2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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斉藤徹氏:では「上司との難しい人間関係を解決しよう」にいきたいと思います。まず「上司の視点」についてです。上司との関係が難しい時には、自分の視点から上司を見るんじゃなくて、上司の視点で自分や場の問題点を見てみようというものです。それから上司との関係を改善に導く実践例として、今日は具体的な会話を例にしていきたいと思います。
ではまず、「上司の視点でチームを俯瞰する」ですね。ちなみに、嫌いな上司の特徴ランキングをネットから持ってきました。
「ひいきする・好き嫌いが激しい。感情的になる・怒鳴る。嫌味を言う。部下の意見を聞かない。他人の悪口を言う。高圧的に振る舞う。人に厳しく自分に甘い。仕事を人に押しつける。上の人間にいい顔をする。言ったことが矛盾している」。
とても耳の痛い言葉がいっぱい並んでいますね。もしよかったら、チャットに自分の上司の特徴を投稿していただければと思います。確かに、上司にいろいろ問題があるかもしれないです。
ただよくよく考えてみると、別に「上司の性格が悪いわけじゃないんだよね」というお話を最初にしたいと思います。内発的動機づけを世界に広めたエドワード・L・デシの実験に「責任感の罠」というものがあります。これは(著書の)『だから僕たちは、組織を変えていける やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた』にも書きました。
これは被験者を先生役と生徒役に分けた実験です。先生役の被験者が、生徒役の被験者に問題のヒントと問題の解き方を教えてあげます。
2つのグループに分けて、「あなたの責任は、生徒にすごく高い水準の成績をおさめさせることですからね」と、一方のグループ(の先生)にだけプレッシャーをかけました。
そしたらどうなったかというと、プレッシャーをかけられた先生は、かけられない先生に比べて、話す時間が2倍、命令的な話が3倍、管理的な話も3倍になっちゃったんです。その結果、教師が管理的になって生徒の成績も落ちてしまいました。
やっぱり人間は、プレッシャーをかけられるほど管理的になっちゃうんですよね。上司の話が長いのは、元から話が長いというよりも、すごくプレッシャーを感じているからかもしれません。
それが習慣になっちゃうこともあるかもしれないけれど。「すべき」と管理的なことを言うのは、実はその人の性格が悪いわけじゃないんです。この実験で、どんな人でもプレッシャーをかけられるとそうなることがわかりました。
上司は(役職が)上にいけばいくほど、業績やお金に対するプレッシャーが厳しい。僕も社長だったからわかりますが、重圧感が本当にすごいんですよね。
部下から上司を見るとすごく強そうで、いつも命令してくるから気分が損なわれるかもしれないですが。上司も上司でものすごく不安感が強いんです。「これを達成しなくちゃいけないけど、だいぶギャップがあって……」と、すごくプレッシャーがかかっているんですよね。
だからどうしても命令的、管理的な話をしちゃう。でもその結果、僕もそうでしたが、部下との心の距離がどんどん遠くなっていっちゃうんですね。
そうすると上司は孤立してくるんですよ。人も辞めていっちゃうから、お金に加えて人の問題も出てきて、さらに不安感が増してくる。今日のテーマは「難しい上司との対話」ですが、まずは上司の視点で自分を見てみましょう。
みなさんとあまりうまくいかない上司がいたら、その人の視点で自分や会議の状況を想像してみてほしいんですね。例えば、上司の視点から見ると自分自身はどう見えるでしょう。イマジネーションをフルに働かせて想像してみてください。
ここ(資料)に「上司から見た部下のタイプ」があります。横軸が他者です。他者をどのくらい気にするか、尊重するか。縦軸が自己追求です。
(他者と自己追求が)両方ともない、「無気力でサボりがちなタイプ」に見えるのか。それとも自分で考えて行動することはしない、顔色を見て意見を出さない「すごく忖度をするタイプ」に見えているのか。どっちかというと、「(組織を)変えたい」と思って反発して対立したり、ネガティブな発言が多いのか。やる気に満ちていて、チームの推進役として自ら行動するタイプに見えるのか。
いずれにしても自分がどう見えているのかを考えることは大切です。その上で、上司の立場で「どんな部下がいたらうれしく感じるか」をまず考えてみたいんです。僕はずっと孤立した社長だったからわかるんですけど、不安感や孤独感が大きい時は、本当に信頼できる人が欲しい。
おべっかを言う人といると、その時は気持ちがいいんだけれども。長く見たら「言っていることとやっていることがぜんぜん違うじゃないか」となる。(そうではなくて)やっぱり信頼できる人が欲しいですよね。
これは今日のテーマでもありますが、難しい上司とお話をする時には、信頼を得られる話し方をすること。信頼を得られれば、関係性は大きく変わり、話も聞いてもらえるようになります。僕はもう30年以上も社長をしていますが、その体験からも確信を持ってそう言えます。
じゃあ、どうやって信頼を得られるのか。ここでは、この3つがそろうと信頼されるという「信頼のトライアングル」のお話をしたいと思います。これは上司だけじゃなく、一般的に使えるゴールデンルールです。
まず1つ目は「真実性」です。言っていることが嘘だったら信頼されないですね。だから当然真実であること。言いにくいことでも真実を言う。2つ目は「論理性」。言っていることが論理的であること。とんちんかんだったら信頼されないですね。
この「真実であること」「論理的であること」は、とても重要です。だから勉強も経験も大事。ただ問題は、この2つだけだと評論家みたいに聞こえちゃうってことですね。相当キャパの大きい上司じゃないと、評論家みたいに一方的に他責感覚で言われたら、やっぱり気分を害しますからね。
そこで大切なのが「共感性」、エンパシーです。相手の立場、相手の気持ちを慮り、心配りをしながら、本当のことを論理的にお話しするということです。でもエンパシーだけだと、本当に「おべっか部下」になっちゃうから。この真実性、論理性、共感性がバランス良くそろっていることが大切です。実はこれが今日のテーマなんです。
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