2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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井上和幸氏(以下、井上):それではお時間になりましたので、開始いたします。みなさんこんばんは、経営者JPの井上です。本日は「EQ」をテーマに、EQの第一人者である髙山さんをお迎えして過ごしてまいります。髙山さん、今日はよろしくお願いいたします。
髙山直氏(以下、髙山):はい、よろしくお願いします。
井上:仕事終わりの方も多いと思いますので、楽しいひと時にもしていただければと思います。全体の最後にQ&Aの時間もとろうと思っていますが、我々がお話ししている間も随時チャットに書き込んでいただきましたら、ピックアップしながらお話を進めてまいります。
ご存知の方も多いと思いますが、EQは1990年代半ばにアメリカで登場し、直後に髙山さんが日本にEQを導入されました。当時はEQジャパンという会社名での設立でした。書籍も多くのベストセラーを出されていて、導入当初から現在に到るまで、EQについていろんな知見を僕らに伝えてくださっている方です。
今日は髙山さんに、最新動向をいっぱいうかがいながら進めていければと思います。みなさんの中には、EQは知っているけど「よくよく考えるとどういうものだろう」という方もいらっしゃるかもしれませんので、少しEQの生業やEQで何がわかるのかなども織り交ぜつつ、お話をうかがっていければと思います。
髙山さんには本当に長くお世話になっていて。もう20年ぐらい経っているんですよね(笑)。
髙山:そうですね(笑)。
井上:EQジャパン社の時です。2000年に入ったあたりかな、リクルートを卒業して人材コンサルティングのベンチャーに経営参画した時に、ありがたいことに髙山さんと知り合って、いろいろ教えていただきました。僕にとってEQは考え方の1つの基盤になっているので、本当に髙山さんには足を向けて寝られないです。
髙山:とんでもございません。ありがとうございます。今日は世界のEQの動向などをぜひお伝えしたいと思っています。
井上:相手役は私、井上が務めさせていただきます。さっそく、そもそもEQとは何か、経営者やリーダーになぜEQが欠かせないのかというところからうかがってまいります。では、そもそも論を髙山さんからお願いいたします。
髙山:井上さんから「そもそもEQとは何か」というお話があったんですけど、実はEQを学ぶステージから、次のステージに来ていると思っています。今EQ理論のお話をすると、「いや、それでどうすればいいの?」とか「組織とかチームでどう使うのか」とか「コミュニケーションとか人間関係に実際にEQをどう使うのか」という、実践・活用を求められるケースがほとんどです。
日本でEQ事業を始めた当時は、大学の先生やカウンセラーなど心理学の専門家の方がたくさんうちのセミナーに来られて、心理学の専門家じゃない僕はたじたじになった思い出がありますが、今では企業の方がほとんどで、ではどうやってEQを使うのかに興味は集中しています。
そうだ、EQ理論を勉強されたい方は、ぜひ経営者JPのホームページを見てください。とてもわかりやすく勉強できる内容になっています。(笑)。
井上:ありがとうございます(笑)。
髙山:もちろん弊社のHPでもご紹介していますので、そちらもぜひ、ご覧になってください。
今日は、今世界がどういうふうにEQで動いているかというお話をしたいと思います。ニューノーマルとか、パンデミック後に働き方がどう変わるのかというテーマに必ずEQというワードが登場するんです。
井上:「ニューノーマル」と今言われて、なんかすごく懐かしくなりましたね(笑)。コロナ直後、僕らもすごく言っていました。ニューノーマル、ニューノーマルと、ある意味バズワードになっちゃいましたね。
髙山:今では、このニューノーマルが僕らの普通になっていますよね(笑)。
井上:そうですよね。今日のこういうオンラインの活用もそうだと思います。コロナを受けての過ごし方とか、解決されていない部分もけっこういっぱいあるなとあらためて思います。
髙山:ありますね。では世界の動向をちょっとまとめてみましたので、共有していいですか。井上さんにも最近、EQの最新状況をお伝えする機会がなかったのでちょうどいいかなと思います。
井上:聞きたくてしょうがないものの1つです。
髙山:今日ご覧のみなさまは、スイスのダボスで行われている世界経済フォーラムのことをご存知だと思います。大統領・首相をはじめ、世界の有力団体が集まって経済の未来を話し合う会議ですが、ここでEQが最初に登場したのは2016年です。「2020年までに必要なビジネススキル」としてトップ10の中の第6位に選ばれました。
そういう意味では、記念すべきEQの世界デビューです。
高山:その理由は、AIでした。今では言葉の意味や質がちょっと変わって、AIもDX(デジタルトランスフォーメーション)という産業構造自体を変えるものの1つとみなされています。当時においては、AIが台頭してくると人間ならではの情緒的なスキルが重要になってくるというのが理由でした。
トップ10を見ると普遍的なテーマもけっこう入っています。問題解決とかクリティカルシンキング。6位にまったく毛色の変わる「情緒的知性」(Emotional Intelligence)。直訳すると感情能力のようなものが、初めてランキングに入りました。
井上:ここで初めて入ったんですね。
髙山:そうなんです。それまで分科会では出ていたようですけれども、大々的に経済フォーラムのホームページに出ることはありませんでした。
井上:なるほど。
髙山:もう1つ、この(スライドの)VUCAワールドという言葉も世界経済フォーラムで生まれた言葉です。よく「コンサルティングファームの人が作った言葉だ」という話がありますが、世界経済フォーラムなんですね。イノベーションでビジネスモデルが崩壊すると言われていましたが、さらにパンデミックと合わさって「VUCAの時代」が加速されたと思います。
そして2年後、基調講演に(アリババグループ創業者の)ジャック・マーさんが登場して、こういうことを言っています。「もし成功したいのなら、高い心の知能指数、EQを持つべきだと信じている」と。世界の経済界のトップレベルの方がビジネスの成功にEQは不可欠だと言い始めていることにことにとても驚きました。
直近がこれ(「2025年ビジネスパーソンに求められるTop 15 skills for 2025」)です。一昨年の世界経済フォーラムのレポート「仕事の未来」の中で紹介されていました。これは多言語で紹介されていて、日本語のページからの紹介に、2020年から5年後の2025年に求められるスキルとしてEQ(感情的知性)がやはり入っています。
井上さん、どうですか。このアイコン、どこかで見たことないですか?(笑)。
井上:ん……?
髙山:SDGsですよ!
井上:あっ、このマップ自体ですね。
髙山:そうそう。僕はこれを見て「普遍的なビジネススキルにEQが入ったんだ!」と勝手にEQ寄りの理解をしました。ホームページには一切そういうことは書かれていませんでしたが(笑)。ビジネススキルの中にやはりEQが入ってきている。
髙山:この時にはもうDXと言われていましたが、このレポートの中ではテクノロジーに関するビジネススキルがあまり入っていないんですよ。7と8は明らかにテクノロジーに関係しますね。あと10番はウイルス対策なので、これもテクノロジーです。14番の「システム」は人事評価とか社内評価とか、評価制度設計で、IT系のシステムではないんです。
2番目が今日本政府も1兆円の予算を組んだと言っている、リスキリングです。2020年の時点で「戦略的学習」、過去のスキルは捨てろとまで言っているんですよね。
じゃあ未来のビジネススキルに何が必要なのか、明らかに人にスポットが当たっています。例えば6番、リーダーシップと社会的影響力です。要するに相手を感動させたり、共感するスキルがこれから求められると言っていて、ここはけっこう井上さんのおっしゃってるところと近い部分もあるなと思います。
あとも人に関係するところなんですね。9番の「柔軟な判断力」はレジリエンスとか柔軟性と言っているものですね。13番の「サービス志向」はホスピタリティ。ちなみに15番の「説得力と交渉力」は対外折衝の能力ではなく、仲間なんですよ。仲間の一体感をどう作るかというスキルがこれから重要になってくる。
井上:なるほど、なるほど。
髙山:IT化、テクノロジー、DXと言われながら、人に関するビジネススキルの重要性を経済フォーラムが打ち出していますね。これはちょっと世界の新しい動きだなと思っています。
井上:そういうことですね。これまではどちらかというと戦略の話が多かったと思うんですけど。
髙山:明らかに変わってきていますよね。
髙山:でも、これをお見せすると「2016年のランキングで6位だったのに、なんで4年後にランキングが下がったの?」という意地悪な質問が僕にくるんですよ(笑)。
井上:なるほど(笑)。
髙山:実はビジネスキルの選び方が、2016年と変わりまして。(スライドのように)15のスキルの前に、大項目を4つ決め、分類をしたらレポートの15スキルとなっています。その大項目の4つの中の2(セルフマネジメント)と3(ワーキング・ウィズ・ピープル)は、EQそのものなんですね。
「セルフマネジメント」は本当に今重要な、すごく大きいテーマだと思います。在宅勤務、テレワークが増えてくると、こんな人はいないと思いますけど、リモートワークって上司が見えないところでは遊んでいてもいいんですよ(笑)。自分で自分のことをマネジメントすることが非常に重要になっているということですね。
それと、たぶん見てらっしゃるみなさんも経験があると思いますが、家で仕事をするとオンとオフのスイッチが曖昧になっていませんか? 気がついたら昼ご飯も食べずにずっと仕事をしていることはないですか(笑)。要するに健康管理です。これもこの中に入っています。井上さんは大丈夫ですか?
井上:今、僕はオフィスにいますが、当社もフルリモートです。
髙山:ちゃんと休憩を取りながらお仕事してくださいよ(笑)。僕は会社にいる時に「髙山さんちょっといいですか」と声かけられたら、一応EQをやっているので笑顔で対応しますけど、内心はイラッとしていました(笑)。
井上:(笑)。
髙山:「忙しいんだから声かけんなよ」というのが本音なんですけど「どうしたの?」とやるでしょう(笑)。あれけっこうストレスだったんです。
井上:嫌な時間だったんですか(笑)。
髙山:はい、とても(笑)。でもあれって、今考えると気分転換になっていたんですよね。だから今「髙山さんちょっといいですか」と言われるとすごくうれしいんですよ(笑)。「なになにどうしたの?」とか「何か心配ごとがあるの?」と、夢中になって聞いてあげる自分がいて、積極的に会社に行くようにしています(笑)。
井上:そのへんのバランスの取り方もセルフマネジメントですよね。
髙山:だと嬉しいです(笑)。もう1つが、「ワーキング・ウィズ・ピープル」。「人と働くことが大事だよ」というのはよくわかりますよね。会わないけど一体感を作らないといけない。だから「お互いに助け合う」ことが大切だと。
4つの大項目のうち2つにEQが入っていることを理解していただくといいなと思います。
井上:ありがとうございます。なるほどなという気はしますよね。
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