2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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田島麻衣子氏(以下、田島):次は、考え方からコツに移っていきたいと思います。1つ目のコツです。「英語が出てこない時の対処法」。これは、みなさん気になりませんか? 「あの単語が出てこない、どうしよう」と思って詰まってしまうということもあるのではないかと思うのですが。
私は、いろんなパーティーに出ていたときに、日本人のビジネスマンが、エレベーターピッチというか、プレゼンテーション、自分のビジネストークを始めた場面に遭遇して、横でニコニコしながら聞いていました。この彼が、とても知的な方なのですが、「すみません田島さん、広告代理店とはなんて言うんでしたっけ?」とこちらに向かってささやかれたんですね。
そのときに、それまで興味を示していた聞き手のアメリカ人が「何を日本語でこそこそ話しているのだろう」と困惑した表情になって、それまでスムースに流れていたビジネストークがプッツリ切れてしまったんです。もったいないなと思ったのですが。広告代理店はなんて訳すのだろうと思っちゃいますよね。「Advertising Agency」といって、別にそんな難しい単語でもないのですが。
彼の頭の中は、きっとこんな感じだったと思うんです。それはずばり、受験時代に使った単語帳です。広告代理店、次はなんだというのが出てこない、どうしよう、どうしようとフリーズしてしまって、横の私に「なんて言うのですか?」と聞かれたのだと思いますが、それだと詰まるのです。ですから、違った考え方をしましょうということをみなさんに今日はご提案したいと思います。
前提として、語彙力をつけることはとても大事です。語彙が一定レベルに達しないと、言葉はやっぱり出てこないのですが、もしわからなかった場合、「どうしよう」とフリーズする前に、知っている言葉と知っている言葉を無理やりつなげましょう。大丈夫です。めげない。ここで「わかんない」と思ってもめげずに、何か自分の知っている言葉と自分の知ってる言葉をつなげて、説明できないだろうかと考える。
TOEICやTOEFLの試験を受けるときのことを想像してみてください。試験場では回答を書くだけで、あとはそれがコンピューターにインプットされて、点数となって出てくる。でも、現実を生きる私たちには手がある、体もある。それで表現もできる。これを使わないのはもったいないです。わからなくなったら、身振りも手振りも使ってしまいましょう。自分の持っているものを全部総動員して、あきらめずに表現するのです。
例えば、この本にも載せていますが、えくぼ、「dimple」という単語があるのですが、これがパッと出てこなかったときがあったとします。「どうしよう」と思っても、フリーズしない。横の人に「なんて言うの?」とも聞かない。それをどうにか知っている単語を合わせて表現するのです。わからなかったら、自分で手振りや身振りも使って表現しようとがんばる。
例えばdimpleであれば、spot、かわいい、cute。「笑ったときに出てくるspot」と言えば、それでわかるのです。ですから、わからなければ、あきらめずに知っている単語を総動員して、さらに手足も使う。顔の表情も使う。にっこりして頬を指せば、誰もがこちらの言おうとしてくれることをわかってくれるはずです。試験で点を取るより、もっともっと重要です。
本当に現場で現地の人たちと交流をしていく中で、自分の持てるものをすべて総動員して、あきらめないこと。カッコ悪くても大丈夫です。それよりも、伝えられて、コミュニケーションできたほうがよっぽどかっこいいと私自身は思っています。これが1つ目のコツです。
次の大きなテーマです。英語力を上手にカバーして仕事を進めるコツ。6つもありますね。これは私ができないできないと思いながら編み出したものでもあるのですが。
1つ目は、社会人の方が多いですよね、きっとね。英語で会議、もちろんアルクさんの英語の会議の本にも、5時間前というのがありますよね? それを読んで勉強することは重要です。そして実践の場に出たら、例えば自分でボランティアとして議事録係になってしまうこと。会議で話されたポイントを書き出して、みなさんに送ってみるんですね。
すると何が起こるかというと、自分がこの中で情報のハブになるんですね、知らないうちに。それで、読んだ他の人たちが、「あれはこうじゃなかった?」「あぁ、すごくいいね、ありがとう」といったかたちで、英語ができないながらも、ノートをとって自発的に送ることで、情報のハブ、センターになっていくということが本当にあります。
例えば、年始の新年会でも幹事役というのは引き受けるとめんどくさいということはありますが、幹事を何度も何度も続けることによって、人脈のハブになっていきますね、幹事をやっている方が。同じようなイメージですね。ノートを自発的に送ることによって、その人が情報のハブになってくるということをすごく何度も何度も見ているので、これも1つのコツです。
2つ目にはどんなことがあるでしょうか。「緊張しているときほど『できる』と自己暗示」ですね。これは私もさっき、「田島さん、いらっしゃい」と言われたときに、「できる、できる」と暗示をかけていましたよ。私、できていますでしょうか?
(会場笑)
この自己暗示はかなり使えます。できないと思っている人はできません、本当に。「できる」と思ってがんばる人に、やっぱり幸福の女神は微笑むのではないかと思っています。できる、うん。自分にまず暗示をかけていきましょう。もちろん前提として、努力もたくさんします。
3つ目。さっきもわからないときは全身を使って表現するのだと言いましたが、会議、仕事の場でも同じです。本当にわからないと思ったら、与えられたものをすべて使って表現すればいいと思います。それで補えばいいと思います。日本人だとやはり、あまり身振り手振りを使うことは慣れていないのですが、ぜひ外で腕や腰を大きく回して深呼吸するなどの軽い運動をしてからみなさん会議などに行ってみてはどうでしょうか。やったもの勝ちだと思いますね、こういうことは。
4番目です。「ゆっくり、クリアに話そう」ですね。これ、日本人で英語を話している方を見ると、けっこう緊張でババババーッと速くなっちゃうのですね。外国語ならば、よりゆっくり話すべきだと私は思います。できないことは別に恥ずかしいことではないので、それよりも、単語をゆっくりゆっくり発音して、クリアに話したほうが必ず伝わる率は高くなるはずです。本当にすごく思います。舌が回ってしまったりすると、やっぱり聞いているほうもわからないものなんですよね。
さて、5つ目です。「勇気を出して最初に発言」。これはすごく勇気がいるのですが、でもかなり使える手です。どうして最初に発言するかというと、まず他の人の言っていることを理解しなくていいから楽なんですね。
(会場笑)
言ったもの勝ちなんです。2番目に発言する人は、最初の発言を理解してそのうえで「自分はこう思う」と言わなければならないでしょう。ですからみんながシーンとなったときに、最初に「はい」と発言するのは、すごく勇気がいるのですが、得なんです。
みなさんも会議、とくに長い会議だと、誰が何を言ったかをすべて覚えていないですよね。印象を残せない。でも、みんながシーンとなったときに勇気を出して手を挙げて発言した人間というのは、必ずその会議の主催者の印象に残るはずです。ですからぜひ、もし会議、仕事を英語でやらなきゃいけない、どうしようといったときには、とにかく最初に発言する。
事前に用意をしていてもいいですよね。トピックはもうわかっているはずですから、「自分はこう言う」と書いて覚えて、ということでもぜんぜん問題ありません。最後まで待ってしまって「言えなかったわ」というよりも、最初に「はい」と言ったほうが絶対に有利だと思います。
最後の6つ目ですね。どんなことを私はやってきたか。「準備、準備、準備、そして準備」です。本当に準備なんです。英語で仕事をする分野によって使う単語というのは、まったく変わってきます。ここにいらっしゃるみなさんは、本当にその分野分野のエキスパートだと思いますが、その分野で頻繁に使われる単語というのは、やっぱり限られているもので、それは一生懸命勉強することで覚えていけるものなのです。
ですから、もし英語を使って仕事をしなければいけないときには、まず準備。どんなトピックが話されるのかを見て、それに関する単語を一生懸命努力して勉強するということはやっぱり重要だと思います。
自己暗示ができる。やっぱり幸福の女神が微笑むのは、努力をする人間なんだろうと思っています。努力の上に運をつかむというイメージですよね。
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