2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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さまざまな社会課題や未来予想に対して「イノベーション」をキーワードに経営学者・入山章栄氏が多様なジャンルのトップランナーとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」。今回は、テレビ東京を退職し、ビジネス動画メディア『Re:HacQ』を立ち上げた映像ディレクターの高橋弘樹氏と、プロ野球選手からビジネスコーチに転身した高森勇旗氏をゲストに迎えた放送回の模様をお届けします。人それぞれの会社を辞める理由や、お金持ちになる人とならない人の違いなどが語られました。
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入山章栄氏(以下、入山):「浜松町Innovation Culture Cafe」、今週もお客さまに映像ディレクターで株式会社tonari代表取締役の高橋弘樹さんと、株式会社HERO MAKERS.代表取締役の高森勇旗さんをお迎えしました。高橋さん、高森さんどうぞよろしくお願いします。
高橋弘樹氏(以下、高橋):よろしくお願いします。
高森勇旗氏(以下、高森):よろしくお願いします。
田ケ原恵美氏(以下、田ケ原):高橋さんのプロフィールです。大学卒業後、2005年にテレビ東京に入社。『家、ついて行ってイイですか?』『吉木りさに怒られたい』などを企画・演出。2021年よりYoutubeチャンネル『日経テレ東大学』の企画・制作統括をスタートしました。
今年2月にはテレビ東京を退社し、自身が代表を務める株式会社tonariでビジネス動画メディア『Re:HacQ(リハック)』を開設。YouTubeチャンネルの登録者数は8月現在で40万人を突破しています。また、今年3月には東京ニュース通信社から退職経験のある著名人と対談を行った、『なんで会社辞めたんですか? 経験者たちのリアルボイス』が発売されました。
入山:というわけで高橋さん、今週もよろしくお願いします。
高橋:よろしくお願いします。
入山:先週もご紹介しましたけれども、高橋さんは本当に今大注目されている方と言ってもいいと思うんですが、テレビ東京を退職されて、tonariという会社を立ち上げられて、ここでどういうことやられているか、あらためて教えていただけますか?
高橋:はい。ビジネス動画メディア『Re:HacQ』というチャンネルを立ち上げて、政治とか経済とかスタートアップとか、いろんなジャンルの番組を作っている感じです。
入山:こちらの著書『なんで会社辞めたんですか? 経験者たちのリアルボイス』は、もともといらっしゃったテレビ東京の『日経テレ東大学』時代にやっていた番組を書籍化されたということですけど、どういう本かをあらためて教えていただけますか?
高橋:これはテレビ東京の佐久間(宣行)さんとか、朝日新聞の記者さんとか、会社を辞めた人に、その経緯と辞めたあとどうだったかを聞いてまとめた本ですね。
入山:ちなみに、有名な佐久間さんとか、宇宙飛行士の野口(聡一)さんとか、話題になった日経の経済記者の後藤達也さんとか、竹中平蔵さんとかがいるわけですが、「特にこの話はおもしろいからちょっと読んでよ」みたいなのって、誰かありますか?
高橋:やっぱり野口さんはおもしろかったですね。野口さんって、定年間近だったんですよ。定年間近なのに、あえて辞める選択がけっこうおもしろかったです。会社のことは好きなんだけど、会社に自分の人生の肝を握られないようにするために、という内容で話しているんですけど、印象深かったです。
入山:なるほど。大変注目ということで、ぜひこちらも読んでいただければと思います。というわけで、今日もどうぞよろしくお願いします。
高橋:よろしくお願いします。
田ケ原:続いて、高森さんのプロフィールです。2006年に岐阜県の中京高校から横浜ベイスターズ、現在の横浜DeNAベイスターズに高校生ドラフト4巡目で指名され入団。
2012年、戦力外通告を受けて引退し、データアナリストやライターなどを経て、2016年、企業の上級管理職にコーチングを行う株式会社HERO MAKERS.を立ち上げ、代表取締役に就任。6月には日経BPから成果を出すための仕事への向き合い方を紹介した『降伏論 「できない自分」を受け入れる』を発売されています。
入山:というわけで高森さん、今週もよろしくお願いします。
高森:よろしくお願いします。
入山:先週もおうかがいしましたけど、もともとプロ野球選手で、6年間の成績はヒット1本のところから、今は引っ張りだこのビジネスコーチング界でとても有名な方です。あらためて、なぜこうなったのかを教えてください。
高森:なかなか再現性がないので説明しづらいところがあるんですけれども、非常に高い好奇心と、「おもしろいな」とのめり込んでいく力に引っ張られてここまで来た感じですかね。
入山:プロ野球界は、当然毎年ものすごい数の方が引退されるわけじゃないですか。そのあと、セカンドキャリアがとても話題になると思うんですけど、ビジネスの世界でこういったかたちで注目される方はほとんどいないですよね。
高森:ほぼいないですよね。基本的に75パーセントは野球界に残ると言われています。
入山:そうですか。
高森:40パーセントが球団に残るんですけど、残りの35パーセントは独立リーグに行ったり、大学の野球の監督をやったり、社会人野球のコーチになったり、選手になったり。75パーセントは、野球界全体に残るんです。
入山:そんなに残るんですね。
高森:そうですね。残りの25パーセントの人が、会社員になったり、起業したり。あとは、不明が1パーセントくらいいるんですけど、僕はどちらかというと不明に入るんですよ。
入山:そして高森さんも、日経BP社から『降伏論 「できない自分」を受け入れる』という今とても話題の本を出されています。この「降伏」は幸せではなくて、「負けました」の「降伏」論ですよね。これが今、ものすごく売れているそうですけど、どういった本ですか?
高森:広い意味で自己啓発の括りに入る本です。「今のままの自分で成功できると思うな」と。「本当に成功したければ、今のままの俺では無理かもしれない。いったん降伏してくれ」が、メインのメッセージです。
入山:1回負けを認めましょうというメッセージですね。
高森:そうですね。
入山:後ろに本の内容のポイントみたいなものが書いてありますが、けっこう痺れますよ。「やる気と一生懸命さだけの人間に仕事を与えてやろうという人はいない」とか、「何かを始めたい時はその場で予約をする」。これは、どういうことですか?
高森:例えば、「英語の勉強をしようかな」と一念発起したとするじゃないですか。でも、3日後には忘れていますよね。思い立ったその時に、英会話スクールに入会してしまうんですね。そんな感じです。
入山:ちょっとわかる。
高森:例えば、「いつかエジプトに行きたいんだよな」と言っている人がいるんですけど、「今飛行機のチケットを買っちゃったら?」と言うと、必ずその日は来るわけじゃないですか。来ちゃったら行くしかないので。そうは言っても、何か理由をつけてみんな買わない。
入山:「お金持ちになる人、ならない人の違い」。これは興味がありますね。
高森:これは本にかなり詳しく書いたんですけど、「お金ちになりたい」という人に、僕もたくさん出会ってきたんですね。
「お金持ちになりたい」人に、「お金を稼いだら何に使いたいんですか?」と聞くと、すごく漠然といろんな答えが返ってくるんですけど、その答えによって、お金持ちになるか、ならないかが、なんとなく見えてくるんです。
入山:ちなみに、どういうことですか?
高森:お金持ちになりたい人の深層心理は、平たく言うと、お金持ちになりたいのではなく、お金持ちに見られたいんですよね。
入山:なるほど。
高森:だから、こういう車に乗って、こういうところに住んで、こういうものを食べて、こういうものを身につけて、これらは見せたいわけですよね。本質的にそれが欲しいというよりは、そのように見られたい。それは大量消費者になるだけで、お金持ちではないんですよね。
これを僕は、「資本主義と承認欲求の罠にかかった大量消費者と呼んでいる」と書いています。お金持ちの人たちの回答はけっこうシンプルで、「お金から自由になるためにお金を稼ぐ」と言うんですよね。お金による意思決定の制限から解放されたい。
お金でお金を増やしにかかるのがお金持ちのマインドなので、「何かを消費するため」ではなく、「自分の状態を高めるためにお金を増やしたい」と言うんですよね。
入山:なるほど。
高森:僕の場合は、自分の体験にどんどん投資していく感覚ですかね。それをすればするほど、また自分のエネルギーも上がっていきます。
入山:まさにそれが、もう1つこの本に書いてありますよね。「お金持ちが体験に惜しみなくお金を使うのはなぜか」。お金持ちほど体験にお金を使う。
高森:そうですね。惜しみなく投下していきますよね。
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