
2025.03.19
急成長するドバイ不動産市場の今 投資のチャンスと注意点を専門家が解説
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さて、これから本題の「なぜデザインか」「なぜクリエイティブなのか」という話に入っていこうと思います。
大きなトレンドとして、これから南場智子さんがとてもありがたい話をします。新しい事業やサービスの作り方が大きく変わってきたと思うことが3つあるんです。この3つを今日みんなと共有したいと思います。
1つ目。新しいサービスのつくり方って普通はこうです。
企画をして、その企画が良くできていたら経営会議に持ってきて、経営会議で吟味するんだな。
そして「いいじゃない、この企画」とか、あるいは「全然ダメだよこんなの。」と、いろんなことを議論するんです。
「これで一体どれぐらいの事業になるの?」「規模はどれぐらい?」「大体誰がやるの? そんなリソースある?」「競合がやってるこういうサービスと一緒じゃん」とか、いろんなダメ出しを食らうわけです。
我が社の経営会議、結構きついよね? ロジカルに詰められる。偉いわけじゃないのに、何にも作れないやつが偉そうにしてる。これ良くない会社ですね。でもそういう経営会議ってやっぱりあるんだな。
それでその経営会議が終わって、「よし、やろう!」となったら開発が始まる。開発が始まって、「それはよくできたね」と。
そしたらもう1回経営会議に持ってって「いいんじゃない?」とか、みんなの2倍の年齢の私とかに「ちょっとわかりにくいわね」とか「字がちょっと小さ過ぎない?」みたいなことを言われたりする。そして「これいいんじゃない?」って言われてリリースされる。
これが今までの古いトラディショナルなフローだったんです。これで大失敗を私は何度もやらかしました。あまり具体的に言うとそういう会社の人もいるんであれなんですけど。
例えばあるサービスの提案を若手のチームがしてきました。それを私が見て、「え? このサービスだったらうちの既存のサービスでいいじゃん」と。そういう話をして、それで却下してしまったんですね。
それから数か月経ったら、別の会社が全く同じ概念のものを始めて、むちゃくちゃ市場で伸び始めたということがあります。
「ああ、あのチームのあの若手メンバーには、私が見えてないものが見えていたんだ」ということです。50過ぎた私がダメ出しするとこうなるんだ。会社の将来を1つ狭めてしまったなという反省ですね。
それで大胆に「やめよう経営会議、勝手に作れ。考えながら作って、考えながら出せ」とした。アプリなんかそうだよね、アップストアに出してしまえと。
唯一、我が社は上場企業ですから違法なことはできません。上場企業じゃなくてもできないですけど(笑)。それから公序良俗に反することはやっちゃダメですということで、簡単な法務のチェックが入ります。
「これは全然違法じゃないです」。あるいは「公序良俗に反するものではありません」。それだけです。
ここでは法務部は「これは成功する」とか「失敗する」とか言っちゃダメ。「法律的に大丈夫。コンプライアンス的に大丈夫」、それだけ。それで勝手にもう出してくれと。
そうするとどうなるのか。「出してから経営会議に持ってきてよ」と。もうサービスは持ってこなくていいです。何を持ってくるか?
「数字持ってきて」と。サービス持ってきても、私みたいにこんなセンスのない人が、ものを作れない人も加わってジャッジをする。これはダメだよね。だから数字持ってきてください。
何を見るのか。リピート率。1回使った人がどれだけ使い続けてくれてるか。
会社が最初にバックアップしないで勝手に始めるから、どうやってユーザーを増やしていくかというと、みんな友達とか家族とか会社の同僚とかに頼み込んで使ってもらう。それで、いいサービスだったら使い続けてくれるんだよね。
あと、友達紹介の機能があったら、どれだけ友達紹介機能を使って友達が新しく来てくれるか。新しく来たユーザーがどれくらい定着するか。1回来たら何分使ってくれるのか。そういう数字を見ます。
それで数字が良かったら「スケールしよう」と。
スケールするって何なのかというと、10億円使って全国でテレビコマーシャルのキャンペーンやろうとか、あるいは我が社には世界各地に拠点があるので、そういったところを活用して全世界で一斉ロールアウトしよう、とか。これも10億以上のコストがかかります。そういったコストをかけてロールアウトしようと。
どんなに私が「これはダメじゃない?」と思うサービスでも、数字が良ければ自動的にそれを決めよう、ということであります。
何なのかというと、サービスが成功するかどうか、アクセルを踏むかどうかの審判を年寄りにやらせるなってことです。会社が本気になってバックアップするかどうか、この審判を経営会議がやるなってことです。
経営会議ではなく肩書だけ偉い人ではなく、本当に偉い人、ユーザーですね。ユーザーの審判を仰ごうじゃないかと。それができる時代だよねということです。
横文字で恐縮なんだけど、これを我々は「Permissionless」と読んでます。自分で書けって言われたら絶対にスペル間違えると思うんですけど、Permissionless。
Permissionは許可という意味ですから、「許可なし」。許可なくやっちゃえと。そして審判は経営会議でも社長でもなく、ユーザーに仰ごう。そういうやり方をしてます。
そんななかでも、ユーザーに審判を仰ぐ新しいやり方、これも増えてきてます。
全部ではないですね。大きい資本が最初から絡むもの、例えばさっき言ったヘルスケアの遺伝子検査サービスはラボを作らないと検査もできません。ラボ作るのに何億円もかかりますんで、こういったPermissionless型はそぐわないんですが、アプリとか多くのサービスにおいて、この方針をとっています。
もう1つのトレンドの話をします。
今まではPermissionless型であろうがPermission型であろうが、サービスを作るプロセスは戦略や企画から始まっていました。
例えば、若者向けに大ヒットするアプリを作りたい。これ全ての会社が目指してますよね。でも、 “若者”じゃダメ。もっとターゲットセグメントをはっきりさせよう。そのために市場調査やろう、競合調査やろう、ニーズの調査やろう、差別化ポイント何だっけ、ペルソナ設定しよう、コンセプト設計しようっていうことが始まる。
そして、よくマトリックスを作成して、「コミュニティ型なの? ネタ探し型なの?」あるいは「オープン? クローズド?」といった軸を作って、他社のヒットしているサービスを分類してみて、ここは空いてるみたいな分析をやりますよね。そこに向かって何か投入しようよ、と。
この空いているところ、つまりオープンなコミュニケーションアプリ、動画系サービス、画像配信やりましょうみたいな感じ決まって行きますね。
では、それをやったときにどうやって儲けるの? 収益モデル成り立つの? サービスつくったはいいけど儲からないんじゃ困るじゃない。収益上げないと、継続できないから。
それが例えばキャッシュポイント、どこでお金を払ってもらうのかとか、どういう事業計画になるのか。
何パーセントのユーザーが使ってくれて、そのうち何パーセントがはまってくれて何パーセントが払ってくれてみたいな掛け算をして。そうすると大体幾らでみたいな。そんな数字がたくさんの事業計画が出てきて。
それを見て、「いいんじゃない?」という話になって、設計、みんなお馴染みの要件定義とかワイヤーフレームとかやって、そしてプロトタイピングをして、できあがってリリースというのが今までのフローだったと。
「これってどうなの?」という話ですね。これが今までのオーソドックスだったんだけど、考えてみましょうと。
ビジネスとしての成功って、このフローの中でどこに依存するんだろうか、と。
誰にターゲティングするか。まあまあ重要ですね。例えばこれを大きく間違うと「IQ200以上の人を対象としたマスコミュニケーションやりましょう……って、ほとんどいないぞ」みたいな世界です。
だからターゲティングは本当に間違うとダメなんですけど、ある程度当たってたらいいわけです。成功に対する貢献度は10パーセントくらいじゃないかなと思います。
ビジネスの成功、サービスの成功としての9割はユーザーが使ったときのユーザーエクスペリエンスです。これがすばらしければ、9割は成功が保障されてます。
特に我が社のようなところでは、これが素晴らしければ、じゃあマーケティングのアクセル踏もうよってできるわけです。
私たちが一番大事にしてるデライト。「デライトはどこ?」っていうと、前半は0パーです。デライトポイントは、一番右のユーザーエクスペリエンスです。
このパーセンテージを見て何を感じるのか。これまでのフローは、DeNAが一番大事にしているデライトにほとんど関係ない戦略や企画が多すぎ。
ビジネスの成功やDelightにあまり関係のないコンセプト作りとか市場調査、競合調査とかビジネスモデルとかに時間とリソースを使い過ぎてたということです。
ものすごく立派な左側ができても、右側でコケると成功の確率はゼロなんです。左側でかけたリソースが無駄になってきます。
だから考え直そうよ。どう考え直すか。右からやろうっていうことです。ユーザーエクスペリエンス、ユーザーへの感動から定義しようと。
どんなふうにユーザーに何を届けるのか。この右側の驚き、喜びをまず定義しよう。そこから左側を考えてもいいんじゃないのってことです。
どうですか、この情けない顔。赤川準一さんです。本当に見た感じは情けないですけれど、新卒で我が社に入って、最速で執行役員になりました。
ものすごく難しいタスクをびゅんびゅんこなしてる、仕事はよくやるやつなんですが「(執行役員はもう)辞めだ」と。執行役員って何するかっていうと、経営会議に出ます。
さっき言ったけど経営会議。「そんな経営会議に出てる場合じゃない」と、「執行役員やめて現場やらせてくれ。サービス作りやらせてくれ。俺には作りたいものがある」ということで、執行役員からサービスを作るプロデューサーに戻った、そういうやつです。
これはすごいDeNAらしい考え方なんですけど、肩書きを偉いと私たちは思っていなくて、やはりユーザーに対するバリューを提供するというところに一番価値があると思っているんで、上下はあまりない。
むしろこの間まで管理職だった人が今日現場に戻るってことがよく繰り返されてる会社なんで、これはあまり珍しいことではないです。
じゃあ彼はプロデューサーとして何するんだと。
「自分がやってるどんなゲーム、どんなアプリでも、ワンタッチで友達に超手軽に画面共有したい。リアルタイムでそのまんま共有したい。これやったらうれしいよね」と。
そういうサービス知ってます? Mirrativ知ってる? これができちゃった。
「あらゆるスマホ体験を生配信するコミュニケーションアプリ」って名前がついてるそうです。Mirrativですね。起動して、その上でまた別のアプリを起動して、そしてほぼワンタップでリアルタイムで共有できる。どこにいようが。
これいつ出たんだっけな。1か月ぐらい前? 今20ヵ国語に翻訳されて、1週間で1億インプレッションたたき出してるっていう。なかなかユニーク、世の中にない驚きですね。結構な驚きであります。
これ見ると本当にびっくりするよね。LINEのメッセージとかが上にぴょーんと出てくるのまで共有できるんで、設定で気をつけたほうがいいかもね。
でもとにかくそれぐらいリアル。自分の画面がそのまま。ゲームで楽しんでる人が多いみたいですね。やってる人いる?
(会場沈黙)
ガーン。帰りたい。
(会場笑)
ということですね。赤川くんの力作なんで見てください。
Mirrativを開発したプロセスって、さっき言ったようなコンセプト作ってビジネスモデル構築して設計して実装してリリースしてっていう一般的なプロセスじゃなくて、まずUX、ユーザーエクスペリエンスを定義したんです。これをやりたいと。
で、それをプロトタイピングして、これはいけるいけないみたいな感じで「わお!」っというものができてから、「これは誰がどう使う? 誰にマーケティングする? 強いて言えばどこが競合なの?」というマーケティングプランとか事業計画を作っていった。
この左側のUXで納得のいくものが作れてなければ、右側の作業はしなくていいわけです。
納得いくすばらしいものができてから、これはいいぞとなったら初めていろんな分析とかターゲティングとかマーケティングの準備とかしていく。そんなことをして作ったものがMirrativです。
他のサービスにもいろいろあります。これまでのやり方、全くバリューのないところから始まって、最後にバリューがある、ユーザーにデライトを届けられるかどうかに、一番影響する右側のところに最後に到達するんじゃなくて、それをひっくり返そうよっていうことですね。
これまでは戦略がUXを規定していた。戦略を初めにやって、次にUXをやった。そうじゃないよね。まずUXをやってそれからあとから戦略を考えていこうよ。別の言い方をすると「Strategy、leads、UI/UX」じゃなくて、「UI/UX、leads、Strategy」です。
このUXはいけるよと。このUX/UI、このサービスだったらこうやって売ろうよ。こういうターゲットに売ろうよ。こうやって収益も上げていこうよっていうことをリードしていく。これを本気にやっていこうということであります。これが2つ目のポイントだよね。
1個目はPermissionless。2個目がUI/UX、leadsっていうことですね。
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