2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
トークセッション:金田英治氏(全1記事)
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金田英治氏(以下、金田):みなさんこんばんは。ビームスの金田と申します。
前のお2人の話が非常に興味深くてですね、聞き入ってしまいました。私は最後ということで、非常に軽いお話だけを今日はしようかなと思います。
ビームスは76年に創業して、去年40周年を迎えました。今日は時間も短いのですが、渋谷の話、若干原宿も入りますけれど、その話に限ってお話をしようかなと思います。
(スライドを指して)これが76年の創業の地です。現在のBEAMSの店舗がある原宿で、6.5坪という小さなところから始まりました。このころから、ファッションの店というよりも、アメリカの西海岸のライフスタイルの店ということで。アパレルということでスタートはしていません。
それが今、現状セレクトショップという呼称が、呼ばれるようになってからも、その精神は変わってないような気がします。
これが原宿と渋谷の2店舗しかないときの当初のショッピングバッグなんですが。電話番号で03……もついてませんけれど。
という発祥ですので、まさに渋谷、原宿に育ててもらったような会社です。これが86年から90年代まで使っていたショッピングバッグで、2006年からはこのオレンジ一色というブランディングになっています。
今日はなにをお話しようかなと思ったんですけれど、BEAMSにおける原宿と渋谷は非常に特殊というか特別でして。現在はファッションに限らず、あらゆる都市、日本の都市というのは非常に均質化していて、大型商業施設であるとかショッピングセンターに包含されている。それで駅前がシャッター商店街になるというようなことなんですけれど。
BEAMSもご多分にもれず、大型の商業施設にテナントとして入っていますし、ショッピングセンターでも商売をやっています。
しかしながら、原宿、渋谷はこういう路面のお店を今でもずっと営業しております。やはり、利便性だけではない小売りのおもしろさ、それから物を買ったり、人と話をしたりするおもしろさというものは、こういう路面のお店にあります。ふらっと入っていくとか、通りかかってなんとなくウインドウディスプレイを見て、季節の変わり目を知るであるとか。
eコマースが全盛になってくるとですね、物を買うということだけではない、街の風景としての店というものにもう一回その魅力を感じたいし、それをお届けしたいなと思っている次第です。
(スライドを指して)これは、渋谷のピルグリムというお店です。ニューヨークのブルックリンにある、カリスマがやっているサーフ・ライフスタイル・ブランドなんですけれど。このお店を日本に導入しようと思ったときに、真っ先に候補地として浮かんだのは渋谷でした。これは公園通りの1つ裏手に店を構えています。
こういう解放感のある店みたいなものを提案することによって、単純にワンクリックで物を買える便利なものとはまた違う、物を買う楽しみということを感じていただければなあと思いますし。それを感じていただけなければ、たぶん格安の、ファストファッションで十分でしょう。「とくに物語なんていうものを、着るものにも求めない」と、どんどんなっていくんだろうなあと思います。
あ、そうだ、渋谷、原宿、それから代官山もそうですね。小さな店が成立する街です。
こういったさまざまな店を展開していきながら、渋谷区さんとの接点とはなんだろうなとずっと考えていました。
これは渋谷区さんのクールビズのプロジェクトで、ビームスが渋谷区の職員の方のためにポロシャツとTシャツを作りました。職員の方々が買えるクールビズのアイテムということで、コラボレーションをさせていただいてます。
それから、これがレインボープライドですね。ここで共感をして、BEAMSのロゴを初めてレインボーカラーにしてオフィシャルに作るというようなこともさせていただいています。
昨日ちょうど日本経済新聞に長谷部(健)区長のコメントが出ていました。やっぱりLGBTをはじめとする、いわゆる多様性であるとかダイバーシティということを促進させるということなんですが。
(スライドを指して)下の部分、ちょっと小さくて後ろの方ご覧になれないかもしれないですけど。「カルチャーとして、竹の子族、ロカビリー族、渋カジ、コギャル、というのは渋谷から出てきて。そういう多様性を認めているからこそ、いろんなカルチャーが渋谷から生まれるんだ」ということをおっしゃってるんですね。
これはまさに、BEAMSが渋谷に求めていることでもありますし、日本全国が均質化していく中で、渋谷こそが持つ街の魅力といったものに起因しているんだと思います。
先ほどのお2人がおっしゃっているように、たぶん、ファッションや流行りものに限らず、新しい取り組みというのは渋谷から起こる、というのは非常に優位性がある。たぶんほかの街の名前はあまり挙がってこないと思うんです。
それは物が売れるとか、インバウンドでいっぱい人がくるとか、観光名所がある、ということだけではなくて。「そこに集う人が場をつくってくれる街」という意味では、現在でも渋谷には優位性はあります。
今後、駅前がきれいに開発されていても、そこから少し離れたところでは小さな雑貨のお店が軒を連ねる。というようなことが渋谷の街で確立すると、日本全国の中でも非常に固有の街になるんじゃないかという期待をしています。
今話したようなことを、去年40周年を機に、BEAMSがムービーを作りました。76年から2016年までのファッションの変遷、流行りの変遷を、5分間の動画でまとめてるんですけど。……残り何分ですか?
司会者:えっと、3分くらいです(笑)。
金田:じゃあ、3分経ったら切ります(笑)。これ、ご覧になったことある方いらっしゃいますか? (参加者らのを見て)あ、ありがとうございます。
司会者:見れば、けっこう「見たことある」という方もいると思います。
金田:そうですね、一応、企業がやった動画のなかでは1200万回の再生で非常に大きいんですけれど。1200万回再生されていてもご覧になっていない方がこれだけいらっしゃって。まだまだBEAMSもがんばらなきゃな、と思いますが。とりあえず、動画を見ていただいて。
(動画が流れる)(動画終了)
見ていただいた通り、街の風景というかロケ場所がたぶん渋谷、原宿だけなんですけれど。物の売り買いだけではない、街の景観であるとか、人の流れをおもしろく、豊かにしたいなというのがたぶんファッションの役割だろうなと思っています。そして、その起点となるのが渋谷であってほしいなと思いますし、BEAMSなりに渋谷を盛り上げていきたいと思います。
以上です、今日はありがとうございました。
司会者:はい、ありがとうございました。
(会場拍手)
動画を改めて見ると、本当に40年、渋谷、原宿の地で洋服を売るだけじゃなくてライフスタイル、カルチャーを作り続けたからこそ、説得力のある動画だなと思いました。ありがとうございます。
司会者:そんなBEAMSさんに、聞いてみたいこと、ないですか? はい、どうぞ。
質問者1:先ほど「物語」というお話がありましたけれども。渋谷の駅から渋谷のBEAMSさんに行くまでの間に、どういう物語があったらいいのかとか、そういうお考えがあったら聞かせていただけますか?
金田:はい。物語というのは2通りあります。買い物をする、物を手にするまでのストーリー。あとはその物がもっているストーリーなんです。
路面のお店でやりたいことっていうのは、店に来るまでのいろんな音や、においや、通りすがる人や……。そういうイントロがありながら、自分が欲しいものを見つけて、「その日、雨降ってたな」「暑かったな」みたいなことを、思い出とともにその物と一緒に過ごすことができるといいなと。
それは、大型商業施設の中でもできないことはないんですけれど、あまりにも同じようなものが多くて。たぶん選択肢の中にはあるんでしょうけれど。わざわざ目指して来ていただけるような「欲」には、なかなか到達できないというか。
売る側、提供する側のほうからすればちょっと不便だけど「あそこ行ってみようかな」と思っていただけるようなストーリーをご用意できる環境や店を作りたいという意味です。
物については、単純に物の数を売っていく店ということよりも、その物や、ライフスタイルについて、コミュニケーションをしながら1つ物を買う。そういうような、売り買いの仕方を醸成したいなというのが物語という意味です。
質問者1:どうもありがとうございます。
司会者:じゃあもう1個、聞きたいこと……。どうぞ。
質問者2:20年前、BEAMS BOYだったんですが。自分自身のライフスタイルも変わって、いまBEAMSの路面店に行ったら、はたしてどう楽しめるんだろうな、みたいなところがあるんですけど。子育て世代とか、そういった客層に対して、BEAMSさんとしてなにかあれば教えていただきたいです。
金田:はい、ライフステージとかライフスタイルの変化に伴って、いろいろ用意しているレーベルなり、店舗なりっていうのはあるんですけれど。例えば、ショッピングセンターに向けたビジネスだったり、いろんなものがあります。
ただ、先ほどの「大人になる渋谷の街」みたいなことを考えると、BEAMSとしては、単純に大人になったから、綺麗で上質なものを着るというライフスタイルだけではないと、提案していきたいんですよ。
たぶん渋谷は寛容な街というか、他人に対して優しいというか、あまり炎上しないというか(笑)。そういう街だと思うんです。街の中のルールが非常にゆるいので。
例えば40代、50代であっても、短パンはいて、ゴム草履でも大丈夫。もしくは、ビジネスマンなんだけど、とくにスーツも着なくても大丈夫。というような人が街をつくってくれる。そこに合わせたライフスタイルとかファッションの提案ができると思うんですよ。
「自分にとっては、まあこれはちょっと高いからいらないや」ということであれば、BEAMSは負けなんですけれど。「いやいやもっと楽しいものありますよ」という提案は続けていきますので。チェックをしていただければ、なにかあると思います。
(会場笑)
質問者2:ありがとうございます。
司会者:実は僕もこれ、BEAMSで買わせていただいて。
金田:仕込みじゃないですよね?(笑)。
司会者:仕込みじゃないです(笑)。
(会場笑)
司会者:今日たまたま着てきただけで(笑)。イベントの司会用でポップな。気分があがって仕事ができるというのもあるし、まあ仕事柄っていうのもあるんですけれども。
金田:と、思っていただけるように、日々がんばります。よろしくお願いします。
司会者:ありがとうございます。ビームスの金田さんでした。
(会場拍手)
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