2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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寺倉そめひこ氏(以下、寺倉):初めまして、そめひこと申します。本日はよろしくお願いします。
(会場拍手)
本日は、「人事未経験者が半年以内に中途内定者35名を獲得した方法」というテーマでお話させていただこうと思っています。
言ってしまえば、僕はまだ人事になって半年ぐらいしか経ってないんですね。今日名簿を見させていただいたんですけれども、もうみなさんすごいバリバリ活躍されている人ばかりだったので……。
このあとメルカリの石黒さんがおられますので、あくまでそれまでの前座だと思って、ちょっとハードル低めで見てもらえたらなと思います。
簡単に自己紹介をさせていただきます。執行役員兼人事部長のそめひこと申します。2013年3月頃に今のLIGにジョインしました。前職は藍染師、手染めの職人をやっておりまして、今でも布製の製品であれば何でも染められるというようなかたちです。
人前で話すのがとても苦手で、今も心臓がバクバクします。趣味はサウナで、今でも週2でずっと通い続けています。
人事の話をする前に、LIGにジョインしてから今までに何をやってきたのかといいますと、こちらにLIGブログという弊社のオウンドメディアを紹介しているのですが、LIGブログを知っている方はどれぐらいおられますか?
(参加者挙手)
ありがとうございます。弊社のコーポレートサイトをメディア化したものになるんですけれども、月間で800万PV、月に270万人くらいが訪れてくれているメディアになります。
2012年頃より本格稼働を始めまして、コンテンツ数がだいたい3000本ぐらい。LIGにジョインしている社員が月1本記事を書くことで、このメディアを運営しています。
ジョインしてからだいたい1ヵ月半ぐらいで、LIGブログを中心としたメディア事業の責任者になりました。なので、広告や編集をいかにマネタイズしていくのか、数値管理をしたり、採用をずっとやっていました。
現在は名前が変わって、経営企画室となっているんですけれども、2015年4月よりLIG全社の人事部を立ち上げて、そこの責任者になっております。先ほども言いましたが、まだ人事経験としてはだいたい半年ぐらいというふうにとらえてもらえたらうれしいです。
人事になったタイミング、役員で経営会議をしているときにこんな話があがりました。2015年5月頃ですね。
こちらの写真が、弊社代表取締役社長の岩上貴洋で、その他にも役員が3名いて、全員笑顔が素敵なんですけれども、ぽろっと、「事業を拡大していこう」と。「4ヵ月ぐらいで30人ほどクリエイターを採用しないといけないね」みたいな話が出てきまして。
いつも素敵な笑顔だなと思うんですけれども、このときばかりは悪魔の微笑み、「こいつらバカだ、何言ってるんだろう」と思ってました。
2015年5月から僕の戦いが始まりました。当時、全社的な採用数は1ヵ月で1〜3名ぐらいでした。でも、求められているものは1ヵ月で10名弱です。その差が7〜9名ぐらいで、「このままだと絶対に勝てないな」と。「求められているものが達成しないな」と思いました。
そもそも、Webであったり、人であったりに話を聞いていくと、情報が散漫としていると。媒体はA社がいいのか、B社がいいのか。あと、当時リファーラルリクルーティングという言葉を聞いたんですけれども、「それって何?」とか。
エージェントに見積もりを取るとかなり高い、何が正しいのかマジでわからないと。「採用ってどうやったらいいのか」というのが本当にわからない状態からのスタートでした。
一緒に採用しているメンバーは、私、新米人事の寺倉そめひこと、管理課で経理などを行っている佐々木の2人です。2人とも採用に関しては素人でした。
「4ヵ月で30人ぐらいほしい」と決まったんですけれども、マジでわかんないと。どうしようかと思ってたんですけれども、まあ何とかやってやろうと。0からスタートして何とか4ヵ月で30人ぐらい採用してやろうと思ってました。
ただし、お金があんまりかけられないというのが正直なところでして、エージェントは一切使わないという方針にしました。なので、実費採用単価は1人あたり10万円ぐらいですね。人的リソースは含めずというかたちです。月だいたい100万円縛りで、何とかリクルーティングを展開していこうと思っていました。
腹を決めて、その後何をやったのかということで、今日ここから3つのお話をしたいなと思います。
1つ目が、「一気に全部やった」
2つ目が、「その中で大きな気づきが3つあった」
最後が、「走りながら改善し続けた」
……こんなお話をしたいと思います。
では最初に、一気に全部やった。「質でウジウジ迷わず、圧倒的量で攻めたテク」。こんなことをやってました。
採用に関して、どの媒体を使ったらいいのか、どれが正しい最適なアプローチなのかということが本当にわからなかったので、もう全部やってやろうというかたちでやりました。さまざまな媒体があると思うんですけれども、もう掲載できそうなところは全部やりました。
次にアプローチ別、どういう方法で獲得するのかというところに関しては、求人掲載、ダイレクトリクルーティング。その他媒体ごとに機能があると思いますので、そういうことも全部やりました。
その他でいうと、リファーラルリクルーティングであったり、イベントを開催したりと、本当にできる手段は全部やると決めてずっと展開してきました。
簡単にまとめたのが(スライドの)上なんですけれども。A社さんでいうと、30求人以上を一気に掲載したというかたちです。同じ職種であっても、角度や切り口を変えて掲載しまくったと。
スカウトは打ちまくりですね。その他の機能でいうと、ブックマーク機能であったり、企業アカウントではなく個人アカウントで、これはちょっといいのかどうかわからないんですけれども、直接メッセージを登録している人に送れたので、そういう直接メッセージとか、そんなこともいろいろやってました。
(スライドの)上から4つ目のPoole。弊社の媒体でやっていたことが、求人掲載を追加し続けて、スカウトを打ち続けて、その次に、「登録3時間以内24時間打ちまくり」ということを書いてます。ちょっと文字が見えにくいんですが。
これはどういうことことかというと、弊社のPooleは、会員登録順にソートできる機能があって、登録してくれた順にスカウトを打つことができたんですね。それを登録してすぐの人にアプローチかけてみたらどうなるのかということを1回試しました。
そしたらすぐに返信が返ってきて、「登録してすぐに連絡がきたんで(面接に)即刻来ちゃいました」みたいな感じになって、その方の内定が出たという事実があったので、「これはやるしかないと」と。
1人三勤交代制をとって24時間起き続けて、3時間経ったらPooleの会員登録で新着順にソートして、いい人はスカウトを送るということをずっと繰り返していました。それくらい、本当にできることは何でもやっていったというかたちです。
最後に紹介したいのが、リクルートキャリアの西村創一朗君という方がいて、その方とすごく仲が良いので、リファーラルリクルーティングを社内でキャンペーン化して展開しました。
ラブレター採用というコンテンツをつくって、面接をせずに、「LIGへの愛をラブレターにして送ってください」みたいな特殊な採用方法を行いました。これは27通エントリーがあって、1人内定が出たと。今ジョインして元気にやっております。
あとは、チームラボさん、IMJと合同に採用イベントを行ったり、特殊なものからリファーラルリクルーティングのイベントまで何でもやったというようなかたちです。
結果はちょっとデータを載せているんですけれども、やっぱりA社さんのエントリー数が群を抜いて多かったというのが正直な結果です。
書類選考通過率でいうとPooleが多くて、リファーラルリクルーティングは弊社は書類選考をしなかったので100パーセントみたいな数字が出たかなと思います。
エントリーをもらおうと思ったら、やっぱりA社さんがすごかったなという印象がありました。こんな感じで、さまざまな展開をしていったということがわかります。
一気に全部やって、次にその中で大きな気づきが3つありました。副題として、量をこなすと同時にすごいデータを取りました。
それこそエントリー数であったり、媒体別であったり、月別であったり、本当にさまざまなデータを取りました。その中でわかったことが3つあります。順を追ってご説明したいと思います。
まず1つ目が、「求職者の転職モチベーションを把握しないと採用できない」ということに気づきました。
これはどういうことかというと、A社で半年間で採用できた人が内定数11名いたんですね。Pooleに関しては5名です。求人掲載からの内定はA社が11名、Pooleは0でした。ただしDR、ダイレクトリクルーティングでの内定率が実はA社さん0人だったんですね。
それに比べて、Pooleは5名いたというようなかたちです。正直「この違いって何なんだろうな?」と思いました。
ちょっとまた別の話になるんですけれども。弊社に2年半前ぐらいにいた社員で、今上場企業のマネージャーをやっているんですけれども、その人からFacebookメッセージが飛んできて、「うちの社員、部下にスカウトを送るのやめてくれないかな?」みたいなメッセージが飛んできました。
即効でメッセージを返して、「申し訳ございません!」って言いました。「仁義ちゃんと切れてませんでした!」と。
ただし、謝りつつもちょっと「?」が浮かんだんですね。それは何かというと、「そもそもスカウトを送れる人は転職したいと思ってる人だからいいのではないか」「何で怒られたんだろう」というようなことを思いました。
もう1つが、「上司に転職サイトに登録している事実って普通ばらすものなの?」と思ったんですね。そう考えたときに、「なるほど」と。
さっきの事例は、A社さん経緯でスカウトを送った人がたまたま引っ掛かったんですけれども、A社は転職しようと思ってない人もSNS感覚で登録してたりします。なので、転職したいというモチベーション自体は低いのではないかと。
逆にPooleであったり、B社であったり、ほとんどの転職サイトは転職に興味がある人しか登録していない。つまり転職したいというモチベーションは高いのではないかと、ざっくりとした仮説をたてました。
考えたら、そういえば両媒体とも同じ面接をしていたなと。転職したいと思ってる人に対しても、転職しようかどうか迷っている、する気もあんまりないけど1回話を聞いてみようかなと思っている人でも、まったく同じことをやっていたらそれは採用できないという、大きな気づきがあったというかたちです。
A社さんはエントリーするタイミングで、今その企業に興味があるかどうかの感情幅を選べるんですね。
「すぐに働きたい」とエントリーしてくれる人は、そもそもモチベーションすごい高いと。こういう人に対しては、モチベーションが高いのであれば、通常の面接を行う。
逆に、「興味少しだけあります」みたいな方はモチベーションが低いということをとらえて、ジャッジを行いつつも、「うちってすごいいい会社なんですよ」と。魅力を伝えるところを主軸に(面接を)やっていく。
求職者の転職したいというモチベーションに応じて対応していくことで、内定率は上がっていくんだなということが、走りながら気づいた1つ目のことです。
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