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第200回 ルパン三世と峰不二子の関係が結果を出す!?「フィットネスジムの新潮流」(全1記事)

オープンからたった1年で会員数日本一を達成 chocoZAPに見る、顧客との持続可能なエンゲージメントの構築

さまざまな社会課題や未来予想に対して「イノベーション」をキーワードに経営学者・入山章栄氏が多様なジャンルのトップランナーとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。今回は、フリーランス広報の田ケ原恵美氏と「フィットネスジムの新潮流」をテーマに語り合った放送回の模様をお届けします。 ■動画コンテンツはこちら

多様化するフィットネスジム

入山章栄氏(以下、入山):今回のテーマはフィットネスジムなんだけど、タガエミちゃんはどうですか? これまでフィットネスジムに通ったことってあります?

田ケ原恵美氏(以下、田ケ原):何種類もあります。

入山:そのフィットネスジム歴を教えてくださいよ。

田ケ原:まず、学生の頃はわりとプログラムが充実しているところによく行っていたんです。例えばダンスができるとか、ヨガができるとか、併設してジムがあるようなところに通っていました。

入山:当時はまだ大学生だもんね。

田ケ原:そうですね。「いろんなことを体験したい」というほうが先行していたので、そういう選び方していたんですけど。そこから社会人になって、行きたいレッスンになかなか行けなくなってきたので、エニタイムフィットネスに切り替えました。

入山:エニタイムね。今日本中にある有名な大手フィットネスジムチェーンですよね。

田ケ原:はい。マシン特化型でシャワーもついていますし、簡単に足を運びやすいという意味ではすごくよかったです。

入山:マシン特化型ってどういうこと? 

田ケ原:マシンだけが置いてあるところです。

入山:つまり、トレーナーさんがいないということ?

田ケ原:トレーナーさんは日中はいるんですけど、例えばメガロスさんみたいに、他のことができるというのはないです。

入山:つまり、先ほどタガエミちゃんが言っていたダンスやヨガができるのは、メガロスというところなのね。僕、実はぜんぜん詳しくないんですけど、そこはダンスもヨガも、いろんなことができる?

田ケ原:そうなんです。総合型のフィットネスクラブがいくつかあります。

入山:なるほど。それが総合型なんだ。

田ケ原:はい。

入山:エニタイムは筋トレとかマシン特化型なんだね。

田ケ原:そうなんです。なので、マシンの使い方を教えてくれたり、「どう使うとこういう体が作れますよ」と教えてくれる人が、日中にいるのが特徴ですね。

ただし私はズボラだったので、レッスンみたいなものがあると、「この曜日にこれがあるから行こう」ってなるんです。

入山:「行かなきゃ」という気持ちになるよね。

田ケ原:そうなんです。やっぱり行かなくなっちゃったんですよね。ということで、パーソナルジムに切り替えて、今はchocoZAPに通っています。

入山:ちなみにパーソナルジムは、なんていうところに行っているの?

田ケ原:私はビーストイックという、どちらかというと「姿勢をよくするための体の鍛え方」みたいなところに行っていました。

入山:つまりタガエミちゃんは、少なくともこれまでに4つのジムを経験してきたと。

田ケ原:そうなんです。

入山:ひと通り経験してんじゃん。

田ケ原:そうなんです(笑)。だから、料金体系とか何が特徴かとか、かなり調べました。

ジムごとの客層や使い方の違い

入山:実際にいろいろ経験してみてどうですか? ここがよかったとか悪かったとか、簡単に比較はできないと思うんですけど、どういうふうに感じました?

田ケ原:総合型のフィットネスクラブ、例えばメガロスさんやティップネスさんだと、わりと年齢層が高めというか。ご家庭を持っているような方が多かったです。

入山:そうなんだ。

田ケ原:なので、わりと通いやすいというか、周りの人が同じような運動初心者で、教えてもらいに来てもらっている方とかでした。

入山:初心者っぽい人が比較的多いのが、総合型のメガロスとかティップネスなのね。

田ケ原:はい。あとは、飽き性でもいろんなことが体験できるので、そこはすごくおもしろかったなと思います。

エニタイムは自分でストイックに運動ができる人。例えばYouTubeなどを見て、何をやったらいいかがわかっている人が来るような場所です。

入山:玄人向けなんだ。

田ケ原:どちらかというと、そうですね。なので、ちょっとストイックな感じで「自分も準備していかなきゃ」みたいな。行くまでのハードルが、個人的にはどんどん出てきたということです。

入山:でも、気持ちは上げていかないといけない、みたいな感じなのね。

田ケ原:そうですね(笑)。そういう感じでしたね。なので、パーソナルジムに通っていました。

入山:ビーストイックね。

田ケ原:ここは、例えば自分が猫背でデスクワークをしているので、そこを改善するために、肩回りをどうやって鍛えましょうとか、骨盤が後傾しているので、腰を反らないように前傾に治しましょうみたいな。体の使い方と筋トレを同時にやっていくようなことをしていました。

入山:そしてchocoZAPは?

田ケ原:そこから自分の体の使い方がわかったので、chocoZAPに通うようになって。習慣ができたので、通う頻度を高く、できるだけ安く、「家に帰ったらお風呂に入ればいいや」くらいの感じで契約したのがchocoZAPですね。

コロナ禍前後でジムにあらわれた変化

入山:コロナ禍になって、ジムに通えなくなったじゃないですか。あの時はやっぱり辛かったわけね。

田ケ原:そうですね。やっぱりジムに行って体を動かすのが気分転換になっていたので、行けないストレスは感じていましたね。

入山:実際にどうですか? ジムの利用者としては、フィットネスジムに対してコロナ禍前後でどういう変化を感じていますか?

田ケ原:当時は時短営業になって。夜が開いてないのもそうですし、人数制限があって入れないこともあったので、「行ったのに何もできない」みたいなことが起こり得る状況でした。

入山:行ったけど、「人数制限があるから入っちゃダメ。待ちなさい」みたいになった。

田ケ原:そうですね。そういうこともあったので、足が遠のく原因になったと思います。

入山:そうだよね。もちろん、お店側も仕方がなくやっているんだけどね。

田ケ原:そうですね。一方で、オンラインプログラムがすごく普及してきました。

YouTubeもそうですけど、ジムごとにオリジナルのプログラムをネット上にあげてくれたので、そういう意味では、わりと身近になったというか。「体を鍛えるって大事なんだな」みたいな風潮を作ってくれたのかなと思います。

あとは、コロナ禍以前はマシンを使った時には、備えつけのタオルで汗を拭く感じでした。

入山:マシンにタオルがついていたり、僕もそうだけど、自分で持って行ったタオルで汗を拭いたりするよね。

田ケ原:そうですね。あとはアルコール消毒とマスクが必須なのは、かなり変わったと思いますね。

入山:汗とか人の息とかが飛び交うところだからね。

田ケ原:そうですね。そういうことはありました。

私は今、chocoZAPに通っていますけど、最近は「除菌シートやアルコールで拭き取ることだけはやってくださいね」というルールはあるんですけど、「マスクはもう外していいよ」となりました。

入山:なるほど。マスクを外してchocoZAPやジムに通っている人は増えてきているんですか?

田ケ原:そうですね。増えてきていますね。

入山:ようやくジムの世界でも、コロナ明けが見えてきたということなんだね。

田ケ原:そうですね。浜カフェのスタッフさんともジム編歴について話していたら......。

入山:これだけ偏歴があったらしゃべれるよね。

田ケ原:そうなんですよ。立地的な強みだったり、プログラムの強みだったり、ジムには個性があるなと思いましたね。

入山:ジムの個性ね。ちょっと聞いただけでもいろいろあるものね。

運営会社によって異なるジムの個性

入山:例えば他に、どのへんが個性的なジムですか?

田ケ原:先ほど名前だけ挙げてしまったんですけど、業界6位で関東、関西、東海地方で144店舗を運営するティップネスです。

入山:ティップネス、僕も知っていますよ。有名ですよね。

田ケ原:はい。わりと駅近にあるのと、都心に集中しているので、都内の方は馴染みがあると思います。

こちらは、実は2014年に日本テレビが全株式の取得を発表して、番組内で日テレとコラボした企画とかも行っているんです。

例えば、2年前に番組企画で、後藤晴菜アナウンサーがヨガ講師の資格を取得して、講師を担当するレギュラープログラムが誕生しています。

入山:へえ~。

田ケ原:他には、私が先ほどご紹介したメガロスです。メガロスはプログラムもあるんですけど、一番の特徴は、野村不動産の運営なのでマンションの中にあるんですね。しかも業界8位で、今全国に44店舗展開しています。

入山:おもしろい。

田ケ原:なので、施設の中もすごくきれいですし、個人的には「天井が高い」みたいな特徴を感じています(笑)。高層マンションの中の一角なので、いろんな方が幅広く通いやすいようにと工夫されているように感じますね。

入山:おもしろいね~。

田ケ原:最近だと、ジェクサーというジムも出てきています。

入山:ジェクサーね。

田ケ原:首都圏で16店舗運営されているんですけど、JR東日本が運営しているんですね。

入山:ええ?! そうなの?

田ケ原:はい。例えば、大井町だと駅直結だったり、わりとビジネスマンの方たちが通いやすいのが特徴です。

入山:そうか。いろんなジムがあって、かつそのジムを運営する主体の会社にいろんなところがいて。「いかに続けるか」とか、「いかに通うか」というジム利用者の最大の問題に対して、こうやって差別化して勝負しているんだなと分かりました。だけど、ここまでジムの話を聞くとね~。

田ケ原:筋肉への憧れが芽生えてきましたか?

入山:そうだね。となると......。

田ケ原:例の金ピカジムに入会を......。

入山:何を言っているの? この曲を聞くしかない。アニメ『キン肉マン』オープニングテーマ、串田アキラで『キン肉マン Go Fight!』です。

たった1年で会員数日本一のジムに成長したchocoZAP

入山:というわけで、キン肉マンは僕の世代の、特に男性は知らない人はいないですよね。シリーズ累計7,700万部突破の超人気漫画ですね。

作者の「ゆでたまご」というのは、嶋田隆司さんと中井義則さんのコンビです。ロビンマスクとかテリーマンとかウォーズマンとかブロッケンJr.とか。いろんな超人との友情もあって、敵を倒しながら強くなっていくという大人気漫画ですよね。やっぱり筋肉というと、僕はこれかなと思います。

田ケ原:そうですよね(笑)。

入山:タガエミちゃん、キン肉マンはどう? 知っていますか?

田ケ原:もちろんです。「昨日の敵は今日の友」みたいに、どんどん仲間が増えていく展開がいいですよね。

入山:友情パワーで敵がだんだん味方になっていくというね。僕はあのへんも大好きでしたね。

というわけで、キン肉マンもいいんだけど、タガエミちゃん、今回いろんなジムを紹介してくれたじゃないですか。

僕が、その中で一番今注目すべきは、今タガエミちゃんが通っているchocoZAPだと思うんだよね。これは経営学者としても非常に気になる。

田ケ原:どんなところに注目されていますか?

入山:まずは出店ペースですよね。今、chocoZAPはものすごい勢いで出店を進めています。chocoZAPって、スタートしたのが2022年、去年なんだよね。

田ケ原:すごいですね。

入山:ところが、2023年8月14日時点で、すでに全国32都道府県に880店舗も拡大している。

田ケ原:すごすぎます(笑)。

入山:当然、それに伴って会員数も増えていて。2023年8月15日時点で、会員数が業界1位の80万人です。

それまで業界1位だった会員数78万人のエニタイムフィットネスや会員数2位の77万人のカーブスを、たった1年で超えちゃったんだよね。

ものすごい出店ペースを維持できる理由

田ケ原:この驚異的な成長には、みなさんすごく注目されていますよね。

入山:そうなんですよ。実は僕も少し前に、経営学者としてchocoZAPの幹部の方にお話をうかがいました。

これだけ出店ペースが激しいと、人が必要ですよね。ジム経営って、普通は店舗に人が必要じゃないですか。だから、人や組織の力が十分ないままこんなに拡大すると、会社って普通はうまくいかないわけですよ。

ものすごい出店ペースなので、その時に「大丈夫ですか?」って質問したら、「ぜんぜん大丈夫です」と。タガエミちゃんはchocoZAPに通っているから知っていると思いますけど、なぜ大丈夫かというと、chocoZAPは店舗が無人なんだよね。

田ケ原:そうですね。完全に人がいないですね。

入山:やっぱりそうなんですね。

田ケ原:はい。

入山:店舗に人がいなくてもいいから、人材を確保してトレーニングしたり、成長させる必要がない。実は従業員がいらないんですよ。

田ケ原:そうですね。それがすごいですよね。

入山:そうなんです。その代わり、地域のchocoZAP好きのコミュニティの方々が善意で片付けをしてくれたり、メンテナンスをしてくれたり。ある意味ボランティアでしてくれるので、結果的に低いコストで店舗を運営することができる。だから、ものすごいペースでお店を伸ばすことができるということなんだよね。

これは経営としてもすごくおもしろいし、地域の方にとっても新しいコミュニティの場所になっているから、「いや~、おもしろいな」ということですよね。

田ケ原:ジム起点で何かが始まりそうですよね。

入山:そしてもう1つ、鍵になることがあるんだよね。

田ケ原:なんでしょう?

入山:実は、ヒントがこの曲の中にあるんだよね。ピートマック・ジュニアで『ルパン三世のテーマ』です。

ルパン三世も知らない人はいないですよね。テレビの第1シリーズが1971年から1972年にかけて放送されて、現在テレビシリーズは第6シリーズまで放送されています。それ以外にも、映画とかいろんなところで大人気のアニメですよね。

ルパン、次元、五右衛門、謎の美女、峰不二子。そして、銭形警部ですよね。タガエミちゃん、ルパンはどうですか?

田ケ原:「峰不二子になるために筋トレをしている」と言っても過言ではないですよ。

入山:大きく出ましたね。

田ケ原:そうですよ(笑)。

入山:峰不二子になるために。

田ケ原:あのセクシーボディになりたいですよね。

入山:峰不二子のスタイルは、現実では、ある意味ありえないですけどね。

田ケ原:そうですね。

入山:やっぱり男性も、ときめいちゃいますよね。

田ケ原:そうですよね。

RIZAPのビジネスのポイント

田ヶ原:これがchocoZAPの鍵にどうつながっていくんですか?

入山:これはまさに、峰不二子なのよ。ルパンといえばセクシーボディの峰不二子にぞっこんじゃないですか。

田ケ原:そうですね。

入山:ルパンって、峰不二子の言うことなら、どんな無茶を聞いても実行しちゃうじゃないですか。

田ケ原:そうですね。

入山:つまり、これを経営学とかビジネス用語でいうと、ルパンは峰不二子に対して、エンゲージメント、忠誠心が異常に高いということなんですよね。

田ケ原:なるほど。でも、そのエンゲージメントとジム運営ってどういう関係があるんですか?

入山:ここからは僕が経営学者として考えていることなんですけど、実はRIZAPのビジネスは、まさにエンゲージメントをすごくうまく使っているのがポイントだと思っているんですね。

実際にRIZAPで運動した結果、痩せた方とか、RIZAPの関係者の方にお話をうかがっていると、ポイントは徹底的なエンゲージメントなんですよ。ある意味、RIZAPにハマっちゃうということです。

田ケ原:すごい。そうなんですね。

入山:まさに自分自身をコミットする。これはどういうことかというと、RIZAPって、トレーニングがけっこう大変じゃないですか。体はあんなに簡単に鍛えられないし、体重も落ちないですからね。

田ケ原:行きたくなくなりますよね。

入山:じゃあ、どうやったらRIZAPを使っている方があそこまでコミットできるかというと、ポイントはトレーナーさんなんですね。

田ケ原:トレーナー。

入山:例えばRIZAPに男性の方が行くと、常にそうじゃないけど、すごくいい意味で人間的に素敵な女性の方がトレーナーとしてあてがわれます。

あるいは女性の方が行ったら、女性の方が入る時もあるけど、男性の方でいい感じの方があてがわれるみたいになっています。

そうすると、あまり表現がよくないかもしれないけど、いい意味で言っているんですけど、ホストクラブみたいな感じだと思うんですよ。

田ケ原:なるほど~。

入山:つまり、トレーナーとしてもすごく優秀だけど、人間的にもすごくいいトレーナーさんが、「がんばってください。できますよ。痩せられます」みたいに気持ちを盛り上げてくれるらしいんですよね。

そうするとRIZAPに通い出した人は、「自分のために」以上に、「このトレーナーさんのためにがんばろう」となるらしいんですよ。

RIZAPとは異なる、chocoZAPのエンゲージメント

田ケ原:しかも会いに行きたくなるので、通う頻度も下がらなさそうですよね。

入山:そうなんですよ。まさにルパンでいうと、「峰不二子のためならなんでもやる」みたいに、「このトレーナーさんのために自分はちゃんとRIZAPに通って結果を出さなきゃ」って思うらしいんですよね。

田ケ原:へえ~。確かにそれだと通い続けられるし、結果も出そうな気がします。

入山:だからRIZAPって、けっこうな短期間でワッと結果を出せる方がいて。それがRIZAPがすごく注目されていた理由なんですよね。ある程度成功した理由です。

田ケ原:知らない人はいないですからね。

入山:ただし、あえてRIZAPの弱点を言うと、トレーナーさんのためにやっているから、RIZAPに通っている間はいいじゃないですか。でもRIZAPをやめちゃうと、トレーナーさんに会わなくなるんですね。すると、エンゲージメントが下がっちゃうんですよね。

だから、全員がそうじゃないけど、RIZAPを経験してからリバウンドする方もたまにいると言われています。

田ケ原:確かに。

入山:もちろん、そのまま体型をキープされる方もいるんだけど、やっぱりそういう課題がある人も出てきかねないというのが、おそらくRIZAPの弱点なんですよね。

田ケ原:なるほど。

入山:それに対してchocoZAPは、同じようなエンゲージメント、習慣化なんだけど、気軽なエンゲージメントなんだよね。

田ケ原:そうですね。

入山:まさにこれ、タガエミちゃんは実感しているでしょ?

田ケ原:実感しています。

入山:RIZAPはトレーナーさんのためにやるんだけど、chocoZAPはそもそもトレーナーさんがいないわけですよ。いないんだけど、だからこそハードルが低いわけですよね。

無人だから気軽に行けて、安くて、「普段着でのままでもトレーニングしていいよ」みたいに気軽に楽にできるから、何度も通えて。「ちょっと疲れたな」と思ったら、トレーナーさんがいないからやめちゃうわけですよね。

でも、だからこそ軽いトレーニングをずっと続ける。弱いエンゲージメントなんだけど、弱いからこそ長い間、習慣化ができるわけですよね。

田ケ原:まさしくそうですね。

無人化の課題をカバーするデジタル化

入山:結果として、だんだん体が健康になってくる。つまり、一気に短い時間でギューっと圧縮して、そこでエンゲージメントを高めて結果を出すのがRIZAPの仕組みです。

それに対して、気軽だからこそ毎日、毎週通えるという習慣化を根づかせることで、弱いけど持続するエンゲージメントを作るのがchocoZAPです。実は、まったく真逆なんだよね。

田ケ原:確かに、カニバらないってすごいですよ。

入山:だからまさに、このRIZAPとchocoZAPのビジネスがお互い食い合わないで、ともに成長しているということだよね。

田ケ原:すごいですね。ここまで広がった要因はどんなところにあると思いますか?

入山:やっぱり、デジタル化が進んでいるんですね。なので1週間来館がなかった人には、ちゃんとアプリで「来ませんか?」とやったり。

店舗が無人なのは、当然いろいろ課題もあるので、AIカメラを入れたり、その中でどういうマシンが一番使われるかを解析したり。そういう工夫もどんどんしながらchocoZAPは進化しているということですよね。

田ケ原:chocoZAPは自分も通っているんですけど、習慣化の仕組みは、私たち浜カフェを運営している飲食店の従業員にとってもヒントになりそうだなと思います。

入山:そうね。我々、お客さんの習慣化ができていないからね。だからお客さん、こんなに少ないからね。

田ケ原:そうですね(笑)。

入山:やっぱりRIZAPとchocoZAPから学ばなきゃいけないよね。

田ケ原:学ばないといけないですね。

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