2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
第44回:B2B商材が売れないなら「認知のプロセス」をチェックしよう(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
中山陽平氏:今回は「B2Bの商材においてなかなか売れない。自分たちの商品は競合と比較しても劣っているところはないし、マーケティングの調査をして作ったので他よりむしろ優れているところが多いという前提で様々な販促活動を行なっているけれど反響がないというケースに対してどうすれば良いのか」という問い合わせがたくさん来ているので、そちらについてお答えできればと思います。
これはB2BだけではなくB2Cでも言えることだとは思いますが、特にB2Bにおいて重要なことです。
少し話をずれたところから始めると、本来B2BとB2Cどちらが売りやすいかというとB2Bの方です。
なぜかというとそちらの方が確実にニーズを持っていることが多いですし、担当している人のリテラシーがある程度高い場合が多いですし、実際に買わなければいけない、導入しなければいけないということが分かっているので、見込み度が高いです。
B2Cはどちらかというとウィンドウショッピング的というか、見込み度が低いようなアクセスが多いですし、デモグラによって、例えばおじいちゃんと孫であれば必要なコンテンツも書き方、伝え方も変わってくるので、B2Cの方が難しいです。
その上で、なぜB2Bが売れないのかということなのですが、一番多いのはお客さんの認知の仕組みを考えないままプロモーション活動を行なってしまっているということです。
商品についてうかがってみると、確かにこれは便利で今まであった作業が楽になるな、場合によっては3分の1になるという場合もあります。
実際に使わせてもらっているものもあります。しかしそれがお客さんに伝わっていないから売れないわけです。
なぜ伝わらないかというと、お客さんがどういう風に自分に必要なものを探すのか、理解するのか、把握するのかということをすっ飛ばしてしまっています。
これはプロダクトアウトやマーケットインとかそういう話ではなく、見せ方と考え方の問題です。
ではどのように考えればいいのかというと、徹底的にやらなければいけないのは、「この商品は自分たちに関係があるのだ」「メリットがあるのだ」ということを分かってもらうことに8割くらいの力を使うということです。
例えば、想像してください。デパートのような売り場の隅っこに、水色のボールが置いてありました。直径は1メートルくらいで大きいです。それがポンと置いてありました。特に説明はありません。
これだけだと何のためにあるのかわからないし、そもそも売り物なのかもわからないし、買うことって絶対にありません。「ちょうどこの水色のボール欲しかったんだよね」という人はあまりいないと思います。
しかし例えば、ボールの横に「ボールに10秒間座っただけでこういうところの筋肉が引き締められてお腹が引き締まりますよ」という、要するにバランスボールですね。そういったものがわかりやすく書いてあれば、ダイエットに興味がある人が急に食いつきませんか? 実際に買うかどうかは別にして、意識には残りますよね。
これはどういうことかというと、「自分に関係がある」と頭の中が切り替わることによって、買うか買わないかは別にしても、検討する先の商品になったと言えます。
売れていないB2Bのサービスというのは、このような「自分ごと」とよく言われますが、自分に関係があると思ってもらえていないので売れていないということが8割ほどです。
特に新商品、新しいものですね。「こんなの初めて見たよ」というものはそのようになりがちです。
商品を説明した時に「こんなの聞いたことない。初めて聞いたよ」というものは決して喜ばしいことではないです。商品説明をした結果、そういう言葉が出たということは、分かってもらえてないです。
マーケティングのうち、8割くらいの力を使って「自分たちの商品はターゲットの皆さんにとって関係があるものなんだよ」ということを説明する。それくらいの気持ちでいることをおすすめします。
そのためにどのような方法があるかというと、いくつかあるのですが、1つはこれが一番一般的だと思いますが、あえて既存のカテゴリーに結びつけるというケースですね。
本来ならば自分たちが作ったものは既存のカテゴリーに納まるようなものではないと思うかもしれませんが、まずは既存の商品カテゴリー、ダイエット器具というカテゴリーに納める。
本当はダイエットだけでなく、もっと広い意味での健康に当てはまるということはさておき、まずは分かってもらうために一般の概念において説明する。
説明をしていく中で、「こういったカテゴリーの商品でもあるんだけど、実はこういった付加価値もあって、こういったこともできる」「そして今までになかったこともある」ということを、唐突ではなく、そのカテゴリーの商品を求めている人がそのカテゴリーの中で求めているような切り口で、少しずつ小出しにしていくということです。
ポイントは少しずつ小出しにしていくということです。いきなり大きく出してしまうと、思っていたようなものとは違うので、「本当は自分が求めていたものとは違うのかもしれない」と思われがちです。
なので、既存のカテゴリーに結びつけて、その中で説明をしながら既存のカテゴリーと比較をして自分たちの商品の独自性を主張していく。
そして、気がついたら随分離れたところまで行ってしまったけれどお客さんはついてきてくれている。
そういう状況を作ると、新商品系やなかなか分かってもらえない商品系というのは伝わりやすいです。これが1つ目のやり方です。
もう1つは、お客さんが持っている条件、ニーズから絞りこむ。強制的にではないですが、周りから堀を埋めていくようなイメージですね。
例えば先ほどのバランスボールの話であれば「あなたは最近太ったなと気にしていますよね。そういう方向けの商品です。だからといってスポーツクラブに通うような余裕もありません。そういう方に向けた商品です」「家の中にマシーンを置くことも難しい、賃貸の人向けです」「なかなか続かないような怠けがちな人にも向いている商品です」「ながら作業でしかできない人に向いている商品です」それから「あまりお金をかけられない人にも向いている商品です」それを満たしているのが、皆さん見たことないかもしれませんが、この商品なんです、と。
これも既存のカテゴリースタートにはなりますが、その人がもっている条件を先に把握しておいて、このような条件でこういうことができたら良いと思いませんかということを言って「そういうものがあったらとてもいいけど、そういうものなんてないでしょ」ということに対して「実はあるんです」「それがこれです」と紹介すると、どういうものであっても「私のニーズを解消してくれるような商品なんだ」と思ってもらえるので、すごく納得してもらいやすくなります。
これが2つ目のやり方です。
B2BはB2Cに比べて非常にわかりづらい商品が多いので、まずはどちらかでお客さんに対して、「これは自分に関係のある商品だな」と思ってもらうことを行なってみてください。そこまですれば、競合との比較とか一般的なことを行なっていけば、ある一定の人以上には理解されて買ってもらえるはずです。
商品が売れない売れないというのは、理解されてもらっていないということを知ってください。そうするときっと良い結果につながっていくと思います。
商品が売れないのか、理解されていないのか、はたまた商品のことが知られていないのか。どのステップがボトルネックになっているのかそれを理解するのはものすごく大切です。
セグメント化とも言いますが、なぜ売れないのかということを考えずひたすら広告を打つということではなく、せっかくデジタルの時代ですので、自分たちがどこのポイントでつまずいているのかということを把握する。そんなことを考えながら行なってもらえればと思います。
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには
2024.10.29
5〜10万円の低単価案件の受注をやめたら労働生産性が劇的に向上 相見積もり案件には提案書を出さないことで見えた“意外な効果”
2024.10.24
パワポ資料の「手戻り」が多すぎる問題の解消法 資料作成のプロが語る、修正の無限ループから抜け出す4つのコツ
2024.10.28
スキル重視の採用を続けた結果、早期離職が増え社員が1人に… 下半期の退職者ゼロを達成した「関係の質」向上の取り組み
2024.10.22
気づかぬうちに評価を下げる「ダメな口癖」3選 デキる人はやっている、上司の指摘に対する上手な返し方
2024.10.24
リスクを取らない人が多い日本は、むしろ稼ぐチャンス? 日本のGDP4位転落の今、個人に必要なマインドとは
2024.10.23
「初任給40万円時代」が、比較的早いうちにやってくる? これから淘汰される会社・生き残る会社の分かれ目
2024.10.23
「どうしてもあなたから買いたい」と言われる営業になるには 『無敗営業』著者が教える、納得感を高める商談の進め方
2024.10.28
“力を抜くこと”がリーダーにとって重要な理由 「人間の達人」タモリさんから学んだ自然体の大切さ
2024.10.29
「テスラの何がすごいのか」がわからない学生たち 起業率2年連続日本一の大学で「Appleのフレームワーク」を教えるわけ
2024.10.30
職場にいる「困った部下」への対処法 上司・部下間で生まれる“常識のズレ”を解消するには