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個と組織を強くする「物語」という方法 ~ Narrative Approach(全3記事)

アイデンティティではなく、その先にあるナラティビティを考える 可能性を広げる「物語編集力」の身につけ方

2018年10月25日、ドコモ・イノベーションビレッジにて「個と組織を強くする「物語」という方法 ~ Narrative Approach」が開催されました。株式会社編集工学研究所のシニア・コンサルタント 安藤昭子氏を講師に招いた、この編集工学シリーズ。第4回目では「方法としての物語」をテーマに、人類が二千年にわたって語り続けてきた「物語」というフォーマットの力について安藤氏が語りました。今回はこの講義の模様を3回にわけて公開していきます。最後となる本記事では、物語母型「英雄伝説」の解析からのワークショップの模様を中心にお送りします。

ハリウッド映画のほとんどに共通する「英雄伝説」という型

安藤昭子氏(以下、安藤):では、この物語る力というのをもっともっと上手に使っていくために、先ほどもお伝えした物語の母型のお話をしたいと思います。今、みなさんの中で物語回路が動いたはずだというお話をしたのですが、ジョセフ・キャンベルという人は、神話を研究していく中で、どうやら人類が紡いできた物語には数通りにまとめられるくらいの母型があるというところにいたりました。

その中の一つとして、「英雄伝説」と呼ばれる物語母型をご紹介したいと思います。

古今東西、「セパレーション」、「イニシエーション」、「リターン」という3つの段階から構成される物語が無数にある、というものです。「セパレーション」というのは、旅立ちですね。何事もない日常からなにかが起こって旅にでる。物理的な旅かもしれないし、精神的な旅立ちかもしれない。いずれにしても旅にでた先で「イニシエーション」、通過儀礼、試練に出会う。それを乗り越えた先に「リターン」、なにかを得て、元いた場所に戻ってくる。だけれども、元いた場所に帰ってきた自分は、旅立ち前の自分と同じではないというような物語です。

これを思い描いていただくと、あれもそうかなとかなり思い浮かぶのではないかと思うのですが、これを忠実にやったのがジョセフ・キャンベルの教え子だったジョージ・ルーカスなんですね。『スター・ウォーズ』は、まさにこれです。

それ以降、ハリウッド映画はほとんどこれなんですね。なんでもない日常になにかが起こって、なにか挑戦に向かわなければいけない状況に駆られる。その先で、戦いがあったりだとか、試練があったりして、最後にはそれを乗り越えて、元いた場所に戻ってきて、めでたしめでたし。このパターンを、ハリウッド映画はあの手この手で模写して、たくさんのヒット映画を作ってきました。

母型の回路に従うことで望ましい感情の流れに乗れる

日本にも同じように英雄伝説の母系を持つ物語は多くあります。『桃太郎』なんかもそうですね。『桃太郎』も、鬼ヶ島に鬼退治に行って、鬼を見事に退治して、宝物をもらって帰ってくる。けれども、英雄伝説のもう1つの特徴は、リターンしたキャラクターがその宝物を独り占めしたりはしませんね。なにか1つレベルアップして帰ってくるというか、もらってきた宝物を村人に分けるなど、つまり成長しているということです。『千と千尋の神隠し』とか『スタンド・バイ・ミー』とか、主人公の成長を描いているような物語には、この英雄伝説の型というのがどこかに埋め込まれているんですね。

これがおもしろい物語を描くということに使えるというのはもちろんなのですが、こういった物語の母型というのが、先ほどの物語回路の話とつながってきます。私たちの頭や心の中には、神話の時代以来こうした物語母型が回路としてビルド・インされているんでしょうね。ですから、こういった私たちの中にある物語回路がどこかで触発されると、感情が動くという構造になっているはずなんです。

この英雄伝説の型をことごとくハリウッド映画が使ったというのも、これが私たちの中に気持ちのいい回路として入っているから、これをなぞってあげると、見ている観客は気持ちよく心が動かされる。安心して自分の望ましい感情の流れに乗れるというのが、物語の母型の力だと思います。

情報に物語の母型というものがあるのだとすれば、かつそれが私たちの物語回路というものの中に入っているのだとすると、誰かにメッセージを伝える、みんなでビジョンを共有するというときに、この母型らしきものというのを少し意識してみるといいのではないでしょうか。ただ自分の伝えたいことを自分のイマジネーションだけで語るだけじゃなく、こういう母型に乗せて伝えてみると、相手の中で物語の入り方が違うはずなんですね。

この物語の型を使っておもしろい物語を書こうという人はそれもいいのですが、今日のテーマはどちらかというと、自分が日頃お仕事やいろいろな活動の中で、人になにかを伝えよう、なにかを分かち合おうというときに、この物語の型や方法を使うといいのでは、ということです。

オムニプレゼントとオムニシエント、2つの視点

物語編集の一環としてご参考までにお伝えしておくと、先ほどナレーターがいましたよね? ワールドモデルの隣にあった語り部です。語り部の視点には、大きく分けて「オムニプレゼントな視点」と「オムニシエントな視点」があります。

この言葉自体、聞きなれない言葉だと思いますが、なにかが起こっている、それをその中に入って見ているという視点が「オムにプレゼント」。つまり、臨場感ある、今この瞬間にこれが起こっているということを物語の進行と一緒に追いかけている視点ですね。

一方でこれらを俯瞰して見ている全知的な語り部の視点を「オムニシエント」と言います。だいたいの物語は、このどちらかの視点だけを使っている場合もあれば、両方を組み合わせている場合もある。

例えば、今大河ドラマで『西郷どん』をやっていますよね。ドラマが進んでいる最中というのは、見ている「オムニプレゼントな視点」なんですよ。西郷どんと一緒にいろんなことを体験したり、出来事が起こっていくわけですが、最後には西田敏行さんの声で「今夜はこのへんでよかろうかい」という声が入ると、急に全知的な視点がそこに入ってくるわけですね。

そういうかたちで、見る人、聞く人が、その瞬間一緒に物語を体験するという効果と、自分はなにか大きな物語の流れの中にいるんだという認識を、オムニプレゼントとオムニシエントの両方の視点を使いながら、作者は進めているという、これも1つの構造なのでご紹介までにお話しておきます。

自分自身のヒーローズ・ジャーニーを語る

では、最後のワークをしたいと思います。これは、さっそくさきほどの英雄伝説をつかってみなさんになにかを語ってもらおうという、カット編集術をもう一歩進めたものです。「ヒーローズ・ジャーニー」と名付けています。

「英雄伝説」の物語母型で、自分の体験を語ってください。自分自身じゃなくてもいいですよ。会社でもいいですし、自分が所属しているチームでもいいですし、家族でもいいです。自分の属するものの物語でもいいです。そこに自分が関与していればOK。

自分自身のヒーローズ・ジャーニーを語るということで、物語を作ってみてください。ワークシートにまず「ワールドモデル」と書いてあります。ワールドモデルが想定されないと、それが古代ローマなのか、銀座4丁目なのかということを想定しないと、物語は書けないはずですね。それに、シーン、ストーリー、キャラクター。セパレーション、イニシエーション、リターンというように分けています。

なにか最近自分の身に起こったこと、もしくは自分の会社の中であること、いろいろな自分の身の回りのことを思い浮かべていただいて、「あれ、英雄伝説に乗せられないかな」ということを探してきてください。必ずしもうまい物語を作ることが目的ではありません。

これもあとで2人1組くらいになって共有してもらいます。ヒーローズ・ジャーニーを書いてみようとすると、たまにものすごくヘビーなのが出てきたりもしますが、今日は人に共有できる程度のセパレーション、イニシエーション、リターンで書いていただければと思います。では、5分でこれもやってみましょう。

(各自ヒーローズ・ジャーニーを作る時間)

安藤:そろそろよろしいでしょうか。なかなか厳しい時間の中でやっていただきましたが、せっかくなので先ほどのチームで共有してみましょうか。1人1分くらいで話すつもりで、準備ができたところからお話してください。

(ヒーローズ・ジャーニーを共有する時間)

再び同じ場所に立ったとき、視点ががらっと変わるという体験

安藤:そろそろいいですか? ちょっとグルッと回って耳を傾けていましたが、多種多様なヒーローズ・ジャーニーが出てきました。では、発表してください。

発表者6:もともと私は産婦人科医で、今はいろいろあって医療系の出版社の社長をしています。今の会社も順調に大きくはなっているものの、昔からあるオーナー社長が1代で築き上げたゴリゴリのトップダウンな会社で、閉塞感がある世界なのです。

その中で集合知やダイバーシティなど、そうした個々が主体的に生きていくような環境に変えていきたいと思っています。事業承継して会社が次にまた大きくなる段階で、後継としての自分はそのトップにはならずに、僕はまた医療の世界に戻りたいと思っています。

産婦人科で手術などをやっていただけのときの自分にはなかった世界が見える自分になって、また地方のおじいちゃん、おばあちゃんを診るような医者になっているといいと思っています。

(会場拍手)

安藤:すばらしい。今のはまさに『桃太郎』ですよね。グルッと回って大変な思いをして、帰ってきたときは同じ場所に立っているのだけれども視点がぜんぜん変わっていたというヒーローズ・ジャーニーを、しかも未来に向けて語ってくださいました。

あと、お一方くらい、この人の話を聞いてという推薦があったら教えてください。じゃあ、こちら。

発表者7:1才10ヶ月の息子が初めて母親から離れて保育園に預けられ、50人の園児に囲まれて、一緒に遊んで昼寝して、1日を過ごして帰ってくると、鼻垂れ小僧になってくる。病気をもらって、でもなにか少しだけ成長もして帰ってくるという。

安藤:ありがとうございます。子どもにとっては、保育園にいくというのはまさにセパレーションですよね。どの子も違わず、おそらくイニシエーション、リターンをしているんだと思いますが。

ありがとうございました。これはみなさんの日常の中に、いかに物語性に満ちたものがあるかということなんですね。おそらくどなたも自分なりのヒーローズ・ジャーニーが書けたと思います。こうした物語を取り出す目で自分自身、自分の会社、チームなどを見てみるというのも、個人・組織というものを前に進めていく上で、なにかひとつ大きなヒントになるのではないかと思っています。

多様かつ人それぞれの物語が必要になる時代

最後の時間を使って、まとめに入っていきたいと思います。今までみなさんに体験していただいたように、物語というのは、語り得ないものを取り扱う装置でもありますね。

今日、冒頭にも、ただの言葉とあやの言葉という話もしましたが、全体的に言いたかったのは、曰く言い難いものであったり、名指して簡単に取り扱えないものであったりしても、物語というフォーマットであれば乗っかるということなんですね。

先ほどの産婦人科の先生のお話にもありましたが、組織もいろいろと形を変えていると思います。いってみれば、ちょっと昔は経済成長期にあったような組織のあり方というのとが、どうしても変わってきているはずです。社会全体として、なにか大きな物語を共有することが立ち行かなくなっているというところもあるんだと思います。

では、小さな物語ならいいのかというと、それもよくわからない。個々の欲望といった小さな物語を追求していった先で、では新自由主義のようなものがそれですべて解決するのかといえば、そうでもなかった。

そうだとすると、動的な物語というんですかね、大きいだけでもなく、小さいだけでもなく、かつ多様で、かつ人それぞれの物語というものが動いていくというのが、いまは必要になっているんじゃないかと。そうしたことを反映しているように見えるのが、昨今の組織のありようでいろいろ言われるティール組織や、いわゆるヒエラルキーで成り立っている上位解脱の組織から脱却して、たくさんの個性が絡まり合いながら、生命体のように変化していく組織の形というのも、世界各国で模索されているところです。

民族や文化によって違う物語回路の仕組み

おそらく、そういうところで間を繋いでいくものは、今までのヒエラルキー型の組織で取り扱ってきた類の情報じゃないものが必要になるはずなんですよね。それが語り得ないものであったりするんだと思います。ここにも添えてあるように、言い換えれば創発や、イノベーションなどが自然生成してくる環境を作る上で、この物語の力が必ずやなにか関係していると思います。

その上で、組織それぞれの物語回路とここには書いてありますが、今日の冒頭でお話したように、私たちの中にはそれぞれ物語回路が動いています。それは、脳の中がそうした仕組みになっていますよというお話をしたのですが、これも類と個の話で、個の中でそうなっているということは、組織の中でもそうだろうと見ることができます。

もう1つ大切なこととして、物語回路というのは、民族や文化でぜんぜん違うものであるはずなんですね。私たちがなにかを体験する中で、この回路というのは環境からのフィードバックがあって強化されるものなので、どういった文化にいるのかによって持っている物語回路というのは変わってくるわけです。会社が10個あれば、10個それぞれの物語回路というのが、おそらくそれぞれの集団、組織としてあるのではないでしょうか。

それを言い換えると、ここに文化遺伝子と書いてありますが、これはリチャード・ドーキンスという遺伝子の研究をしている人が、文化にもそうした遺伝子のようなものがあるといっているんですね。それを「ミーム」と呼んでいるのですが、いってみれば、風土や集団の文化だったりだとか、そういう曰く言い難いけれども受け継がれているなにかの遺伝子、つまり文化遺伝子と呼べるようなものがさまざまなところにあるだろうと。

これは組織に限らず、地域だったり、もしかしたら家族や友達関係だったりするかもしれませんが、その場特有のナラティブ・サーキットがあるはず、という話ですね。

「小泉劇場」はひとつの物語だった

ここまでの話は、組織の中における物語の力、それが作っている文化や、継いでいく遺伝子の話でしたが、未来というものを考えたときにも同じことだと思います。「ビジョン」というのは、そういうものですね。

「ビジョンを掲げよう」、「うちの会社にはビジョンが必要だ」などと言いますが、これもいってみれば未来に向けた物語ですよね。

自分たちはどうなりたいのか、どこに進みたいのか、ということを物語として一旦考えてみると。もしかすると、取っ掛かりがつかなかったかもしれない未来が少し見えてきたりするかもしれません。そのときに、試しにでもいいから、未来に向かって英雄伝説を語ってみるという方法があると思うんですよ。

余談ですが、この構造を非常にうまく使ったのが、ちょっと前の話になりますが、小泉政権だったのではないでしょうか。これはすごく印象的な、日本国民がみんな覚えているような場面だと思いますが、貴乃花が優勝したときに、大きな優勝カップを小泉純一郎さんが持って「感動した!」と言うシーンがあったじゃないですか。

「痛みに耐えてよくがんばった」と言っていましたが、あの頃の小泉政権が国民にメッセージしていたことって、痛みを伴う改革をしますよ、というものでしたね。私たちは変わらなければいけない。でも、その先にはイニシエーションがあるよ。痛みがあるよと。でも、それを過ぎた後には、必ずや自分たちはもっと良くなっているよ、という未来に向けたセパレーション、イニシエーション、リターンを語っていたと思います。もちろん、ご本人にそんなつもりはないと思いますが。

そのことを思えば、貴乃花の優勝のシーンで、大きな怪我を乗り越えて優勝した瞬間の、英雄伝説をちょうど通り過ぎたばかりの貴乃花に向かって、「痛みに耐えてよくがんばった」という自分自身が発してきたフレーズを重ねなてねぎらったことは、貴乃花のこれまでの英雄伝説に重ねて、小泉政権の行く末を印象付けたような、非常に効果の高い方法だったと思います。

あの頃マスコミはみんなで「小泉劇場」と呼んでいましたよね。あれはなにかひとつの劇場だった。そこになにか物語が動いていたのです。あの政権の政策自体の良し悪しについては、ここは問う場所ではないのでいいのですが、あのときに国民が印象づけられたことだったり、伝えられたこと、そこにあったコミュニケーション技術というのは物語だったんだろうと思います。

企業の持つ物語経路を構造分析していく「ルーツエディティング」

ここに「来し方の物語から自身の物語回路を探り、行く末の物語を作る」と書いてありますが、物語は必ずしも過去のものではないんですね。「ビジョンって未来に向けた物語ですよね」と言ったように、未来に向かって紡いでいくこともできると。

ただそれを単に、理想的な未来を描くだけではなく、すでに自分たちがおそらく持っている物語回路に重ねてみる、もしくは、今日やっていただいた英雄伝説のような、私たちの中で必ずヒットするとわかっているような物語の母型を重ねてみる。といったようなことをすることによって、組織全体が共有したい物語というのが、みんなで持ち合いやすくなるんだと思います。

編集工学研究所の会社案内を見ていただくと載っているんですが、「ルーツエディティング」と名前をつけているメニューがあるんですけれども、これがなにをやっているかというと、企業さんの文化遺伝子にあたるようなもの、今日の言葉でいえば、それぞれの企業が持っている物語回路を構造分析していくようなことをするんですね。その企業それぞれの文化遺伝子というものを捉え直した上で、一緒に未来の物語を紡ぐということを編集工学を使ってご支援しています。

これは、まさに物語という方法を組織に適用しているということになりますが、この「ルーツエディティング」で最近大きかった事例は、リクルートさんです。リクルートさんが上場する時に、「自分たちは何者か」ということを一緒に物語分析をするように構造を解いていって、未来のビジョンを描くのに使っていただいたということをしました。

そしてもうひとつ大事なこととして、物語はいつからでも書き換えられるということです。物語である以上は書き換えがきく。例えば、自分自身のセルフイメージがなにかの物語として定着していたとしても、それがもしも不都合であるならば書き換えればいい。それは、私たちの物語回路という構造もありますが、先ほどお伝えしたような物語母型のような、自分自身の心にも響きやすい仕組みを使いながら、書き換えていくということもおそらくできるでしょう。

アイデンティティからナラティビティへ

先ほどの「ルーツエディティング」のお手伝いをするときによくあるご相談のフレーズとして多いのが、「うちの会社のアイデンティティをもう1回確かめたい」と。「アイデンティティをみんなで共有したい」というものがあります。よくわかるのですが、私たちはあまりアイデンティティという捉え方をしないんですね。

アイデンティティは自己統一性と訳しますが、これは、自分自身がこうであるべきだったり、こうでなければならないという非常に単一的な意味に閉じていく方向の言葉だと思います。けれども、よく使われるんですよね。自分たちのアイデンティティを知る必要があると。

でも、さっき同じ情報を使っても、あれだけ多様な物語をみなさんが生み出していて、自分自身の中にもさまざまな物語が潜んでいるはずで、私たちはもっと多様であるはずなんですね。だから、企業さんから「アイデンティティをなんとかしたい」というご相談があっても、それは必ず捉え返すようにしています。「アイデンティティのその先のみなさんの物語を、アイデンティカルではない方向に紡いでいくようにします」というように言います。今日の言葉で、一言で編集工学研究所の思う方向性をまとめると、「アイデンティティからナラティビティへ」ということですね。

自分はこうであるべきだ、こうでなければならないという、単一に狭くなっていく方向ではなく、こうもなれるし、こうともとらえられるという、なるべく多様に、なるべく可能性を広げて、なるべく人の心が動くような方向に自分自身を持っていく。そのことに編集工学を使っていただけるとうれしいと思って、日々活動をしています。

はい、そういうわけで、時間も少し過ぎてしまいましたが、今日は改めまして、みなさんと物語という方法について2時間過ごしてまいりました。途中でやっていただいたワークも、時間がなかなか厳しかったと思いますが、おもしろかったですね。これを、ぜひ、また思い出していただいて、ミーティングやチームの中などで、「君の英雄伝説を聞かせて」というようなことをやっていただけるとおもしろいんじゃないかと思います。

では、ここで私の方からは終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

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