2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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菅本裕子氏(以下、ゆうこす):みなさん、こんにちは。菅本裕子です。
ふだん女子中高生の前でイベントをすることが多くて、こういうイベントはなかなかないので。壇上に上がった瞬間にめちゃくちゃ緊張しました。今日はよろしくお願いいたします。
山田茜氏(以下、山田)よろしくお願いします。
(会場拍手)
小林麻実氏(以下、小林):では、あらためまして。本日のイベント、電通Bチーム、Forbes JAPAN、アカデミーヒルズライブラリーのコラボイベント「『下剋上タグ』が情報戦国時代をチャンスに変える!?」を始めさせていただきます。
スピーカーはスペシャルゲストとして、モテクリエイターとしてご存知の菅本裕子さん。電通Bチームプランナー山田茜さん。Forbes JAPAN編集次長兼シニアライターの藤吉雅春さん、そしてモデレーターでもある電通Bチーム クリエイティブ・ディレクターの倉成英俊さんです。それでは倉成さん、どうぞよろしくお願いいたします。
倉成英俊氏(以下、倉成)このイベントって何回目でしたっけ? 6回目かな。やっぱり職業柄か、ゆうこすはステージに上がるとすぐ話されるんですね(笑)。
ゆうこす:みなさん、違いましたか?
倉成:いやいやいや、なんか斬新だなと思って。
ゆうこす:本当ですか?
倉成:おかげさまで助かりましたよ。
ゆうこす:いえいえ。職業柄かもしれないですね(笑)。
倉成:じゃあ、ゆうこすさんには、おいおい登場していただくとして。
ゆうこす:はい。
倉成:まずこのイベントですが、たぶん初めて来られてる方も多いと思うので、「これ、なんなのさ?」というところから説明させてもらいますね。
今日って来られている方々の出自がいい意味でバラバラで、今までの中で1番多様性がありますよね。まずアカデミーヒルズ ライブラリーさんの会員の方がいらっしゃって、Forbes JAPANの読者の方がいらっしゃって。僕らの会社だと電通報というWebメディアから告知していて、そこから応募されてる方もいて。あと、ゆうこすさんのファンの方がいて。
かなり価値観がごちゃまぜです。今日のイベントは、うちの山田が「これについて話すのはゆうこすさんだ!」と言って、熱烈オファーをして実現したので、基本は2人に後半ずっとお任せして。横のおじさん2人は「不勉強ながらすみません、よくわからないですけど……」と言って、「そんなことも知らないんですか?」と2人から怒られる、というのを30往復ぐらいする回になってますので。
ゆうこす:えぇ!? 私が言うんですね?(笑)
倉成:必ず言ってください。Forbesの編集次長の藤吉さんに「そんなことも知らないんですか?」と言うっていう。
ゆうこす:えぇ~!(笑)
藤吉雅春:(以下、藤吉)怒られるの好きなので大丈夫です。
ゆうこす:どういうことですか?(笑)
倉成:じゃあ、いったん説明しますね。
ゆうこす:はい、お願いします。
倉成:今日は「#下克上タグ」というコンセプトについて、4人でお話させていただくんですけど。このイベントはアカデミヒルズライブラリーさんと、Forbes JAPANさんと、僕らの電通Bチームという謎の組織で、もう3年ぐらいやらせていただいていて。
Forbesさんに連載させてもらっている紙面のコンセプトから、これはもっと広がりそうだなというのを、この場をお借りしてトークセッション形式で、より(深く掘り下げて)お届けしています。
それで今日は、この山田が考えたコンセプトについて。
山田:下克上タグ。
倉成:まず僕らのチームの説明からさせてもらいますと、電通のBチームっていう謎の組織をやらせていただいてます。なんでBなの? という話なんですけど、これ2つ意味がありまして。1つはA面では、広告会社なので、広告の仕事をみんな本業としてやっているんですけど、もう1つB面として、私的活動をしているメンバーが集まっています。簡単にいうと副業とか、趣味が行き過ぎている人とか。
あと大学の専攻がちょっと特別だった人とか、転職してきて、前職がぜんぜん違う業界の人などのB面を持っている人たちが今56人、社内横断でいて。
そうすると、ぜんぜん知らない業界の話がみんなそれぞれの頭の中に入ってるわけですよ。例えばフジロックに毎年出てるDJがいるんですけど、実は電通社員だったり。小説をいっぱい書いてるんですけど、電通社員だったりという人たちがいて。山田はインスタグラマーなのと、あと美容?
山田:美容担当です。
倉成:(山田は)美容についてめっちゃリサーチしているんで、美容情報を僕らにいっぱいくれる人。かつ、もう1つの側面としては、インスタグラマーでもあるっていう。そういう、本業以外にもう1つ持っているメンバーでやっています。
山田:美容といっても、ゆうこすさんがその発表内容を聞いたら「当たり前に流れているトレンドじゃないか」ということがあったりもするんですけど、それが違うジャンルのプロからすると、初めて聞いた言葉だったりするので、その掛け合わせがけっこう毎回楽しくてという感じです。
倉成:「こなれ」とか言われてもね(笑)。
山田:そう、「こなれ」というワードが流行っていた時にそのニュアンスと理由を説明したり。
倉成:おじさんたちはわかんない。で、みんなポカーンとするっていうのが、いつもの山田の発表なんですけど。まぁ、そういうメンバーが集まっているのがBチームで。その56人が2300事例くらいのいろんな仕事に使えそうだよねとか、おもしろいからみんなに伝えるとインスパイアされるよね、みたいなことを集めています。
何のために集めているかというと、こういう価値観があったら、それ自分も共感するな、ということってあるじゃないですか。だけど、そこに名前がついていない時に(我々が)提唱しているんですね。その提唱しているのが、とくにForbesさんでさせていただいていて。ちょうど今、藤吉さんがもたれているのが今月号です。
藤吉:これですね、はい。
倉成:今月号で3周年で、計36コンセプトになります。みんなが思いついたコンセプトを、Forbesを通じて勝手に世の中に提唱させてもらっているっていう。今月号(のコンセプト)は何でしたっけ? 無のチャンス?
藤吉:そうです。
倉成:「無のチャンス」という、なんにもないから逆にチャンスだっていう。無からのチャンスの作り方っていうのを、うちのゲーム担当のリサーチャーが提唱してるんですけど。まぁ、それはぜひコンビニか本屋で帰りにちょっとチェックしてもらうとして。
藤吉:今日発売です。
倉成:今までいろんなコンセプトがあって、ここから(会が始まり)、ここでトークセッションさせていただいた話もたくさんあります。ちなみに連載のタイトルが『電通Bチーム NEW CONCEPT 採集』になっていて、(そこで)山田が提唱したのが『下克上タグ』。タグ付けで下克上を起こすぞっていう、山田のルックスと真逆なコンセプトを出して。
倉成:そういうのについて、トークセッションをしたらおもしろいんじゃない? いろんな人の役に立つんじゃない? というので今日を迎えたんですね。ですのでBは何か? と言われると、社員のB面をうまく活用しているっていうのと、もう1つは世の中で言われることと違う方法をやる。
日本もいろいろと閉塞しているだのなんだのと言われるじゃないですか。ですので、違う方法でよりおもしろくしちゃおうぜ! というので、プランBやアプローチBなど違う方法を提唱するチームを守備陣56人でやってるのがBチームです。
山田:毎回、わりと新しい、知ってることと知らないことがかけ合わさったりして。
倉成:今、「わりと新しい」って言いました?
ゆうこす:うふふ(笑)。
山田:比較的新しい……。
倉成:せっかくなのでForbes JAPANさんのお話も。
藤吉:ゆうこすファンの方々は、(Forbes JAPANが)コンビニで並んでいても、なかなか手に取ってないですよね? どうなんですかね?
ゆうこす:う~ん。まぁ、YouTubeとかInstagramのファン層が買ってたら、ちょっとびっくりしますね。中高生の女子なので。でも私、最近オンラインサロンを始めまして、そこの方々は買っていると思います。
山田:ビジネス寄り(の方々)ですね。ビジネスやりたい人も多いですもんね。
ゆうこす:そうなんですよね。
藤吉:お読みになってない方は、(Forbes JAPANが)おじさん雑誌と思ってらっしゃる方も多いと思うんです。でも、これ想定外なんですけど、実は定期購読者に高校生や大学生がけっこういるんですよね。
ゆうこす:すみません、失礼しました。
藤吉:意外に若い人に読まれてまして、ちょっとうれしいなと思っているんですけども。(読者に)若い人、多いです。
倉成:ぜひ、これから定期購読を……。
ゆうこす:はい(笑)。
藤吉:定期購読が半額になる券を受付にいっぱい置いてますんで、持って帰ってください。
ゆうこす:なに~(笑)!?
倉成:ちなみに(Forbes JAPANは)かなり絶好調なんですよね?
藤吉:そうですね。あとWebで毎日、ニュースを配信していまして、これもけっこういろんなところで転載されたりして、人気ありますね。電通Bチームのこの連載もWebで配信しています。
倉成:あとForbes JAPANの巻頭のほうで経営者インタビューをずっと連載されてて、それを束ねた『ビジネス大変身!』(を出版されましたよね)。
藤吉:あ~! それは僕の個人的な本なんですけれども。本を出したんですけど、あまり売れてなくてですね(笑)。ゆうこすさんに、どうやったらいいのかっていう波及の方法を教えてもらおうかと。
倉成:今日はそのヒントも探れますね。いや、めちゃくちゃおもしろいんですよ。
藤吉:ありがとうございます。
倉成:めちゃくちゃおもしろいんですけど、Amazonのレビューかなにかで言われていたのは、タイトルと表紙がもったいないっていう。
山田:あはは(笑)。具体的な指摘ですね。
藤吉:そうなんですよ。
倉成:中身は本当におもしろいです。漫画読むぐらいに、飛行機の中で全部読んじゃいましたもん。
藤吉:今日、タグの話も出てきますけど、やっぱり、やる気のないタイトルとかよくないなぁっていうのを反省してるんです(笑)。
倉成:じゃあ、そのへんもちょっと今日ヒントをもらうと。
藤吉:そうですね。
倉成:そういう感じで進めていきたいと思います。
山田:はい! ありがとうございます。
倉成:じゃあ、スライドを入れ替えてもらって。おじさん2人が見守りながら、時々、視聴者代表として質問をしますので。まずは山田が『下剋上タグ』をなんで思いついて、提唱したかったのか? というのや、そもそも山田茜って誰? という話などを自己紹介も含めて。
山田:すみません、今さら。
倉成:ぜひ。
山田:はい! 先ほどもご紹介がありましたが、こちらが2016年11月にForbes JAPANの雑誌とWebで掲載された『下剋上タグ』というものになります。これを提唱したというか、このかたちが今、世の中にあるなぁと思って、名前を付けようと思ったきっかけとしては、2年前の時点で私すでにすごくSNSにハマっていまして。SNSを開くと、ふだんの生活で会わないような肩書きの人、職業の人っていうのが、少しずつ増えているなという実感があったんですね。
例えばここにあるのは、weddingとtbt。ThrowBack Thursdayっていう略語なんですけど。それを掛け合わせて『#weddingtbt』という『木曜日にウェディングを振り返ろう』っていうハッシュタグを独自で日本人が作って。
そのハッシュタグを毎週木曜日に、自分の結婚式の写真を投稿するために使っている、みたいな人が生まれて。その人の投稿を見るのが、だんだん楽しみになってきて、ファンになっていく、みたいな仕掛けが当時もすでにあったんたですね。
知っている言葉と知らない言葉のかけ合わせで、自分の肩書き……タグですね。自分に商品のタグをペタっと付けているような感じで、肩書きを付けたり。あとは自分がやってる仕事が、よくある職業じゃないなぁ、なかなか新しい仕事だなと思った時に、趣味でもいいんですけど、それを知っている言葉や新しい言葉をかけ合わせて作る。
「私は〇〇をやっています!」って言うと、他のすでにある仕事で働いている人の中で(際立つ)。例えばお医者さんだと、お医者さんがたくさんいらっしゃる中では、なかなか伸びないけれども、「〇〇だけの専門のお医者さんです」と自分が名乗ることで、それを名乗っている人が1人しか日本にいないとなる。世界に他にいないってなると、(スライドを指して)一気にこの山の頂上に馬でたどりつけるという。
『下克上』。一気に山の頂に、1人で(たどりつく)。1人しかいない山だけれども、大きい山の麓のほうにいるよりも、小さい山でも頂上にいる人のほうが、世の中で目立っていくのかなぁと思って。
この現象に名前をつけたいと思ってできたのが『下克上タグ』という考え方です。
倉成:ちなみに『#weddingtbt』をご存知の方ってどのぐらいいらっしゃいますか? お? 1人……。ちょっと1分ぐらい補足すると、これって何なのかって。
山田:はい。tbtっていう略語が海外にあるんですけど、ThrowBack Thursdayの略で。ThrowBack Thursdayの頭文字を取って、tbtとしています。「木曜日に振り返ろう」っていう呼びかけなんですけど、『#tbt』っていうもの自体は、世界中で英語を使える人の中で『#lol』みたいな感じで使われています。『lol』は『(笑)』という意味なんですけど。
そういうハッシュタグが世界にあったんですけど、たぶん英語に強いどなたかが、ウェディングっていうのをアルファベットで付けたんですね。それで『#weddingtbt』という「ウェディングの写真を木曜日に振り返ろう」っていう意味のハッシュタグができて。
それを作ったのがおそらく日本人なので、流行ってた時には日本人しかアップしていなかったんですけど、毎週木曜日に『#weddingtbt』っておもしろいなと思った人が、あいのりでどんどん付けるようになっていって。
花嫁界隈では「木曜日になったから『#weddingtbt』で付けて投稿しよう」という話になったりとか、木曜日に『#weddingtbt』で検索して、「今日もたくさんウェディングの写真が上がっているから参考にしよう」とかいうふうにするようになった、という流れです。
倉成:じゃぁ、結婚したばっかりの人じゃなくて、昔の花嫁姿とかをアップしてもOKなんだ?
山田:そうですね、投稿する言いわけになります。つい最近(結婚)した人がアップするのもいいですけれども、「木曜日なのでウェディング投稿します」みたいなポジティブな言いわけとして使えて、みんなが「あっ、木曜日だから」というふうになるっていう新しい動きですね。
倉成:スマホを持ってる方は『#weddingtbt』で調べながら、話を聞いてもらってもいいかもしれないですね。
山田:たぶん、もう10万件くらいあるんじゃないかなぁ。すごく増えてます。
倉成:新しくないですか? スマホをいじりながらトークセッションをやってる登壇者たちって。
山田:ぜひぜひ。
倉成:じゃあ今、検索タイムで。どうぞ。
山田:今日の時点で、ちょうど10万件を突破したみたいで。10.1万件の投稿が集まっています。全部がローマ字のハッシュタグって、外国の方が付けていることが多いんですけど、このハッシュタグはほとんど英語のハッシュタグなのに、日本人の子がアップしていて。その中で人気投稿に上がったりすると、一気に有名な花嫁になったりしています。
倉成:はい、ありがとう。
山田:それで私が下克上タグだなぁと思って、その時見ていたものが、(スライドを指して)こちらになります。一例なんですけど、この『#上下ユニクロ部』。コーディネートをSNSにアップする流れってあるんですけど、『#ユニクロ』だけだと、すでにみんながアップしてたんですね。
だけど、「上も下もユニクロだよ」っていうコーディネートの時は『#上下ユニクロ部』と付ける。『#上下ユニクロ部』の場合は、すごいことに部長さんがはっきりしていて。「私が初めて『#上下ユニクロ部』というハッシュタグを付けました」っていうインスタグラマーさんがいて、その人はもうすでに超有名人になられています。
美容を専門にしている『美容家』もそうだし、『野菜ソムリエ』という資格も、今思えば下克上タグだと思うんですよね。ソムリエって知ってるけど、野菜ソムリエってなんだろう? でも意味はわかるし、「私も名乗りたい」っていう人がだんだん増えていって。野菜ソムリエに最初に目を付けた第一人者は、きっともう先生になっているんじゃないかな。
他にも、ゆうこすさんもそうですが『ユーチューバー』とかも、最初に名乗った人って、ユーチューバーの第一人者でしたし。大食いの『フードファイター』や『鬼嫁コンサルタント』なんて肩書きもあって、そこが気になったり。
『家電アドバイザー』なんていうのも、今や資格になっていますが、最初に「私、家電好きだな」と思ってアドバイスしてた人が、「私、家電製品アドバイザーだから!」と宣言した時には、きっと資格試験はなかったはずで。それを名乗って、広めていったおかげで、それが職業になっているというのがあります。
そこで、遅ればせながら自己紹介です。私は、電通Bチームで美容担当をしている山田茜と申しますが、B面でといいますか、『chocolat.akane』という、ちょっとスイーツっぽいアカウント名でInstagramをやっています。
自分自身が女子っぽい旅や女子会、あと女子のトレンドを研究するのがすごく好きで、訪れて行ってみて、どんなところが好きだったかを発信したり。それと女子っぽいものが好きという人は、他にもたくさんいると思うんですけど、(私は)かなり左脳で動くタイプの人間なので、「なんでこれが素敵なのか?」や「なんでこれがトレンドになっているのか?」というのを探ろうとして、Instagramで発信しています。
それをずっと続けていたところ、本当に普通の会社員だった私が、(Instagramの)フォロワーが1.7万人に増えました。それと今いらしてるForbes JAPANさんのWebのコラムを書くきっかけをいただいて、連載コラムを書いていて、それがまさに『経済を動かす女子の秘密』ということで、女子のトレンド(を発信しています)。
例えば最近だと、かき氷が流行ってるんですけど、なんでかき氷が今ブームなのか? とか。かき氷といえば夏だと、みんな思うんですけど、かき氷ファンの中では今「秋や冬こそ、かき氷の旬だ」という人が多いんですよ。
ゆうこす:私、かき氷オタクなんですよ。
山田:あ~、これ書いてよかった!
ゆうこす:かき氷は、冬が1番の旬なんですね。
倉成:冬が1番の旬?(笑)
山田:いや、本当にそうなんです!
藤吉:なんでですか?
ゆうこす:本当にそうなんです。まず、氷がおいしいっていうのもあるんですけど、あと、かき氷の上に乗ってる果物。
山田:シロップのところが。
ゆうこす:シロップが、そのへんのお祭りのものだと、たぶん目をつぶったら、どれがメロンかイチゴかわかりません! みたいなのがあるじゃないですか。
牛乳パックみたいなのに入ったシロップは旬とか関係ないけど、本当の美味しいかき氷屋さんって、ちゃんと果物からシロップを作ってると思うんです。その美味しい果物の旬が、春か冬なので。
山田:そちらに(webコラムの)担当編集の方がいらっしゃるんですけど、まさにシロップを春夏秋冬それぞれの旬を生かして使っているので。秋だったら、かぼちゃや栗があって、冬だったら焼き芋があって、イチゴがあって、季節を越えています! というページになっています。うれしい! まさにそうですね。それが365日ブームの理由で。
自分自身、そんなことを書くきっかけが得られたりして、「女子のことを研究したい……女子学研究家だ!」みたいなふうに名乗り始めてから、女子トレンドについての仕事を多くいただけるようになっているので、本当に『下克上タグ』を自分でも体現できているな、と思っていたんですが、まだまだぜんぜん、そんなの甘くて。
この2年間のあいだで、どんどんいろんな下克上タグが、生まれてくるのをチェックしてたんですけど。この2年間で、ぶっちぎりで日本一だなって思ったのが、ゆうこすさんなんですね。
みなさんご存知だと思うんですけど、ゆうこすさんは「モテるために生きている」という言葉を掲げて、『モテクリエイター』として、自分の肩書きを作られて、今やSNSフォロワー数が合計100万人超えっていう。
もうモンスターだと思うんですけど、その『モテクリエイター』もまさに先ほどの私の中では、勝手に下克上タグの1つだなぁと思っていて。『モテ』も『クリエイター』もみんな知っているけど、『モテクリエイター』を名乗った人はいないから。
そんなゆうこすさんがモテクリエイターというタグを付けたことも相まって、SNSでどんどんファンを作って、こんなふうに活動されているのは、本当に1人の女性として素敵だなぁと思っているので。それで今日(出てもらうために)猛アタックしました。
ゆうこす:ありがとうございます(笑)。
山田:すみません、長いパスになりましたが。
ゆうこす:いえいえ(笑)。
山田:よろしくお願いします。
ゆうこす:はい、ありがとうございます。モテクリエイターの菅本裕子です。最初に、ゆうこすのことをいつ知ってくださったかをまず聞きたくて。それによってちょっと自己紹介を変えたいな、と思ったんですけど。
今年知ったよっていう人どのぐらいいらっしゃいますか? 2018年に入って知りましたという方。おー! 多い。じゃあ、去年知りましたっていう方。あっ、まぁでも3分の1ぐらいですかね。じゃあ、それ以前に知ってたよっていう人いますか?
山田:いらっしゃいますね。
ゆうこす:じゃあ、アイドル時代のゆうこすを知っていたっていう人いますか? あ、いたっ! ありがとうございます。アイドル時代から知っててファンでしたか? マジで? うそやろう? ありがとございます(笑)。
やっぱり、案の定、昔のアイドル時代から知ってる人が少なかったので、そこから。でも話し出したらちょっと長いので、ばーっと簡潔に1分間にまとめて話しますね。17歳の時に『HKT48』に入るんですが、どうしても恋愛がしたくて、1年で辞めちゃうんですよね。
高校生だったので、昼は高校、夜はアイドルという感じだったんです。そしたらクラスメイトがみんな手をつないで帰ったりしてるわけですよ。いいなぁ~と思って。まぁ、(辞めたのを)学校のせいにして、アイドルの仲間には申しわけないですけど。
そのクラスメイトとかを見ていいなぁ~と思って、恋愛をしたくて(HKT48を)辞めるんですが。辞めた後に、雑誌やテレビ、新聞などで、あることないことというか、ないことないことみたいな感じで、すごく書かれてしまいまして。
その後、(自分の情報が)テレビで流れてたので「なんで?」と思って、電話して聞いてみたんですよ。「どこの情報なんですか?」って聞いたら、「Yahoo!知恵袋で見ました」と言われて、まさか! と思って……。一応、そこでテレビの中でも謝罪はあったんですが、そちらは拡散されずで。
とにかく、ネット上では叩かれまくり、当時、アイドルを辞めて4万人ぐらいフォロワーがいたんですが……。4万人もいたし、ドームとかでも歌っていたし、私は人気者だ! と思っていたのにもかかわらず、仕事はゼロで……。
もちろん炎上してたから、それはそうだろうという感じなんですけど。アイドルを辞めた後にも、ちょっとタレント活動をしてたんですけど、その時に仕事がゼロだったし。イベントを開催しても3人しか来ないっていう(笑)。ちょっとしたガールズバーみたいな感じになっちゃって(笑)。
山田:手作りスムージーを作ったイベントですか?
ゆうこす:あー、そうなんです! 手作りスムージーも作るよ! とか。あと、みんなでゲームをしよう! とか、いろいろと考えていて。その時、私がイベントの開催の仕方がわからなかったので、とりあえず来て!(というスタイルで)、現金払いで、予約とかなしで。とりあえず100人規模の会場を借りたんですよ(笑)。
(会場笑)
倉成:いろいろ思い出して盛り上がってきましたね。
ゆうこす:ここから先はみなさん、考えただけで冷や汗かくんじゃないかって感じなんですけど。今日の会場と同じくらい広さのところで、(前屈みで)最前列のお三方と話すっていう。めちゃくちゃ冷や汗かくようなイベントをやって、「あー、これはだめだなぁ」と思って。それで、ここでいう『下克上タグ』を考えて、SNSを使って発信を始めたのが、2016年の頭です。
2年前の頭に『モテクリエイター』を名乗って、Instagramで発信をしてこう! ということで始めると、少しずつ少しずつフォロワーが増えて。2016年1月にInstagramを始めて、その5ヶ月後の5月に自分の誕生日イベントを開催すると、170枚のチケットが即完売だったんですね。
あれ? ちょっと前のイベントが3人だったのにおかしいぞ? と思って。何かのいたずらかもしれない。アンチが買い占めて……。
山田:サイバーテロ!
ゆうこす:サイバーテロみたいなのを起こされた? と思ってヒヤヒヤしたんですけど(笑)。いざイベント会場で蓋を開けてみると、今だいたいファンの98%くらいが女性なんですけど、(その時に)半分が女性だったんですね。
どこで知ってくれたの? アイドル時代のファンなの? って聞くと「いや違う、そうではないよ」ということで。Instagramで知ってきてくれたファンが半分いたので。そこでちょっと可能性を感じましたし、私自身というか、ほとんどの芸能を目指していた女の子にとって、これはすごい夢になるんじゃないかなと思ったんですね。
やっぱり大手事務所に入らないと仕事が取れないとか、ファンはつかないとか、そういうふうに思われていたというか。まぁ、そうだったし。芸能事務所って、全部が悪いってわけじゃないんですけど、ここがいい、ここがダメというのが、ネットにも載ってないじゃないですか。今これだけググったら情報が出てくる世界なのに、そこ(芸能界)だけ出てこないから、やっぱりそこで騙されちゃう女の子とかがいて。
そういう女の子たちのロールモデルというか、SNSを使ってファンを作って、そこから下克上タグじゃないけど、自分でキャッチコピーを作って付けて「夢は叶えられるんじゃないか」ってことを提唱したいなと思って。
それで『株式会社KOS』という、ゆうこすの“こす”から取った、めちゃくちゃ自意識が満載な会社を立ち上げまして。そこからYouTubeであったり、いろんなところで発信をして、今フォロワー数が全部で100万人にいきましたという感じです。
山田:もう、完全に下克上だなと。
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