2024.10.10
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【メラビアンの法則を信じるな】 話し方は55%が視覚情報などではない(全1記事)
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野村尚義氏:こんにちは。プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。今日は「メラビアンの法則を信じるな」という話をしていきたいと思います。
メラビアンの法則ってご存知でしょうか? アルバート・メラビアンという人が実験の結果出した、「プレゼンテーションが人に対して、どういう要素がどれぐらい影響を与えるのか」ということを整理したものになっています。
視覚情報が55パーセント、聴覚情報が38パーセント、言語情報が7パーセント影響を与えるという。話し方教室、プレゼンテーションの世界ではよく言われることですが。
それを改めて整理して考えたときに、若干おかしいと思いませんか? どんな魅力的なことを話していようとも、声の印象が悪かったり、ビジュアルの印象が悪かったりすると、結局7パーセントしか伝わりません、と。
逆に言うならば、話の内容はたいしたことがなかったとしても、ビジュアル的にイケてたら、55パーセント。話の内容の8倍ぐらい伝わるといわれているのが、このメラビアンの法則の一般的な使われ方なんです。
……これ、信じます?
たとえば、あなたのもとに訪れた人が、どこの言語でもないような、英語でもないような外国語でベラベラベラベラとしゃべって、そういう人がイケてたら、その話に乗る。そんなのありえなくないですか?
実はメラビアンの法則、現状でいうと、そういった話の内容よりも、ビジュアル、声の印象、いわゆるデリバリースキルのほうが影響多いですよ。というふうに使われがちなんですが、実際の実験でなされた場面は、必ずしもそうではないということです。
どんな使われ方をしたのか。こうです。なんとなくよさげに聞こえる単語。なんとなくネガティブに聞こえる単語、中立に聞こえる単語。それぞれを3つずつキーワードとして出します。
それをポジティブに話したように聞こえる録音、ネガティブに聞こえるような声のトーンで話した録音、中立に、ニュートラルに聞こえるように話した録音。それぞれで用意する。
そしてそこに、顔の写真をポジティブ、ネガティブ、中立でそれぞれ撮って、その組み合わせの中で、受けてに対して見せたとき。
たとえばポジティブに見えたとき、顔の表情の写真と、ネガティブに見える声のトーンで話したとき、そのキーワードが中立に聞こえるようなキーワードで話したとき、それってポジティブに聞こえるんですか? ネガティブに聞こえるんですか? 中立に聞こえるんですか?
これをランダムにざらざらざらと、はい! と出したときに、受け手の人がどういう影響を受けたか。こういう話で作られた実験なんですね。
つまり何が言いたいかというと、ここでいう言語は単なるキーワードなわけです。文章、ストーリーではない。文脈ですらない。1単語であると。ここでいう視覚情報とは、表情とビジュアル的な服装、見た目、ボディランゲージなどではなく、単なる表情の写真なんです。1枚の写真なんです。
ここの聴覚情報は、声の抑揚、強調、というよりも、まぁ、そこには話しながら印象はつけてるんですが、ワンフレーズに対する声の抑揚・強調、明るいと低い。なんですね。
そこで得られた視覚情報55パーセント、聴覚38パーセント、言語情報7パーセント。どれぐらい信じていいんでしょうか? 場面設定をしっかりと理解したときに、この55、38、7という数字の持っている意味が、我々が必ずしもプレゼンテーションをするときの話とあまりにもかけ離れている。こういったことに気付くんじゃないでしょうか?
今回のお話は「メラビアンの法則を信じるな」。世の中で言われているもの、我々の場面設定とは、あまりにもかけ離れている。この事実を知っていただきたいと思います。
プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義でした。
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