2024.10.10
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第37回:Kaoriさんインタビュー(バイリンガル・コメディアン)<ラジオ「西澤ロイの頑張らない英語」> – YouTube(全1記事)
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Kaori:……はい、ということで(笑)。
西澤ロイ氏(以下、ロイ):(笑)。アジアといえば、オーディション番組『Asia’s Got Talent』。あれにも出場されたんですよね。
Kaori:はい。出演しました。
上村潤氏(以下、上村):おぉ、あのオーディション番組。
ロイ:そうそう。『Britain's Got Talent』だとスーザン・ボイルとかがデビューしたりしている、あのオーディション番組。
上村:あれの、アジア版の?
Kaori:アジア版。もう、すごい規模でやりまして。アジア何十ヶ国……ほんと、日本以外のほぼすべて網羅してるんじゃないか、というくらいですね。
ロイ:日本以外なんですね。
Kaori:そう、日本はやっぱり流れないんですよね。それで、日本から5組選ばれて、そのうちの1人として出演させていただいたんですけれども。いや、すごい経験でした……。
ロイ:なにがあったんですか?
Kaori:まず、やっぱり日本の常識は通用しないと思っていて。バックステージ側の問題ですね。それは別に悪いことでもなんでもないんですけれども、私が話を聞いていて、いざ国に……。マレーシアで撮ったんですけど、マレーシアに渡ってみると……「あっ、こういうことだったんだ」って。日本のテレビとかオーディションとかっていうイメージとは、けっこうかけ離れた進行の仕方をしてたりもするので。
上村:へぇー。
Kaori:海外でやっていくってことは、やっぱり念には念を入れて。自分の「こうだ」っていう固定観念の外で、「なにが起こってもいい」くらいに準備しなきゃいけないな、っていうのもありましたし。撮影自体も、「えぇー!?」っていう規模でした、本当に。
ロイ:「本番じゃないと思ったら本番だった」みたいな話は。
(一同笑)
Kaori:もう、ビックリですよね! これは「一生、泣き笑い話になるぞ」と思うんですけど(笑)。
「オーディション番組のオーディション」ということでお話が来て、てっきり日本の感覚で言う「ネタ見せ」みたいな感じかなと思ってたら……本番で……(笑)。
上村:(笑)。
ロイ:そしたらもう、ちゃんと観客とかいっぱいいて、ジャッジがいて。
Kaori:いて(笑)。そりゃあもう、ビックリしますよね。
ロイ:確かに、心の準備ができてないと。
Kaori:でも、いつ来てもいいようにはしておかなきゃいけないんですけれども。やっぱりスタジオの大きさとか、ケタが違いました。今まで経験してきたものとは。「もっとがんばらなきゃいけないな」という、いい指標になりました。
ロイ:本当に「Kaoriさんってチャレンジャーだな」と思って、僕は拝見しています。
Kaori:ありがとうございます(笑)。
ロイ:初の日本人女性スタンダップコメディアン、というのもあるし、あとはもうちょっとプロフィールと言うか、英語の経歴のお話も聞きたいんですけど……留学先が黒人大学。
Kaori:(笑)。
上村:黒人大学?
ロイ:あんまり意味がわからなくてですね(笑)。
Kaori:(笑)。意味わかんないですよね。「これ、言っていいの?」みたいなことを言われることもありますけど、日本では「黒人大学」って呼ばれてて。アメリカでは“Black College”とか、“Historically black colleges and universities”っていう正式名称で、“HBCU”って呼ばれるんですけれども。
アメリカの南部ですね。ワシントンD.C. 以南に、黒人の人たちが……かつて奴隷制がありましたよね。その黒人の人たちの地位向上を目指す目的で設立された大学が、いくつかあるんですよ。そこにはやっぱり独自のカルチャーが根付いていて。そういうのを体験したいな、と思って。
ロイ:でも、ふつう通うのは黒人なんじゃないですか? そんなこともない?
上村:限らない?
Kaori:95パーセントはアフリカン・アメリカンです。けれど私がいた大学はけっこう規模も大きくて、スポーツが強かったので。例えばバレーボールの強い、ロシア系の国の人がいたりとか。
ロイ:じゃあ留学生が残り5パーセント、みたいな感じ。
Kaori:そうですね。
ロイ:なるほど。そうなんですね……僕も留学先がジョージア州南部だったので。
Kaori:行きましたよ、ジョージアも。
ロイ:南部なまりにすごい苦労して。やっぱり黒人なまりとかも、大変じゃなかったですか?
Kaori:そう、本当に。今までのルールが通用しないですよね。例えば“It ain’t nothing. ”って言われたときに、「どっちなんだ」と!
(一同笑)
「“ain’t”ってまず何なんだ!?」とか。
ロイ:そうそう、否定して否定して、二重否定ってことは肯定に? なるの? みたいな。
(一同笑)
Kaori:そうそう!(笑)。日本人だとそう考えるじゃないですか。そういうのもありましたし……ただやっぱりそれに馴染んできちゃうと、今度は「きれい」と言われる英語、標準的な英語が聞き取れなくなってきたりとか。
上村:あぁー。
ロイ:ありますよね。でもそれが芸の肥やしになる、っていうのがおもしろいと思うんですよ。
Kaori:あっ、ありがとうございます。
ロイ:黒人のマネとかがしやすいわけですよね。
Kaori:まぁまぁ、そうですけど(笑)。
上村:「なまりあるある」みたいなのが出てくるんですね。
ロイ:そうそう。
Kaori:いやぁ、でもやっぱりなかなか、口の形とかも違うので。がんばってマネしてるな、という感じにはなっちゃいますけどね。
ロイ:でも本当にチャレンジャーで、YouTubeにも動画とか載ってるんですけど……「ニューヨークの地下鉄でゲリラライブ」。
Kaori:(笑)。
上村:やってましたね……!
Kaori:あれは本当に、何回「帰ろう」と思ったことか。
上村:(笑)。
ロイ:でも、ふつうの受験英語をやった日本人としては、まず「外国人に話しかけるだけで恥ずかしい」とかって言う人も多いじゃないですか。
上村:ハードルが高い感じはしますね。
ロイ:いや、ハードルめちゃめちゃ上がりまくりじゃないですか?
Kaori:(笑)。まぁそうですけれども……ただ、実際にニューヨークに行ってみると、もうみんな好き勝手に言いたいこと言ってるわけですよ。例えば地下鉄の中でも、急に「オレ今金ないから、みんな金くれ」とかって。
上村:おぉ(笑)。
ロイ:えー! いるんだ?
Kaori:そう(笑)。ジャラジャラ~って缶を持ってね、「誰か金を入れてくれ」とかっていう。そういう人もいれば、いきなり陽気に「ドゥワッドゥワッ」とか歌って、チップもらっていく人とか(笑)。
上村:おぉー(笑)。
ロイ:あぁー、いるんだ……。
Kaori:それを見てたら、勝手に自分の中でハードルを高くしてるだけであって……地下鉄で喋るとか、人前で喋ることに対して。このニューヨークにいる人たちにとっては、「見知らぬ人たちにものを好き勝手言う」っていうのは、とってもハードルの低いことなんだろうな、と思って。
ロイ:あぁ、なるほど。
Kaori:そう。だったらそこで勝負しちゃえ、みたいな。
ロイ:それで、勝負しちゃった、と(笑)。すごいですよね。
Kaori:いやでも、さすがにあれは帰りたくなりましたよ(笑)。本当に帰りたくなりました。
ロイ:でもそんなこと言って、今後もそういうことやっちゃうんじゃないですか?
Kaori:あぁ、もうぜんぜん。もうニューヨークの地下鉄は問題なくやれますね。
上村:もう、1歩踏み出してしまえば。あとは!(笑)。
ロイ:え、もう外にも出ちゃったりとか?
Kaori:あっ、出ます出ます。この間もニューヨークで初めて単独ライブをやらせていただいたんですけれども、その告知もセントラルパークとか、タイムズスクエアとか。
上村:おぉー。
ロイ:(笑)。
Kaori:いろんな公園みたいなところに行って、ビラを配る……という荒業に出まして。
ロイ:(笑)。
Kaori:これもやっぱり緊張しました。本当に「帰ろう」と思いましたけど(笑)。まぁでも、なんとか。やってみると楽しいもんです。
上村:「帰ろう」と思って、それをでも、バネにしてと言うか。やっぱそういうのは素でやってるわけじゃなくて、がんばってるんですね(笑)。
上村:自分を奮い立たせて、1歩踏み出すわけですよ!
ロイ:そうそう。
Kaori:いや、ふつうの人ですから! ぜんぜんふつうの人ですよ!
(一同笑)
気の小さい、真面目な子ですよ? そんな、「なんでもやっちゃえ!」みたいな感じでは、なかなかできませんね。ビール飲んで、勢いつけてやる、って感じです(笑)。
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