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コミュニケーションとしての英語 英語で日本人が当たり前にコミュニケーションすることを考える(全8記事)

東進カリスマ講師が説く、ポジティブ英語学習法 「完璧じゃないと恥ずかしい」は日本人の弱点

日本人は必修科目として英語を勉強しているにも関わらず、英語への苦手意識を捨てられない方も少なくないのが現状です。本イベントでは、「異文化と協働-相手を納得させるコミュニケーションを考える」と題して、英語圏でビジネスをして、圧倒的な成果を上げているプロフェッショナルたちが一堂に介し、自身の英語学習の秘訣や日本の教育システムの課題について意見を交わしました。本パートでは、東進ハイスクールのカリスマ英語講師として知られる安河内哲也氏が、英語を怖がらずにマスターするコツを明かします。

英語ができるようになるには「流暢さが1番、その次に正確さ」

ATSU氏:ここからはバトンタッチをしたいなと思います。

安河内哲也氏(以下、安河内):ATSU、Thank you very much for the wonderful introduction. By the way, we always drink together at Roppongi. 六本木ね? Oh, is that a secret?

(ATSU、すばらしい紹介をありがとう。いつもお酒に付き合ってくれて感謝しているよ。六本木ね、それは秘密?)

(会場笑)

安河内:それではみなさん、このテーブル。はい、私が準備をしている間に、英語で自己紹介をしてみてください。大丈夫です、「I'm Tetsuya.」ぐらいのことを英語で。はい、始め。それができなければ、せっかくセミナーに来たのだから。とにかく話すことは、グローバルな場では、めっちゃ大事なことですよ。

知らない人と話すことが大事。はい。もっとしゃべって。なんでもいいからしゃべってください。5秒沈黙したら終わりですよ。はい、では始めまーす。もう英語しゃべれるじゃないですか。もうどこに行っても大丈夫ですよ。では、どうすれば英語を話せるようになるのか。もうみなさん、英語は見た感じではペラペラですか?

まだまだペロペロ? な感じなので、どうすれば日本人が英語をできるようになるのかということを、今から探っていきます。

今はもう、ATSU先生がだいたい言ってくれましたが、具体的にまずどういったポリシーを持って英語をやればできるようになるかといえば。

(会場笑)

「Fluency first,accuracy second.(流暢さが1番、その次に正確さ)」。もうこれがね、すべてだと思わない?

この気持ちでやれば、英語をしゃべれるようになるし、インド人もフィリピン人もみんなこれでしゃべれるようになっています。それでは日本人はどうなっているのかというと、(スライドを指して)こうなっている。ほとんどの日本人は、先ほどの話ではありませんが、90パーセント以上の日本人が「Accuracy first,fluency never comes.(1番が正確さ、流暢さはけっして来ない)」になっているんですよ。

最初は間違っても、しゃべっている中で改善点が分かる

どういうことかというと、「Fluency first,accuracy second」というのは、最初は間違ってもいいので、もう「I'm……」としゃべっていれば、なんか俺の文法はまだまだだなと思うわけですよ。もう俺の文法はまだまだ、ならば文法を勉強しなければといって、必要性が見えてくる。しゃべっているから、ここ直さなきゃいけないということがわかる。

「わあ、この発音、これはLとRが難しいから直さなきゃ」といって、必要性を持って勉強するわけです。だから、そこが大事なんですよ。では、私がどうやって英語をしゃべれるようになったかのかを、もうすべてお見せします。私の成長かつ進化の過程をお見せするとこんな感じです。

(わざとカタカナ英語を読み上げるようなイントネーションで文法も間違って)Me English high school student English this english I didn’t like high school English.I was not genius like ATSU? I did not good.In entrance exam,and I studied grammar after graduating high school.

(私は高校の英語が好きではありませんでした。私はATSUのような天才ではなかったので、あまりよく英語ができませんでした。私は高校卒業後に大学の入学試験で文法を学びました)。

Somy grammar got better and better,and I was speaking like this. But after entering college, there was a problem. My prancation was very bad and I was ashamed of pronunciation. and I went to a bookstore and bought some pronunciation books and cassette tapes.

(それで、私の文法はどんどん良くなり、このように話せるようになりました。しかし、大学に入学した後、発音で恥をかきました。 私は本屋に行って、発音の本とカセットテープについて調べました)。

and I studied with the cassette tapes, and I repeated and I shadowed native speakers reading, and my pronunciation gat better and better, and in some timeI was speaking like this, but still my intonation was not good enough.

(カセットテープで勉強し、ネイティブスピーカーの話し方を繰り返し、発音がどんどん良くなりました。いつかこのように話していましたが、それでも私の話すイントネーションは十分ではありませんでした)。

so,I watched many movie videos and I improve my pronunciation,speed and intonation. And after some years, I was speaking like this.

(だから、多くの映画のビデオを見て、私はそして発音速度とイントネーションを入力し、数年後に今のように話せるようになりました)。

というように進化する。だから、「Fluency first,accuracy second」なんですよ。

「完璧じゃないと恥ずかしい」というのは日本人の弱点

だから日本人は、どうしてしゃべれないかというと『ラストサムライ』を見たでしょ? 渡辺謙さんが死んでいくときに、桜が散る様子を見ながら「Perfect.」と言う。だからもう、なんていうのかな、とにかく完璧を求めるんですよ。

(会場笑)

だからね、完璧じゃないと恥ずかしいと思うのが、日本人の弱点なんですよ。車を作ったり、ウォークマンを作ったり、半導体を作るときには、その精神はすばらしいんですけど、。英語では裏目にでてしまう。。だいたい、「さあ英語をしゃべらなくちゃいけない」となると、みんな何から始めるかというと、本屋に行くんです。そしてだいたい買うんです。「ここがおかしい日本人の英語」。

それで読めば読むほど怖くなって、しゃべれなくなるわけです。ああ言ったら外国人が怒る。こう言ったら失礼だ。その種の本自体は素晴らしい本ですよ。ただ、どんどん本で勉強すると、怖くなるんですよ。また、テストでマークシートで間違って、ああ間違ったとなるから、もう間違うことが怖くなって、人前でしゃべれなくなるんですよね。

英語の先生がまたいい例なんですよ。生徒の前で間違ったら、腹を切らなくちゃいけないというようなのは恐くてたまらない。だから、本当はしゃべれるのに英語がしゃべらなくなっちゃうんですよ。そして、教室全部が日本語のようになってしまう傾向があります。

英語をしゃべるのが怖くなる日本の教育

さらに、どうして日本人が英語をしゃべれないのか。中学校の学力調査を見ればよくわかります。これではしゃべれなくなるだろうと思いました。問題自体は素晴らしい問題です。「She lives in Rome.」これが答えですね。

(問題は)彼女が住んでいる国を英文で書いてください。答えは「She lives in Rome.」ピリオド。だから大文字で始まって、ピリオドがついていて、三単現のsがついていないとダメなんですね。

NHKではこう言っていました。「日本の中学生は、33.8パーセントしか解答できませんでした。日本の英語教育はうまくいっていない。これについて、どう思いますか、みなさん。これは0点。これも0点。1点もあげない。0点。ダメな英語。恥ずかしい英語。全部0点ですよ。

一方で、今問題になっているのは、子どもたちが白紙で提出する未回答率。わかりますよね。これが、日本人が英語を話せなくなるメンタリティなわけですよ。

多少間違っていても、これらの文は、通じているもん。だから本来、先生たちがどう指導しなければいけないのかというと、このように子どもたちが書いてきたら、「いやあいいね、君の英語。通じている、通じている。おお、いいね、これね、See lives in Rome.ああ、よく書けたね、君やっぱり素質あるよね。素晴らしい英語を書きました。でも、もしも、もうすこし上手になりたいのであれば、ここはeじゃなくて、hにすれば最高だったね。でも、もう大丈夫。99点。99点をあげますよ、先生は」と言って指導すれば、「よーし、もっと書いてやろう」と思うじゃないですか。

だいたい日本では、「お前はほら、スペリングに注意しろと言っただろう。ここのSeeはh、はい、10回は書いてごらん」。「ほらまたケアレスミスをした。そうやっていつも注意力が足りないから君はダメなんだ。きちんとケアレスミスをしないように」と言われたら、どうなりますか? しゃべれるようになるのでしょうか? むしろ、ミスを恐れてしゃべれなくなる。この構造が、ここにあるわけですよ。

ネイティブのような英語は、そもそも目指さなくてもいい

だからみなさんは、この逆をいけばいいんです。もう、まずは勇気を出してしゃべってみる。書いてみる。デタラメでもなんでもしゃべってさえいれば、人間は正確な英語をしゃべりたくなります。当然正しい文法で話したくなりますから。

でもね、You can never be perfect. Don’t you think so? When I speak like this, I notice my mistakes all the time. I’ve been studying English for over 30 years. But I still notice many many mistakes when I speak English. Of course I want to improve my grammar, so I still study grammar.

(あなたは決して完璧になることはできません。そう思いませんか? 私は30年以上英語を勉強し続けてきました。しかし、私はまだ英語を話すときに多くの間違いに気づくのです。もちろん間違いを改善したいので、文法を改善する練習をしています。)

だから、そうして人間というものは、だんだん向上するのだけれども、完璧にロードワークをしてからしゃべろうと言っていると……死ぬまでにいけるかなぁ? おそらくムリだと思います。完璧なロードワークをして、いきなりネイティブな英語を披露するのは、おそらく棺桶(に入るとき)までムリだと思いますから。そこはもう諦めること。

あとはね、ネイティブのようにはなれませんよ。

Believe me. I’ve been studying English almost every day for over 30 years. And I can’t speak like a native speaker. But it’s OK! Because I’m not a native speaker. Are you? No! I’m Japanese. My native language is the most difficult language in the world. And I can speak Japanese! Why should I be ashamed of not being able to speak English, a foreign language?

(私を信じてください。私は30年以上にわたってほぼ毎日英語を勉強しています。けれども私は、ネイティブスピーカーのように話すことはできません。でも、大丈夫です!なぜなら、私はネイティブスピーカーではないからです。あなたはどうですか? いえ、私は日本人です。私の母国語は、世界で最も美しく、最も難しい言語です。そして、私は日本語を話すことができるんです! 英語を話せないことがなぜ恥ずかしいのですか?)

そう思いませんか? ね? いいではありませんか。私は思うんですが、日本語がしゃべれるということは、すごい財産、Assetだと思うんですよ。世界の70人に1人は日本人ですよ。いいですか? Outside of Japan, not many people can speak Japanese. (日本以外の国で、日本語を話せる人はそう多くはありません)

世界のほとんどの人が、日本語という言語をしゃべれないんですよ。それを私たちは普通にしゃべれるということは、ものすごいAssetだと思うんですよね。世界で3番目のGDPのこの国の言語がしゃべれるということ。そこにもっと自信を持って、まぁ英語もできればすごいかなというぐらいで。そんな気持ちで挑んでいただきたいと思います。

カリスマ英語講師が教える、3つの英語学習法

そういうわけで、あまり長く話しても、あとで質問として答えたほうがみなさんのためになりますから。個別にみなさんの質問に答えたいと思います。

英語ができるようになりたい? というか、もうできるよね。英語ができるようになるためには、まずはこれ。岡田さんの本を読む。

ビジネス現場で即効で使える 非ネイティブエリート最強英語フレーズ550

(会場笑)

ごめんなさい、私はこの本を先ほどはじめて読んだんです。でも、内容が本当にすばらしい。ただ、岡田さんにぜひお願いしたいのは、オーディオブックを出してほしいということ。先ほどASTU先生も言っていましたが、やっぱり英語は音で、文を耳から入れないといけませんから。

オーディオブックで、このすばらしいアドバイスと英語のネイティブの音と日本語が、飛行機の中や電車の中などでバンバン聞けるようなオーディオブックがあればすばらしいと思います。ぜひダイヤモンド社さんにお願いしたいです。

それから2番目は、「Atsueigo」を毎日見ること。モチベーションを上げる。これが大事です。モチベーションを上げるということはすごく大事ですから、Atsueigoを見る。

それから、オンライン英会話を毎日やる。オンライン英会話をすでにやっている人はいますか?

(会場挙手)

少ない! あのね、オンライン英会話というのは、怠け者が努力家に貢ぐシステムなんですよ。だから安いんですよ。なぜかというと、普通に月1万5,000円で毎日30分もネイティブスピーカーとしゃべれると思いますか? そんな価格が実現しているということは、スポーツジムと同じで、毎月払ってはいるけれどもやっていない人がいっぱいいるということですよ。だからやっている人が恩恵を受けることができる。

英語をマスターするためにはオーディオが必要

私も実は、めちゃめちゃヘビーユーザーとしてオンライン英会話をやっています。毎朝30分、必ずオンライン英会話から1日が始まる。画面に向かって「Hi,good morning. How are you today?」、世界英会話巡りといった感じでいろいろな……フィリピンの美人、セルビアの美人、ロシアの美人と、ぐるぐるぐるぐる回って回って、英会話をしてテンションを上げてから1日をはじめる。

そもそも日本に住んでいると、……

You might forget English. ね。because you don't use English every day. So, you have to have some chances to speak English daily. So, now this technology made it possible. Online conversation.You try this. (日本に住んでいると、英語を忘れるかもしれません。ね。なぜなら、毎日英語を使う機会がありません。ですから、毎日英語を話す機会を作る必要があります。現在はこの技術によってそれが可能になりました。オンライン会話、これを試してみてください。これは私からのアドバイスです。そしてまた……)

あと、英語をマスターするために必要なことというのは、やっぱりオーディオなんですよ。本を読むのもいいんですが、基本はオーディオ。例えばiTunesでもなんでもいいんですよ。きちんと自分の学習した音を整理して、まとめてプレイリストにして、どういったスケジュールでこれを聞いて学んでいくか。

私などは最近、Appleのブックなどをよく使っています。自分が今まで読んできた本をオーディオブックで全部聞くことで、飛行機の中の暇つぶしにするといったように。あとは、授業で教えているものを全部まとめて聴けるようにする、授業のついでに英語も勉強する。そういったことをしています 。

スマホではついついLINEなどをやってしまうという人は、ウォークマン(携帯音楽プレーヤー)やiPodといったものを英語学習専用に作ってしまえばいいと思います。とりあえず通勤中はそれしかやらないというように決めて、英語学習を娯楽にしていく。音楽を使ってもいいと思います。

そして、おしゃれなヘッドホンを買うこと。これはかなり大事です。ヘッドホンは持っているけれども身につけないということがあるではないですか。例えばイヤーカナル型がいいのか、オープンエアー型がいいのか、女子の場合はやっぱりおしゃれではないと身に付けないので、おしゃれなヘッドホンを買うということです。

授業にスピーキングを取り入れることで、読解力が3割も向上

最後にまとめておきますね。英語ができるようになる方法。これは、テストなどをうまく使ったほうがいいと思うんですよ。ですが、やっぱり日本では英語の必要性がありませんから。

よくあるパターンは、「先生の日本語をしっかりリスニング、comprehensionしてね。そして理解することで、将来英語が話せるようになるかもしれませんよ」と。「先生、スピーキングはいつやるの?」と言うと、だいたい「あとでしょ!」と言われるんですよ。

(会場笑)

それではダメなんです。そうやってみんなできなくなっちゃうんだから。TOEIC試験を受けるんであればLR、インプット。Listening and Readingをやって、SW、Speaking and Writingをやる。Listening ReadingをやってSpeaking Writingをやってと小刻みにインプットとアウトプットを組み合わせる。

本を読んだら、これは明日のオンライン英会話で使ってやるぞと。オンライン英会話をやったら、あ~あれ使いたかった、本で読んで勉強しよう。よし、今日使おうと。インプット、アウトプット、インプット、アウトプット、インプット、アウトプットしていくと、お互いの相乗効果でもって上がっていくわけです。

ある調査ではSpeakingを授業に取り入れている学校のほうが、読解力の結果が30パーセントも高かったという結果も出ています。つまりアウトプットというのが、実はインプットを促進するための非常に大きなモチベーション継続力になるわけですね。

ちょうど時間になりましたので、ここで私の話は終わりにしたいと思います。Thank you very much for listening. Thank you!

(会場拍手)

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