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「90分腹落ちセミナー」組織が本気で取り組みたくなる女性活躍 2.0(全5記事)

「事実のみを伝える」→「感情も適切に言語化できる」組織へ 越境学習を通じた、コミュニケーションのアップデート法

女性活躍推進が注目されているものの、本質を理解せず、見かけだけを整備するだけでは本当の意味での企業価値向上は目指せません。今回の90分腹落ちセミナーは、女性活躍推進の本質について、組織開発のプロフェッショナルである沢渡あまね氏と、多数企業で人材育成支援に携わってきたNOKIOOの小田木朝子氏の2名が「組織が本気で取り組みたくなる女性活躍 2.0」を語り尽くします。本記事では、古くなったコミュニケーション方法を正しくアップデートするためのポイントを解説しています。

ハイブリッドワークに必要な8つのスキル

小田木朝子氏(以下、小田木):コミュニケーションが大事であるということは、今も昔も変わらないけれども、もしかしたらコミュニケーションの定義が古くなってるかもしれないよと。こういった可能性で点検をしていくことで、新しい取り組みを追加せずとも、今やっている取り組みの中で、多様な人材がよりパフォーマンス発揮しやすい組織作りを仕掛けていけるかもしれない。そういう可能性のあるテーマでもありますよね。

沢渡あまね氏(以下、沢渡):おっしゃるとおりです。

小田木:これは要件をアップデートしようという観点ですが、一方で沢渡さんは、これから求められるスキルを新たに定義していこうという観点でも発信をされていると思うので、これをぜひ共有いただいてもいいですか。

沢渡:時代はハイブリッドワークですね。テレワークも正しいし、オフィスワークも正しいわけです。組み合わせて価値を出していくためには、武器・スキル・マインドをアップデートしていこうねと。これを表にしたのが、8つのスキル&マインドです。詳しくは、新刊『どこでも成果を出す技術』で。ぜひみなさんの組織でも読んでいただきたいです。

小田木:こういうことが書いてあるのか。

沢渡:そうですね。この中でみなさんからよく質問を受けるのが3番。ヘルプシーキングというDoing、すなわち行動なんですが。小田木さん、ヘルプシーキングを解説してもらってもいいですか。

小田木:言葉自体も新しくて、初めて聞いた方も多いんじゃないかなと思うんですが、直訳すると、1人で抱え込まず連携しながら成果を上げるビジネススキルを「ヘルプシーキング」と定義をさせていただいています。

正しく成長できる環境を作るために、正しくビジョンを描く

小田木:「メンバーはもっと助けを求めていいんだよ」だけじゃなくて、マネージャーやリーダーも同じだと思うんですね。1人で抱え込まずに連携することによって、1人で出す以上の成果を上げていく。こういう仕事のやり方をビジネススキルとして定義して、組織スキルとして全体に行き渡らせていく。

そういったアプローチが、今はすごく有効だったりします。ここまで出てきたキーワードだと、心理的安全性とかエンゲージメントともつながってくるのかなと思います。

沢渡:そうですね。ヘルプシーキングは個人スキルだけではなく、組織のスキルと捉えられるのかなと思います。

小田木:多様な人材がきちんとパフォーマンスを発揮できるし、それを引き出せる組織作りの中で必要な人物像、およびその人物に必要な開発すべきスキル定義を少しずつ進めています。全部が大事というよりも、みなさんの組織の事業の特性だとか、組織が持っている強み、大事にしている文化に合わせて、より必要なスキルは変わってくるんじゃないかなと思うので。

例えば、こうやってA・B・C・D・Eが定義がされた時に、自分たちの事業や組織の強みをより活かして、かつ多様な人材が力を発揮していくために必要な人物像やスキルを定義していくための、なにか材料になればいいなと思っています。

沢渡:そうですね。みなさんの組織の現在位置と、目指す方向を描くためのたたき台にしてもらったらいいなと思います。

小田木:さっきの問題地図もそうですが、みんなで指差しながら議論ができたら、Beingを描いてDoing、自分たちに合ったクリティカルな打ち手を設計していくスタートになるんじゃないかと思います。

沢渡:そうですね。ビジョンってみんなが目指したい未来なんですよね。これがないままに女性活躍という「点」だけを目指しても景色が合わない。組織としても個人としても、正しく成長できない状態を作ってしまうと思うんですね。ビジョンをみんなで描いていけたらなと思います。

小田木:ありがとうございます。

女性活躍は、理想の未来を作るためのプロセス

小田木:ということで、3つめの着眼点の話までさせていただきました。成果を出せる人材のスキル定義を更新して、その移行や育成をサポートしていくという観点。3つ並べて見ましたけれども、どうですか。「女性に何をするか」という発想ではなかったですよね。

沢渡:そうですね。組織がどうなっていこう、個々人がどうなっていこう、ですよね。

小田木:そうなんですよ。なのでそれも、1.0なのか2.0なのかだと思うんですが。「女性をどうする」という枕詞を置きながら考えるよりも、結果として女性が専門知識や経験を活かしたり、ライフイベント事情も大事にしながら、女性も含めた多様な人材がきちんと活躍していける組織、パフォーマンスを出していける組織をどう作っていくかという観点じゃないかな。

沢渡:間違いないです。

小田木:結果としての女性活躍。そのためのロードマップが描けると、女性活躍という言葉についてくる、狭い定義以上の組織成果が出していけるんじゃないかなという話でしたね。

沢渡:そうですね。女性活躍は、理想の未来を作るためのプロセスであると。

小田木:手段としての女性活躍、いいですね。女性活躍は目的ではなく手段だった。なんかすごくいいまとまり方をしたかなと思います。沢渡さんありがとうございます。

沢渡:ありがとうございます。

小田木:ということで、終わりのメッセージを共有させていただきます。これから目指す組織のあり方にフィットした、御社もしくはみなさんのチームの強みを活かして、かつ伸ばす女性活躍2.0を描いて、そこに向かっていけたらいいな。

今日はそういった組織作りに奮闘する方々に来ていただいているかと思いますので、ぜひみなさんのテーマも1人で抱え込まず、まずは越境でオープンにつながって課題解決をしていけたらいいなと思っております。沢渡さん、未来地図を描きましょう。伊能忠敬を書いていただきました。

沢渡:今日のアドリブですが。

女性活躍2.0を目指すために、NOKIOOがサポート

小田木:エンディングに向かっていきたいと思います。まず1つ、みなさんチャットも含めてオープンにご参加いただきまして、ありがとうございます。

沢渡:いやぁ、楽しかった。ありがとうございます。

小田木:本当に。ここまでの中でつぶやき・感想があれば、チャットにいただきたいと思いますし、聞いてみたい・投げ込んでみたいテーマがあれば、残りの時間でできる限りお受けしたいなと思っておりますので、ぜひ書き込みをいただければと思います。

そして残りの時間を合わせて、私たちのほうで今日の女性活躍2.0のビジョンを描く、および自社にあったクリティカルなDoingを具体化していくプロセスに、どんなお手伝いができるのかをご案内させていただきます。

もしお役に立ちそうな情報があれば、こちらもお聞きいただいてお役に立てればと思います。さっそくコメントもいただいてますね。ありがとうございます。じゃあ今から、具体的にどんなお手伝いができるかを紹介させていただきますので、沢渡さん、もしご質問あればお答えできるようにアイデアをまとめていただいてよろしいでしょうか。

沢渡:はい。今、準備しています。大丈夫ですよ。

小田木:じゃあみなさん、エンディングまでご参加いただきましてありがとうございます。今日ご参加の企業さまに、具体的に私たちNOKIOOがお手伝いできることをご紹介したいと思います。

自社にあったBeingを言語化して、かつBeingが描けた時にギャップが見える化されますので、この課題を洗い出して適切なDoingを言葉、もしくはプランにしていくプロセス。これを私たちがお手伝いをさせていただいております。

具体的には、企業さまごとの女性活躍推進のための方針書作りのお手伝いをしています。これがどういったプロセスなのか、どんなアウトプットができあがるのかをご紹介するための紹介セミナーを開催しています。

外部の情報を取り込む「越境」の習慣づくりを

小田木:女性活躍推進の、御社に合ったBeingとDoingを描くためのお手伝いをしています。どんなお手伝いができるのかを紹介するセミナーを開催していますので、使う・使わないに関わらず、どんな支援がしてもらえるのか知りたい方は、「作戦会議」と呼んでいる方針書作成の紹介セミナーにお越しいただければと思います。

沢渡:作戦会議と書いてありますが、ふりがなを振ると「一緒に悩みましょう」という話だと思うんですね。私たちと一緒に悩もうよ、一緒に解決しようよ。こういうことかなと。

小田木:そうですね、ありがとうございます。やっぱり1人で抱えるのは大変ですよね。他社の事例、もしくはいろんな外部からの着眼点があることで、結果として自社に合った方針、BeingおよびDoingが描きやすくなる。もしくは素早く描けると思いますので、外を頼ったり使っていいかなと思います。ということで、質問タイムに進みましょうか。

沢渡:そうですね。ご質問を1ついただいていますね。「新しい考え方に切り替えないといけないですね。問題解決の発信力・受信力をもう少し詳しく知りたいです」。ありがとうございます。

1つポイントを絞ってお答えすると、越境、すなわち外の情報を取り込む習慣をつけることがものすごく大事だと思うんですね。「世の中との対話が必要」という話をしたかと思うんですが、自分たちだけ同じ景色だけで仕事をしていると、悪気なく時代遅れになってしまっていたり、自分たちのやり方の賞味期限切れに気づけないと思うんですね。

新しい考え方ややり方を、組織の中にどんどん取り入れていく。越境はものすごく大事なのかなと思います。外に発信するだけでも、他の人が考える着眼点だとか、「そうか。そういう考え方って大事かもね」と、そこから小さな共感が生まれてくると思うんですね。

ですから、受信と発信ってそういうことだと思うんです。外から情報を取り入れて、共感したものや問題だと思うことをどんどん言語化していく。この繰り返しがものすごく大事かなと思いました。

小田木:なるほど。ありがとうございます。

同じ環境に居続けると、問題点に気づけなくなる

小田木:問題解決の発信力・受信力を上げていく上で、ずっと同じ環境で同じ問題を見ていても、それが問題かがわかりにくくなっちゃうから、越境して外に出てみてご自身が気づく。もしくは、気づいてほしい人に気づく機会を提供していく。

さらに自分の中での気づきだけにするんじゃなくて、気づいたことや言語化できたことを今度は社内で共有したり、対話したり、もしくはそれに共感してくれる人を生み出していったり、発信・受信を繰り返しながら進めていく感じですかね。

沢渡:ありがとうございます。小田木さん、誠にすばらしい。

小田木:今日みたいな場で、自分たちの組織や問題を外から客観的に見て気づいたり、もしくはヒントを得る場になるなと思ってくれれば、まさに越境の1つの形でもありますよね。

沢渡:ご質問をもう1ついただきました。「チームとしては未来地図を描こうとしているのですが、部長や経営層が未来地図を描こうとしてくれません。未来地図の責任を取りたくない印象を受けています。未来地図を描いてもらうためのポイントがあれば、教えていただきたいです」。ありがとうございます。

2つ提案したいと思います。1つは未来地図を描いてもらうのではなくて、一緒に巻き込んで議論に参加してもらう。そのために、先ほど小田木さんが見せてくださった女性活躍の問題地図。ありものを使って、部長や経営層を巻き込んでいく。その中で「うんうん」とうなずく人がいたら、「そっか。現場の人はここが問題だと思っているのか」という意思を伝えられたりするじゃないですか。

小田木:うん。こっちも使えるかもしれないですね。

上司に言いづらいことは、外部の人に代弁してもらうのも効果的

沢渡:私が『問題地図』シリーズを出しているのも、みなさんの景色合わせのデリバリーコストを下げたかったから書いてるんですね。

小田木:いいですね。景色合わせ、もしくは未来地図を描くコストを下げる。

沢渡:そうそう。

小田木:優しい。

沢渡:まず(未来地図を)描いて、ありものを使って巻き込んでいくのが1つ。2つめが、それこそ越境学習のポイントだと思うんですが、第三者に代弁してもらうのもいいかもしれないですね。それこそ小田木さんが提案してくれた作戦会議に巻き込んで、作戦会議の中で小田木さんに言ってもらうでもいいかもしれないですし。

小田木:確かに。これ、作戦会議ね。

沢渡:誰か講演者を呼んでもらってもいいかもしれないし。中の人は上の人に言いにくいけれども、代弁者に言ってもらって「うんうん」とうなずく。だったらハードルが下がるかもしれないですね。

小田木:確かに。

沢渡:これこそ、越境で解決していくってことだと思うんですね。

小田木:この方針書を描く作戦会議のプロセスも、担当者がお膳立てして、課長・部長・上司を同席させながら議論の輪に参画させていく、という使い方をされる企業さまもけっこう多いなと考えると、まさにデリバリーコストを下げてますね。

沢渡:そうですね。私も越境学習プログラムをいくつも運営もしてますし、参加もしているんですけれども、こういう景色があって。A社の部長が、まったく違うB社の若手の言うことを素直に受け入れて、そこから行動を変えることがあるんですね。こういう景色の変化が生まれていて。ヒエラルキー構造があって、同じ会社の若手の言うことはどうも心理的に受け入れにくかったり。

小田木:人間ですもんねぇ。

沢渡:そこを変えていく必要もあるんですが、同じ会社の上司だと言いにくいってあるじゃないですか。他の会社の若手が言うと、「あぁ、一般的にそういうもんなのか。じゃあやっぱり改めたほうがいいかな」って、真摯に受け止められる。これも越境学習だとか、越境の場の価値かなと思います。

小田木:自分1人でがんばらずに仕掛けていくとか、まさにヘルプシーキングですけれども、周りの手を借りていくというアプローチとも重なりますよね。

沢渡:そうですね。

90分腹落ちセミナーの振り返り対談は、Voicyで配信

小田木:自分がいかに説得させるかというよりも、うまく仕掛けて労せずして、実現したいステップや目的を実現していく。まさにだと思いました。ということで時間になりました。今日も90分の時間がスピーディーに展開しまして、ありがとうございます。

沢渡:やっぱりコラボレーションは解決策ですね。コラボレーションisソリューション。組織内の連携もそうですし、組織の外でつながる。

小田木:そして、これも今日のコラボレーションでございます。

沢渡:また地図が出てきた。

小田木:みなさん、画面が見えておりますでしょうか。なんと今日の90分腹落ちセミナーは、グラフィックレコーダーとして活躍されているあづみさんがリアルタイムグラレコを実施してくれていまして、今日のポイントがグラレコでまとまっているという。すばらしいですね。

沢渡:スペシャルプレゼント。

小田木:これ、今日の資料に追加させていただきたいなと思いますので、みなさんのアーカイブにも使っていただけたらうれしいなと思います。

もし今日のダウンロード資料に間に合わなかったり、入ってなかったよという方は、なんと来週はこの90分腹落ちセミナーの振り返り対談放送を、音声メディアVoicyのチャンネルの中で配信をさせていただきます。

ここで先ほどのグラレコも添付させていただきますので、セミナーの振り返りをしたいなという方は、音声で聞いて、かつこちらの今日のまとめも復習にお受け取りいただけたらと思います。

沢渡:楽屋トークみたいなやつですね。

小田木:そうですね。楽屋トークを音声メディアVoicyで配信させていただきます。ということで、お時間になりました。沢渡さん、みなさんも、今日は最後まで本当にありがとうございます。

沢渡:ありがとうございました。

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