2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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芦名勇舗氏(以下、芦名):達成したことがまぐれだと思ってるという?
質問者8:そう思うことが多いです。誰かからの助けがあったり、(まぐれだと)思うことが多いです。
芦名:なるほど。それはたぶんなんで達成できたかが言語化ができていないだけだと思います。人に助けてもらって達成ができた時も、彼がなぜ助けてくれたのかということを言語化しておけば、来週これをやれば誰か助けてくれるじゃないですか。だから必ず自分がうまくいったときに、なぜそれがうまくいったのかということをちゃんとノートしておかなくちゃダメです。
もちろんうまくいったときの言語化もすごく大事なんですけど、なぜうまくいかなかったのかという言語化もすごく大事です。そうすると、さっきの話じゃないですけど、課題が明確に見えてくるので。なぜうまくいかなかったのかを言語化できないと、一生同じ失敗をし続けるんですよ。
なので「なぜうまくいかなかったのか」という言語化と「なぜうまくいったのか」というのを言語化することができれば、自分がその結果をコントロールするということはある程度できると思います。
そのなかでボーナスというのがたまーにあるんですよ。思わぬ契約みたいな。3ヶ月に1回なのか、半年、1年に1回なのか、自分が予期せぬボーナスというのがバーンと入ってくるので、それはまったくノーカウント。自分の戦略外のそれは偶然の運なので、それは運として「よかった。ありがとうございます」でいいわけなので。
自分がコントロールできるところは、成功と失敗の言語化をして、自分で結果をコントロールするというのがすごく大事だと思います。
福山敦士氏(以下、福山):今の話はすごく共感します。僕も達成するたびに怖くなります。これは幼少期からずっとそうです。小、中、高、大と野球をずっと続けてきて。実は少年野球時代に芦名君と戦ったことがあったんですけれども。
小学校、全国大会ベスト4。中学校、全国大会春夏連覇。知る人ぞ知る「ジャイアンツカップ」という中学の野球大会で優勝したこともあって。甲子園も出て、大学の全日本大会もベスト8。
一番怖かったのは、中学校の時の全国大会で優勝した時ですね。これで優勝して日本一になったのに、高校に行って結果出なかったら超ダサいというので、めちゃめちゃ怖くなったんですね。がんばりました。結果、甲子園優勝できなかったけど、甲子園出れました。
そのあとも怖くなりました。もしこれで野球を続けていったなかで、また全国大会出れなかったら、「まぐれだったんだね」とか「福山君がすごいんじゃなくて周りがすごかったんだね」と。僕、今でも思ってますけど「そう思われちゃうな」という変なプライドを守るためにがんばって全国大会出ました。
その全国大会出たあとに「やばいな」と。これで社会出て活躍できなかったらただの野球バカだと思って。本気で思ってて。野球の経験をどうやって社会に活かそうか、ということを必死で考えていました。
で、新人賞とりました。「やばい。1年目で新人賞とって、2年目活躍できなかったら、『やっぱりね』って思われちゃう」というのが怖くて、2年目もがんばりました。
という歴史をずっと辿って。今もそうです。「こんな成果を出します」とか一応たまに言いますけど、それを超えなかったら怖いという気持ちでずっとがんばっていて。なので、今の話は超共感します。そういう生き方が僕は大好きです。そのへんはドMなので(笑)。
(会場笑)
というのが、1つの感想。もう1つは、芦名君の話とまったく一緒で、失敗した原因ですよね。「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と野村監督が言ってたんですけど、要はそういうことですね。成功とかって運とかタイミングの要素が大きくて、言ってしまえばまぐれなんですね。
営業でいうと、やっぱり発注を決めるのは相手だし、タイミングによっても違うし、たまたま違う会社に決めちゃいましたということもあるし、自分でコントロールできないんですよね。成功って。ヒットもそうですね。そこに野手がいないからたまたまヒットなだけなので、その相手が弱かったからたまたま勝っただけなので。
でも、負けとか失敗というのは突き詰めるとやっぱり根本原因があるから、そっち側を積み重ねていくと成功確率があとから上がってくると思っています。イチロー選手もそういうこと言ってるなと思っています。
そっち側のうまくいかなかったことをグッと堪えて1つ言葉にしてみる。そこで「気合いが足りなかった」と言っちゃうと反省が深堀れないので、「気合いってなんだっけ?」みたいな。「準備か」とか。「事前準備だな」といったら事前準備をするスケジュールを入れればいいだけなので。そんな感じかなと思っています。
質問者8:ありがとうございます。
司会者:ありがとうございます。隣の女性の方、大丈夫ですか?
質問者9:今日はありがとうございます。お2人に質問なんですけれども。お2人ともすごく力強いパワーがすごくすてきだなって印象を受けておりまして。
性的なエネルギーを、仕事の原動力というか、人生をよくしていくことに転換していくのがすごくお上手なのかなと思っておりまして、なにかそのことに関して意識してることとか、実際にやっていることがあったらおうかがいできればと思います。
芦名:性的なエネルギー? セックスのことですか?
質問者9:そういうことも含めてですね。はい。そうです。
芦名:プルデンシャルの時はそうでしたね。プルデンシャルの時はいかに遊んで……要は僕の考え方というのは、みなさんもそうだとは思ってるんですけど、感情というのは種類じゃなくて、ポジティブかネガティブかという2つしかないんですよ。
いろんな感情があるじゃないですか。仕事をがんばりたい感情。女性と遊びたいという感情。悔しいという感情。いろんな感情は実は僕のなかでは2つしかなくて、ポジティブに大きいかネガティブに大きいかというこの振れ幅でしかないという。ポジティブに大きい状態をキープし続ければ、それはなんのジャンルでも持ち越せる、繰り越せる。というのが僕なりの心理学なんですね。
なので、女性と遊んでめちゃくちゃテンションが上がったら、そのエネルギーで仕事ができる。女性だったら、男性と食事に行って、夜景がすてきだったら男の人もイケメンに見えるみたいな。感情って、そういうものなんですよ。なので、性的な、セックスがどうとか、女の子と遊びことがどうかということよりも、自分の感情を高め続けることだけを意識しています。
なので、具体的に僕がなにをやってるかというと、自分がネガティブになるようなことは一切しないし、ネガティブになるんだったら、そこにお金を使います。なので僕がお金を使う目的というのはもう全部そこです。自分がネガティブにならないためにお金を使います。ポジティブになることだけをやり続けるという感じですかね。
福山:僕は見た目が実は中学生時代からあんまり変わっていなくて、ずっと昔から老けて見られていたので、もう中学校の時点で僕モテないので男女関係の話で悩むのはやめようと早々に決めました。
見た目のイケメンと戦うことをやめました。「もうだから仕方ない。男子校に行こう」という選択肢のなか、たまたま慶應義塾高校が男子校だったというぐらい、女性が苦手で。どこかモテたい気持ちはあるんだけど、モテない自分のギャップが苦しかったです。
でも、野球でも、かっこいい……結果が出るプレーって、見た目がかっこよくなかったりするんですよね。これ仕事も一緒なんですけれど。ピッチャーでいうと、150キロの球を投げるほうがかっこいいんですけど、実際に打たれない球って沈む球なんですね。もう見た目「なんだあの球?」みたいな感じで。でも、それが一番打たれづらいし。
ビジネスも、かっこよくプレゼンするよりかは、いろんな根回しをしたりとか、ヘコヘコしたりとかというのも手段として必要ですし、成功確率が高かったりします。成果が出る動作とかっこよさはイコールにならないということですかね。モテるというかっこよさと結果出すというのが僕はどうしても一致できなかったタイプなので。人によっては「モテたい」という気持ちで成果を出す人もいます。
福山:要はなにが言いたいかというと、自分が一番結果が出る気持ちの状態を知っておくということだと思います。何を意識すると、成果が出るか。それがモテたいという気持ちを全面に出してで結果が出るんだったら、もうそれでいいと思います。僕はそこがどうしても一致できなかったタイプなので、切り離しましょうといって切り離してやっております。
司会者:ありがとうございました。ちょうど今、営業職に関するご質問をいくつかしていただいたので、事前にいただいたご質問のなかから、営業職に関するご質問をご紹介させていただきます。
簡単にいうと、「今じゃなくてこれからの時代に営業職として求められる力というのはどんな力でしょうか? (営業職を)ビジネスマンと定義しても大丈夫です」という質問なんですけれども、いかがでしょうか?
芦名:営業マンに求められる力は、唯一、「潜在化してるものを顕在化する力」だと思います。今はネット広告とかすごく流行っていますけど。集客する方法って2つしかないんですね。1つは営業、もう1つは広告です。これしかないです。
広告の特徴は、なにが一番すばらしいかというと、基本的にはもう顕在化しているものを刈り取るのが広告です。例えば「痩せたい」とか。「うわー、痩せたい痩せたい!」と検索する人を一気に刈り取る。これ広告です。
でも、営業というのは潜在化、つまりまったくそうは思っていない人を「え、それめっちゃいいじゃん」と思わせるのが営業です。例えば、保険はすごくいい例だと思うんですけど、保険を売ってた時、「うわ、めちゃくちゃ保険入りたいんですよね」と歩いてる人、僕見たことないです。でもそれは「いや、保険まじで入らないですよ」という人を、「ぜんぜん僕の話聞いてからでいいです」と言って、みんな保険に入ってくれるんですよ。
これが営業力になります。まったくほしくないものをめっちゃほしくさせて、もう何百万、何千万払いたいところまで持ってくるというのが営業の力だと思います。
そうすると、営業には僕はすごく可能性があると思うんですけど、なにがいいかというと、needが顕在化してる人とneedが顕在化していない人ってどっちが多いかといったら、needが沈んでいる人のほうが多いんですよ。
そうですよね。このなかに「車いますぐ買いたい」と人と「車いますぐ買いたいわけじゃないという人」、アンケート取ったら、「いますぐ車を買いたいわけじゃない」という人のほうが多いじゃないですか。これが営業のターゲットです。広告のターゲットは「いますぐ車が買いたい」という人です。
だから営業を学んでおくと、ここの潜在needを掘り起こせるので、周りの人から「え、お前、そのビジネス本当に大丈夫か?」と言われても、普通の人にはこの顕在化している人しか見えていないので。でも僕には潜在化しているところが見えているので、営業力があればここをしっかりとビジネスにすることができる。という観点で営業はすごく大事だと思います。
司会者:福山さん、いかがですか?
福山:確か2013年だから5年前か、僕が芦名君に営業をされた時にこの話をされて、すごく道がひらけたんですね。当時、インターネットのすごくニッチなサービス、スマートフォンのアプリを簡単につくれますとか、プッシュ通知を簡単に打てますみたいなツールを売ってたんですけど。
それだと、それこそプルデンシャルだとお客さんにならないけど、芦名君のその話を聞いて、「そっか、needを掘り起こすんだ」と思って。そしたらもうどんな人でもお客さんにできるまで俺がやってやろうという、もうなんなら「アプリつくりませんか?」みたいなことを言ってあげたほうがいいなというのを、そこから気づきを得たなというのを、今話を聞いて思い出しました。
その話の流れで、これからの、営業職、ビジネスマン全般的に言えるんですけれども、企画力ですよね。企画営業力というか。営業で話していると、売るだけじゃなくて、「売る・聞く・つくる」と僕は表現してるんですけれども。
売りに行って、お客さんと話して、そこでお客さんからもらった質問とかもらった意見、「もっとこういうことがあったらいいんだけどな」とか「もっと値段が安かったらいいかもしれない」というのを含めて聞く。それを社内に持って帰って、「こんな商品できないかな?」と話し合って、もう1回つくって売りに行く。
この「売る・聞く・つくる」という力が、平たくいうと、企画力というか、企画営業力かなと思っています。
なんでそういう話をするかというと、だんだん会社の垣根がなくなってきてると思うんですね。「オープンイノベーション」という言葉が今流行ってるんですけれども、〇〇銀行とか、〇〇ベンチャーのままじゃなくて、どんどん会社の垣根がなくなっていって、もうどんどんクロスワークの時代になっていって。
会社の垣根もなくなるし、人も所属が1社2社3社ってどんどん増えていく時代になっていくので。すると、どうかけ算ができるかというのが大事になってくるんですね。だから「なんとかしてこの商品を売るんだ!」みたいのはどんどん時代遅れになってきていて、「こんな商品をつくる力があるんですけど、なにか一緒にできませんか?」という人が求められてきていて、実際活躍してる人もそういう人なんですね。
「これ売り切った」という人は、それをやってるかもしれないけど、どこかでお客さんのニーズと合致させてる。「じゃあこういう仕組みで社員全員にこれを使ってもらいましょう」とか、「じゃあそのためにプロダクトつくり直します」とか、「サービス改善します」というふうにして、売る力と聞く力とつくる力というのが融合した企画営業みたいなことが、これからの時代に求められている気がしております。
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