2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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石橋尚也氏(以下、石橋):はじめまして、石橋と申します。よろしくお願いします。
(会場拍手)
石橋:本日は、実際のInstagramのクリエイターの方にも来ていただいていますし、電通さんにも来ていただいているということで、セミナー形式というよりは、ざっくばらんにディスカッションのような感じでお話ができたらと思います。
お話しさせていただく内容は、こちらのスライドにもありますように、インフルエンサーがなぜ生活者を魅了するのかを、電通さんと一緒に調査をさせていただいたので、その調査をもとにお話をさせていただけたらと思います。あとは、実際にInstagramで活動をされていらっしゃるMOYAさんのお話なども聞けたらと考えております。
最初に自己紹介をさせていただきます。そのあとに私からインフルエンサーマーケティングについての考え方についてご説明させていただき、調査のご説明ができたらと思います。最後に、この3人でディスカッションをして終わりという流れになります。まずは自己紹介からということで、天野さん。
天野彬氏(以下、天野):株式会社電通、電通メディアイノベーションラボの天野と申します。僕はもともと情報メディアの研究をしていて、そのあと電通に入社し、マーケティング部門や新規事業開発部門を経て、現在はメディア環境をリサーチするような部署に所属しております。
具体的な情報発信活動として、今お話しいただいたように、UUUMさんと一緒に調査をして、こういうかたちでニュースリリースを出したり、ときどきコメンテーターをさせていただいたり。(スライドを指して)」これ「JKが大好き」って、僕がJKを好きなわけではないんですよ。
(会場笑)
「JKが好きなYouTuberって誰?」というかたちでトークセッションをしたり、あとはSNSに関する書籍(『シェアしたがる心理~SNSの情報環境を読み解く7つの視点~』)などを発表させていただいたり、普段はそういった仕事をしております。今日はよろしくお願いいたします。
石橋:じゃあ、MOYAさんお願いします。
MOYA氏(以下、MOYA):はじめまして、MOYA(@moyamoya2121)と申します。肩書きと言われるといろいろあって、こういう場では「インスタグラマー」と名乗らせていただいています。ほかにもWebストアをメインに、アパレルのCAVEZAROSSOというブランドのディレクターを務めさせていただいています。
プライベートでは、もともとトラベラーといって、SNSで旅のすばらしさを伝えるようなお仕事をさせていただいていたので、それを活かして、子連れで行く海外旅行や国内のスポットをSNSで発信させていただいています。
石橋:ぜひみなさんもフォローしていただけたらと思います。個人的にもMOYAさんのコンテンツがものすごく好きで、今回も「お話をしてください」という感じでご依頼させていただいた経緯になっております。
私なんですけれども、UUUMという会社で役員をしております。そして、レモネードというサービスを運営しておりまして、そこの担当をしているかたちになっております。
もともと広告代理店に10年ほどいまして、その後、2015年にレモネード株式会社という会社を設立しました。Instagram特化型のインフルエンサーマーケティングプラットフォームである「レモネード」というものを提供している感じになっています。そして、昨年末あたりにUUUMに会社を売却しまして、今は役員として働いています。
UUUMの会社概要をご説明できればと思うんですけれども、YouTubeをメインとした事業をやっています。今月で6期目が終了で、来月から7期目になるんですけれども、かなり急成長をしている状況です。
やっていることとしましては、インフルエンサーのマネジメント、クリエイターのマネジメント、インフルエンサーマーケティング、あとはそういったクリエイターに付随したようなグッズを作ったり。そういったところまで事業を拡大してやっている感じです。
石橋:ここから私のほうでしばらくお話しさせていただくんですけれども、今UUUMに所属しているYouTuberがかなり多くなっていまして。YouTubeのチャンネル登録者トップ10が左側なんですけれども、そのトップ10のうち、9のチャンネルが弊社・UUUM登録のものになっております。
右側は順位を100番目まで伸ばしてみたものですが、100番目まで伸ばすと100人中37のチャンネルが弊社所属のチャンネルになっております。ということで、かなり市場を押さえている状況です。
その中で、私のほうでレモネードという事業をやっているんですけれども。レモネードについて、一言でご説明させていただきますと、インフルエンサーマーケティングのセルフサービスのプラットフォームです。クリエイターと企業さま、広告代理店さまを直接プラットフォームでマッチングするという感じのサービスになっています。
これはWebサービスになっていまして、そのあとの業務進行管理や発注みたいなことまで、全部ワンストップでできるというプラットフォームを提供している感じです。
こういう画面になっていまして、募集をして、インスタグラマーの方々に応募してもらうという形式になっています。システムとして似ているのは、クラウドソーシングのようなものですね。
施策としては、ちょっとカテゴリが違うんですけれども、アフィリエイトのサービスプロバイダなどの画面がちょっと似ているのかな、という感じです。概念としては、インスタグラマーのDSP(Demand-Side Platform:興味関心の高いユーザにターゲットを絞り、広告を配信できる仕組み)のようなものを作りたいなと思って作りました。
ここでは、応募してきた方々のプロフィールなどが見られるようになっていまして。この中から企業さまのほうで、どの方をアサインするかを決めていただいてスタートしてもらう感じになっております。
いろいろとデータを見れるようにしていまして、これはそのクリエイターさんが、案件が終わった後もどれだけ投稿しているかを見ていったりしています。
MOYA:ははは(笑)。
石橋:そのブランドをどれだけ本当に好きになったかを計測していっている感じですね。あとは、インフルエンサーの検索機能もあります。例えばファッション系とか、フード系の人とか、いろいろ条件を指定して検索をして、検索結果で表示された人たちに指名依頼をすることもできるようになっています。そういったプラットフォームを提供しております。
石橋:インフルエンサーマーケティングについてのお話ができればと思うんですが、いろんな考え方があるなぁと思っていまして。これが正解というわけではないかもしれませんが、一応、私の考え方を簡単にまとめさせていただきました。
まず、インフルエンサーの種類は3種類あると言われていまして。これはアメリカでよく言われている考え方ですが、「メガ」「マクロ」「マイクロ」と言われています。
場合によっては、メガのところは「ソーシャルスター」とも言われています。例えば、アメリカでいうとキム・カーダシアンなどがソーシャルインフルエンススターになるかと思います。その次がマクロ、マイクロという感じになります。
アメリカと日本ではどうしてもソーシャルメディアの環境の差があって、ユーザー数、フォロワー数の数がぜんぜん違っています。アメリカの場合は、メガは1億フォロワーくらいいるんですよ。
日本の場合、今は渡辺直美さんがトップで、ちょっと最近見られてないんですけど、約880万フォロワーくらいだと思います。ここがマックスなのかな、というところです。
その下のオレンジがマクロインフルエンサーです。ただ、日本の場合はちょっと桁が違って、1万から20万ぐらいになりそうなところです。20万以上、30万以上になってくると、やっぱり芸能人たちが増えてくるイメージですね。
もともとタレント活動をしていなかった方、一般の方々だと、フォロワー数としてはマックスで30万フォロワーくらいという印象です。レアケースですけれども、たまに柴犬のmarutaroさんのようなパターンもありまして、一気に250万まで増えることもあります。
その下がマイクロインフルエンサーで、数千フォロワーあたりの層になってきます。こういったインフルエンサーがいるんですけれども、YouTubeのクリエイターとInstagramのクリエイターは構造が異なっていまして、それがどう違うのかのご説明になります。
石橋:YouTubeのクリエイターに関しましては、そもそもアドセンスの収益がありまして、YouTube側からお金をもらうことができるようになっています。
しかもけっこうなアクセス数とか、再生回数とか、数字が大きいメディアになっていますので、人それぞれなんですけれども、それなりに有名な人たちはお金をもらえるという感じです。
Instagramのクリエイターの場合は、けっこうInstagramの中でメジャーだとしても、アドセンスのような収益プログラムがないので、自分でタイアップを取ってくるしかないんですね。それだけで生計を立てている人がいるかというと、そんなにいるわけではないかたちです。
ということで、クリエイターの属性としてプロみたいな感じがYouTubeで、Instagramの場合は主婦やOLの方など、一般の生活者の方々が多いです。メディアのフォーマットとしては、ご存知の通り、動画と静止画がメインというところに違いがありますね。
生計を立てられるぐらいの収益があるので、契約体系もYouTube、YouTubeクリエイターの場合は独占契約しているケースが多いです。一方、Instagramのクリエイターに関しては、案件がYouTubeほど多いかというとまだそれほど多いわけではないので、自由契約が多いかたちになっています。
そんなインフルエンサーを活用したマーケティングなんですけれども、よくお客さまから言われるのが、「フォロワーが多い人に投稿させて、拡散させてほしいんです」というようなことです。やっぱりなかなか拡散しないですし、キャンペーンの情報がすごく拡散したという話はあんまり聞いたことがないと思うんですね。
ということで、UUUMの中でもレモネードという事業部門の中では(Instagramのクリエイターを)どう捉えているかと言いますと、周囲に影響力があるクリエイターに対して、ブランドエンゲージメントをしていく施策を考えていくべきなのかなと言われております。
石橋:最後に事例なんですけれども、実際にレモネードを使っていただいたお客さまの事例になっています。LINEさんの中の事業で「LINEデリマ」というUber Eatsみたいなものがあるんですけれども、その告知をインスタグラマーの方々にご発注いただいたんですよ。
そうしたところ、前回はInstagram施策をやらなかったんですけれども、やらなかった時と比較して、メインターゲットの20代全般で、昨年を大きく上回る注文数を獲得いたしました。
(スライドを指して)これが内訳なんですけれども、このグラフのグレーのほうが前回のキャンペーンになっていまして、色がついてるほうが今回のキャンペーンになっています。
どうやって計測したかといいますと、アドなどのトラッキングできる数字は全部トラッキングできているので、それを差し引いて、残りの計測できないチャネルでどうなったかで数字を出していきました。すると、Instagram施策をやる前と後で大きな違いがあったんですね。
あとは、銀座の松屋さんでバレンタインの時期に実施した、チョコレートのプロモーション事例です。
このブタのチョコレートのところで宣伝をしてもらったんですが、昨年は売れ残ったのが、今年は完売になったということで、すごくパフォーマンスが高かったという結果が出ています。こんなふうに、事例もたくさん出てきている状況です。
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