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第49回:Webサイト制作を通じて「棚卸し」をしよう!(全1記事)

Webサイトのリニューアル“もどき”が生み出す効果

Webサイトのリニューアルを行なう際に、デザインなどの具体的な改修箇所だけを考えて終わってしまっていませんか? ラウンドナップコンサルティング代表の中山陽平氏によれば、それではせっかくのリニューアルという機会を活かしきれていないといいます。サイトのリニューアルをきっかけに、自社を取り巻く業界や顧客、競合について分析を行ない、それを事業に反映させることが、本来のリニューアルであるとのこと。逆に、リニューアルを想定して分析を行い、実際にはリニューアルを行わない、ということもあり得るそうです。ぜひ参考にしてみてください。

サイトのリニューアルを形だけで終わらせてはいけない

中山陽平氏(以下、中山):今回はWebサイト制作の話です。Webサイトの制作をどうとらえるかというところのお話をします。

Webサイト制作というとコストがかかり大変だというネガティブな方向で捉えられたり、これで営業の引き合いが増えたり、受注が増えたらいいなという営業的な観点で見られる人が多いと思います。しかしそれだけではもったいないです。

結論から言うと、タイトルにもあるのですが、Webサイトを制作するということは単に営業のチャネルを改善するということではなくて、会社の棚卸しをするということです。

つまり、うちはどういう会社で、どういうお客さんがいて、他にどういう競合がいるのか、現状を再把握するための意義もあるのだ、ということをぜひ押さえておいていただきたいです。

この考え方を持って制作に取り組むのと取り組まないのとでは、得られるものが違ってきます。

Webサイトを制作するリニューアルするということは費用がかかるので、できるだけ多くの物を得たいですよね。

その時に単にWebサイトのデザインはこうして、コンテンツはこうして、ということだけを考えるのはもったいないです。

リニューアルのための3C分析

真面目に勝てるWebサイトを作ろうと思ったら一番重要なのはマーケット、市場の分析です。一番分かりやすいのは3C分析かなと思います。

自社はどういう特徴があって、実資産があって、実資産というのは人材資産というものもあれば、いわゆるお金という意味での資産もあります。ブランドという無形の資産もあります。人脈とか、目に見えない資産もあります。

それによって、どういう強みがあって生きていけているのか。普段だとなかなか見えてこないと思います。当たり前だと思ってしまっていることもあれば、気づかない所が実は強みだったということもあります。このようなことを把握する良いタイミングだというところが1つですね。

また「競合」です。Webサイトを作る時広告を出稿する時、競合を意識すると思いますが、インターネット上の競合はころころ変わります。

参入障壁が低いものであれば、競合も入ってきますし新規参入組も増えてきます。気がつかないところで代替品にお客さんを取り込まれているということもあります。

これは分かりやすい例ですが、コーヒー業界が明らかにコンビニ業界に取られているかのように、自分たちの商売も気がつかないところからお客さんを取り込まれている可能性はあるんですね。なので定期的に競合分析は行なわないといけません。

その時最低限、サイトを制作するリニューアルするタイミングでは見直すようにする。そういう意味でもサイト制作は重要で、競合を見直す良い機会になります。

また「顧客」ですね。お客さんのニーズというのもだんだんと変わってきます。根本的なところはそれほど変わりませんが、大きな事件などあれば変わってきます。

ということで、お客さんのニーズも定期的に確認する。その上で自社の打ち出しをどのように行なっていくか。プロモーションですね。そういうことはWebサイト制作の際に必ず行なっていただくことをおすすめします。

分析は定期的にやる必要がある

本来なら、自社と競合とお客さんですね。そういったものの見直しは四半期に1回することが望ましいです。

ベンチャーやスタートアップ、周りの環境がころころ変わるようなビジネスのところは1ヶ月に1回は見直していく。

リーダーシップを持った者が集まって、必要ならば外部を呼んで、今どうなっているのかを知るということが経営です。

ただ、そういったことはうまくはいかないと思うので、Webサイトを作り変えるタイミング、リニューアルするタイミング。例えばこのセクションだけをリニューアルするとか。そういった時に、自社、競合、お客さんというものを再度確認することを徹底しておく。

それを行なうと、時流に流されず、自社の良いところを使っていけて、もったいない状態にならない。そういったメリットがあります。

Webサイト制作を技術的な問題で反響を増やすために提案されたことだけをやるとか、そういうことをするだけでは非常にもったないです。

そうではなく、制作会社やコンサル、マーケティング会社と一緒に、現時点であなたの会社の良いところを出し、その上でお客さんを把握し、競合が何をしているか、何をしようとしているか。

それを把握して、ではこのようにWebサイトを作りましょう、マーケティングはこのようにしましょうという場にすることを強くおすすめします。

「リニューアルもどき」でもOK

そのような意味でいうと四半期に1回くらいは本当はリニューアルした方が良いのですが。

しかし一新するということはお客さんにとっては全然知らないサイトになりよく分からないということになるので、時々やってもらうのはリニューアルするフリですね。

リニューアルを目指した内部での動き、リニューアルするからこのようなことを考えようとしますが、実際のサイトには落とし込まない。

今後はこのようなことを考えないといけないね、というのをホームページというある種見えるものをアウトプットとしてやっていく。もちろん必要に応じて実際に修正を加えていっても良いでしょう。

このような擬似的リニューアルというのもおすすめしています。

うちでも最初の何回かはお手伝いをするのですが、途中からは定期タスクとして皆さんにやってもらいます。

業界分析、マーケット分析になりますし、社内の人のいろんな人の意見を聞けるチャンスにもなります。Webサイトという形になるので、なんらかの落とし込みがしやすいです。

Webサイト制作を良いチャンスだと思ってマーケティングに活用していただければと思います。

まとめると、Webサイト制作をただの制作で終わらせることなくマーケティングを前に進めるための良い機会として捉えていただきたいということでした。

リニューアルもどきから始めていただき、定期的なお仕事に加えていただければと思います。

よくうちのコンサルやサイト診断サービスなどもこのような形にしているのでお役には立てるかと思います。

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