2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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質問者:人間関係に関して質問なんですが、南場さんとインターンのお二方とすごく近い関係だなと感じたんですけど、これはお二人があまりに優秀すぎて例外なのか、DeNAの社風として、トップの方とインターン生とか入ったばっかりの方でも一緒に仕事ができたりするんですか?
宮川:ちなみに、僕らがあまりに優秀すぎて呼ばれたわけではないです。逆に言うと、1年前ちょうどStuDIGセミナーで皆さん側の人間だったんですよ。こういう話聞いていると、ちょっとおもしろそうな会社だなと思うでしょ? あまり、他には無さそうだなと。いざ内定者になって、デスクでカタカタとパソコンやってですね。人事の石倉さんがふらっと僕のデスクのところに来て、「今度、南場さんとプロジェクトやろうと思ってるんだけど、お前興味ある?」と言われて、「あります」っていうじゃないですか。
要はそういう文化なんですよ。本当に僕も信じられなかったし、一年前そっち側で聞いてて。例えば内定者で「私も参加したいです! 熱い思いを持っています!」って言うと、「じゃあ来いよ来いよ」というスタンスです。
徳田:人間関係ということに関して言うと、今、僕と宮川と南場さんとあと他何名かでプロジェクトをやっているんですが、一番思ったのは初回のミーティングを始めた時に、最初からみんなオープンで、パーソナリティとしてフランクといったらいいですかね?
すごく素直に言うし、素直に耳を傾けるし、そこで上下関係とか役割をあまりみんな気にしなかったっていうのが、僕にとっての大きな衝撃であり、良かったなと思ったところでしたね。
南場:私と中島の間は厳しいですよ(笑)。
中島:合理的じゃないことは極端に少ない会社だと思いますね。例えば、随分前ですけど南場さんから金曜の夜友達と飲んでる時に電話かかってきて、「中島、明日暇?」って言われましたと。土曜日暇?って聞かれてるんですね。社長だと思って電話出て、「仕事ですか? プライベートですか?」と。ゴルフ誘われてんのか、仕事で来いって言われてんのかわかんないじゃないですか。それ確認するでしょ。すると「ゴルフ行きたい」「あ、無理です」で終わり(笑)。
明日ちょっと友達と遊びに行くんでみたいな。で、ピッて切ったらその友達が「誰からなの?」「いや、社長から」。「えー、お前そんな対応ありなの!?」と驚かれました。普通の会社だったら社長から電話かかってきたら「明日暇で、ゴルフ行くぞ」「行きます」みたいな感じなんだけど、それ別に断っても良い会社です。
南場:中島がゴルフ始めた頃、ある時私に「南場さん、明日暇ですか? ゴルフ行きませんか?」と言ってきた。「カモが必要なわけ?」ときいたら、「いいえ、足です」って言われて、私車出したことあります。
質問者:StuDIGの話に戻るんですけど、能力開発とか教育とかのテーマがあったと思うんですけど、他にどういう分野がありましたか?あと、どういう意図で決めるのですか?
南場:ほか何があったっけ? 流通があったよね。
中島:流通はあったし、農業もあったし、コミュニケーションとか、あと書籍とか、旅行とか、ペット。
南場:意図については、私が決めたわけではなくて、あれは守安と石倉が決めたんだっけ?
スタッフ:去年は、メンターになる役員とか社員が一番興味がある分野を選びました。
中島:あとは世の中のマクロトレンドを意識する場合もあります。例えば西海岸の感度の高いスタートアップが序々に集中し始めている分野だとか。エドテックだとか。そういうトレンドから選ぶ場合もあるし、様々ですね。
南場:今年どうやるかまだ決めてないんだ。こうして欲しいとかあれば教えて。
宮川:逆にゲームは去年ありませんでした。そういう意味ではフラットにいろんな分野にっていうのが正に現れてた。
質問者:徳田さんと宮川さんに質問なんですけど、最終的な夢とかゴールは何かということと、DeNAで働くということがそれとどう繋がるのかっていうことを教えて頂きたいです。
宮川:ゴールってのは、5年後には新しいゴールができてるだろうし、なんとも言えないですけど、最終的なイメージはハワイでのほほんと暮らしてて、クルーザーでも持って、HISのオプショナルツアーの運転手みたいなのやりながら、気楽に10人ぐらいの大家族で住んでるってのが夢。そういう風になっていたいなと。
そこにDeNAがどう紐付くかというと…… そんな感じの生活をイメージした時に、必ずしもダイレクトに繋がるわけではないですが、さっきも言ったように起業したいと思っています。資本を持っている会社にしかできないようなイノベーションはその会社が担えば良いと思うんですが、逆にベンチャーだからこそ手が届くという事業もあると思っていて。
僕は学生団体をやっていたせいか、後輩の面倒みるとか、人と関わっているのが好きなんで、どっちにしてもwebではできないようなことを将来やりたいです。そう言った時に、DeNAでは起業するっていうことのスキルセットを最短最速で学べる環境があるじゃないですか。そこですかね。そういう意味で自分のゴールと関わっていると思います。
徳田:ざっくり2つあってですね。似たような感じになりますが、僕には自分がこういう人間になりたいなっていうのが、まず1個あって。僕、めちゃくちゃ良いお父さんになりたいんですよ。他人が羨むような超幸せな家族を作りたいというのが僕の中の夢というか、そういうドリームを抱いてます。そのためにはやっぱ仕事できないとダメなんですよね。
僕の22年間を振り返った時に、家族や友達の家族をいろいろ見た結果、仕事できないと家族守れねぇなというところがあって。そういった意味でも、仕事を若いうちからガンガンできる環境を求めていたっていうのが1つ。僕はまだ仕事を通じてこういう社会を作りたいとか、社会に対してこういうサービスを創っていきたいというのは、具体的に明確に何かあるわけではないんですよね。
というか、あったら起業してると思うんですよ。ただ、今の時点でやってみたい領域を挙げると、コミュニケーションツールの開発です。特に今、モノのインターネット化が進んでるじゃないですか。IOTと言われる分野ですね、スマートホームだとかスマート家電だとか、その他諸々、車とか。
モノがインターネットと繋がって賢くなって、より人間とインタラクティブに関係を築ける領域がどんどん広がっている中で、機械がどこまで人間とインタラクティブにコミュニケーションをとれるか、それを通じて人と人がどうコミュニケーションをしていくのかっていうところに、僕はすごい興味があります。そういった領域で仕事、もしくはそこに関わる何かをやってみたいというのは、ざっくりイメージしてます。
南場:おもしろいね。この話もっと私聞いてみたいね(笑)。 中島はどうなの? パパになって。
中島:パパになって趣味が増えましたね。DeNA入ってから数年間とかは、超仕事楽しい仕事人間だったんですよ。別に、プライベートはちょっと遊ぶぐらいだったんだけれども、子どもが生まれてから見える世界がバーっと広がって、世の中おもしろいことがたくさんあるなって感じで、カメラの趣味ができました、とか。
子どもきっかけにして、趣味が広がったっていうのもあるし。あと自分のことだったらあんまり気にならないんだけれども、子どものこととなると社会問題が結構気になるとか。世の中いろいろ問題あるんだと。
南場:中島、良い人間になってきたね。子どもを育てるというのは、すごいクリエイティブでやりがいがあって、責任がすごく大きくて、人としても背骨がピシっとなるよね。良いことだと思う。
質問者:南場さんにお聞きしたいんですけど、ヘルスケアに興味があって。DeNAというすごい人材とITスキルをもっていらっしゃる会社が、ヘルスケア分野に斬りこむということで、どういう世界を目指しているか?
南場:これを語らせるとねー、みんな帰れないよ!(笑) かいつまんで言うと、家族の病気を経験した時に、強く感じたことがありました。たまたま非常に良いお医者さんたちには恵まれていたし、2年間仕事をほとんどリモートにして、現場から離れて、100%フルタイムで家族の治療に取り組んだので、それなりに医学面での知識をサポートしてもらえる体制を作りましたけど、それでも患者側とドクター側の情報ギャップはすごい大きいと感じたことが一つ目の理由です。
専門的な知識の取得、そして意思決定の仕方、あらゆる面で患者主導にはなっていません。情報は誰のものだろうか? 医療機関のものなのか、個人のものなのか。患者側がインフォムードディシジョンができるかどうかが大切です。しかし、しっかりと情報を得て、プロフェッショナルなサポートが横について、患者の立場からの意思決定をサポートしてくれるようなものはありません。
私は、健康維持とか治療法は、誰よりも当人にとって一番大きい関心事です。病院にとってよりも、友達にとってよりも、あるいは製薬会社にとってよりも、本人にとって何より重要なことなのに、本人がドライバーシートに座っていない。オールを握ってないと思うんです。私は、本人がオールを握る、要するにドライバーシートに座ってハンドルを握るということを治療だけでなく健康生活のあらゆるレベルで実現したいんです。
もう一つ言うと、最初の治療の時、私はアップセットしてパッツンパッツンになって、必死になってたんだけど。少し落ち着くと、「なんで(旦那を)病気にしちゃったんだろう?」「なんで癌にしちゃったんだろう?」「できることは無かったのかな?」と思うようになった。私たち夫婦は子どもに恵まれなかったので、仕事一本で、食生活は100%外食。それから、エクササイズ0。サプリも当然全然飲んでません。そういう生活をしていました。
寝不足も当たり前。1日3時間寝れば全然平気っていう。そういう生活をずっと続けてきて、旦那が48にして、重篤な癌にかかってしまったといった時に、もうちょっと早くなにか知り得ることはなかったのか、健康に対して意識をむけることができなかったのかと考えました。病気になる前に、健康に向けて気付きを得て、一歩動き出すことがなんでできなかったのか。
それはとても悔しかったですね。あと現在の医療システムには非効率が大きいです。約40兆円ですよ、国民医療費。それも、保険に関係するものだけ。完全なる自由診療は入れないで40兆円です。介護も含めると55兆円と言われています。それに、年金を加えて、社会保障費が国民所得に占める割合は、30%以上になってるんです。
人口の構成の変化によりどんどん悪化します。しかも、それを若いメンバーが全部担っていかなければいけないと。これで、国が持続可能なのかというと、さっき私が言った病気になる一歩手前でアクションを取れていれば、という話は、個人にとって一番重要ですが、その次に国にとっても非常に重要であると思っています。
ですから、私が目指している世界観は、ヘルスケアの領域では、まず個人がドライバーシートに座って情報武装を行い、プロフェッショナルサポートを得ながら自分で意思決定ができること、つまり、個人に寄り添うのが一番目。2つ目が、病気の前の健康な段階でアクションを取り始めることができる。3番目が、それによって持続可能な社会保障を実現する。
それを行政や政治だけに任せるんじゃなくて、民間企業もできることを精一杯やっていきたいし、やらなければいけないと思っています。この3つを私のビジョンとして、必死になって取り組んでます。
宮川:僕も今ちょっとそういう思いを持ってるんです。
南場:そうね、宮川もちょっと事情があるよね。
質問者:インターンのお二方に質問です。宮川さんはインターンを始めてすぐにゲームの仕事が決まったということですが、自分もそうなんですけど、ゲームをやったことなくて、興味も無い。そこで南場さんからのお話にあった「理論よりもエネルギー、熱量」という点で、何が自分にとって仕事に向き合う一番大きなエネルギ-になったのかをお伺いしたいです。
徳田さんは、めっちゃ良いパパになりたいというお話だったんですが、家族を優先できる環境がこの会社にはあると思いますか?というのをお伺いしたいです。
宮川:僕の質問って、ゲームの部署でインターンをすることを人事に言われた時に……。
南場:最初はそれほど関心高くなかったけど、今一生懸命やってんじゃん。それはさ、何が君に熱を与えたの?
宮川:まず、ゲームの部署入る前って、さっき質問にありましたが、課金にあまり良いイメージが無くって……。そもそも、とりあえずやってみるかでやったわけです。そしたら、いきなりかなりのダウンロード数のあるゲームのタイトルを任されて、僕がこういうふうにしたほうが良いと提案したら、そのまんまアップデートされて。
実際、僕の周りでは結構そのゲームをやってる人が多かった。多くの人が自分の提案したことによってより楽しんでくれてる、というユーザーへのインパクトの大きさを感じて、「ゲームって楽しい」と思わせてあげたいっていう気持ちを、その時に実感したっていうのかな。
南場:面白いんだけどさ、あれ最近運の要素強くなり過ぎてない?
宮川:それをクリアした時に達成感って……。
南場:そりゃあるけど…… 運より技にして欲しいなー。
宮川:それはちゃんと考慮してます。
徳田:この会社だと良いパパになれるのかという話について。それは、制度とかそういう話ですか?
質問者:そうですね。家族になにかあった時とか、例えば子どもが病気になった時に、しっかりそばにいてあげられるのか? 許してもらえる環境があるのか? って話です。
徳田:具体的な環境の実感は中島さんにお願いしてですね。実際僕はまだ独身ですしわからないですが、思っているのは、どこの会社に行っても仕事はあるわけじゃないですか。自分が仕事をしてる時に家族になにかありましたってなった時に、自分が職場にいないと仕事が完全に止まるとか大きな損を出してしまうとか、あるいは家族を顧みる暇も無いほど仕事をしないと仕事が終わらないとか。
自分の能力、キャパシティが無かったら、会社の制度がどれだけあっても、結局同じことだと思うんです。結局仕事を優先してしまうとか、自分がやらないと他の人に迷惑かけちゃうし、といった環境だと自分のキャパも広がらないし、家族を顧みていないということにもなるし、自分が仕事をいかに早くコントロールできるようになるか、自分が今関わっている仕事に対して、どういった意思決定をすればチームに取って最善で、その中で家族に対しても時間をかけられるかという配分ですかね。
これができるようにならないと、やっぱりどこの会社にいても無理だなと思ってて。その中でこの会社は、仕事を最初からバンバン任せてくるので、早い段階から仕事をコントロールする力、コントロールしようとする意識が生まれると思うんですよね。結婚して、子どもができましてってなった時にも、そういう大事なライフイベントとかには自分のさじ加減で仕事をコントロールしつつ、立ち会えるようになるのかなとは思ってはいます。実際はどうですか?
中島:私、3年間HR(人事本部)に勤めてたんですね。国内の責任者とグローバルの責任者をやっていて、日本では労働時間に関する法律や規定がどんどん厳しくなっている。実際私がいた3年間で国の規制がどんどん厳しくなりました。それに呼応して、当然会社としてもきちんとした制度をつくる必要がありました。
その中で、労働時間が長くなり過ぎないように会社が管理して、残業時間が増え過ぎないようにする制度を導入しました。そのときに、全然予想もしていなかった2つのフィードバックが社員からあって、ある一群からすごいクレームが多かったのと、ある一群からすごい感謝された。
具体的には、一部の若手社員からクレームを言われました。「なんでもっと働かせてくれないんですか?」と。「好きに働かして下さいよ、中島さん」。いちいち労働時間の管理だとか、なにかにつけて報告しなきゃいけないとか。
「俺は関係ないから、成長したいだけだから、仕事楽しいからやらしてくれ」といった、強いクレームをもらいました。「俺、みんなの為にやってんのになんでこんなクレーム言われなきゃいけないんだ?」ぐらいの勢いでいろいろ言われました(笑)。
一方でとても感謝されたのは、ママさん社員。特に女性は出産などのライフイベントが多いです。女性じゃなくても親の介護などのライフイベントに直面すると、どうしても仕事に100%の時間を使えなくなってしまう。その時に、会社として「俺はこういう考えでやりたいんだ」と説明していたのはこういうことです。
ライフイベントがあって、今まで100働いてた人が70しか働けなくなったとしても、この70を本気でやってもらえれば全然良い。ここはコミットしてくれと。残りの30は、プライベートにまわして欲しいと。人によっては、それが50かもしれないし30かもしれないし、でも会社はあなたの大変なライフイベントの時期は支えます。周りの仲間含めてね。そのライフイベントを乗り越えたらまた元の100、また思いきり仕事ができると良いですねって。そこまで応援しますよっていうのが、基本的な考え方です。
こう言ったら、ママさん社員や子どもいますよって人たちから、私たちDeNAでずっとやっていって良いんですね、とても嬉しいですって、すごく感謝されて。70しか働けない、50しか働けないといちゃいけない会社じゃないんですね、会社としてそういう考え方持ってるんですね、て言われたのはすごい嬉しかった。
そんなところまでみんなストイックに考えていたんだなと思いました。会社としては働ける時間の割合に制限がかかることは全然構いません。
南場:私は2年間、通常の10%ぐらいに下がったから。それで戻ってきてまたMAX仕事しているので。あと今度退職する○○ちゃん。彼女もお母さんが病気で、中国に帰っちゃうんだよね。一人っ子でお母さんも厳しい状況で。でも必ず戻っておいでって言って送り出しました。パパであるとかママであるということであれば、それを優先して時間をある程度区切って、仕事をしても全然構わない。いろいろな仕事の仕方があるということだね。中島も子育てしてるの?
中島:うちは奥さんがスーパーウーマンで全てを担っています。人によっては、朝絶対に子どもを送って、夕方迎えに行かなきゃいけないから、その時間抜けて、その後夜は自由になる時間あるからまた働きますとか。いろいろ調整しながらやってるというのは事例としてある。
南場:私は、ライフイベントや個々の事情に応じた柔軟な働き方を全力で後押ししたいと思います。自分の経験から、その経験を経て、自分も大きく変わったし、家族の重要性というのも初めて感じました。それまでは空気だったとは言わないですけど。そういうことを皆で全面的にサポートしてできるようなチームでありたいと。そういうことで、そろそろ時間なんで、あたしたちいなくなるよ。じゃあ。
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