2024.10.10
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小田木朝子氏(以下、小田木):みなさん、今日もご参加ありがとうございます。90分腹落ちセミナー「女性活躍への処方箋! 疲弊させない組織作り『ヘルプシーキング』徹底解説」を開始させていただきます。よろしくお願いいたします。
本日ご参加が初めての方もいらっしゃると思いますので、最初に簡単なガイダンスをいたします。株式会社NOKIOOが運営する「90分腹落ちオンラインセミナー」は、人材育成や組織開発に関わる方に、90分で役に立つ情報をお届けしたいというコンセプトで、毎月一度開催しているオンラインセミナーです。
今日は「疲弊させない組織作り」「女性活躍への処方箋」をサブタイトルとして、「ヘルプシーキング」という新しいビジネススキルの概念を徹底解説する回となっております。
それではスピーカーの自己紹介からはじめます。沢渡さん、お願いします。
沢渡あまね氏(以下、沢渡):こんにちは、沢渡あまねです。作家、物書き、業務プロセス・オフィスコミュニケーション・組織開発の専門家をしております。多拠点人材・パラレルキャリアで、あまねキャリア株式会社の代表取締役、NOKIOOの顧問等々しております。
転職を経験していまして、日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社で16年間「IT×広報」として、コミュニケーションの景色を変える仕事を生業としておりました。今では350以上の企業・自治体・官公庁において、コミュニケーションの景色を変える支援をしています。どうぞよろしくお願いします。
小田木:ありがとうございます。沢渡さんの組織・人材育成のコンセプトは「景色を変える」ことと「勝ちパターンを作る」ことですよね。
沢渡:そうですね。
小田木:沢渡さんの使う言葉が大好きで、最近は私も使うようになりました(笑)。
沢渡:ありがとうございます。お互い口癖が似てきたなと感じています(笑)。
小田木:似てきますね。では、私も自己紹介をさせてください。あらためて、株式会社NOKIOOの小田木と申します。静岡県浜松市に本社があるNOKIOOという会社で、役員と、人材育成・組織開発事業の責任者をしております。
今日は「ヘルプシーキング」というタイトルです。これを直訳すると「1人で抱え込まない」とう意味なんですが、実は私、昔はいろいろなことを抱え込みがちだったんです。抱え込んで、かつ長時間労働でやり切る仕事スタイルを「勝ちパターン」にしていました。
沢渡:なるほど。
小田木:「そんなあなたが、いったい何をしゃべるわけ?」と言われそうですが。それだけに、抱え込む弊害、抱え込まなくなった際の景色の変化、そしてパフォーマンスのアップ度など、組織にとっての良さを語ることができるんです。そういう(抱え込んだ)経験をしたからこそ、みなさんとシェアしたいテーマもあると思っています。今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
沢渡:「勝ちパターン」が「負けパターン」になってしまった瞬間を経られたわけですね。
小田木:そうなんですよ。「抱え込んでやり切るっていうのが『勝ちパターン』だった時もあったのにな」みたいな。そんな感慨深さと共に、進行させていただきます。
沢渡:楽しみです。よろしくお願いします。
小田木:どうぞよろしくお願いいたします。
小田木:そして今日は、なんとスペシャルな情報共有がございます。「先行案内! 新刊情報」ということで、(スライドを指して)沢渡さんの著書をご紹介いただけますか?
沢渡:はい、ありがとうございます。一番左、『なぜ、日本の職場は世界一ギスギスしているのか』。
小田木:「ドキッ!」としますね。
沢渡:ちょっと毒のあるタイトルですけれど。
小田木:そうですね。
沢渡:SBクリエイティブさんからの新書で、12月7日に全国発売開始になりました。ありがとうございます。「なぜギスギスしているのか? それを放置してはいけないですね」ということで、真ん中の書籍が『どこでも成果を出す技術』です。「どこでも成果を出す技術を身に付けていこうぜ」と。
小田木:なるほど。
沢渡:これは1月発売予定でございます。そして、編集者から急きょ連絡が来まして、電子書籍はなんとクリスマスイブ、12月24日に先行発売となります。
小田木:クリスマスイブに(笑)。
沢渡:はい、クリスマスイブプレゼントです。この書籍『どこでも成果を出す技術』の中でも、今日、小田木さんと議論を深めていく「ヘルプシーキング行動」の話をしています。ぜひ手を変え、品を変え、景色を変えをして、助け合える組織をどう作っていくかについて、向き合っていただければなと思います。
そして、小田木さんの出版予定の書籍『仕事は1人でやらない(仮)』。
小田木:ありがとうございます。表紙の絵がまだないんですが、1人で抱え込んで仕事をしていた私が『仕事は1人でやらない』というヘルプシーキングに関する書籍を書くという。このおもしろさを、よろしければみなさんも楽しんでいただきたいと思います。
沢渡:これまた刺さるメッセージですね。
小田木:「(仮)」っていうのが特徴ですよね。(2022年)4月にヘルプシーキングを題材に、抱え込まずに実践していただく知恵や技術みたいなものをまとめて、本として出させていただくことになりました。まだ絶賛執筆中です。書くのがめちゃくちゃ大変で「沢渡さん、どうしたら1ヶ月に1冊出せるんですか?」って思っております。
沢渡:そのうちそのペースに慣れますので。
小田木:本当ですか?(笑)。「慣れたくない」ってちょっと思っちゃったりしてね。
「ギスギスしない職場作り」「どこでも成果を出せる技術」としてのヘルプシーキング。そしてやっぱり、「個人の勝ちパターン」も「組織の勝ちパターン」も変えていく、1つのビジネススキルとしてのヘルプシーキング。これについて、沢渡さんや私が経験してきたこと、見てきたことをお伝えしながら、今日この「90分腹落ちセミナー」をみなさんにとって有益で楽しい場所にしていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
沢渡:よろしくお願いします。
小田木:今日も私たちが一方的に話すのではなく、このテーマに関してのみなさんの課題感や関心に、できるだけお応えするかたちでセミナーを進行していきたいと思います。「90分腹落ちセミナー」がおなじみの方は「はいはい、チャットね」ってお気付きかと思います。ぜひ、みなさんチャットボックスを立ち上げて、書き込んでください。
もしくは書き込まれるコメントを見ながら、双方向で楽しんでいただいてもOKです。チャットボックスを開きながらご参加いただけると、より一層この90分の場を楽しんでいただけるかと思います。
沢渡:そうですね。お互い“知識のシャワー”を放流し合いましょうか。
小田木:知識のシャワー(笑)。ダムに絡めて。
沢渡:はい(笑)。
小田木:「いきなり『チャットでコメントしても良い』って言われても……」というところだと思いますので、今日も最初に、チャットを使ったオリエンテーションをしたいと思います。
まずは数字を1つ選んでください。「今日はどんな方がご参加くださっているのかな」ということで、みなさんのご参加(にあたっての)立場に最も近いものを、番号(①チームメンバー、②マネージャー、③人事・総務、④その他)で選んでいただきます。
沢渡:みなさん(チャットの回答が)早いな(笑)。
小田木:言ってるそばからのこのスピード感。すごいですよね。ありがとうございます。追い切れないぐらいのペースです。
沢渡:みなさん、それぞれですね。
小田木:(コメントを指して)③、①、②、②……本当だ。すごくバラつきがありますよね。
沢渡:そうですね。
小田木:チームメンバーとして自分の仕事に活かしたい方もいれば、マネージャーとして自分のチーム運営に活かしたい方もけっこういらっしゃる。
沢渡:②、③の方が多いかな。
小田木:そうですね。「人事・総務として制度・仕組み・育成に活かしたい」。後半に行くと③がすごく増えてきますね。
沢渡:うれしいですね。なぜならヘルプシーキング行動は、当然、マネージャーにとっても大事。チームメンバーにとっても大事。さらに仕組み・仕掛けを作る人事や総務にとっても大事。もっと言ってしまえば、情報システムみたいな仕掛けを作る人たちにも間違いなく求められる行動です。だから、これだけさまざまな立場の方がご参加くださるのはうれしいですね。
小田木:今日は本当に、さまざまな立場の方が、さまざまに感じることや課題感を共有していただけると、またさらに良い場になっていくと思います。みなさん、よろしければいろいろなつぶやきを差しはさんでいただきたいと思います。個人的には「④.その他」の項目がやっぱり気になりますね(笑)。
沢渡:そうですね(笑)。
小田木:みなさん、ありがとうございます。もう1つお聞きします。簡単なつぶやき、ワンフレーズでもけっこうですが、今日のテーマにおけるみなさんの関心や課題感はどんな点ですか?
今日は「女性活躍への処方箋! 疲弊させない組織づくり『ヘルプシーキング』徹底解説」といった、ちょっと欲張った、盛り盛りのタイトルを作ってみたんですね。「#女性活躍」「#疲弊しない組織づくり」というキーワードが入り、さらに「#ヘルプシーキング」というキーワードも組み合わせています。
こういったハッシュタグを3つ用意しましたが、みなさんはこの中のどれに最も心惹かれましたか?
沢渡:このハッシュタグ以外でも良いのかな?
小田木:そうですね。これ以外でもけっこうですし、関心ポイントや「こういうキーワードに惹かれて」などがあれば、チャットにコメントをいただければと思います。
沢渡:「疲弊しない組織作り」「女性活躍」「全部」。
小田木:全部(笑)。
沢渡:「はらたいらさんに全部」を思い出しました。古いな(笑)。
小田木:今日、企画して良かったです。
沢渡:「なぜ疲弊するのか」「疲弊しない組織作り」。やっぱりみなさん、組織に疲弊感や「おや?」を感じていらっしゃるのでしょうね。
小田木:「女性に限らずのダイバーシティ推進」。
沢渡:「ヘルプシーキング。抱え込みがち。かつ、育休復帰を控えています」。これはね、しっかりお伝えしたいですね。
小田木:いや、まさに。
沢渡:「職員のピンチを組織のピンチにしないための手法」。すごく大事なポイントですね。
小田木:これは今日の本質を突いた表現ですね。「この『ヘルプシーキング』を共有言語にしたい」。
沢渡:大事なポイントですね。やはり何か概念・コンセプトを、組織の中で景色を合わせていくと、そこから問題点が浮き彫りになって、理想と現実のギャップを示しやすいですね。共通言語にすることは、すごく大事なチームビルディングの考え方だと思います。
「属人化」。そうですね。人員が欠けた時に、組織としてどう守っていくか、支えていくか。
小田木:そんな関心ワード・課題感ワードを受けながら、今日のテーマを進めていきたいと思います。「女性活躍」「疲弊させない組織作り」、そして「ヘルプシーキング」を併せて徹底解説。90分でできる限り、いろいろな情報をお渡しできるように進行していきます。
(スライドを指して)こちらは「今日はどんな感じで進めていくの?」という、トークライブの全体像です。前半は上の段、後半は下の段で構成していきます。
まず「ヘルプシーキング」というキーワードに対しての、景色合わせをしていきます。「そもそも何?」みたいなところから入って、なんでそれが「疲弊させない」につながるのか。「多様な人材が活躍する組織作り」への処方箋となるのか。ここについて、みんなで景色合わせしていくのが前半となります。
そして「(ヘルプシーキングが)良いのはわかった。必要性もわかった。じゃあどうやって実践していくの?」「そのための着眼点をいろいろな観点からひもといてみようよ」というのが後半です。
主に組織として培っていきたいスキルと、個人として鍛えていけば、組織としてのパワーにつながるような個人スキル。こんな観点に分解をしながら、着眼点をみなさんと共有していく。こんな感じで進めていきたいと思っています。
沢渡さんと私は「『ヘルプシーキング』は絶対来るわ。そして今後、より重要な組織スキル、個人スキルになっていくわ!」って大盛り上がりなんですけれども(笑)。今日のトークライブには「ここ!」というポイントが3点あります。
まず1つ目は、やっぱり私たちだけで盛り上がらないように「なぜ注目されているのか?」。そして「そもそも『ヘルプシーキング』って何なのか?」といったところも、みんなでちゃんと押さえたいなと思っております。
そして2つ目。「『ヘルプシーキング』が何かはわかったけど、私が今抱えている課題とどうつながるの?」。いろいろな観点があると思いますが、できる限りつなげていきたいなと。みなさんが向き合ってる課題とヘルプシーキングを、いくつかパターンを見ながらつなげていきたいと思います。
最後(3つ目として)「うん、おもしろかった」で終わらないように、具体的に持ち帰れるヒントを、できる限りお伝えをしたいと思っています。こんなところを今日の進行上のポイントにさせていただきます。
沢渡:世の中のさまざまなマネジメントキーワードと紐づけながら解説していきますので、ぜひそういう耳で聞いてください。
小田木:じゃあさっそく中身に入っていきましょう。まず前半「『ヘルプシーキング』って何? どうしてそれが女性活躍、ダイバーシティ推進の処方箋なの?」。ここからいきたいと思います。
今日はオリエンテーション風に、問いかけを多めに入れさせていただきました。チームの話、組織の話を考える以前に、私たち自身に引き寄せて問いかけをしてみたいと思います。
では、みなさんに質問です。「あなたは困った時に周囲に助けを求められますか?」選択肢はA「“自分”が抱え込んでしまう」、B「“部下”が抱え込んでしまう」です。
みなさんの状況または関心は、AとBではどっちがより近いですか? 両方もあるかもしれないですね。過去の私のように「どっちかって言うと自分が抱え込んでしまうかな」とか「いや、私はわりとそこはできるんだけれども、周りのメンバーが」などもあると思います。
沢渡:(コメントを指して)Aの方が多いですね。
小田木:本当ですね。みなさん、オープンにありがとうございます。私はちょっと仲間ができた感覚でうれしいです。
沢渡:ですね(笑)。日本人、真面目ですからね。
小田木:だと思います。
沢渡:真面目だから、自己責任感で抱え込んでしまう。あるいはもちろん本人の性格もそうですが「そのくらい1人でできないでどうするの?」みたいに、周りからの同調圧力が強かったりもする。あるいは、人事評価制度も減点主義だと「なんとかしなければいけない」と抱え込んでしまう。
小田木:そうですね。できないと思われたくない。
沢渡:環境要因やプライドなどもあったりしますね。
小田木:ご自身の分がチャットに書けたら「(他の参加者の)みんなはどうなのかな?」と俯瞰していただけると良いと思います。みなさん率直に書いてくださって、ありがとうございます。では次の問いかけです。
今日は「女性活躍」というキーワードをタイトルにも入れさせていただきました。「女性人材」を「多様な人材」と読み替えていただいてもけっこうです。あなたの組織(チーム)は、女性を含む多様な人材が活躍していますか?
「活躍」の定義は、みなさんそれぞれでけっこうですが、みなさんにとっての理想を100点としてください。多様な人材が思う存分パフォーマンスを発揮して、きちんと活躍しているという理想が100点だった場合に、今何点ぐらいですか?
沢渡:(コメントを指して)50、50、30、70。お、少し高めですね。70。
小田木:本当にリアクションが早くてすごい。
沢渡:65。お、刻んできましたね。
小田木:刻んできますね(笑)。
沢渡:60、70、50、40、15、30。
小田木:なるほど。けっこうやっぱり幅がありますよね。
沢渡:そうですね。
小田木:ありがとうございます。
沢渡:みなさん、当然それぞれ違いますね。
小田木:「100点です」っていう方はいらっしゃらない。100点だったらここに来る必要ないか(笑)。
沢渡:そうですね、恐らく(笑)。
小田木:みなさんありがとうございます。これはまた後で回収してまいりますので、今はいったんちょっと振り返ってみる、相対的に数字で表現してみるのを純粋にお楽しみいただければと。
沢渡:ご自身の中で言語化していただいて。
小田木:そうですね。数字で表現すると、何がその数字の分だけできていて、一方で「100に対して足りないところは何なのか」というところにかなりフォーカスできるので。この数値が、今日のセミナーの中で、いろいろな観点で考えるきっかけになるものだと捉えてください。「低ければダメ、高ければグッド」ということではありませんのでご安心ください。
小田木:今度はまた違う観点で、もう1つだけお聞きしたいと思います。「あなたの組織(チーム)は挑戦や連携が活発ですか?」
「チャレンジ」「イノベーション」「コラボレーション」などのキーワードを今、どんな組織でも上から、下から、横から言われていると思います。そこで「チャレンジやコラボレーションは、どのぐらい活発ですか? 理想が100点なら今は何点?」という質問です。
沢渡:(コメントを指して)30、50、70、50、60、50、20、40、50、20、50、40。このへんにもやっぱり課題がありそうですね。
小田木:そうですね。
沢渡:あ、80。高い。良いですね。あと20点取っていきたいですね。
小田木:こちらも本当にオープンな意見をいただきました。「それで、ヘルプシーキングとどうつながるの?」というところをこの後の流れの中で、いろいろな観点から回収していければと思います。
「多様な人材が、理想に対してどれくらい活躍できているか」という観点。そして、組織の中で叫ばれない日はないであろう「『チャレンジ』や『コラボレーション』がどのくらい活発であるか」という観点をここまでに聞いてきました。これと、今日のテーマの「ヘルプシーキング」がどのようにつながっていくのか、段階的に回収していきたいと思います。みなさん数値表現、ご協力ありがとうございます。
沢渡:ありがとうございます。
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