫ですかね。

「ここは大事だからなんとなく青」は、意味がない色の分け方

司会者:ありがとうございます。続いてはノートの色使いについて。「色使いなどのポイントはありますか?」と、それからもうお一方、「色分けや記号に工夫をされていますか? またいろいろ記号についておすすめの使い方はありますか?」とのことです。

西岡:はいはい。色分けや記号に工夫をしているかどうかですね。僕はさっき言ったんだけど、重要なところは基本的にオレンジで書くようにして、あとから隠して自分で問題が作れるようにすることを、けっこうやっていたかなと思いますね。

あとは「要約」となった時には、大きめの矢印じゃないんだけど、「一言でまとめると」「要するに」みたいなかたちの矢印を使うのもアリなのかなと、個人的には思ったりしましたね。片山さん、どうでしょうか。

片山:そうですね。もちろん使う色の指定というよりは、西岡さんみたいにオレンジとか赤とか、そういった機能性で色分けをするのも、もちろん大事だと思うんですけど。人によって好きな色とかあまり好きじゃない色ってあるじゃないですか。

西岡:あるね。

片山:僕とか緑がすごく好きなんですけど、ノートで緑ってあんまり使わないんですよね。

西岡:あ~、確かに使わない気がする。

片山:どうしても赤ペンとか青ペンが主流になってくると思うんですけど。自分が使うようにきちんとした「目的」を持つことが大事だと思うんですね。「ここは大事だからなんとなく青」とか、ただ大事なところだからと漠然と色分けをしていると、あまり赤と青で色分けしている意味がないんですね。

西岡:なるほどね。ルールを付けたほうがいいってことかな。

片山:そうですね。例えば見出しは赤色で書く、もう少し細かくアンダーラインを引くのは水色にするとか。そういった自分なりのルールを決めてもらったらいいのかなと思います。

西岡:なるほどね。自分なりのルールって、すごく重要ですよね。「問題はこれ」とかね。僕もけっこうそういうのを考えていたような気がするな。

他人のノートで勉強するのは、参考書を使うのと一緒

西岡:次の質問にいきますか?

司会者:そうですね。質問は次が最後になります。「時間がない時に、他人のノートやテキストのコピーを使って対処する方法」について。

西岡:(笑)。

司会者:「具体的には、情報整理や記憶定着、理解定着、進捗管理、勉強法。時間がない中でこれらを対処する方法があったら教えて欲しい」とのことです。

西岡:他人のノート、他人のテキストって質問に書いてあるんですけど。基本的に参考書も他人のテキストなわけだから、「参考書を使って勉強してもいいですか」という質問と変わらなくなっちゃうと思っていて。いや、もちろんわかりますよ。

たぶん、僕らも大学生だから、大学の友だちがとったノートを見て試験対策をすることって、けっこうあります。有効なのか、有効じゃないのかといったら、もちろん有効だと思いますね。

あまりこういうことを言っちゃいけないと思うんだけど、僕は情報整理に関して、他人のノートはOKだと思っているタイプなんですよ。それでいて、「できるんだったらこれをやってもらいたいな」と思うのは、複数人のノートをもらうこと。実はすごく重要だと思うんですよね。

1つの情報でも、複数の角度から見た時にすごくうまくいくって話をしたじゃないですか。情報整理って、そうやっていろんな角度からノートに書いてあることを勉強してみると、見えるものが変わってくると。

そうすると理解定着までいけることが、けっこうあるんですよね。

どんなかたちでも「自分で書くこと」が理解につながる

西岡:この質問について、片山さんはどうですか。

片山:そうですね。西岡さんがおっしゃったとおり、複数の人のノートを見るのは、僕もすごく賛成できることでして。これは東大内部の話になってくるんですけど、東大は定期試験の直前になると、「シケタイ」という、その試験対策の係の方がいるんですね。

だいたい「シケタイ」の方が1つの科目に2名くらいいるんです。その2名のノートとかテスト対策のまとめが見られるという制度になっているんですけど。例えばAさんとBくんのノートがあった時に、Aさんには書いてあるんだけどBくんには書いていない。逆にBくんのノートには書いてあるんだけどAさんにはない情報って出てくるんですね。

1人のノートだけを見ているとその情報しかないので、可能であれば複数人のノートを見ていただいたほうが、勉強になるかなと思います。

西岡:確かにね。

片山:ただこの質問者の方の意図として、「時間がない」というのがキーになっていますので。時間がない状況で、ノートを見てその人の勉強を真似するといいますか、活用するのはもちろんいいと思うんですけど。時間がない時は仕方ないとしても、前提としてはやっぱり「自分でノートをとって書くこと」が一番の勉強の本質になってくるので、参考にしつつも、時間があるようになったら、自分で実際にノートをとってみるとか。

時間がないなりにも、例えば「このノートで結局言いたいこと、大事なことは何かな?」と自分で、メモ程度でいいんです。その程度でささっと書いてみて、内容の理解を確認するという、理解定着ですね。やっぱり「自分で書くこと」が大事だと思うので、参考にしつつ、どんなかたちでもいいので自分でノートをとってみるのが大事かなと思います。

西岡:なるほどね。ありがとうございます。

東大合格という「強烈な目的意識」が人を成長させている

司会者:ありがとうございます。最後に質問ではないんですけれども、コメントが来ていまして。

西岡:わーいわーい。なんだい、なんだい?

司会者:「『軸ノート』を活用したメモや粒度を合わせたメモ術、大変参考になりました。さっそく活用していきます。ありがとうございます」ということで、参加された方からお礼のコメントをいただいています。

西岡:ありがとうございます(笑)。

片山:うれしいですね。

西岡:うれしいですね。滔々としゃべってしまいましたけれど、こうやって受け取ってくださる方がいらっしゃったのは、非常にうれしいですね。

司会者:ありがとうございます。あっという間に終了の時間が迫ってまいりましたので、最後はお2人から、一言ずついただきたいんですけれども、よろしいでしょうか。

西岡:ありがとうございます。片岡さんがトリがいいと思いますので、まずは僕からですね。いろんなご質問もいただきましたし、いろいろお話してきたんですけれど、やっぱり思うこととしては、「目的」の意識って人間を成長させる要素ですし、非常にいろんなものを効率的にしていくのだろうなと思います。

僕は『ドラゴン桜』というドラマに関わらせていただいている人間なんですけれど、やっぱりなにか、強烈な「目的意識」。『ドラゴン桜』の中だと、完全に「東大」ですよね。東大合格という目的があって、目標に向かってバーッと走っていく中で、人間的に何か得るものがある。

ノートもそれと同じなんだなと、片山さんの話を聞いていてすごく思いました。こういう目的があるんだ、こういう目標があるんだという中で、「さぁ、それに合わせてどういうノートを作っていくんだろうか」と。漠然としているんじゃなくて、ちゃんと目的意識を持っていく。

それも「良い点数」とかそういうことじゃなくて、ちゃんとかたちにしていく、具体的にしていくことが必要なんだろうなと思っているので。みなさん、ぜひそういったことを意識しながら、日々生活していただければ、もっとなにか進捗のある人生になるのかなと、生意気に思いました。

目標に近づくために、一番有効な手段が「ノート」

西岡:では片山さん、最後にお願いします。

片山:そうですね。西岡さんとおっしゃっていたことと、一部重なるんですけど。「目的意識」は人生の中で大事だなと思いまして。それは勉強に留まらず生活であっても非常に大事なことだと思いますし、目的があるからこそ、手段を取ることが発生すると思うんですね。その中で僕が考える一番有効なものって、やっぱりこのノートなんですね。

成績を伸ばしたいとか、もっと資格を取りたいとか、そういった目的がある時にこのノートを活用することによって、目標に近づけると思うんですね。ノートをとるってなった時も、少し小さな目標ですね。「見やすいノートをとる」「情報が整理できたノートをとる」「しっかり理解できるノートをとる」「目的に合ったようなノートをとる」という問題が発生してくると思うんですけど。

本の中の54冊のノートに、読者のみなさんが「役に立つな」と思うようなものが1冊でもあれば、僕としては実際に自分のノウハウをみなさんに還元するという目標が達成できますので、著者としても非常にうれしい限りですね。

西岡:なるほどね(笑)。この本を書いた目的と合うということですね。すばらしいな。ありがとうございます。

司会者:ありがとうございます。またコメントをいただいています。「2人のお話、掛け合い漫才みたいでよかったです。ありがとうございます」とのことです(笑)。

西岡:ボケは絶対に僕じゃないか(笑)。

(一同笑)

司会者:もう一方。「ありがとうございました。ぜひ書籍を購入して、じっくり取り組みたいと思います」というコメントをいただいています。ありがとうございます。

片山・西岡:ありがとうございます。

司会者:あっという間に90分経ってしまいました。今日のイベントを終了します。あらためまして、片山湧斗さん、そして西岡壱誠さんでした。ありがとうございました。

片山・西岡:ありがとうございました。

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