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第41回:フレームワークで分析することがゴールではない(全1記事)

分析するだけで終わってしまっては意味がない フレームワークの正しい活用法

3Cや4P、ファイブフォースなど、フレームワークを使った分析の手法はさまざまなものが存在しています。これらの手法は状況を分析して、次の施策を検討するために非常に有効なものですが、ともすると分析すること自体で満足してしまい、実際の行動に結び付けられない人も多いようです。ラウンドナップ・コンサルティング代表の中山陽平氏が今回強調するのは、分析だけで終わっては意味がないということ。ぜひ具体的な行動に結びつけて活用してみてください。コンサルタントだけでなく、ライターやデザイナーの立場でも有効に使えるそうです。

フレームワークを作ること自体は目的ではない

中山陽平氏:今回はタイトルとして「フレームワークを作ることが目的ではない」というお話しをさせてもらえればと思います。

なんでこんなことを言うかという、その前にフレームワーク、これはマーケティングで使われるマーケティングフレームワークですけども、これ、皆さん使ったことがありますでしょうか?

もし使ったことがないという方は、ぜひ使ってあげてください。有名なフレームワークでいえばおそらく3Cで、これはマッキンゼーの大前研一さんが作ったものですけども、3C。それからマーケティングミックスですね。4P。それからポーターのファイブフォースなどが有名ですね。

フレーム解析講座の方でもこの3つをお伝えしています。これらは本当に役に立ちます。1つは自分の頭の中を整理するためというのがありますし、それから経営者の方とか、営業マネジメント、営業とかマーケティングを行なっている人との共通言語を作るという意味でも非常に有効なものです。

今回はこれを使っていただくというのがまず1つあるんですけれども、とはいえ、このフレームワークを使い始めた時に陥りがちな罠なのが、フレームワークで分析をしてしまって終わってしまうケースなんですね。

例えば3C分析、これはカンパニー(自社)、カスタマー(顧客あるいは見込み客潜在客)、それからコンペティター(競合)。この3つの環境の中から次の一手ないし、これからどういうふうに戦っていくかを考える。それが目的なんですけれども、このフレームワーク自体は決して答えを出してくれるわけではないんですね。

環境を分析するために便利なものなのであって、決してポーンとやったら答えを出してくれるようなものではありません。たとえて言うのであれば、測定機器ですかね。例えば体温計もそうですし、なんとかカウンターなんかもそうですけども、数値は出してくれます。

でもその数値を見てどういうふうにすべきかを判断するのは自分自身です。あくまでコンパスにはなってくれますけれども、どう動くかは自分自身です。それと同じで、フレームもやっぱり、その結果にもとづいて何をするかが最も大事な部分です。

最初は3Cなら3Cで、ざーっと分析して「あ、これがこうなっているんだ」「うちはこういうところが強いなあ」「競合はこうなっている、お客さんはこう考えているから、なるほど今みたいになっちゃてるんだな」で終わってしまうというケースがけっこうあります。

分析した結果を実際の行動に結びつけることが大切

そうではなくて、その先なんですよね。やっぱりそういう環境の中で一体自社は目標を達成するために、ビジネス上の目標を達成するために何を行なうべきか。

例えば「競合はこういう打ち出しをしている。こういうところを押し出している。それに対して顧客はこういうポイントを重視していて、そしてこういうところを気にしている。とすると、こういうところを突いていければ、うちはうまくお客さんに選ばれるようになるんじゃないか?」であったり。

「うちは実はこういう隠れたポイントがある」と。そしてその隠れたポイントにある強みをお客さんに聞いてみると、「どうやらこれはお客さんにとってもかなりメリットがあるものになりそうだ」と。だったら「そこのところをもっと訴求することによって、競合と差をつけるんじゃないか」と。

じゃあ具体的に、「それをこういうふうにクリエイティブに起こして、こういうキャンペーンを打っていこう」あるいは「こういうWebサイトにしていこう。キーワードはこうしていこう」というふうに、その分析を行なった結果をもとに行動を作り指針を作り、そして実際に施策に落とし込んでいく。ここまでがセットなんですね。

ここまできっちり行なうことをお勧めします。3Cでも4Pでも、それからファイブフォースでも、どんなものでもそうですけども、それ自体を作ることが目的ではありません。その先にある提案というところが目的なんですね。

とくにコンサルティングをやる方、やる担当の方というのは、これを意識しないとお客さんに「ああそうですね」で終わってしまうっていう結果になっちゃいます。

ぜひともそこから1歩先ですね、というものを考える。このPodcastで何度も、「こういったものは数稽古ですから、なんでもかんでも分解、分析する癖をつけたほうがいいよ」ということをお伝えしていますが、その時にも、じゃあ自分だったらどうやるのか。その先、分析した結果をもとに、自分だったらどういうプロモーションを打って、どういうふうにやっていくのか。そこまで一緒に考えると一番いいですね。

分析、データを見る、この辺りが好きな方っていうのは、原因を分析した、あるいは確からしい原因を見つけた時点で止まってしまいがちなんで、そうではなくてその先、実際行動につながる部分までぜひ考えてあげてください。それでは今回は以上です。

コンサルタント以外の職業でもフレームワークは有効

本当にフレームワーク自体はぜひ使ってあげて下さい。いろいろなフレームワークがありますので、どれが誰に向いているということはないので、メジャーなものはいったん全部使ってみるといいと思います。

多分自分に合ったもの、使いやすいものが出てくると思いますし、何か1つを使っていれば、他のフレームワークも「あ、本当はこっちのほうがよかったな」というふうに気づけるようになります。

もしどれか1つでと言われれば、もう3Cですね。私の場合は3Cを全部Web用にカスタマイズして、それをもとにしてコンサルティングを行なっています。

もちろんコンサルタントによっては全然違う自分の独自のものを使っている場合もありますし、それからファイブフォースとか、ブルーオーシャン戦略を中心にやってる方もいます。

何かしら1つ持っておくと非常に強い武器になります。フレームワーク、多分いろんな書籍がありますので、ぜひ見てみてください。多分新たな視点が得られると思います。

これはコンサルタントにかかわらず、例えばデザイナーさんとかも絶対見ておいた方が良いです。デザインについても、結局他と比較するわけですから、同じような観点で考えられると、非常に経営的・マーケティングに強いデザインができるようになりますので、ぜひともそういうことを行なっていただければと思います。

理想としては、いろんなコンサルタントの方を育成プログラムなんかでお手伝いしてきて思うんですけども、本当はコンサルタントもデザインができるべきだと思っています。

少なくとも発注できるようなスキルを持っているべきだと思います。コンサルタントはライティングとかデザインについて自分でかっちり作れなくてもいいですけども、良い悪いの判断ができる、そういう尺度を持っていることが必要かなと思います。これは余談ですけども。

ということで今回のPodcastまとめます。まずマーケティングのフレームワーク使ったことない方は、ぜひ使ってみてください。その上で、使ったときに分析で終わるのではなくて、そのあとにちゃんと行動につながるような部分まで行なってあげてください。

提案がゴールです。究極的にいうと成果をあげることがゴールです。それからコンサルタント以外でも、フレームワークは非常に便利なので、皆さんデザイナーの方とかライターの方とか使ってみてください。それでは今回のPodcastは以上です。

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