2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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司会者:それでは本日の最終セッション「若手起業家からベテランへの公開相談会」を開始します。ご登壇者のみなさま、ステージにお上がりください。
(会場拍手)
このセッションは、会場のみなさまも参加型のセッションとさせていただいております。登壇者のみなさまには、ベテランから若手起業家へのアドバイスに対して、「老害」もしくは「老益」と意思表示をするパネルをお渡ししています。では、モデレーターの川邊さん、よろしくお願いします。
川邊健太郎氏(以下、川邊):よろしくお願いします。この企画は新機軸です。75分のセッションをほとんどQ&Aのみでやるという新しいやり方なので、試行錯誤になると思います。なので、会場のみなさんにもご協力いただきながら進めたいと思っております。
ここに至るにはちょっと紆余曲折がありまして。まず小野さんから出演依頼を受けまして、Yahoo!が今年おかげさまで20周年なんですね。
ということは日本のネットビジネスも20周年だから、それについてなにか大いに語るようなセッションにしよう。そして、私と小澤さんだけ出演が決まっていたんですね。
「どんな感じにしますか」という相談があったので、日本のネットビジネスが20周年だったらYahoo!と楽天とAmazonとGoogleを呼んで、大いにこの20年を振り返って未来を予想しようと。そういう超ためになるディスカッションをしましょうと。それで小野さんに依頼をかけてもらったんです。
ところが、待てど暮らせどYahoo!以外の快諾が来ないんですね。「ぜんぜん来ません」と言われまして……しまいには小野さんから、「小澤さんの会社2人でこの20年を振り返ってもらえますか?」と言われまして。「それだけはやめようよ」「老害もいいとこじゃないですか」という話になりまして。そこで「老害」というキーワードが見つかったので、この軸になっております。
結果として、それらの会社は来なくて、これからのネット業界を担うような若い社長さんをお迎えしてのディスカッションにすることができて、かえってよかったんじゃないかなと思っております。
十分に売上も出たり、利益の出るポテンシャルを持っている立派な経営者の方々なので、我々が言うこともございませんけれども。やっぱり若いとちょっとしたことでつまずいてしまったり、経験不足で「こんなことも知らないのか」みたいなことも、もしかしたらあるのかもしれません。
それを、この日本ネット業界20年選手の不死身の男・真田さん、投資家の川田さん、そして今、孫さんに最も信頼されている男と言われているEコマース革命の小澤さんと。
小澤隆生氏(以下、小澤):そういうのがログミーに載るわけですよ。
川邊:そうですね。
小澤:それでまた怒られるんだから。
川邊:という経験豊かな方々に話してもらうんですけど、やはり20年経つと我々も老害が過ぎることもあると思います。
なので、今日は質問をした方々にベテランの回答が有益であれば「老益」と。 その考え方はちょっと時代遅れじゃないの、という場合は「老害」というのを率直に挙げていただきます。
それでは、日々経営をがんばっている若手ベンチャー経営者のみなさま、なにか困っていること、悩んでいること、あるいは飛躍するためにほしいことがあれば質問してください。
加藤将倫氏(以下、加藤):オンラインのプログラミング学習サービスの「Progate」という会社をやっている加藤と申します。もともと僕が学生のときにプログラミングサークルの仲間と一緒に作った会社でして、今6人正社員がいるのですが、みんな学生あがりの23歳くらいなんですね。
Progateは先月、有料化して法人向けのサービスも出し始めたので、今後は年上の方を雇って営業などを手伝っていただくという話が出ていまして、8月から30代後半の方が手伝ってくれることになったんですけど。
川邊:それは正社員で雇ったの?
加藤:正社員ではないです。初めて15歳くらい上の方が(平均)24歳くらいのチームに入るというところで、そういった際の注意点があったらお伺いしたいなと思います。
川邊:老害チームのみなさま、全員が答えないでもいいです。これに対して、一番いいアドバイスができるだろうという方、いらっしゃいますか?
小澤:これは真田さんですね。なぜなら、一番若いときからやられているから。
川邊:何歳のとき起業したんでしたっけ。
真田哲弥氏(以下、真田):僕は19歳です。当時、学生ですね。
川邊:最初に年上の社員を雇ったのは、いつくらいですか。
真田:東京に出てきて、2回目の会社をやったときには20〜30歳くらい年上の社員を雇っていました。東京に出てきて会社を作ったのが23歳で、一番上の人は定年退職後の人を紹介するというサービスで60歳だから、40くらい上の方でしたね。
コツは、言いたいこと、曲げちゃいけない自分のポリシーはしっかり主張してわかってもらうことと、やはり年上の方には経験で学ぶべきところがあるので、学ぶという姿勢をしっかり持つという、このメリハリをはっきりさせることだと思います。
学ぶべきことは学ぼうという姿勢を見せると、年上の人はすごく気持ちがよくなるんですね。オッサン、ジーサンはうまく転がして使わないと損なので、褒めるというよりも、ちゃんと聞いて、「役に立ってます」という姿勢を見せる。そうすると、相手も「こいつのためにもっとやってあげよう」という気になりますから、しっかり聞く姿勢を見せる。
でも、通すべきところはしっかり通す。この2つのメリハリをつける。これがやはり大事だと思います。
加藤:参考になりました。ありがとうございます。
川邊:なるほど。これは予想以上にちゃんとしたアドバイスですけど。みなさん、どうですか? なにか感想ありますか。
川田尚吾氏(以下、川田):今いくつだっけ?
加藤:23歳です。
川田:たぶん社会人経験がぜんぜんないと思う。
加藤:ないです。
川田:これは1つ参考なんですけど、社内の相手の名前の呼び方で、僕が最初に入ったのは外資系のコンサルティング会社で、そこは全員「さん」づけなんですね。年上に向かっては当然「さん」なんだけど、年上が年下に向かっても「さん」で、日本支社長が僕のことを新人のペーペーなんだけど「さん」づけで呼ぶわけです。
それはなぜかというと、組織の中に変な階層化ができないので、そういうカルチャーを作ると年齢に関係なく動きやすい。日本って敬語とか面倒くさいので、ちょっとした工夫なんですけど、そういうのはけっこう効くと思います。
川邊:はい。次の質問。
磯辺基之氏(以下、磯辺):Techouseの磯辺です。今、メインでやっている事業が、インターン向けのメディアの「JEEK」というものと、人事とか総務さん向けのSaaSを売っております。
今回質問したいことなんですけど、僕らみたいな若手の経営者に必要な力は学ぶ力だと思っておりまして、本当に今回集まられた方々はビジネスの面からプライベートな面、成功から失敗までいろいろ繰り返されていると思うのですが。
そうしたなかで、明らかに失敗したときというのは学べると思うんです。でも中途半端にうまく行っていて、「これ、失敗なのか成功なのかよくわかんない」というところから、うまくいっていないなら「うまくいってない」とちゃんと言って、軌道修正することは非常に重要だと思うんです。
そういったところで、僕らはまだまだ経験がないのでわからなくてズルズルいきがちなので。そういったエピソードがあれば、これはもう失敗なら失敗だと言って、なにを学んでどうすべきなのかをちょっと教えていただきたいと思います。
川邊:つまり、磯辺くんの会社はそういう中途半端なコンディションに陥っているということ?
磯辺:陥りがちなのかなと思います。僕らは世界に向けてどんどんサービスを作っていかなければいけないのに、まだまだそういうでかいサービスができていないので。これはやはりちょっと不満というか、よくないのかなと思っています。
川邊:中途半端な成功と失敗もしていないコンディションからどう対処していったらいいのか。
川田:僕も真田さんと学生時代から付き合いがあって、学生ベンチャーとかやっていて。もうかれこれ四半世紀、ベンチャーとかスタートアップをずっと見ているんですけども。
よく起こるのが、わりとそこそこいい感じて来ました、と。社長も調子づいて「おれがこの業界を引っ張っている」みたいな感じになっちゃって、地道な努力をせずに中途半端なままで、ひたすらずっと続いているみたいな状況の会社がけっこうあって。
そういうところでなにが起こるかというと、だいたい3年から5年で組織が腐り始めるというか、みんな離反を始めるわけです。
かたや、同じタイミングでどっちに行くか迷っていたような会社が、ものすごく勢いづいて、最初は真っ赤っかだったのが、途中から爆発して大ブレイクして上場してというのがある。かたや、最初はそこそこいい感じでいて、5年経っても同じ姿であまり変わらないと。
結局、同じままいると死ぬという事例は山ほどあるので、それを見て肝に銘じてマネジメントをちゃんとすること。あとは、これはやや老害的というか、常識的でおもしろくないんだけども。やはり目標数値はちゃんと右肩上がりで張っていって、それなりに夢のある数字で、それをちゃんと実現していくというふうに持っていかないとダメになっちゃうケースが非常に多いですね。
ある程度のステージというか、ある程度の売上とか利益が出た会社が次になにを迷うか、恐れるかというと、中小企業で終わるということが恐怖であって。だから、そこそこよくても、その後右肩上がりにガンと伸びないと中小企業のオーナーで終わってしまうんですよ。
それが嫌だという決意があって、右肩上がりの数字をちゃんと張っていくと、わりとそこから抜けられるのかなというのが、今まで見た例だと思います。
川邊:いかがですか、この川田さんのアドバイスは。
磯辺:ありがとうございます。
川邊:またこの予定調和が訪れてますけど(笑)。でも、いい話ですし。とりあえず利益を10倍にしたらいいんじゃないですか? これに関してなにかほかに……。
真田:川田さんの話は、本当にそうだなと思うところがあって。僕がやっているKLabという会社は、以前、経営ラボラトリーという会社で、システムを受注して開発するという事業をやっていて9年間くらい横這いが続いたんですよね。
社員100人くらいで売上25億くらいというので横這いの時期が続いて、そのころはモチベーションとか経営の核とか、そのへんがあいまいだったんですね。
僕は1回、サイバードという会社で上場してお金も入っていたので、次はなにをしようか、どこにいこうかということがあまり明確じゃなかった時代があって、そこからゲーム、「これでガツンといくぞ!」とリスクを張って、そこからものすごく働くようになって、モチベーションとか目標が明確になって動き始めた。
大事なことは、たぶん計画とか目標を明確化して、それを自分の中でごまかせないように紙に書いて公に向かって公表するみたいな、退路を断つことかもしれないです。そこそこ儲かって、そこそこ収益が上がって、そこそこの状態ができる。そうすると、そこに安住しがちなので、安住させない仕組みとか仕掛けをどう作るか。
一番いいことはKPIの数値を明確化して、それを公表することだと思います。後に引けない体制を作る。これがいいんじゃないかな。
川邊:はい。これはいかがですか? 真田さんのアドバイスは。うーん……続きますね。小澤さん、模範をお願いします。
小澤:よく私もこういうところで質問を受けるのです。「一番きつい失敗はなんですか?」「失敗から学んだことはなんですか?」とか。必ず「失敗したことなんかない!」と言うんです。
実際に失敗したことなんてないと思っていたんですけど、つい最近思っているのは、成功したこともないなと。要は、成功の定義なんですよね。上を見ればきりがないし、失敗というのも、なにをもって失敗というのかよくわからなくて、僕はなにもやってないなというのが結論です。
なにが言いたいかというと、考え方1つです。私は、大失敗中とも言えるんです、成功してないから。だからあなたも失敗しているんだ、今。成功してないから。
川邊:ちょっと禅問答っぽくなってきましたね。
小澤:結局、成功してるふうに言っちゃダメだ。
(会場笑)
川邊:次の質問、行ってみましょう。
小澤:目線を大きく、目線を大きく。
川邊:もういいですよ、小澤さん。じゃあ、三木さん。
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