2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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司会者:続いての質問は社会人の方ですね。日々の業務の話ですが、「日々忙しいなか、たくさんのタスクを処理するなかで、どのようなことを意識して時間を使っているのでしょうか。お聞きしたいです」ということで、わりと実務に即した話なので、実践的なコメントをぜひいただきたいなと思います。
福山敦士氏(以下、福山):そうですね。2つありまして、1つが大前提として、やりきる。その日のうちにやりきる。それが1個ですね。もう1個は、やらないことを決める。この2つかなと思っています。
まず、1個目のやりきるというのは、けっこう見過ごしがちなんですけども、社会人になると、タスクを並べて全部終わんないまま、どんどん次に次にというケースがけっこう増えると思うんですけども、忙しい人ほどたくさんのタスクを一気に処理しているなというのを感じていて。例えば、マイアミさんとか今日何時まで起きてました?
マイアミ・ケータ氏(以下、マイアミ):5時くらいですね。
福山:5時くらいまで、編集の仕事を普通にやってこられているんです。やりきってからちゃんと、今日こんなセミナー(11時開始)があるのに5時まで起きて編集しきってくるという感じ、これがすべてかなと思っています。あまり僕の話をしてもマイアミさんにはかなわないんですけど、基本的にやりきってます。やりきってから次の日を迎える。
もう1つは、やらないことを決めなきゃいけないですね。1日は24時間、睡眠時間とかも差し引くと24時間全部使えないので、やらないことを決めるというか。やらないことを決めるというのは、けっこう社会人だと難しかったりすると思うんです。
うまく人にお願いしたりとか、上長に確認するというか、上長にそもそも優先順位を決めてもらうとか、「これ、やらなくていいですか?」みたいな。もしくは「これで絶対いいアウトプット出したいんで」というかたちに握っていくとか、わりとそういうところなのかなという気がしています。
マイアミ:これ、僕も一番考えてます。やっぱり仕事の量が膨大ななかでも、僕は仕事だけしてたら満足できる人間ではなくて、プライベートも充実していたいんですよ。好きな日サロ行きたいし(笑)。車も乗りたいし、車磨く時間も必要だし、バイクも乗りたいし、サーフィンとか行きたいし。つねに年中真っ黒にしとかないと落ち着かないんですよ(笑)。
そんななか、膨大な量の仕事がおそいかかってきて、次から次へと増えていくわけですよね。だから、それをまず優先順位(決めて)「これをまずこの日にやる、これとこれ、朝起きてこれ」というのは、確実に毎日寝る前にやります。次の日やることを、だいたい10個から20個ぐらいは細かく決めてます。
僕は今、11月に大会出るためにトレーニングもやっています。そんなこと本来テレビマンがやる必要ないんですけど、僕は日々充実させたいし、まだまだ自信をつけたいんですよね。そのためには、自分と対話するしかなくて、いかに自分が人と違う人生を歩んでいるかということが僕にとっては、充実した人生になるんですよ。だから、人がやってないようなことをやりたいし、忙しいからとかいうのを理由にしたくないんですね、絶対に。
だから、「忙しくてもこれだけのことができるんだぜ」というのをちょっと証明したくて、今11月の大会に向けて睡眠時間もけずったりしながら、トレーニングもほぼ毎日行ってます。それをやっていくなかで仕事ができなくなるかと言ったら、そんなことは一切ないし。やると決めてやる以上は、福山も言ってましたけど、やらなくていい作業は絶対にやらないと決めることも、もちろん大事だなと思うし。
優先順位つけて、何時から何時にこれやって、何時から何時にこれやって、これは自分じゃできないから人に任せよう、と。全部自分でやってたら死んじゃいますから。だから、人に託すところは人に託す、信じる。信じられる仲間を増やす。さらには、僕は人脈も広げたいから、付き合う時間も必要だ。この時間は空けよう。
だから、毎日毎日ひまな日なんてないんですよ、もちろんひまな時間も。日サロで寝てる時ぐらいかな(笑)。やろうと思えば、そのぐらい詰めこめるんですよね。「忙しくて」というのを理由にする人いっぱいいるんですけど、それはたぶん時間の使い方がうまくないだけで。かといって、僕が寝てないかというと別に寝てるんですよ。テレビマンは寝ない人多いんですけど。
僕、意外と12時くらいに寝て、逆に3時くらいに起きて行動し始めるんです。だから、スタッフはいい迷惑なんですけど。「あいつ、ムダに早起きだな」と言って。時間の使い方というのは、人それぞれだと思うんだよね。寝なきゃいけない人は寝ればいいと思うし。だから、優先順位を決めることと、明日これをやろうと決めたことは、福山も言ってましたけど、絶対にやると決めて。
できなかったら次の日にやるのはしょうがないんですけど、でも時間を切っていくのは大事ですよね。僕らなんてとくに不規則だから「ロケ、この時間まで」とか決めてても、のびちゃうことは多々あるので。そしたら、そこでまたパズルを始めるわけですよ。「やべー、じゃあ、これはこうやって。この日の打ち合わせダメだ、キャンセルしよう」みたいな。それも、もちろん大事ですよね。
そこで全部こなそうとすると歯車が狂ってきちゃうし、そこの一番大事なことがなにかなというのを考えながら、優先順位を決めて、どんどんタスクをこなしていくことが大事なんじゃないかなと思います。
司会者:ありがとうございます。次の質問は、若干長文になりますけど、読みます。
「はじめまして。来年の春から新社会人になる大学4年生です。私は自分の就職活動に、その時の最大の力をしぼってがんばったんですけど、第1志望の企業や業界には入れませんでした。正直、非常に悔しく、いまだに涙を流すことがあります」。
「そのため、将来、数年後には、その企業、業界に再度チャレンジすると気持ちを持ち直し、転職を見据えて来年から働く業界でも転職したい業界でも必要な資格を最短で取得し、それまで不足していたと気付いた自分のあれこれにも挑戦したいと思っています。この考え方に間違いはありますか。甘ったれた考えでしょうか」。
「確かに第1志望の企業、業界に勤めることができなくても、働くなかでやりがいや楽しさを見出すことができるかもしれません。ですが、それでもこんなに感じる悔しさや、強い憧れを感じたことは忘れたくはないのです。やりたいことと、やりたいとほかのこと以上に思えた業界のフィールドに足を踏み入れることすらできなかったことは人生のなかで一番の悔しさ、つらさを感じてしまっています」。
「このようなモチベーションで新社会人を迎えようとしている私に、なにかアドバイスをいただけたらうれしいです」。めちゃくちゃ熱いメッセージなので、印象に残るワンセンテンスをぜひ意識していただいて、端的にお願いします。
マイアミ:たぶん、すごく悩んでるんですよね。ただ、僕、「希望の企業とか業界に進めなかったんです」と、OB訪問でもけっこう相談受けるんですけど、「それ、はたして本当の君がやりたい夢なの?」と思うんですよ。要はその業界に進まないとできなかったことというのは、本当にやりたいことじゃないんじゃないかなと僕は思っちゃうんですよね。本当にやりたいことがあれば、業界や会社は関係ないと思うんですよ。
さっきも話したんですけど、「私、これがやりたいんです」というのを見つけるのは絶対に大事なんです。僕だったら「人を笑顔にすること」ですよね。そのためにフジテレビというところに入ったわけですよ。だけど、こういう人によくあるのは、「フジテレビに入りたい」になってるんです。でも、それは絶対違うんですよ。「テレビ局に入ったところで、あなた、なにがしたいんですか?」ということなんですよ。
だから、そもそもこういう方はけっこう就職活動間違えてやっちゃってたんじゃないかなと、僕は思うんですよね。だから、OB訪問に来てくれた子にはすごくアドバイスをするんですけど。「それで君、テレビ局に入りたいとかフジテレビに入りたいのは、君がやりたいことじゃないよ。君が本当にやりたいことはなんなの? なにしてる時が幸せなの? もう1回考えてみ」と言うと、「確かに僕、意外とこんな会社でもできるかもしれないです」となるんですよ。
だから、「この業界に行けなかったから、僕できないんですよね」、「あの業界、憧れなんですよね」と言う人は、「それ、本当の夢なのかな」と思っちゃうんですよね、普通に。だから、本当にやりたいことを見つけることのほうが大事なんじゃないかなと思います。
もし、この業界に入れなくて、だけど明確な「自分、こういうことやりたいんです」というのがあるんだったら、まず今受かった会社でやってみて、どうしてもダメだったらそっちに行けばいいじゃないですか。まずやる前からいろいろ考えても、いいこと絶対ないですから。まずグダグダ言わずにやってみる。やってみてから考えればいいと思います。学生時代に考えてた以上に社会人になって厳しいことはいっぱいあるし。やってみなきゃわかりません、学生には。
だから、社会人にとって一番大事なのは、とりあえずツベコベ言わずに自分が行くと決めたらやるしかないし、覚悟を決めるということだと思います。できない方法をみんなすぐ探すんですけど、「こうだからできない」とか「こんな環境にいるから、僕できない」とか。できない探しをしないでください、絶対に。僕は常に、できない方法よりもできる方法を探します。
お金がないんだったら、お金を持ってくる方法を考えるし。番組予算が少ないんだったら、そこの予算をどっかからもぎ取ってきてやろうと考えるし。すぐにみんな「できない」と言うんですけど、「できないとか言うなよ」と思うんですよ、僕は。できる方法をまず考えろと。その発想はすごく大事なんじゃないかなと思います。だから、「できない」と言う前にまずやるということが大事なんじゃないかなと思います。
福山:そうですね。2つあるかなと思っています。1つが涙を流すとか、この悔しさ、ずっと思っているこの悔しい気持ちを絶対忘れないでほしいなという。臥薪嘗胆ですね。この気持ちがあれば壁に当たっても絶対負けないという、その感情、それを一番大事にしてほしいなというのが大前提の1つ目です。
もう1つが、会社の業界とか資格、とくに資格だと思うんですけれども。それがないと、次に進めないというのは、嘘かなと思ってまして。唯一、社会で活躍するために一番重要な資格とは、僕は自信だと思っています。自分の可能性信じるとか。例えば、スティーブ・ジョブズとかマイクロソフトのビル・ゲイツとかは、基本的に自分ができもしないことを「いや、できます」と言って、帳尻合わせて作っていった会社なんですね。
Macなんか、「これいいじゃん、何台ある?」と言われて、1台しかないのに「200台ぐらいありますよ」みたいなこと言って。「じゃあ、発注」と言われて、「わかりました」と言った後であせって「がんばれ、みんな作ろう」といって帳尻を合わせるみたいな。要は「できます」と言って仕事をもらって、帳尻を合わせる。自分の未来に自信があるから、約束を守る自信があるから挑戦できる。
社会人もそういう機会がよくあると思います。これ、できるか、できないかと迷ってるぐらいだったら「できますよ」と言っちゃって、帳尻を合わせる。たぶん、この連続がないと自分が成長していかないかなと思うので、資格とか、まずは3年間下積みを経てから、とかじゃなくて、自信を持つためにどうしたらいいかということに労力を割いたほうがいいかなと思っています。基本的には「言ったことを守る」それだけなんですけどね。
あと、マイアミさんがおっしゃったとおり、会社とか業界じゃなくても十分大きな仕事はできます。僕も独立してますけど、ぜんぜん大企業に対して経営コンサルに入るということもできますし。
なんなら、大企業に入っちゃうと大きな仕事にありつくまで時間がかかる。もしくは末端業務しかできない、なんてことも多いです。1年目、2年目、3年目はこうで、次、地方行って、次、バックオフィスに行って、それでようやく現場のリーダーになってみたいな、すでに仕組み化された古いレールの上をただただ歩かされるような。
「40歳になって、部長になったら早いよ」みたいな会社、けっこうあるんですけれども。僕の人生の時間軸じゃ、それは間に合わないと思ったんで、早く自分に実力をつけちゃおうと。社会に出て、自分に力をバーッとつけて、まだ20代ですけれども大企業、一部上場企業の会社のコンサルに入っちゃうとか。そこで一流の人たちと一緒になってしまった方が大きいことができたりするんですね、大企業に入ってイチからやるよりかは。
という考え方もあるんで、資格というよりかは自信を持つとか、自分の可能性を広げるとか信じるとかいう。そう言って、帳尻を合わせるみたいな。そっちのほうが大事なんじゃないかなという気はしています。
司会者:はい。ありがとうございます。この方、どなたかわかりませんけど、10年後に会ってみたいなと勝手に思っちゃいました。福山さんもおっしゃってたように、今思ってる気持ちをぜひ忘れないでいただきたいなと思います。
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