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【出版記念講演】芦名勇舗×福山敦士「突き抜ける人は感情で自分を動かす技術を持っている」(全8記事)

マネジメントは「自分の感情でやらない」 芦名勇舗氏×福山敦士氏が語る組織論

『突き抜ける人は感情で自分を動かす技術を持っている』を上梓した芦名勇舗氏と、書籍『自分を動かす技術』を上梓した福山敦士氏。両氏の書籍の発行時期が重なったことをきっかけに出版記念講演が開催されました。大学卒業後に電通からプルデンシャル生命、ハリウッドで俳優業という異色のキャリアを歩む芦名氏と、25歳にしてサイバーエージェントのグループ会社の取締役に上り詰めた福山氏。両者がこれまでの道のりから学んだ人生訓を参加者に語りました。

仕事とプライベートのバランス

司会者:こんな質問もあったんですけれども、まだお2人は20代なわけで今までずっと休みなしで走り続けているってイメージなんですね。質問のなかに「プライベートは遊ぶこととかあるんですか?」と。

プライベートも遊ぶこともいろんな価値観があると思うんですけれども、遊ぶことやプライベートについてどうお考えなのかなという。ライフワークバランスではないですけど。いかが思いますでしょうか?

芦名勇舗氏(以下、芦名):僕はあんまりその感覚はないんですけど、プライベートの定義が何かによると思うんですけど。自分がなにに一番時間を使って、自分がなにに一番お金を使っているかをプライベートとするんだったら、僕は仕事ですね。

友達と飲みに行くことに時間とお金はそんなに使わないですね。たぶんその時間とお金の使い方というのが、経営者になってからと、僕が会社員だったときの一番の違いだと思います。

僕が会社員だったときは、仕事にお金を使うってすごくアホらしいと思っていたし一番もったいないと思っていたので。だったら友達と飲みに行って、友達と一緒に過ごす。好きな人と一緒に過ごすほうがいいと思ってました。

でも今は仕事が好きというか、自ずと自分の時間とお金を仕事に使っているという。そんな感覚ですかね。プライベートという感覚があまりないですね。思いついたらまた言います。

適切なインターバルがあれば丸1日休む必然性はない

司会者:ありがとうございます。福山さんいかがですか?

福山敦士氏(以下、福山):わりと近いかもしれないですね。僕の場合は人生の大半が野球部でグラウンドで育っているので、野球部のときの感覚と今まったく同じなんですね。野球部のときって一応月曜日がオフで、週6で死ぬほど走っていました。

ピッチャーって投げる以上に走るんです。ピッチング練習以外はずっと走ってるだけだったんです。それで日の目が当たるのが週1あるかないか。ベンチに入れないと半年に1回あるかないかみたいな。そうやって育ってきたので、まあそれでいいんじゃないかと思っていて。

仕事でもオフの日と言うのは必要なくて、適切なインターバルがあれば丸1日休む必然性はないと思います。でも野球部も結局一緒で月曜に週1のオフがあるんですけど、月曜日のオフが一番グラウンドが空いてるから一番練習がしやすくて。休日のオフィスもまったく一緒で。みんないないから割り込みタスクがないからすごく楽ちんに仕事ができる。

すると結果的に週7働くことになるんです。野球部時代の走り込みもそうですが、今日明日のための努力ではなく、自分の未来に対する投資としての練習だったので、前向きに頑張れました。仕事も、今日明日のための仕事だと追われてる感出てしまい、それを続けるとしんどいと思いますが、将来の自分のための仕事だと思えれば、それは投資なので、どんどんやった方がいいと考えています。

仕事ができるようになると生産性も高くなって、結果的に帰る時間も早くなるとか。今は出社しなくても誰にも怒られません。奥さんといる時間とか子どもといる時間も結果としてつくり出せます。自分に実力があれば。

野球部も一緒ですね。とてつもないエースってぶっちゃけサボってもなんも言われないんです。勝つから。4番のバッターもそうですね。ホームラン打つから。なんだけどそういう人って死ぬほど努力してるし。だから誰も文句言わないというのがあるので。

僕は社会人になってもあんまり変わらないなという印象ですね。部活のとき一番がんばれたし、成長できた気がしたので、その通りの動作を今も続けてやってるって感じです。

それを社会人になったからというふうに逆の動きをすると、それが合ってる人はいいんですけど、僕の場合は合ってなかったので飲み会に行っても満たされないし、がんばって旅行とか行ってもずっと仕事のことを考えちゃう。それって野球部のときも一緒だったんですよね。

とにかく試合で投げたいし、「早く練習試合つくってくれよ」みたいな気持ちだったので、それに近いなという。これを別に真似しろとは言わないんですけど。そういう感じでしたね。だから(芦名氏と)近いです。たぶん。

年上の部下に結果を出させるには?

司会者:ありがとうございます。もう一度質疑応答に戻っていきます。今のお話を踏まえてなにかご質問がある方はいらっしゃいますでしょうか? どんな質問でも受け付けておりますが、いかがですか? 

(会場挙手)

司会者:あ、ありがとうございます。

質問者4:すみません、お願いします。お2人に質問なんですけど、自分は今23歳で、社員が50名ほどいる営業会社に勤めていまして。1年半で、営業成績が前期ですが1位になって、最年少で課長職になったんですよね。

今自分に部下が15名ほど付いてやってるんですけど、全員が年上なんですよ。30歳とか一回り違う方もいて。自分が結果を出して1年やってきたなかで、芦名さんのおっしゃっている通りで一番結果出してる人の真似をしてきて、僕としては簡単と言ったらあれなんですけど、当たり前のようにがんばって結果を出せるようになったと。

それを人に教えるのがすごく難しいなと思っていて。自分ではやってきたことは簡単だったのに部下に結果を出させるのがすごく難しいなと思って。なおかつ年上なので、僕もすごく気を遣ったり、どう伝えたらいいかがものすごくわからない。そういうところで悩んで、今日質問させていただこうかなと思いました。

芦名:ありがとうございます。おそらく悩んでいる部分というのは2つあって。それを1個にごっちゃにするとすごく難しいかなと思うんですね。

今、彼が悩んでいる2つの部分は、トレーニングが難しいというのが1つです。あともう1個はマネジメントが難しいというこの2つの悩みがあると思います。

トレーニングに関しては、ご自身がやっている営業の真似をしろということでしかないと思います。真似ができない人というのもいるんですよ。これは採用の問題です。

残念ながら僕も「これだったら絶対に保険が売れる」というトレーニングを、プルデンシャルの営業所長のときにしてきました。そのときにそれを丸々やって売れた人もいます。丸々できなくて売れなかった人もいます。

これはなにが言えるかと言うと、人によって真似できる人と真似できない人がいます。なので真似できない人はなるべく採用しないようにして、真似できる人を採用する。採用によって組織は大きく変わります。

野球も一緒です。野球の日本代表のチームをつくるときに、誰を選んでくるかだけでチームの強さが変わるじゃないですか。営業組織も一緒で、誰を入れるかで営業組織はすごく変わります。

事実を伝えるときは、数字だけ渡して感情は出さない

芦名:もう1個の悩みのマネジメント。なにが一番マネジメントが難しいかと言うと、その人に事実を伝えるのがすごく難しいんですよ。

例えば「お前ぜんぜん売れてねぇじゃねぇか」というのは事実のようで感情がちょっと入っちゃったりしてるじゃないですか。こうすると衝突したりするんですね。なので、そのときには感情的なことは一切置いといて、数字だけを渡します。

今週1週間で何人訪問して、契約率がどうで、それ以外のアポイントはどれくらい入っていたのか。それについて、あとは聞くだけです。「なんでこういう活動だったんですか?」「来週はどうしたいですか?」「あ、そうなんですね」。

来週また「なんでこういう結果だったんですか?」「来週はどうしますか?」「どうすればいいと思いますか?」というのを聞いていくだけです。

マネジメントはすごく難しいんですけど、数字に裏付けさせて、自分の感情で指導しないという。

質問者4:ありがとうございます。

司会者:福山さんはマネジメントに関してはいかがですか?

福山:今の話だとアドバイスが2つありまして。1つは視点を変える。もう1つはマネジメントを動作に落とす。この2つがあると思ってます。

まず視点を変えるという話に関しては、自分が上長だったらどうするか、と言う視点です。おそらくこれまでは(質問者が)「ナンバーワンになりたい」とか「最年少で課長になりたい」とかという視点があったと思います。そこは難なくクリアしたんですけれども、その次に別の視点を持たない限り成長が止まっちゃいます。

世の中にけっこういるんですね。最年少○○とか、新人賞を獲りました。でも30歳以降あんまり実力変わってませんみたいな。そういう人はだいたい視点が変わってない。マネージャーになっても自分が動いちゃうタイプです。一生「自分がやった方が早い」と思っているタイプです。

全社視点とか、今の会社の時価総額をどれだけ上げるかや、扱っているお客さんに対してどれだけのパフォーマンスが出せているかという。自分が上に上がるという視点から、他者だとか会社をもっと成長させるだとか、視点を変えていくと見える景色が変わるんじゃないかなという気がしています。

おおよそマネジメント職なので、会社をどうするかという視点になれば、自ずとついてくれるメンバーにどうしたらいいかというがあるので。上司(年上)を手なずけるテクニックよりかは、自分の視点を変えるのがまず手っ取り早いことかなと思っております。

部下を「お客さん」と捉える

福山:もう1つがマネジメントの動作化ですね。「マネジメントをしてください。はい、どうぞ!」と言われても難しいじゃないですか。本にも書いてあるんですけど、動作に落とすのが1つのポイントかなと思っています。

僕もマネジメントで、大学のときから学生監督をやっていたので「なんだろう?」というのをずっと考えているんですけれども。野球部時代に見つけた答えは、人の話を聞くということですね。

女子マネも含めて全員の本音を聞かないと、前に立って偉そうなこと言ってもみんな聞かないなと思ったので、当時のマネジメントは人の話を聞くのが動作だったと。

前職のサイバーエージェントとか今は、(マネジメントすることを)「営業をする」と考えています。僕も営業でのし上がったタイプだったので、すごくお客さんの話を聞いて「じゃあこういうのどうですか?」と言っていたベクトルを部下に変えるというだけなんですよね。

「どうしたいですか?」みたいな。「出世したいですか。じゃあこうしましょうか」みたいな話を提案してあげる。営業ができる人だったらたぶんそれはできるはずなので。

僕もそういう壁に1回ぶち当たったんです。マネジメントむずいなみたいな。女子と男子で違うなとかいろいろあったんですけど、1人辞めさせちゃったんです。そのときに、「(自分は)お客さんに対してすごく丁寧な顔をしてるのに、なんで部下に対して『なんでできねーんだよ! 死ね!』みたいな感じなんだ?」と思って(笑)。実際に言ってたので。

(会場笑)

僕も言われて育ったからなんですけどね(笑)。それがよくなかったなと。

(それ以降)僕は営業という動作が得意だったからそれを部下にやってあげようと。部下をお客さんだと思ってみようと。すると、マネジメントをやっているというよりかは、自分は営業活動をしているだけなんだけど勝手に成果が出て、社内での評価が上がっていく経験がありました。ぜひ参考にしてみてください。

質問者4:ありがとうございます。

いつも目標達成できない人のための自分を動かす技術

突き抜ける人は感情で動く 結果を出すためのメンタルと行動力のつくり方

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