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一流の学び方 -稼ぎに繋げる大人の勉強法- (全3記事)

人のキャリアは8割の偶然によって決定される かつてジョブズも語った「点と点をつなげる学び」の極意とは

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。そんな「Schoo」で放送されている人気授業の書き起こし企画が、今回からスタート。記念すべき第一回は、一流企業のコンサルタントとして辣腕をふるう清水久三子氏による、「大人の勉強法」をお届けします。このパートでは、キャリアデザインの変化や人のキャリアを決定する計画的偶発性理論などをテーマに、大人の学びの核心に迫ります。

「山登り型」「フィールド型」で見るキャリアデザイン

徳田葵氏(以下、徳田):では、そろそろ次にいきましょうか。「キャリアプランと学び、どう結びつくのか?」。

清水久三子氏(以下、清水):いよいよ学びに近づいていく。

徳田:近づいてきています。

清水:「なにをするの?」とみなさんも思われているかと思うんですけれども、まず最初にキャリアデザインの考え方ですね。私はだいぶ変化を感じていますので、その話をさせていただきます。

(スライドを指して)キャリアデザインの変化として2つ。「山登り型」と「フィールド型」という考え方なんですけれども。

山登り型で例えられるものとしては、企業の中で上を目指していく、昇進昇格をしていく。これはすごくわかりやすいですよね。1つの頂点を目指して登っていくという。

徳田:1つずつ登っていく感じですね。

清水:対してフィールド型というのは、頂点を目指すというよりは、自分の価値を出せるフィールドを探していくとか。探すだけではなくて、それを見つけて耕してフィールドを作っていく、そんな考え方です。

山登り型は、どちらかというと既存のものを登ることに対してで、フィールド型は新しく作っていくという考え方なんですよ。これがたぶんすごく大きく変わってきているところかなと思います。

「山登り型」=定性的無期限目標

山登り型のキャリアプランやデザインはどうやっていくのか。(スライドを指して)これは私がコンサルタント時代、実際に企業の人事制度の中でやっていたものでもあります。

まず、定性的無期限目標、「こんなふうになりたい」というありたい姿を考えて、定性的中期目標として「3年後ぐらいを目指して、どんなふうになっていたらいいのかな」というものを考えて、「じゃあこういうふうにしよう」と定量化をするんですね。

「こういう状態だったらいいよね」とやっていって、最後に短期的アクションに結びつけていくと。こんな感じで山を登っていくデザインをしていくことを、実際に目標設定の中でやっていました。

ご参考までにという感じなんですけれども、私自身は「プロを育てるプロになりたいな」ということを無期限目標として掲げ、「そのためには人材戦略領域を目指したほうがいいんじゃないかな」と考えて、「じゃあこういうことで認知されて、こういうことをやっていこう」というふうに決めていきました。

これは大きな人材領域などの山があって、「それをどんなふうに登っていったらいいのかな」ということで立てるキャリアデザインになります。対して、フィールド型はけっこう「どんなふうに立てたらいいか?」と悩みますよね。

徳田:悩みますねえ。

キャリアの8割は偶発によって決定される

清水:今そこにないものもあるとなると、「どうしたらいいの?」とすごく……ある意味、広大な荒野で途方に暮れてしまいますよね。そうならないために、新しいキャリアデザインの考え方で「計画的偶発性理論」というものがあるんです。聞いたことはありますか?

徳田:私、初めて耳にしました。

清水:キャリアデザインの中では最近というわけでもないのですが、けっこうメジャーになりつつある考え方です。どんなものかというと、「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」という調査結果をスタンフォード大学のクランボルツ教授が出されているんですね。

徳田:計画にはないということですか?

清水:おっしゃるとおりです。

先ほど「私、計画をこのように立てました」と話したのですが、実際はそのとおりにはなっていないわけです。私自身を振り返ってみると、最初はアパレル企業に新卒で入りました。ファッションが好きで入ったのに、なぜかシステム企画に入って(笑)。

システム企画であるプロジェクトをやってみたら失敗して、「どうやったらプロジェクトをうまくできるんだろう?」ということを考えたんですよ。

そこで「プロジェクトや改革をうまくいかせるプロって何かな?」と考えたらコンサルタントという職業が出てきて、「じゃあコンサルタントになろう」と。もうぜんぜん、キャリアプランもなにもないんですけれども(笑)。

コンサルタントになって、「人材領域を目指そうかな」というところまでは先ほどの計画のとおりなのですが、そこでどうなったかというと、資料作成がけっこう上手だという評価をいただいて、研修部の方から「資料作成の研修を作ってください」というご依頼を受けて。

そこで本当は「忙しい」と断りたいところをグッとこらえて作ってみたら、思いの外好評で、出版社からお声がかかって「出版しませんか?」ということで資料作成の本を出して、それがまた独立のきっかけにもなっていくんですよね。そして「じゃあ執筆や講演でやっていこうかな」となって。

偶然を計画することの重要性

私のキャリアを見ただけでも、やっぱり、そういったかなり偶発的な要素が多いわけです。ですので、「たまたまこの人に会ってこういうことを言われた」「こういう話を聞いた」「こういうことから刺激を受けた」ということで、いろんな可能性が広がっていくことが計画的偶発性理論の根底にあるわけです。そして偶発性は、待っているだけだと起きないわけですよね。

徳田:そうですね。

清水:ここにずっと座っていても、いきなりなにかが降ってくることはやっぱりありませんので、自分で計画的に偶発が起きるようにしていきましょうと。偶然が起きる確率を計画して高めていくということなんです。

(スライドを指して)座って待っているだけじゃなくて、下にあるように、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性などを大切にして日々を過ごしていくと、キャリアや可能性がより広がっていく。これがフィールド型デザインの基本になるわけですね。

徳田:なるほど。そうなると、山登り型とフィールド型は、けっこう対照的ではありますよね。

清水:そうですね。ただ、対照的と言いつつも、闇雲に偶発を待つというよりは、大きく「こういうふうに貢献する人になりたい」「私はこういう価値を人々に与えてみたい」という意味では、大きく山を描くこともあると思います。

でも、そこで「これをやります」というところにこだわりすぎてしまうと、可能性が狭まってしまうと思うんですよね。

大きな目標としてありたい姿を描いた上で、いろいろな偶発が起きるように、人に会ってみたり本を読んでみたり、ふだん行かないところに行ってみることを絶えずやるようにしましょう、ということだと思います。

徳田:なるほど。(スライドを指して)ここの4番の柔軟性ですよね。

清水:そうですね。こだわり。

徳田:柔らかく、こだわりは捨てて行動を変えていくようなところなんですね。じゃあ、この山登り型とフィールド型を懸け合わせたミックスのような型がすごくいいんですね。

ロールモデルを探してはいけない

清水:そうだと思います。では、このキャリアと学びを考えていく際に、チェックポイントというか、注意のポイントを2つご紹介したいと思います。

1つ目は「ロールモデルを探さない」ということです。よく女性活躍推進のなかで、女性がなかなか活躍しにくい理由として「ロールモデルがいないからです」というお話がよく出るんですよ。

山登り型で頂点を目指しているのであれば、ちょっと先を行く人がロールモデルになる。参考になるわけですよね。ただ、フィールド型になってきたときのロールモデルは、たぶんいないと思うんですよ。

「この領域においてはこの人がすごくいい」というふうになるのですが、フィールド型で考えていったときは、新しい領域なのでロールモデルがいない可能性のほうが断然高いです。

そういう人がいないからといって自分が諦めてしまうのはすごくもったいない。「そういうものはいないんだな」と割り切ったほうが、かえって可能性が広がっていくと思っています。

徳田:もう割り切って探さない。

清水:自分自身のオリジナリティを追求していくほうが、このあとを考えていくためにはいいかなと思います。

羽生結弦選手に学ぶライフステージ形成

清水:もう1つは、ライフステージを意識してキャリアを考えていくことですね。例えば二毛作・三毛作がどういうタイミングで来るのか。20代はとくに働くパワーもありますよね。気力も時間も能力も伸びる時期なので、「じゃあ20代はこうかな」「30代はこうかな」という世代もあります。

結婚して子どもができるのもライフステージの変化ですよね。そういったときにどういう働き方がしたいのか。これもキャリアを考える上で必要になってくるのかなと思います。ちなみに、羽生結弦選手はご存じでしょうか。

徳田:フィギュアスケートの。

清水:ご存じですよね。彼は早稲田大学のeスクールの生徒だということはご存じですか?

徳田:そうなんですか?

清水:オンラインで単位を取れるものなのですが、むしろ普通に通っている学部生よりも、レポート作成や卒業がものすごく大変と言われているんですね。

彼の外国人のコーチも「オリンピックチャンピオンでありながら、金メダリストでありながら大学に通うなんて、本当に尊敬する」とおっしゃっているんですよ。

それは何を意味しているかというと、スポーツ選手というと、現役のアスリートでいられる時間はすごく短いですよね。下手をすればもう20代の半ばで終わってしまう。100年時代を考えたときに「その後どうするのか?」をより真剣に考えなければいけないのかな、ということなんですよね。

例えば指導者や解説者などの道もありますけど、それはすごく限られたポジションです。ほかにも後輩の指導とか事業を起こすとか、いろんなことがあります。とくに名の通った一流選手になると、そういうところを見据えて学んでいるんだなと、私も感銘を受けたんですよ。

徳田:まさしくそうですね。

清水:すごいですよね。「時間がないなんて言っていられないな」と、私自身すごく感銘を受けました。

徳田:ちゃんとその先を見て、何をすべきかを、ライフステージを意識するのがプロなんですね。

清水:「時間がないから大学なんて無理」と思ってしまうと、そこで可能性が狭まってしまうので、「来たるべきステージ2に備えて」というところまで考えているということです。

ぜひみなさんも、「次は何が来るのかな?」というのを考えて、忙しいながらも続けていくことを意識していただけたらと思います。これも第2回につながっていくのですが、時間がない中でライフステージを意識しながら、学びを途絶えないようにしていくことも考えていただきたいと思います。

フィールドを切り開いていく力が求められている

徳田:この「ロールモデルを探さない」というところに、みなさんからご反応をいただいておりまして。

清水:あっ、そうなんですか。

徳田:はい。(タイムラインを見て)辻さんは「ロールモデルを設定してはいけないのではなくて、ロールモデルがないからといって諦めてはいけないということかな」と。

清水:おっしゃるとおりです。そこで「先人がいないからこの領域はダメなんだ」となるのではなくて、自らそのフィールドを作っていくという意識で学んでいくところかなと思います。ありがとうございます。

徳田:それからもう1つ。「自分がロールモデルになるような意識を持ったらいいのかな」というコメントが来ていたんです。

清水:それも1つですよね。1つのマインドセットとして、そういう気概があるのはとってもいいかなと思います。自分がロールモデルというのもありますし、ほかの人でもいい。

私の仲間でも「自分が後ろに続く人たちの道を切り拓くんだ」と言ってすごくがんばっていらっしゃる方がたくさんいます。そうした気持ちでフィールドを切り拓いていくのも、すごくいいかなと思います。

徳田:ありがとうございました。フィールドは自分で切り拓いていくと。

スティーブ・ジョブズ「点と点をつないでキャリアをつくろう」

徳田:では、最後のテーマに移っていきたいと思います。いろんな学び方があると思うんですけれども、その学びのテーマをどうやって決めていけばいいのか。

清水:「具体的にこういうこと」というのは次回の授業で話していきたいと思うんですけれども、決めるチェックポイントとして3つお話をしていきたいと思います。

1つは、既存ジャンルで「これ」ということではなくて、点と点をつなぐような意識で学びのテーマを決めていくということですね。

よく言われるのは、スティーブ・ジョブズが大学のみなさんに向けてお話をした、「点と点をつないでキャリアをつくっていく」ということです。大学時代にたまたま受けたカリグラフィーの授業が、その後のMacのすばらしく美しいフォントにつながっていったという有名な話があります。

そのときに役に立つ・役に立たないというすごく短い目で見てしまうと、ついつい「やめてしまおう」となりがちなんです。例えば会計領域が専門だったら、会計領域のことだけでやるのではなくて、ちょっと離れたところに点を打つような意識でやっていくといいかなと思います。

既存のジャンルにこだわりすぎるとリスクが高まる

もう1つ、稼ぐという観点で言うと、既存のジャンルは「もうほかの人が耕した畑」という言い方もできるんですね。とくに資格というのは「このフィールドが確立されています。このフィールドに入る資格をあなたに与えますよ」ということなんですよ。

徳田:たしかにそうですね。

清水:そうですよね。ですので、そこに入るために身銭を切って入ります。でも、言い方は悪いですけど、入ってからすごくいい稼ぎが期待できるかというと、そうではない可能性もやっぱりあるんですよね。

なので、先ほどのAIの話でもあったように、そのフィールド自体が無意味になってしまう可能性もあったりします。既存ジャンル・既存資格にこだわりすぎてしまうと、むしろちょっとリスクが高まるかもしれませんので、例えば人事業務をやっているんだったら、心理学をやってみようかなとかですね。

徳田:まったく違うことですね。

清水:そういうことですね。あえてAIにいってみようかなとか。そんなふうにやっていくと自分のオリジナリティができていくかなと思いますので、「この領域の勉強しかしません」ということじゃなくて、ぜひ点をつなぐ意識を持っていただくといいかなと思います。

徳田:たしかに違う分野の掛け合わせって何通りもありますので、その人の力になりますよね。

日本人に多い「学びジプシー」とは

清水:そうなんですよ。そう思います。2つ目は、「学びジプシー」と書いてあるんですけれども(笑)。

徳田:学びジプシーにならない(笑)。

清水:よく「セミナージプシー」「学びジプシー」と言われるように、際限なく学び続けてしまうんですね。終わりがない。

たしかに学びに終わりはないのですが、基本的に仕事のためにやっていますので、「ここまでいったら自分はフィールドに出て勝負しよう」というところを決めておきましょう。そうしないと、知りたいことや知るべきことが際限がなく出てきてしまって、学びジプシーになりやすいんです。

徳田:そうなんですね。

清水:これは日本人に多い傾向なんです。海外の教授が言われていました。

徳田:えっ、なんでですか?

清水:やっぱりまじめなんでしょうね。知りたくなると「もっと勉強しないといけない」「自分はまだまだダメだ」と思ってしまって、もっと次を、学びの上を目指していってしまうと。その教授は「Professional Student」という言い方をしていたんですよ。

徳田:(笑)。

清水:「プロの生徒ってなんだろう」と思うんですけれども、お金をバンバン払って学び続ける。大学や受験産業などにとっては、ものすごくいいお客さまなのかもしれないのですが、やはり「自分は何のために学ぶのか」を決めなくてはいけません。

そうしないと、ついつい「あれもこれも」「私はまだダメだ」ということでジプシーになりがちですので、これは注意していただきたいと思います。

徳田:なるほど。もちろん学ぶことが悪いわけではないので、それを実践に移すということですよね。

清水:世の中にはすごく高額のものがいろいろありますよね。「それで何をするの?」というのを考えないと、そういうものについつい大金をはたいてしまうことにもつながったりします。「学びジプシーにはならないぞ」「私はこうなったから、もうこの学びは卒業なんだ」というのをぜひ意識していただいたほうがいいかなと思います。

徳田:なるほど。みなさん、グサッときているようですね。

清水:グサッときていますか?(笑)。

徳田:はい。1つ学んで、また違う学びを見つけてみたりとかでいけばいいんでしょうか。

清水:そうですね。学びジプシーにならないためのやり方は、なるべく早く勝負のフィールドに出ることなんですよ。そうしないと、どこまで学んだらいいのか、どのレベルの知識が自分に必要なのかがやっぱりわからないんですよね。

学び続けて「上を上を」というよりは、実践をしてみて「あっ、これが足りなかったのか」「これでいけるんだな」というところをちゃんと見極めていくことが必要になってくると思います。

走りながら学ぶことの意味

清水:私の知り合いでイメージコンサルタント、印象管理のお仕事をされている方がいて。もともとそういうのをやる方には、ファッションが好きな方が多い。しかし、ファッションの世界でイメージコンサルタントをやると、オシャレでハイセンスな方が山ほどいるのですごく難しいんですよ。

徳田:競争も厳しそうですね。

清水:厳しいですし、学ぶべきレベルがどんどん上がってしまうのですが、その方はファッションや印象管理があまり重要でない業界をお客さまにされたんです。

政府や金融というとあれなんですけど、そんなに高いファッション性は求められていないところでやったら、すごくベーシックなスキルだけで十分だったということがわかったんですよ。

ハイセンスを求めてしまうと「いや、そういうのは無理です」と。仕事にそういうのがあると、むしろ差し支えることになってしまいますので、自分が学んだベーシックスキルだけでものすごく価値を出せたという経験をされた。

自分がどのフィールドで勝負するのかが決まらないと、どこまで学んだらいいのかが決まってこないんですね。そのためにも勝負のフィールドを決めて、なるべく早く出て、足りなかったら「じゃあ次」「走りながら学ぼう」とやっていく。そうすれば学ぶことがおのずと決まってくるのかなと思います。

徳田:なるほど。じゃあ何を学ぼうかと迷っている方は、この3つのチェックポイントを頭に入れていただければと思います。

(タイムラインを見て)さあ、受講生のみなさんはどうでしょうか。Kitaharaさんは、「まあ、学びは目的ではないですからね」と。まさしく、学びは目的を達成するためにあるということですよね。

久保田さんも「自分は何のために学ぶのかを見極めなきゃいけない」と。では、ここまでが授業内容となります。先生、ありがとうございます。

清水:ありがとうございます。

計画的偶発性を生むための「3・3・3」

徳田:今回は受講生のみなさんにやっていただきたい宿題があるということで、お願いいたします。

清水:やはり学びがテーマですからね。学びたい方がたくさんいらっしゃるかなということで、忙しい方々だとは思いつつも宿題をご用意させていただきました。

(スライドを指して)次回までの宿題で、先ほど出てきた偶発性を計画するということと、それを実行するということ、今まで行ったことのない場所に3箇所以上行ってみる。もしくは、話したこと・会ったことのない業界や企業の方で3人以上と話をする。また、読んだことのないジャンルの本を3冊以上読むと。3・3・3でいってみました。

徳田:3・3・3ですね。はい。

清水:1つに絞ってしまうと偶発性につながらないケースがありますので、まずは広げてみましょうと。その上で学びのテーマを考えるということで、いろいろと偶発性を広げた上で、自分は何が必要なのかなというところでスキルや知識などの要素分解をして、学ぶべきテーマを考えてみていただきたいと思います。

徳田:こちらは次回までの宿題なんですけれども、実は今回の宿題の提出は、次回の授業の冒頭でタイムラインを使ってみなさんに発表していただきたいと思っております。ぜひご準備いただいた上で、次回の授業をご受講いただければと思います。みなさんのたくさんのご参加、お待ちしております。

「役に立つか」で取捨選択をしない

徳田:では、もうそろそろ授業も終了となりますが、ここまで先生のお話を通して新しく気づいたことや学んだことを、ぜひタイムラインの「学んだ」ボタンを使ってシェアしていただければと思います。たくさんの「学んだ」ボタン投稿をお待ちしております。

では、少し時間がありますので、タイムラインを遡って、質問なども見ていきましょう。上田さんからは、「例えば『こんなことを勉強したって将来何の役に立つんだ』とつぶやく学生が今でも多いと思うのですが、今後、教育現場でどのように前向きな気づきを与えることができるでしょう?」というご質問です。

清水:学校の先生もたくさん見られていると思うと、私自身が答えていいのかというところはあると思うんですけれども、「これが何の役に立つか」をわかってやる勉強というのは、やるべきことが見えている人には良いと思うんですよね。

でも、「これをやりたい。だからこれをやる」ということは、だいたいの学生には見えていないんです。なのに、どうしてこれが必要じゃないと断言できるのか? ということだと思うんですよ。

先ほど、点と点を打つというところも、「点と思っていなかったのに、これがすごく後で活きた」ということはすごくあるわけですよね。なので、とくに未成年など、それがまったく判断できない方に対しては「判断することもできないんでしょう。だったらやっておこうよ」ということだと思います。

徳田:あとでその点がつながっていくことが必ずあるという。

ボイトレに通ってわかった偶発性の恩恵

清水:ありますね。私は最近ボイストレーニングをやったのですが、実はこれが一番仕事に活きたなというのがありまして。

徳田:そうなんですね!

清水:これは偶発性で出てきたものなのですが、私は写真を習っているんですよ。写真の先生が「私、ボイトレやっているの」というお話をされて、すごくおもしろそうだったので「私も紹介してください」ということで行ってみたんです。

「カラオケが上手に歌えるようになったらいいかな」ぐらいの感じで行ったんですが、実は仕事にものすごく活きて。

研修講師として話すときに、発声とか声に感情を乗せるとか、そういったことをものすごく学ばさせていただいた。するとそれまでの講義のフィードバックがガラリと変わって、「すごく滑舌がいい」「話を聞きやすい」といただけるようになって。

講師にとっては、やっぱり受講生のフィードバックが本当に次の仕事につながっていくので、「こんなに役に立つものだったんだ」ということを知りましたね。

「こんなことを勉強したって仕事の役に立たないかもね」ということでも十分に役に立つことは本当にたくさんあると思いますので、ぜひそういったお話を学生の方にしていただけるといいかなと思います。

徳田:そうですね。まさしくこれこそが計画的偶発性理論。

清水:そうですね。

徳田:はい。ありがとうございます。

次の授業テーマは、学習効果を高める「How」

徳田:それから、みなさんから学んだボタン投稿をいろいろいただいておりました。(タイムラインを見て)鹿又さん、「大人の学びは、自ら勉強しようという心がけが必要。外に出ていくことで、出会いや新しい学びを得ることができる」と。

それから、北川さんは「やっぱり宿題が出るということは、Schooは改めて学びの場なんだ」と。

清水:ありがとうございます。そう言っていただけて。

徳田:ぜひ宿題の提出をお待ちしております。では、そろそろ次回の授業のお知らせに移らせていただきます。(スライドを指して)次回の授業はこちらです。2月3日の21時から放送となります。先生、第2回目はどんな内容なのでしょうか?

清水:今日は何を学んだらいいのかということと、その必然性についてお話ししてきました。(次回は)より具体的に、どんなふうに学んでいくのか。とくに時間がない中で学習効果を高めるというところ、まさにHowのところですね、そちらを中心にみなさんと考えていきたいと思います。

徳田:次回の授業の冒頭で今回のみなさんの宿題を見ていきたいと思います。「受けたい」ボタンを登録しておきますと、授業前に2枚のメールがちゃんと届きますので、ぜひよろしくお願いいたします。(時間が)あっという間に。

清水:あっという間ですね。

徳田:先生、最後にまとめとして、みなさんにメッセージをいただけますか?

生産性向上について学べる2冊の本

清水:みなさん、1時間ありがとうございました。冒頭のデータなど、すごく不安を煽るようなお話をたくさんしてしまったかと思いますけれども、それはやっぱりチャンスでもあるわけです。

なので、そういった変化をチャンスにできるというところで、学び力をみなさんの武器にしていただけたらなと思っております。次回もまた楽しみにしています。ありがとうございました。

徳田:ありがとうございます。(スライドを指して)最後になりますが、先生からみなさんにお知らせがあります。こちらです。

清水:ありがとうございます。今日は学びというテーマでお話をしたのですが、その中でやはり生産性を高めないと学びの時間自体が取れないというお話がありました。手前味噌ではあるんですけれども、「生産性を高める」というテーマで2冊ほど本を出させていただいておりますので、ご興味を持たれた方はそちらも見ていただければと思います。

1冊目は、下の左から2番目にある『1時間の仕事を15分で終わらせる』と。まあ「4分の1でやりましょうね」ということでチャチなタイトルをつけていますけれども、これは個人の生産性をどう上げていくのかというノウハウを書いております。

もう1冊は、「組織とかチームとしてどういうふうに生産性を上げていくのか?」というところで、『「残業だらけ職場」の劇的改善術』。チームでやる会議などのいろんな会議の回し方や、そういったことの生産性の上げ方を書かせていただいておりますので、興味がありましたらぜひお手にとっていただければ。

学びをアウトプットにつなげるにはコツがいる

徳田:ご興味のある方はぜひ。ちょうどタイムラインで澤井さんが「アウトプットと生産性をつなぐコツって何かあるんですか?」ということだったので、こちらの本も手に取っていただきつつ、ちょっとコツがありましたら教えていただけますか?

清水:アウトプットと……。

徳田:生産性とつなぐコツですね。

清水:やはり学びでインプットしたことがアウトプットにつながらないのはもったいないです。プロセスという概念になってくるんですけれども、次のアウトプットにつないでいけるよう、自分の中の技などをいかに体系化していくか。

そこを考えることでアウトプットにつながりやすくなっていきます。引っ張っているわけじゃないですけど、そちらも次回ぜひお話しさせていただきたいと思います。

徳田:そうですね(笑)。次回もぜひご受講いただければ。次回も具体的な内容を先生からお話しいただけますので、これからどう考えていこうかを悩んでいる方々も楽しみにお待ちいただければと思います。

それでは、以上で今回の授業は終了とさせていただきます。今日お越しいただきました先生は、株式会社アンド・クリエイト代表取締役社長の清水久三子先生でした。先生、今日はありがとうございました。

清水:ありがとうございました。

徳田:受講生のみなさんも最後までご受講いただき、たくさんのコメントをありがとうございました。それでは、このあとも引き続きSchooで一緒に学んでいきましょう。みなさん、さようなら。

清水:さようなら。ありがとうございました。

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