2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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大前研一氏:日本企業がどうしたらいいのかということですけれども、見ていただきましたとおり人が全てです。
今会社の中にいる人が、全部頭を寄せ合って、ひたいを寄せ合って話をしても、あの世界が見えてないという人が、集まってもだめです。
20世紀というのは比較的日本のクオリティの高い人たちを数集めるという勝負になるのですけれども、21世紀は尖った変な野郎を何人集めるかということで決まってくるのです。
これらの人は大抵性格が悪いですけれども、性格が悪いやつは人の発想しないようなことを言って、やらしてみたら実行をする。というような人材を何人集めるのかということが非常に重要になってきております。
この人たちに見えている世界、構想力というのは全然違います。人材採用において学歴だけでとった人だけで会社をつくると、全員が知らない事は知らない、知ってることは知っているというつまんない会社になってしまいます。
そういう人材の採用と育成の多様化というのが必要になります。先ほど言いましたとおり中学、高校の人に手を出すと、そういう人にインターンにきてもらう。
ドイツと一緒ですね。ドイツのデュアルシステムというのは15歳くらいから2日間座学、3日間実習というようなことで、やりますんで大学卒業するまで待ってしまうと、大学卒業するまで待ってしまうと頭が固まってしまいます。
マクドナルドとか、そういうところで、アルバイトをさせるとダメです。これはマニュアルを教わりますので、お客さんが入ってくると、顔も見ないで「いらっしゃいませ」と。
これが商売だと思っていますから、入ってこられたら迷惑ですよね。だいたいマニュアルがあるなんていうことを、高校時代に学んで、それが仕事だと思われると迷惑なんです、とこういうぐらいに考えたほうがいいと思います。
どうせ皆さんは息子さん、娘さんをアルバイトに出すのでしたら、どっかの会社のインターンにやらした方がよっぽどいいというふうに思います。
それからクラウドもぜひトライしてみていただきたいと思います。クラウドの中には素晴らしい人材がいっぱいいますのでね。
それから皆さん個人としてはどうするかっていうことですけれども。あんまり長い間、勉強するのはやめたほうがいいです。少なくとも自分で動いてみる。すげぇ会社があったら見に行ってみる。自分で使ってみる、そして自分で経験してみると。これ重要です。それでないと21世紀に入れません。
それから国際競争ということになると、国を超えて最高の人材をそろえなくてはいけない。これは今カタールとかドバイなんかでもすごい人を集め始めていますけれども。シンガポールなんかも、ものすごい給料でバイオとか、ああいうところのすごい人を集め始めています。
これはものすごい競争なんですね。アメリカは自然にそういう人が集まってくると。そういう国際人が集まりやすい環境。日本の場合には、それがほとんどいないわけですよね。
言葉の問題もありますけれども。基本的にそういう人たちが浮いてしまうという環境なので。自分の会社がどうしてもこういう人が採用できなければ、クラウドを使ってみるということをお勧めします。
私はネットなんて関係ねぇよと言う人は、この中にはいないと思いますけれども。サイボウズのクラウドコンピューティングの会議に来ているんですから、いないと思いますが。
実際すべての産業はハイテク産業で、ICTになってきていると。農業であれ、医療であれ、介護であれ、飲食であれ、政府であれという。こういうことですよね。すべてがテクノロジー企業になるのだと。こういう発想で自分の会社を一度見直すのがいいのではないかというふうに思います。
なかんずく、このリアルとネットのサイバーの融合。そういうふうにこれからは、それが出来ている会社と、出来ていない会社に二極化していくというふうに思います。
このようにして産業の垣根を越える。超えて成長している企業というのを見ると、自分の業態、自分の事業というものを数年に一度大きく定義し直しているというふうに思います。
Googleにしても、これから宇宙に行くとか、自動運転の車を作るとか。ヘルスケアに入るとか。DNAの鑑定までやっちゃうという。こういうところまで来ています。
アマゾンは、世界で最大の小売業という原点ですね。そこに急速に接近しているというふうに思います。
Appleもですね。コンピューターの会社でしたけれども。今では皆さんの健康管理、安眠、栄養バランス、肥満とかそういうことについてのアドバイザーとか。そういうことにもなっていこうとしております。
モノづくりの会社といっても、先ほどパナソニックの350の事業部の話をしましたけれども、やはりもう少し広く自分の会社を定義していくということがないと、なかなかしんどいなとこういうふうに思います。そういった世界で自分の事業モデルというものを見直す、新しく発見する。そういう組織設計というのが必要になってきているというふうに私は思います。
そういう作業をする時に皆さんにぜひ日本以外の国に行って、いろいろと見ていただきたいというふうに思います。
どんな国かというと1番おすすめはエストニアです。バルト三国の1番ロシアに近いところ。バルト三国。エストニア、ラトビア、リトアニアと。エストニアが1番小さくて人口が130万人です。
しかしながら、世界で最も進んだいわゆるe-Government を持っている国がエストニアです。
だから小さいけれども非常にクオリティが高く、財務内容も財政が非常に健全で、経済成長もソ連邦崩壊の後ヨーロッパ側に入りましたけれども、今、超優等生になっています。
それからICTが強いので、それが出来ているのですけれども。同時にSkypeの開発というのが、このエストニアで行われていると。
ベラルーシ。お隣ですよね。ここは大きなアウトソーシングの会社EPAMのようなものもありますし。楽天が買ったViber。これイスラエルの人が作った会社ですけれども実際開発はベラルーシです。
これらの旧共産圏っていうのはみんなITが強いです。なぜかというと、教条的な共産主義が嫌でとにかくエンジニアになって世界に羽ばたきたい。英語を勉強して世界に行くと。こういう人が非常に多いんですね。ゲームでは『War Games』みたいなのがあります。
ルカシェンコの独裁体制の下で、ほとんどすべての人は国外に行きたいと思っています。ですからこういうところはクラウドソーシングなんかでも人材が引っかかってきますけれども。
EPAMみたいな会社はそこをうまく使って。本社はアメリカに移しちゃいましたけれども、ニューヨーク証券取引所に上場したでの。でも開発母体はベラルーシにあります。
それから、インド。これは初期の頃はシステム開発で有名でしたけれども。今はファシリティマネジメント。アメリカの電話会社すべてのファシリティマネジメントを一括して、うち3万人が面倒を見ましょうとかね。
こういうふうな会社がたくさん出てきていますので。インドのシステム開発屋さんというのは、今エンジニアの数だけでも6万人から10万人ぐらいです。ですからでかい会社を、全部うちで明日からみようというと、やっぱり数万人いないといけないということで、全く日本の手の届かないところに行っちゃいました。
フィリピン。これはCall Center。security soft。職の非常に少ない国なのでIT性の頭が非常にあります。放っておくとハッカーになります。それでハッカーを集めてくるとsecurity softの開発が安くできるのです。こういう仕掛けですね。
私の方も英語の勉強をしていただくのにSkypeを使ってCall Center的なものでやっていますけれども。非常に優秀で。インド人と違って英語のアクセントが、フィリピン人の場合には非常に少ないので、評判も良いということで。私のところもマカティでやっています。いずれにいたしましてもこのようなところを是非知っていただきたいと思います。
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